かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

えいむ(2回目受審)

対象事業所名 えいむ(2回目受審)
経営主体(法人等) 社会福祉法人湘南の凪
対象サービス 障害分野 生活介護他
事業所住所等 〒 249 - 0004
逗子市沼間5−4−5
tel:046-873-5141
設立年月日 2006(平成18)年07月01日
公表年月 2019(平成31)年02月 〜
使用評価項目 推進機構評価項目ガイドライン準拠版
評価機関名 公益社団法人 神奈川県介護福祉士会
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)
○法人の基本理念に「@利用者が尊厳を持って自立できる地域社会の実現を目指します。A利用者の基本的人権を守り、個人の尊厳を重視した支援を行います。B地域とともに歩み、地域から信頼される法人を目指します。C常に法令を遵守し、良質な福祉サービスを提供します。D法人の経営基盤を強化し、経営の透明性を確保します。」を置き、また「職員行動指針」を掲げて利用者の日中活動を支援している。
○職員は上記法人の「基本理念」と「職員行動指針」を常に意識して行動している。月・水・金曜日の朝礼では全職員で「基本理念」を唱和し、火・木曜日は「職員行動指針」を唱和している。
○利用者のうち9割以上の方が自閉症スペクトラム障害(自閉症やアスペルガー症候群などが統合されてできた診断名)の方で、その他に知的障害や発達障害のある方が利用している。また、男性の利用者がほとんどを占めている。利用者は個々の障害特性に応じ、作業活動とともに健康・学習の支援等を受けている。
〇法人全体で「生涯発達・地域生活支援の4領域」の考え方を取り入れ、法人独自のアセスメントシートを使用して、利用者の日中活動を支援している。「@学習・余暇領域(学ぶ・楽しむ)」、「A自立生活領域(暮らす)」、「B作業・労働領域(働く)」、「Cコミュニケーション領域(関わる)」の4つの領域を軸に、利用者個々の活動プログラムを構成、提供している。
○日中の活動内容は、@創作活動、作業活動プログラムとA身体機能、生活能力向上支援プログラム、Bその他(行事等)からなり、作業活動としては銅線解体のリサイクル作業や段ボールや空き缶の回収、シール貼りの下請け作業等があり、ホール運動やフライングディスクの機能訓練プログラムや、書字、計算、コミュニケーションスキル向上の学習支援を行っている。
〇利用者の作業机は、一人ひとりパーテーションで区切り、集中して作業ができるようにしている。音の刺激に弱い方、他の方が気になり集団が苦手な方は、個室にて対応している。また、作業の合間に休憩ができるスペースを複数用意している。
○利用者個々の活動プログラムは、構造化(予測不能な状態が苦手である特性を持つ自閉症の人に対して、整理され、構造化された環境を作る)を行い、絵や文字、写真等でスケジュールを組立て、利用者が安全な環境のもと、情報を正しく理解でき、安心して活動に参加できるよう取り組んでいる。
〇他者とのコミュニケーションが苦手な自閉症スペクトラムの方には、「PECS(絵カード交換式コミュニケーションシステム)」を活用して、自分の希望が伝えられるように支援している。コミュニケーション能力の学習として、20名程の利用者が「PECS」を利用し、「誰(職員の顔写真)、何(飲み物、導線の絵)をください」のように写真や絵をバーに貼り付けて渡すといったやり取りを言葉に出しながら支援者と行っている。最初は一つの単語のみ行い、徐々に単語を増やしてレベルを上げる取り組みを行っている。
○昼食は外部委託業者が施設内の厨房で調理し、出来たてを提供している。月1回開催する利用者の会「はれぞら委員会」では、味付けやリクエストメニュー等について、話し合いを行っている。利用者からリクエストのあったメニューは積極的に取り入れ、献立表のリクエストメニューに星印を付けている。
○事業所で送迎対応を行っている利用者が7割弱いる。送迎にあたっては「送迎表」を作成し、送迎車の到着時間の目安を家族に知らせている。送迎車の運転は「運転見極めチェックリスト」のすべての項目にパスした職員が担当している。
○事業や活動の進捗状況について、法人全体で半期と年度の振り返りを行っている。半期の振り返りとして、9月に中間事業報告会を行い、計画の進捗状況を確認している。事業報告会には、法人内の常勤、非常勤の職員が参加する他、理事、評議員、第三者委員も加わり、提供した福祉サービスの点検を行っている。
○福祉サービス第三者評価の受審は、今回が2回目になる。福祉サービス第三者評価を継続して受審することで、提供する福祉サービスの振り返りと質の向上に取り組み、利用者が地域の一員として生活を維持することができるよう支援している。
評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重 ○利用者へは「〇〇さん」と呼びかけることにしている。また、法人の「基本理念」と「職員行動指針」に、利用者の人権と個人の尊厳を守ることを掲げ、事業所内に掲示している。職員は月・水・金曜日の朝礼で「基本理念」を、火・木曜日には「職員行動指針」を唱和し、利用者に対して適切な対応をとることができるようにしている。
〇法人内の虐待防止委員会に、事業所からも生活支援員1名が参加し、利用者への虐待防止や不適切な対応の防止に努めている。今年度より、サービス管理責任者と生活支援員5名が講師を担い、事業所内研修を定期的に企画し、権利擁護や虐待防止について学んでいる。研修参加後は、職員が感想文を提出している。
〇外部講師を招き、毎年、法人全体で権利擁護や虐待防止の研修会を開催し、職員による不法行為の防止に努めている。研修会は全職員が参加できるよう、同じ内容で2回開催している。
〇年1回、非常勤職員を含めた全職員で、人権チェックリストを用いて支援実践の振り返りを行っている。内容は集約し、職員に回覧している。日々の振り返りは、夕礼の場にて、ヒヤリハットや特記事項について話し合いを行っている。
〇「個人情報保護規程」に基づき、日々の業務管理を行っている。写真やビデオの撮影の可否については、事前に「肖像権についてのアンケート」により確認している。利用者個々の資料については、一人ずつファイルに集約し、事務室内の書庫にて保管し、外に持ち出さないようにしている。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 ○法人全体で「生涯発達・地域生活支援の4領域」の考え方を取り入れ、法人独自のアセスメントシートを使用して、利用者の日中活動を支援している。「@学習・余暇領域(学ぶ・楽しむ)」、「A自立生活領域(暮らす)」、「B作業・労働領域(働く)」、「Cコミュニケーション領域(関わる)」の4つの領域を軸に、利用者個々の活動プログラムを構成、提供している。
〇言語でのコミュニケーションが可能な利用者とは個別面談の場を設け、個別支援計画の目的や進め方を利用者と確認し、同意を得るようにしている。言語でのコミュニケーションが難しい利用者は、作業や余暇活動の様子を家族に報告し、利用者のニーズを把握するようにしている。
〇45歳以上の利用者には、心身の状況に急激な変化が見られることが多いため、「高齢障害行動チェック」を用いて、ADLの調査、確認を行い、個別支援計画書を策定している。
〇利用者への支援は、担当者以外が関わることも多いので、どの支援員が関わっても統一した支援が提供できるように、写真付きの詳しい手順書を作成している。支援上の課題や手順の変更等は、支援者間でフロア会議を開催して、課題の共有や今後の支援の進め方について検討している。利用者ができることや強みを発揮できるよう、支援者が支援し過ぎないように心がけている。
○利用者個々の活動プログラムは、構造化(予測不能な状態が苦手である特性を持つ自閉症の人に対して、整理され、構造化された環境を作る)を行い、絵や文字、写真等でスケジュールを組立て、利用者が安全な環境のもと、情報を正しく理解でき、安心して活動に参加できるよう取り組んでいる。
3 サービスマネジメントシステムの確立 〇「社会福祉法人湘南の凪苦情解決に関する規程」に基づき、苦情の受付けから解決までの手順を示し、重要事項説明書に苦情解決責任者及び苦情受付担当者名、第三者委員名を記載し、事業所内にもポスターを掲示して周知を図っている。
〇第三者委員2名が事業所を定期訪問し、利用者及び家族からの意見、苦情などの相談窓口の役割を担い、事業所への助言や提言を行っている。第三者委員は、法人の事業報告会にも参加し、事業所が提供する福祉サービスの振り返りを行っている。
〇「リスクマネジメントマニュアル」を整備し、リスクの把握に努めている。インシデントが発生した時は、「ひやり・はっと報告書」に内容を記載し、夕礼の場で全体に周知し、事故につながらないようにしている。また、職員会議にて、当該月の「ひやり・はっと報告書」を集約し、内容や傾向を報告して職員間で共有している。
〇事故発生時は、その状況や原因、今後の対応を職員間で話し合い、「事故報告書」に記載している。利用者の行動を注意して見守ることで、事故を防ぐことができるので、職員同士で利用者の様子を共有できるよう、常に声かけを行っている。
4 地域との交流・連携 ○主査を担当者として、ボランティアの受入れを行っている。自閉症の利用者が多く、活動しているボランティアの人数は多くはないが、機能訓練プログラムや余暇活動のフライングディスク等に、ボランティアが活動している。その他、利用者の旅行の付き添いや、創作活動に携わっているボランティアがいる。
〇利用者の特性から、事業所独自で施設開放は行っていないが、地域の方たちに向け、法人全体で「湘南の凪感謝デイ」を開催し、法人や事業所等の理解、啓発を図っている。「湘南の凪感謝デイ」では、施設を開放し、模擬店やゲーム等の催し物に地域の方が大勢参加している。えいむの利用者も移動支援のサービスを使って、感謝デイに参加している。
〇施設長や主査が、地域の町内会に参加したり、地域の企業が主催する「湘南国際村めぐりの森」のプロジェクトに参加している。「湘南国際村めぐりの森」のプロジェクトでは、年1回、事業所で育てている植木の苗を持ちこみ、「植樹・育樹祭」に参加するとともに、週1回、利用者が草刈りの作業を行っている。
〇市の回収だけでは大変なため、地域の商店街や個人宅を回って、職員と利用者が段ボールや空き缶の回収作業に携わっている。段ボールや空き缶の回収作業は、毎日行っている。その他、「赤い羽根共同募金運動」や地域の企業からの受注作業を通じて、地域で生活する利用者の社会参加や地域貢献の取り組みを行っている。
5 運営上の透明性の確保と継続性 〇法人の経営内容や運営状況については、ホームページにて、事業報告や会計報告を公表している。事業報告書や決算書は、事業所の窓口にも置き、利用者や家族、訪問者が閲覧できるようにしている。
〇法人の「基本理念」や「職員行動指針」を掲げる他、「えいむ組織体制」を作成し、施設長の役割を含め、職員の業務の役割分担や具体的な業務内容について明確にしている。「えいむ組織体制」を整備したことで、事業所内の業務の改善につながっている。
〇事業所内の業務を整理し、業務改善を行った結果、職員の定着率も上がり、有給休暇の消化率も上昇している。「日常業務マニュアル」や「えいむ組織体制」により、基本的な業務全般について明確化している。業務の改善を行った結果、これまで多かった時間外労働や業務の多忙さが緩和している。
○2ケ月に1回、家族会を開催している。家族会には10〜15名程の家族が参加し、事業所からは施設長やサービス管理責任者が出席して、提供している支援や活動、館内箇所の改善状況等を報告している。家族会からあげられた意見も参考にしながら、提供する福祉サービスの評価を行っている。
6 職員の資質向上の促進 〇「法人職員育成指針」を整備し、職員育成の基本指針、育成指針の提示、目指すべき人材像、人材育成の基本等を示し、職員に周知している。常勤職員は、半期に1回、「チェック表」を基にして「自己申告書」を作成し、施設長との面談の際に、自己の振り返りを行っている。
○法人内外の研修に、常勤及び非常勤の職員を派遣し、自己研鑽の場を設けている。派遣研修については、研修受講者が研修報告書等を作成し、報告書や資料を回覧して内容を周知している。また、職員会議や各フロア会議の場で、研修報告を行っている。
〇実習生の受入れ担当は、施設長とサービス管理責任者とし、実際の実習場面の指導は主査が担当している。実習生の受入れは、年間に保育実習の短大生2〜3名と、教員免許を取得するための体験学習10〜20名がある。実習生の受入れは、第三者の目が入ることで、職員の気づき等にもつながるため、今後も継続して行う予定である。

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