かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

エクレスすみれ保育園

対象事業所名 エクレスすみれ保育園
経営主体(法人等) 学校法人 岩谷学園
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 224 - 0063
都筑区長坂7-15
tel:045-941-8600
設立年月日 2016(平成28)年04月01日
公表年月 2019(令和元)年02月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 株式会社 R−CORPORATION
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【エクレスすみれ保育園の立地・概要】
●エクレスすみれ保育園は、横浜市営地下鉄センター南駅より南に進み、途中茅ケ崎交差点を過ぎ、徒歩10分程度、大原みねみち公園に隣接し、緑豊かな場所に位置しています。エクレスすみれ保育園が所在する都筑区は、自然の地形や港北ニュータウン開発前の雑木林を生かした美しい公園が数多くあり、緑道でもつながっており、樹木や草花、野鳥、せせらぎ等、心和む風景が数多く残る地域です。園の周辺には茅ケ崎公園や、自然生態園、ささぶねのみち、そして、隣接する大原みねみち公園は茅ケ崎公園から葛が谷公園に緑道でつながり、カルガモの親子や、鯉や亀等が目を楽しませ、樹木の繁りは緑樹のトンネルを醸し、四季折々の自然が味わえる環境に恵まれ、子ども達の散歩道になっています。また、近辺には学校法人岩谷学園(以下、法人という)が経営する1号認定(幼稚園)と、2号・3号(保育園)を保有した幼保連携型認定こども園エクレス、そしてプレ保育のエクレスフィアがあります。
●エクレスすみれ保育園は、学校法人岩谷学園(以下、法人という)の経営であり、平成10年4月に岩谷学園附属エクレス幼稚園を開園し、平成17年4月に認可保育園「ペアレントサポートセンターエクレス子供の家」を開所し、同年7月に認可外保育施設「プライベートルームエクレスフィア」を開所しています。そして、平成24年4月に「幼保連携型認定こども園」の認可を受け、平成28年3月に開設された「エクレスすみれ保育室」は、平成28年4月に認可保育園「エクレスすみれ保育園」として新設されました。定員は、0歳児(6名)、1歳児(12名)、2歳児(20名)の乳児38名の保育を実施し、現在は、1歳児のみ4名増員の16名であり、42名が在園していますが、来年度より1歳児は定員16名となる予定であり、ニーズに対応して運営を行っています。園舎は鉄骨造りの2階建てで、床延べ面積596.92u(育児保育室3室)と調理室、トイレ(沐浴室)、事務室を設け、園庭面積は50.08uあります。職員構成は、正規職員12名・非常勤1名・パート職員17人の体制でアットホームな雰囲気の下、全職員が子ども一人一人を把握して園全体で見守り、子どもたちは健やかに成長しています。3歳児以降は、同法人の幼保連携型認定こども園エクレスとの連携により幼稚園には優先入園が行われ、保育園は市の指定に基づいて入園できる体制が整備されています。


【エクレスすみれ保育園の方針】
●エクレスすみれ保育園では、子ども一人一人の「個」を大切にした保育を実践し、子ども達がこれから人生を生きていく上で必要な土台となる能力を獲得できる環境作りに努めています。法人の保育理念は、「建学の精神と学園教育方針(楽しい教育)、認定こども園での教育・教育方針に基づき、子どもの発達に必要な保育・教育を提供する。」とし、目的に、「登園は子どもの健やかな成長が図られるよう環境を整備し、心身の発達を助長すると共に、保護者に対する子育ての支援を行う。」を示しています。エクレスすみれ保育園の保育方針は、法人理念に沿い、「やさしさ、たくましく、うつくしく、表現力豊かな子どもを育てる事を目的とする。」を掲げ、方針に基づき、必要な「こころ」・「ことば」・「あそび」・「表現」の“4つのつばさ”を保護者と共に育てるお手伝いをしていきます。」と謳っています。具体的には@「戸外活動を目いっぱい行う」、A「モンテッソーリ教育を取り入れた保育環境の実現」、B「定期的なリズム遊びの実施」、C体も心もたくさん触れ合える環境の「4つの推進」を挙げています。@では、恵まれた環境を十分に満喫し、Aについては、モンテッソーリ教育の実践に向けた自立、物的環境、人的環境の整備とし、Bは、リトミック、手遊び、体操、わらべ歌等を定期的に推進し、Cでは、子どもとのスキンシップを心がけて保育に当たります。これら方針が新指針の3つの視点とし、5領域の推進に寄与すると考え、全職員で共通理解を図り、日々目指して保育に当たっています。


≪優れている点≫

1.【「個」を大切にした保育の推進】
●エクレスすみれ保育園では、子ども一人一人の「個」を大切にし、個々の子育てに寄り添い、自らの価値観を信じて困難に立ち向かう逞しさを持てるよう、さらには自分や相手を大切にする心や、やさしさの中に強さを身に着けることに向けた「人づくり」の支援を目指しています。豊かな体験を通じて、感じたり、気付いたり、分かったり、できるようになったりする「知識や技能の基礎」を身に付け、これらを活用および工夫をして「思考力・判断力・表現力」等の基礎を養っています。また、心情、意欲、態度が育って行く中で、より良い生活を営もうとする「学びに向かう力・人間性」等、一人一人の「個」の成長を育むよう推進しています。


2.【モンテッソーリ教育を導入した保育環境の実現】
●エクレスすみれ保育園の保育理論として、「モンテッソーリ教育」を中心とした保育を展開しています。モンテッソーリ教育では子どもの興味や発達段階を正しく理解し、子どもが触ってみたい、やってみたいと思う環境を適切に用意し、「呈示」と「環境」を結び付けて自発的な活動を促す理論です。0歳〜3歳児の前期段階は無意識に「吸収する精神」の時期と呼び、人生の中で最も吸収力が強く、海綿のような吸収が可能な時期を大切に育んでいます。


≪さらなる期待される点≫

1.【さらなる保育の質の向上】                   
●エクレスすみれ保育園では、子ども一人一人の「個」を大切にした保育の実践、モンテッソーリ教育の展開、定期的なリトミック、リズム遊び等を実施しています。0歳〜2歳児の保育にあたり、自分の欲求を言葉で表現できない月齢・年代の子どもを限定した保育は、子どもが今何を欲しているのかを理解し、子どもの日々の成長を理解するスキルが必要です。施設長をはじめ、諸先輩保育士の指導、研修等はあるものの、日常保育、モンテッソーリ教育の展開、定期的なリトミック、リズム遊び等において、職員個々が理解をして行動するスキルが求められます。一般的な保育所以上のスキルアップに向けてさらなる努力を期待しています。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重 ●エクレスすみれ保育園の建学の精神は、教育を通して「努力心」、「誠実心」、「独立心」を養い、平和社会の建設に貢献する人間を育成することを使命としており、併せて法人の教育テーマである「楽しい教育」を目指し、6つの目標を定め、毎週一回、朝の打ち合わせで唱和を行っています。保護者に対しても、重要事項説明書に沿って園の設置目的、運営方針の説明を行っています。年1回、全職員(常勤、非常勤)で打ち合わせを開催して周知徹底を図っています。今年度の保育指針改定の中で、幼児教育の中でも特に、乳児教育について丁寧に示されており、全体的な計画の中でも年齢別の考え方をより色濃く組み込んでいます。
●個人情報の取り扱いや守秘義務については、法人のポリシーとして系列施設全体で徹底を図っています。個人情報の取り扱いについてのマニュアルを備え、定期的に園内研修でも個人情報の管理・扱いについて確認し、周知しています。ボランティア、実習生等にもオリエンテーションの際に個人情報取り扱いについて周知し、理解を促しています。保護者には、入園時に個人情報の守秘義務について説明を行い、個人情報の取り扱い(肖像権等)の確認を行い、同意書を得ています。職員会議議事録、資料、個人情報に係わる書類・記録は施錠できる場所に保管・管理しています。また、ホームページ上のブログは閲覧者を限定しています。
●性差に関する配慮では、遊びや、持ち物の区別、順番、グループ分けや整列も性別で区分けすることはしていません。子どもや保護者に対して、父親・母親の役割を固定的に捉えた話し方や表現をしないように心得、無意識の言動等があれば話し合い、共通認識を図る体制を整えています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 ●入園説明会、重要事項説明会時に受け入れに際して慣らし保育の必要性を説明し、短縮保育(慣らし保育)を実施しています。期間は基本的に1週間とし、実施2日間は11時まで、3日、4日目は12時まで、5日目は15時30分までとして段階的に子どもが慣れるよう配慮し、月曜日からスタートの場合は週明けから通常保育としていますが、育休で休みが長い家庭、直ぐ勤務に復帰したい保護者等の事情を考慮し、柔軟に都合に合わせるようにしています。新入園児に対しては、安心して過ごせるよう担任と他職員間で協力体制を構築して配慮し、食事はなるべく主担当保育士が担当するよう配慮しています。家庭との連絡は連絡ノートを活用して密に連携を図り、個々の生活リズム、保育の進め方の構成を工夫しています。子どもが心理的拠り所とする物の持ち込みについては、認めていますが、フィギュア等、他の子どもが欲しがるような玩具は玄関で預かるようにしています。在園児への配慮については、担任の内1名は持ち上がるように努めています。
●施設環境については、職員の係り分担を決め、環境・美化の計画に沿って園舎内の環境を整備し、園舎内、外回りの掃除を実施し、清潔に保っています。室内の温・湿度管理を行い、適宜、通風・換気に配慮しています。保育室は、大きな窓から陽光を全面的に取り込める構造になっており、日中は自然の明るさの中で生活し、光の調整や落ち着ける空間作りをしています。また、カーテン類はやさしいピンク色や柔らかい黄緑色をベースにして温もりを感じる生活環境作りが成されています。音や声に関しては、主任から言葉は少なめにするよう喚起しています。
●献立・調理は外部の調理会社に委託し、毎月の職員会議で調理方法、食材の切り方(大小・硬さ等)、形状、喫食状況について話し合い、連携を図りながら改善につなげています。調理会社の栄養士は、食事・おやつの様子を見廻り、食事の状況、残食量を記録し、献立に反映させ、食育にも一緒に取り組んでいます。給食会議で形状、硬さ、大きさ等を話し合い、給食の改善につなげています。
3 サービスマネジメントシステムの確立

●虐待については、施設長は「オレンジリボン」の話しの際に虐待の定義を取りあげて説明し、事例を挙げて全職員に説明しています。日々の視診により虐待が疑われるようなケガ、アザや衣服の汚れについて確認し、状況に応じて記録に残し、関係機関と連携を図り、事例があった場合は迅速に通告、相談できる体制を整えています。家庭支援の必要な保護者については、職員間で共有してサポートするようにし、虐待の予防に努めています。
●食物アレルギー疾患のある子どもの除去食を提供する場合は、生活管理指導表をかかりつけ医に記入してもらい、保護者、保育士、栄養士が連携を密にし、適切に対応を行っています。職員はアレルギー疾患対応に必要な知識や情報を共有し、マニュアルに沿って実践しています。食事では、専用トレイを用い、食札を使用し、除去食品を記載し、配膳は担任のみが行うようにして誤配膳、誤食事故を防止しています。
●保護者からの苦情などに関しては、苦情申し立てのチャート図を玄関に掲示し、苦情に対する対応姿勢と手続き方法を示しています。要望や意見等を聞く機会としては、意見箱を常時設置して気軽に意見が述べられるようにしています。また、運営委員会を開催して保護者代表(3名)に参加してもらい、園に対する意見を聞く機会にしています。意見を表明するのが困難な保護者に対しては、職員から声かけをする等、コミュニケーションを図るよう努めています。
●感染症等について、感染症対応マニュアルを備え、登園停止基準や保育中に感染症等の疑いが生じた場合の対応について、入園のしおり(重要事項説明書)に明示して保護者に説明しています。感染症が発生した場合は、園内での感染症蔓延に留意し、保護者に注意喚起を行い、職員に対しても必要な情報を周知しています。保育中に発症した場合は、速やかに保護者に連絡を行い、お迎えまで個別に対応しています。地域、最新の感染症情報は行政や地域等から入手し、職員間で共有化を図り、玄関に掲示して保護者にも知らせています。
●外部からの侵入に対して、マニュアルに沿って対応訓練を実施し、職員間で認識する合言葉を取り決め、避難体制の確認を行っています。玄関は常に施錠して安全に配慮し、インターホンで来訪者の確認を行っています。保護者にはICカードを使用してもらい、閉園時間はロックして使用不可とし、不審者侵入防止に努めています。不審者情報は、都筑区よりFAX配信にて情報を入手し、必要に応じて掲示をして保護者へ周知しています。

4 地域との交流・連携 ●エクレスすみれ保育園では、地域の子ども支援のプログラムとして、@施設開放を年12回開催し、1歳児の保育室に身体測定器具を設置して参加者の子どもの身体測定サービスを提供しています。A交流保育では、年3回、親子イベント(音あそび、わらべうたあそび等)を実施し、在園児と地域の方が一緒に遊べるプログラムを実施しています。B育児講座では、年3回、地域の一員として様々なワークショップを企画し、実施しています。今年は、絵本作家を招聘して近隣の子育て親子に参加を募り、また、法人系列校(岩谷学園アーティスティックB横浜美容専門学校)と連携の基、トータルビューティー科の学生に協力を仰ぎ、地域の12歳以下の保護者対象にネールケア・ハンドマッサージの施術を行う活動の機会を提供しています。
●都筑区のホームページ、広報よこはま都筑区版、園のホームページ、Twitter、Facebook等に掲載して情報提供しています。一時保育事業については園のホームページで積極的に情報提供を行い、非定型的保育、緊急保育、リフレッシュ保育の預かりを実施し、子育て相談にも応じる旨を発信しています。また随時、窓口、電話での子育て相談を受け付け、いつでも対応ができるよう体制を整えています。一時保育の利用者や園見学者、施設開放時にも園の情報を提供し、広報よこはま都筑区版の「保育施設・サービスの紹介」に掲載する等、情報を提供しています。
●地域への園の理解促進のための取り組みとして、園の運動会、講演会等の際は地域にポスティングをして参加を募り、園の理解につなげています。年間を通じて、自治会、町内会、都筑多文化・青少年交流プラザ(つづきMYプラザ)、地域のボランティアグループ等と交流を図っています。散歩先では、近所の方に会ったら必ず挨拶を交わし、地域の夕涼み会では園の備品を貸し出して交流を図っています。
5 運営上の透明性の確保と継続性 ●エクレスすみれ保育園では、業務、情報の共有化に「サイボウズのグループウェア」を導入し、予定管理、ファイル管理、必要な情報を共通認識し、認証プロセスによりセキュリティを強化しています。これにより不正・不適切な行為を防ぎ、さらに、行動指針として守るべき法・規範・倫理を明文化してコーポレートポリシーを学び、社会規範を遵守しています。コンプライアンスについては、施設長から他施設の事故・不祥事等の事例、不適切な事案を題材にして研修を行い、個人情報の扱い、義務遵守の徹底を周知しています。
●ゴミ減量化、リサイクル・省エネ促進と緑化推進では、環境配慮の考え方を「建学」の目的の中に「子どもが健やかに成長できる環境の整備」を掲げ、園全体で取り組んでいます。夏季・冬季での室温設定を定め、牛乳パック等の廃材を活用して靴を履くベンチを作る等、リサイクルに努めています。園内の照明はLED化を推進し、省エネルギーに努め、ゴミ減量や環境への意識を園全体で高めています。
●園の運営面における情報は、人口統計や地域の園長会議等の情報を得、分析して運営に生かしています。重要性の高い情報は、施設長、主任、副主任でリーダー会議を設け、幹部職員や主要な職員間で共有し、園運営に生かしています。運営面での重要な改善課題については、グループウェアで共有化を図り、園全体で改善に取り組んでいます。保育所の自己評価や改善課題についても話し合いの場を設け、より良い園作りに向けて取り組んでいます。
6 職員の資質向上の促進 ●研修体制については、法人全体の研修プログラムがあり、シフトを調整して研修が受けられるように配慮しています。法人主催の研修、横浜市主催、都筑区主催の研修、園内研修、外部講師を召喚して研修を行う等、0歳〜2歳児保育の知識・技術の向上を図っています。また、モンテッソーリ教育の研修(エクレスこども園の幼稚園で実施)には指名により職員が参加する体制にし、モンテッソーリの知識を深めています。モンテッソーリ教育は、職員が遊び方を提示し、子どもと並んで動作を示し、見本から促していく教育法であり、研修後は報告を行い、職員間で学び合い、日々の保育に生かしています。
●園では、非常勤職員に対しても正規職員同様に資質向上への取り組みに力を入れ、研修予定を案内して参加を促しています。また、全体会議への参加、年1回、非常勤会議を開催し、年2回は非常勤職員と面談を実施して要望等を把握するようにし、正規職員、非常勤職員間でコミュニケーションを図りながら園の円滑な業務につなげています。勤務体制は正規職員と組み合わせるよう配慮し、主任が子ども個々の様子、保育の方法、補助の仕方等の指導を行い、共通理解を図っています。
●総合的な人事管理では、法人の職務分類表に基づいて人材計画が成され、評価については「エクレス基準等級表」を設け、職員の専門性や職務遂行能力、職務に関する成果や貢献度等を評価しています。来年度は改定予定とし、人事制度の改革に取り組み、全職員にも開示し、より効果的な人材育成により昇進等に反映させ、モチベーションアップにつなげています。

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