かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

アスク日吉東保育園(12回目受審)

対象事業所名 アスク日吉東保育園(12回目受審)
経営主体(法人等) 株式会社 日本保育サービス
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 223 - 0061
港北区日吉7-20-44
tel:045-566-2226
設立年月日 2006(平成18)年05月13日
公表年月 2019(平成31)年02月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 特定非営利活動法人 ナルク 神奈川第三者評価事業部
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の立地・特徴】
・立地・概要
 アスク日吉東保育園は、東急東横線、または横浜市営地下鉄グリーンラインの日吉駅より、徒歩約10分の住宅街の中にあります。駅近くには大学やその付属校のキャンパスが広がり、園の周辺には町工場が点在しています。子育て世代が多く住む地域で、2年後には新しい小学校の開校予定があり、工事が進行しています。園舎は築14年の鉄筋コンクリート造りの3階建てで、園庭と屋上庭園があり、玄関脇と近隣に3台分の駐車場を備えています。屋上庭園の目の前の高架を東海道新幹線が走っており、園児は時折通る黄色い検査用新幹線車両「ドクターイエロー」に出会えるのを楽しみにしています。
・特徴
 平成18年に前経営主体が開園し、平成20年に株式会社日本保育サービスが運営を引き継ぎました。設置法人共通の運営理念「安全&安心を第一に、いつまでも想い出に残る保育、利用者のニーズにあった保育サービスを提供すること」に加えて、前法人の理念「子どもには情熱をもってその心をよく観察し創意工夫をして優美に接しましょう」を園理念として残しています。また、5歳児対象の専門講師によるヴァイオリン教室も引き継がれ、年少児からの憧れの象徴となっています。現在、0歳児から5歳児まで、定員90名のところ、84名の園児が在席しています。男性保育士が職員の3割を占めています。


【特に優れていると思われる点】
1. 職員からの自発的な提案による研修テーマの設定と園内研修の継続
 指導計画が子どもの自主性、主体性を伸ばす内容になっているかという反省や、職員が決めた玩具を与えて一斉に遊ばせるような従来の保育への疑問から、職員の発案で、「子どもたちのつぶやき・興味を拾いあげ、活動に発展させる」ことをテーマに設定し、継続的な園内研修に取り組んでいます。各職員は、日常の保育の中で「虹を見つけた」などの子どもたちのつぶやきを数多く拾い集め、積極的なグループワークを通じて、活動の発展のさせ方や、子どもが主体的に活動できる環境について考えを深めています。外部研修での学びも取り入れ、研修の学びを保育の見直しに生かし、保育の反省から研修をする良い循環ができています。

 
2.子どもの意思や気持ちを汲み取り、自主性、主体性を伸ばす職員の姿勢
 0歳児について、園長は職員に言葉ではまだ何も言わない赤ちゃんであっても、一人の人間として尊重して対応するよう指導しており、散歩や食事、生活、遊びの場面で、職員が子どもに対して積極的に多くの言葉かけをし、喃語に対しても、子どもの意思や気持ちを汲み取りながら、応答している姿が見られました。1、2歳児では、自分でできるところ、やろうとしているところは、時間がかかっても、励ましや助言の声かけをしながらそばで見守り、自分でしようとする気持ちを大切にしています。幼児では、子どもの意見・意思を指導計画に取り入れ、子どもの興味や活動が広がっていくよう、子どもの姿を見ながら、柔軟に変更もしています。懐中電灯の絵本への興味から、紙コップを使ったライト作り、ライトを持って部屋の探検ごっこ、ライトで照らした影から影絵遊び、公園での影踏み遊びへとつながった計画に 、新聞をびりびり破く遊びから、お面、ドレス、帽子作り、魔女への変身に、「へんしんとびばこ」の絵本から運動会での発表にまで発展した計画など、様々な事例があります。


3.昼礼の実施による引継ぎの徹底と保護者への伝達の充実
 職員は、子どもの送迎時には、保護者にその日の子どもの様子を伝えるように努めています。日々の職員間の情報交換・引継ぎを徹底し、保護者への伝達内容を充実させるため、今年度より、14時過ぎから約30分間、園長、主任、看護師のほか、各階から1名ずつ職員が時間を工面して事務室に集まり、原則として毎日、昼礼を実施することとしました。昼礼の中で、クラスや子どもの様子を周知し、書面だけでは伝わりづらい、活動の具体的なイメージが共有できるようになったことで、保護者により詳しく、その日の子どもの様子を伝えられるようになりました。


【特に改善や工夫などを期待したい点】
1.単年度事業計画の策定を
 中長期的な事業の方向性を定めた園の計画として、「1.地域交流、2.保育環境、3.食育」を掲げた、平成29〜31年度までの中期計画が作成されています。中期計画の中に、単年度に関する記述が見られるものの、中期計画からつながる具体的な目標や行動計画を定めた単年度計画は作成されていません。中期計画の内容から単年度(1年間)の実行内容を具体的に策定し、項目ごとに担当者を決め、進捗状況を確認しながら、継続的に取り組んでいくことが期待されます。


2.不具合な箇所の早期修繕と、物品の整理整頓を
 開園後12年が経過し、修繕を要する箇所が増えてきています。床やパーテーションなどに不具合な箇所があり、過去にケガが発生したり、今後、危険が予想される場所に赤いテープを貼って立ち入り禁止とし、子どもに注意を促していますが、修理までには時間がかかるため、落ち着かない雰囲気にもつながっています。設置法人の協力を得て、早急に修繕することが望まれます。また、背の高い棚には転倒防止器具が取り付けられていますが、玩具などの物品が置かれ、落下が懸念されます。災害時の安全の確保に加え、保育室の環境整備の一環として、掲示物なども含め、園全体の整理整頓について見直すことが期待されます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

・設置法人の共通理念として掲げている「安全&安心を第一に、いつまでも想い出に残る保育、利用者のニーズにあった保育サービスを提供」することに加えて、前経営主体であった法人理念「子どもには情熱をもってその心をよく観察し創意工夫をして優美に接しましょう」も園理念として残しています。いずれも、利用者本人を尊重したものとなっています。


・個人情報保護マニュアルが整備されているほか、保育園業務マニュアルの中に、個人情報についての規定が定められています。年度初めの職員会議で、その内容を確認しています。


・虐待対応マニュアルが整備されており、入社時の研修および、園内研修、職員会議で周知しています。午睡前の着替えの際などに、一人一人の身体に異常がないか観察したり、家庭の状況の変化に注意し、虐待の早期発見に努め、疑わしい場合には、担任から看護師、園長に報告し、身体の状態や言動の記録を残し、園長から設置法人および関係機関に通報しています。


・遊び、行事の役割、持ち物、服装などで性別による区別をしないように努めています。行事の役割は、子どもたちの意思を尊重して、話し合いのうえで決めています。職員会議で、性差による固定観念で保育をしていないか、考える場を設けています。年2回実施のチェックリストによる確認の際に、一人一人を個人として尊重しているか、振り返りをしています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

・全体的な計画は、保育理念、保育方針、園目標の下に、健康支援、食育の推進、地域交流や異年齢保育など、12の分野についての計画が立てられています。さらに、育みたい資質・能力を踏まえ、子どもの保育目標を年齢別に定め、養護と教育が一体となって展開されることに留意しながら、領域別、年齢別の計画が立てられており、子どもの最善の利益を第一義にしています。


・職員は、子どもたちからの意見を取り入れ、興味を示している遊びの様子を把握し、集団活動につなげられるよう配慮しています。また、子どもたちが興味・関心を持ち、自発的に遊べるような環境作りを行い、一人一人に目を向けながら見守るようにしています。


・子どもの年齢や発達状況にあわせて、おもちゃや絵本を自分で取り出して遊べるようになっています。年齢に見合った音楽を用意し、自由にリズム表現を楽しめるよう配慮しています。自由遊び、散歩、公園遊び、給食など、いろいろな場面で子どもたちが自由に歌っている姿がみられます。


・「豊かな人間性を育もう、楽しく食べよう、五感を使って味わおう」を、給食提供のコンセプトとしています。面談で子どもの家での食事の様子を確認するとともに、園での様子を見ながら、好き嫌いや食べる量などの個人差を把握しています。初めて食べる食材をあまり食べようとしない子どもには、無理をせず、食べられる物だけ食べましょう、と声をかけています。


・毎月、園長、主任、栄養士、看護師、クラスリーダーにより、給食会議を行い、子どもの好き嫌いを情報共有し、盛り付けや刻み加減などの調理方法を検討しています。


・眠れない子ども、眠くない子どもも、静かに体を休めるようにしています。乳幼児突然死症候群に対する対策として、タイマーを利用し、0歳児は5分ごとに、1、2歳児は10分ごとに、職員が一人一人の身体に触れて、呼吸と体位をチェックし、記録に残しています。子どもはあおむけに寝かせ、うつ伏せ寝の姿勢を直した時にはその旨も明記しています。各年齢にふさわしい午睡時間を設定しており、5歳児は就学を見据えて、年末年始くらいから、午睡時間に睡眠をとらずに、座ってできる静かな活動をして過ごすようにしています。


・トイレットトレーニングは、家庭での様子を保護者から聞き取りながら、一人一人の発達状況に合わせて個別に対応しています。一人一人の様子を見ながら、必要に応じ、排せつリズムチェック表を活用して、排せつのリズムを把握し、その子どものタイミングを見てトイレに誘っています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

・慣れ保育については、見学の時から説明をして、その大切さを早いうちから理解してもらっています。入園前説明会では「慣れ保育のご協力のお願い」を、4月の入園説明会では、看護師からSIDS(乳幼児突然死症候群)防止のためにも、余裕を持った慣れ保育が望ましいことを説明しています。


・設置法人グループ全体として、インクルーシブな保育(障がいのある者と障がいのない者が共に育つ保育)を目指しており、特に配慮を要する子どもを積極的に受け入れる姿勢があります。毎月の職員会議の中で、ケース会議を実施しており、特に配慮を要する子どもについて担任が取組状況を報告し、話し合い、ケース会議録を残しています。


・アレルギー対応マニュアルが整備されており、入職時の研修および年度初めの職員会議などを通じて全職員に周知しています。他園での誤食事故などのトラブル事例も速やかに共有しています。園の新入職員やアルバイト職員には、看護師がレクチャーを行っており、未受講の職員にはアレルギー児対応をさせないよう徹底しています。


・「感染症・食中毒対応マニュアル」があり、登園禁止基準や保育中に感染症などの疑いが生じた場合の対応が明記されています。保育中に感染症が疑われた場合は、マニュアルにしたがって速やかに保護者へ連絡するとともに、設置法人に報告し、他の子どもに感染しないよう事務所内にて保育し、集団感染を防ぐようにしています。


・「事故防止対応マニュアル」があり、「危機管理意識、予知、未然防止への対応」「事故防止について」など項目ごとに記載され、職員会議などで全職員に周知しています。緊急時の連絡体制を事務所内に掲示し、保護者には災害伝言板や災害伝言ダイヤルの利用方法を書面にて周知を図るとともに、災害伝言ダイヤルを体験してもらうことで保護者が実際の緊急時に使用できるようにしています。消防訓練実施計画にもとづき、避難訓練、通報訓練、消火訓練などさまざまな状況下での訓練を毎月1〜2回実施しています。

4 地域との交流・連携

・地域の子育て中の家庭に、園行事や育児講座の開催を、園見学の際やポスターでお知らせし、来園した保護者などへのアンケートで園に対する要望を把握しています。また園見学で来園した方や絵本の貸し出しで来園した地域の保護者などからの相談を受ける中でも、地域の子育て支援ニーズを把握しています。


・育児相談は、毎週火曜日に設定していますが、常時受け付けており要望があれば事前の予約により火曜日以外でも対応しています。身体測定も常時受け付けており、絵本図書館や園の見学で来園した際にも随時育児相談に応じています。


・横浜市北部児童相談所、港北区福祉保健センター、日吉宮前町内会、設置法人の発達支援担当などと日常的な連携を図っています。町内会とは、子どもの見守り支援を通じて連携を図っています。


・夏祭り、運動会、生活発表会などの園行事に地域の保護者や子どもを招待しています。小学校との交流事業として近隣の矢上小学校と年長児の就学に向けて交流しています。また日吉台西中学校から職場体験を毎年受け入れています。また園の運動会には小学校の校庭を借りています。横浜市港北区幼保小連携事業に参加し、連携を図っています。


・「ボランティア受け入れガイドライン」が整備されており、職員に周知しています。受け入れにあたっては、事前に職員会議で説明し、話し合い、保護者には園だよりでお知らせしています。地域の音楽教室の講師による音楽鑑賞会、港北昔ばなし紙芝居会「たまてばこ」による紙芝居など行っています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

・保育園業務マニュアルには、法令順守、勤務の心得、個人情報の取り扱い、コンプライアンス委員会などが明記され、就業規則にも服務順守事項、機密事項などについて明記されています。それらは設置法人の入社時研修で職員に周知するとともに、年度初めの職員会議でも個人情報の取り扱いなど、定期的に周知しています。また、設置法人にはコンプライアンス委員会があり、不正や不適切な行為などを直接通報できる仕組みがあることを職員に周知しています。


・職員は、理念・基本方針を入社時の研修で学び、園目標とともに年度初めの職員会議で再確認しています。理念・方針を職員が理解できているか、定期的に園長が職員会議で確認し、職員との面談時においても確認するよう努めています。


・保護者会組織があり、園長と保護者会役員とは常に連絡を取り、重要な意思決定については説明を行い、意見交換を行っています。園の重要な意思決定をする場合(変更含む)は、保護者会で説明するとともに、クラス懇談会でも意見交換を行っています。


・中長期的な事業の方向性を定めた園の計画として、平成29〜31年度までの中期計画が作成され「1.地域交流、2.保育環境、3.食育」を掲げ、作成しています。

6 職員の資質向上の促進

・このように育っていってほしい(期待する職員像など)という指針を示した「保育士人材育成ビジョン」が作成されています。人材育成ビジョンは、「安全」「保育力」「保護者対応」「社会性・協調性」の4つのジャンルに分かれており、それぞれの項目について、各年次や役職(1年目、2年目、主任など)における目標とする姿に近づくための方法が書かれています。


・経験年数に応じた階層別研修や常勤職員・非常勤職員ともに参加することが可能な自由選択研修があり、設置法人が体系的な研修計画を作成しています。職員は、年度初めに個人別研修計画を作成し、上期、下期で反省・振り返りを行い、園長からのコメントなどで次期の課題を明確にしています。


・職員は、年度初めに振り返りのための個別のチェック表を用い自己評価を行っています。それにもとづき、園長との面談で今年度の課題を振り返り、次年度につなげています。


・職員の意向・意見は、職員会議や主任への個別相談、個人面談などで園長やエリアマネージャーが把握できるようになっています。また今年度の取り組みとして、職員からの意見など聴取するため、年度初めに職員アンケートを行いました。それらは園長とエリアマネージャー、場合によっては系列園の園長チームで話し合い、改善策を検討・実施しています。

詳細評価(PDF706KB)へリンク