かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

尻手すきっぷ保育園

対象事業所名 尻手すきっぷ保育園
経営主体(法人等) 株式会社俊英館
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 230 - 0001
鶴見区矢向4-26-13
tel:045-718-5127
設立年月日 2017(平成29)年04月01日
公表年月 2019(平成31)年02月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 特定非営利活動法人 市民セクターよこはま
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の概要】
 尻手すきっぷ保育園は、JR南武線尻手駅から2分ほど歩いた住宅や商店、マンションなどが混在する地域にあります。園は、横浜市鶴見区と川崎市幸区の市境にあり、横浜市と川崎市双方から子どもを受け入れています。駅に近い街中にありますが、周辺には自然豊かな公園や緑道があり、子どもたちの散歩コースとなっています。
 尻手すきっぷ保育園は、2017年(平成29年)4月に、株式会社俊英館によって開設されました。運営法人は、横浜市内で他に2園保育園を運営するほか、首都圏を中心に保育園や学習塾を幅広く運営しています。
 鉄骨造2階建ての園舎は、窓が大きくて日当たりがよく、明るいです。砂場がある園庭があり、夏には子どもたちがプール遊びを楽しんでいます。片隅では、子どもたちが野菜や花を育てています。
 定員は59名(0歳児〜5歳児、横浜市39名、川崎市20名)、開園時間は平日(月曜日〜金曜日)は7時〜20時、土曜日は7時〜18時です。
 保育理念として「地域と手を取り合い、子ども一人ひとりを暖かな眼差しで見守り育てていける保育環境をつくる」、保育方針として「一人ひとりの育つ力に“働きかけ”、“信じる”“待つ”ことで花開かせる保育」を掲げています。それに基づき、園の保育目標を「『心』自分もまわりの人も大切にできる心を育てる」「『力』自分で考え自信を持って行動できる力を育てる」「『夢』自分らしさを表現できる夢を育てる」としています。


◆高く評価できる点
1、保育士に一人ひとりをやさしく受け止めてもらい、子どもたちは落ち着いて園生活を過ごしています
 保育士は、子ども一人ひとりを大切に保育にあたっています。全園児に個別支援計画を作成し、年齢だけではなく一人ひとりの今ある姿に合わせた目標を設定しています。子どものやりたいという気持ちを大切に見守り、個々の子どもに合わせた声掛けをしたり、手助けしたりし、子どもが自分らしさを発揮できるように働きかけています。
 保育士は、落ち着いた環境の中で、スキンシップをたくさん取り、子どもとの愛着関係を築いています。子どもと目を合わせて優しく問いかけ、子どもの思いを引き出しています。保育士にたくさん抱っこしてもらい、話しかけてもらっているので、子どもたちは、素直に保育士に甘え、自分の思いを言葉や表情で素直に表現しています。
 3・4・5歳児は異年齢のクラス編成となっていて、異年齢で生活しています。一緒に過ごす中で、お互いの違いを認め、お互いを思いやる気持ちが育っています。観察時にも、年下の子どものけんかを5歳児が仲介したり、誰かが失敗すると周りの皆が素早くフォローしたりする姿を見ることができました。
 晴れていれば毎日、近隣の散歩に出かけていて、子どもの状況や散歩の目的に合わせて距離や行き先を変えています。毎日の積み重ねの結果、乳児でもたくさん歩くことができます。散歩先の公園では、子どもたちは友達とルールを作って鬼ごっこをしたり、落ち葉でままごとやシャワーごっこなど季節ならではの遊びをしたりと、自ら遊びを見つけ楽しんでいます。
 保育士に自分の全てをやさしく受け止めてもらい、子どもたちは自分らしく、のびのびと園生活を過ごしています。


2、園長のリーダーシップのもと、保育士は方向性を統一し、連携して保育にあたっています
 開園からの日々を、職員は同じ方向性を持って保育を展開できるように話し合いを重ねてきました。様々な経験や経歴の職員が集まり、それぞれの保育観を一つにまとめるのが難しい時もありましたが、保育の中での様々な具体例を取り上げて検討を重ねて、目差す方向性をまとめてきました。
 保育理念や方針、園目標を玄関や事務室に掲示するとともに、園長が4月の園内研修で職員に説明し、話し合っています。年度初めの懇談会の前には、保育士がクラスの方針をどのように保護者に伝えるかの計画を立て、園長がクラス運営の方向性が園の方針に沿っているかをチェックし、アドバイスしています。職員会議や週会議では、具体的な事例検討をし、子どもへの声かけや働きかけが理念に沿っているかを話し合っています。クラス担任間などで思いの相違があるときには、随時必要な職員間での話し合いを設定し、方向性を統一しています。職員会議の前にあらかじめ課題に沿った意見を出してもらうなど、職員が意見を出しやすい工夫をし、職員の気づきや意見が生かされるようにしています。
 また、研修も盛んで、毎月の園内研修のほか、職員は、運営法人の研修や、横浜市と川崎市などの外部研修に積極的に参加し、研鑽を積んでいます。職員は、研修で得たものを、環境構成や製作、手遊びに生かしています。
 このような、様々な取り組みを通して、保育士は方向性を統一し、連携して保育にあたっています。


3、子どもの様子を保護者と共有し、連携しています
 入園説明会やクラス懇談会で、保護者に園の保育方針について説明しています。毎月発行している園だよりやクラスだよりでは、日常の保育活動を通して具体的な園の保育方針を示しています。年2回のクラス懇談会は、1回目では今年度の保育のねらいを、2回目では子どもの成長の様子を保護者に伝えています。
 送迎時には、園長や保育士は、その日の子どもの様子をエピソードと一緒に伝えながら保護者と会話をし、保護者の意見や悩みを聞き、質問に答えています。連絡帳は、乳児だけでなく3歳児以上も自由記述のノートを用意し、保護者が意見を出しやすいようにしています。
 このように、保護者との毎日のコミュニケーションの積み重ねの中で、保護者との信頼関係を築いていることは、今回の保護者アンケートの高い満足度でも読み取れます。


◆さらなる取り組みが期待される点
1、ボランティアの受け入れなど、今後も地域との関係作りを進めていくことが期待されます
 開園から2年、園は地域との関係作りに取り組んできました。
 子どもたちは毎日、散歩に出かけ、近隣住民と交流しています。勤労感謝の日には、一年間の感謝を込めて園児が製作物のお土産を手にお礼に行くなど、地域との交流が少しずつ深まっています。ただし、中学生や高校生の体験学習や地域のボランティアの受け入れなどは今後の課題となっています。
 地域にたくさん保育園が新設されている中、地域に園を開いていくことは、子どもの視野を広げるだけでなく、運営上の視点からも大切です。今後も、地域との関係作りを進めていき、地域の福祉施設として地域に根付いていくことが期待されます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

・保育理念は「地域と手を取り合い、子ども一人ひとりを暖かな眼差しで見守り育てていける保育環境をつくる」、園の保育目標は「『心』自分もまわりの人も大切にできる心を育てる」「『力』自分で考え自信を持って行動できる力を育てる」「『夢』自分らしさを表現できる夢を育てる」です。保育理念、基本方針、園目標を玄関、事務室に掲示するとともに、4月の園内研修で園長が職員に周知しています。また、毎月の職員会議でも具体的な事例を取り上げて方向性を確認しています。
・子どもへの接し方については、職員会議で事例検討の機会を持ち具体的な話し合いを行っています。職員に配付している「入職時オリエンテーション」には児童憲章を記載し、子どもの人格尊重について職員に周知しています。
・個人情報の取り扱い及び守秘義務については、運営法人で定めた規定があり全職員に周知しています。実習生を受け入れる際には、これらの規定に関する説明を行い「実習誓約書」を提出してもらっています。保護者には入園時に配付する「入園案内兼重要事項説明書」に個人情報の取り扱いに関して明記し、説明しています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 ・全体的な計画は子どもの最善の利益を第一義にしています。全体的な計画には、園の基本方針に基づき、地域性や周囲の環境、保護者の状況などを考慮した「重点的に取り組む7つの保育の柱」が設定されています。毎月の職員会議では、具体的な事例が全体的な計画に沿っているか検討し、意識して保育にあたっています。
・保育室内には、ままごと遊び・絵本・お絵かきや折り紙・ブロック遊びなど、それぞれの遊びのコーナーを設定し、子どもが落ち着いて遊びに向かえる環境作りをしています。遊びの持続性についても配慮し、子どもが作ったものを置いておく場所を作り、続けて取り組みが出来るようにしています。
・自由遊び時間の子どもたちは、数人でままごと遊びやブロック遊びを楽しんだり、一人で絵本を読んだり、本を見ながら折り紙に挑戦したりするなど、それぞれに自分の好きな遊びに集中しています。また一斉活動においては、友達と一緒に遊んだり競い合ったりする楽しさを得ると同時に、約束や順番等のルールを守る大切さも学んでいます。
・子どもたちの健康作りのために屋外遊びを積極的に取り入れています。午前中に限らず、午後の午睡あけにも散歩や園庭遊びをするなどしています。
・給食は外部の専門業者に委託し、園の調理室で手作りの食事やおやつを提供しています。旬の食材を取り入れた献立や、ひな祭り・子どもの日・お月見等の季節感のある行事食等の他、子どもの誕生日には、同じ献立で1人だけ別の盛り付けをして特別感をもたせています。
・保護者とは日々の送迎時や、保護者参加の行事開催時に親しく交流しています。また、園の運営委員会は園長・事務局・看護師・第三者委員2名と各クラスからの保護者で構成されており、年に2回開催される会議では活発な意見交換が行われています。
3 サービスマネジメントシステムの確立 ・全体的な計画に基づき、年齢ごとに年間指導計画、月間指導計画、週案を作成しています。また、全園児、個別の月間指導計画を作成しています。クラス会議で子どもの姿について話し合い、一人ひとりのねらいと配慮することを決めています。個別月間指導計画を毎月保護者に見てもらってコメントをもらっています。
・特に配慮を要する子どもを積極的に受け入れています。横浜市東部地域療育センターの巡回指導を受けています。保護者の同意を得て、横浜市東部地域療育センター、川崎市南部地域療育センターと連携しています。また、保護者から通所先の情報を得ています。
・健康管理、衛生管理、安全管理などの各種マニュアルを整備し、職員に周知しています。マニュアルは定期的に見直しをしています。また、「入職時オリエンテーション」とする業務マニュアルを含む手引きは職員に配付しています。
・子どものケガについては、軽いものであっても保護者に報告し、事故報告書には行動要因・環境要因・保育士要因に分けた記録を残し再発防止の徹底をしています。また各クラスではヒヤリハットについても記録し、集計・分析を行っています。
4 地域との交流・連携 ・地域に向けた育児支援として、一時保育・交流保育・園庭開放を行っています。「からふるキッズ」(実験遊びの会)は在園の親子と地域の親子を対象とし、在園児の「英語活動」(月2回)は、地域の親子参加も受け入れています。また育児講座の一環として人形劇も開催しています。育児相談は毎月1回の園庭開放や、園見学に訪れる未就園児の保護者からの相談に応じています。
・毎日の散歩やクッキングの買い物等で、子どもたちが地域の人々と接する機会は多くあります。特に散歩に利用する近隣の緑道や公園では、管理をする地域住民と親しく交流を続けています。冬眠の亀が入っている公園の飼育箱には園児が作った「冬眠中」の看板がついています。
・ボランティア受け入れのためのマニュアルや、ボランティアに向けた注意事項などは作成していますが、ボランティアの受け入れは行っていない現況です。今後に向けては中・高生の職業体験を含め、積極的に受け入れる意思があります。
5 運営上の透明性の確保と継続性 ・就業規則の服務規律に職員が守るべき法や規範、倫理等を明文化し、全職員に周知しています。行政や報道で得た他施設での不正、不適切な事案を、職員会議などで取り上げそれらの行為を行わないように啓発しています。
・夏祭りのテーマを「リサイクル」とし、リサイクルや物を大切にする園の考え方を伝えています。ペットボトルゲーム(キャップ、紙、ペットボトルに分けるゲーム)や「もったいないゲーム」(廃材を使ったゲーム)、もったいないばあさん音頭など、子どもたちが楽しみながらリサイクルについて考える機会としました。
・園長は横浜市鶴見区と川崎市幸区の園長会、鶴見区と幸区の幼保小連携推進会議などに出席し、園運営に影響のある情報を収集・分析しています。
・運営法人の中長期計画があり、それに基づき、園としての単年度の事業計画を作成しています。運営法人は、次代の保育所運営に備えて新しいサービスプロセスの仕組みを常に検討していて、中長期計画にも位置づけられています。
6 職員の資質向上の促進

・研修担当は園長で、職員が個人研修計画に課題と目標、研修概要を記載し、それに基づいて園長が面談し、職員のニーズを踏まえた個人研修計画を作成しています。毎月、園内研修を実施していて、職員・非常勤職員とも必要な職員が出席しています。職員は、横浜市や川崎市、運営法人などの研修に参加しています。研修に参加した職員は研修報告書を作成し、回覧するとともに、職員会議や園内研修、クラス会議などで報告しています。
・全職員の自己評価を基に、項目ごとに話し合い、園としての自己評価を実施しています。自己評価は、園の理念や方針、全体的な計画に沿って行われています。園の自己評価は、誰でも見ることができるよう玄関に置いています。
・業績評定のための自己評価表に経験、能力や習熟度に応じた役割や期待水準が明記されています。係や役割を職員に割り当て、現場の職員に権限を委譲しています。職員組織図で責任の所在を明確化しています。
・職員会議の前に、課題に沿った考えを出してもらうなど、職員の意見を引き出す工夫をしています。また、年2回の園長面談で職員の満足度や要望を把握しています。

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