かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

明日葉保育園 鶴見園

対象事業所名 明日葉保育園 鶴見園
経営主体(法人等) 株式会社明日葉
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 230 - 0024
鶴見区市場下町5-20
tel:0467-947-3902
設立年月日 2016(平成28)年04月01日
公表年月 2019(平成31)年02月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 株式会社フィールズ
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

[施設の概要]
明日葉保育園鶴見園は、平成28年4月に横浜市認可保育所として開所しています。園は京急線鶴見市場駅から徒歩8分程の鶴見川沿いの住宅地に立地しています。周辺には中学校、高齢者施設や公園があり、園の横には川沿いに遊歩道が続く静かな環境の中にあります。
園の定員は60名で現在61名が在籍しています。2階建ての園舎は延床面積386.94uの鉄骨造りで、園舎裏には園庭も備えています。
運営法人は株式会社明日葉で、給食サービス、子育て支援サービス、自動車運行管理サービスを主力事業としているソシオークグループホールディングス株式会社のクループ企業です。
子ども達は、日々の散歩のほか、年齢発達に応じた活動、さまざまな社会体験、季節の移り変わりを楽しめるように積極的に園外へ出かけています。また食育プログラム、2歳児クラスから外部の専門講師によるリトミック、体操教室も行っています。
法人園共通の保育理念「子どもの明日を育み、今日を支える」のもと日々の保育が行われています。


≪優れている点≫

1. 戸外活動、地域や社会と関わる体験などを積極的に行っています

 鶴見川沿いの遊歩道のほか、園周辺には公園や広場などがあり、積極的に戸外活動に出かけています。開花、新緑、実りや紅葉、川風の変化など季節の移り変わりを感じ取ったり、蝶々やトンボなどの虫や魚を見つけて喜んだり、名前を職員に確認するなど日々新しい発見をしています。
鶴見川沿いの階段や長いスロープがある場所も、子ども達の遊びの場として活用しています。体力のついた5歳児クラスでは、スロープを走って往復する競争をしています。子ども達も職員も全力で走り、競争を繰り返します。階段の昇り降り競争にも職員は本気で子ども達と向き合っています。子ども達は大人に勝ちたくて、何度も何度も繰り返す姿があります。
散歩中に見かけたごみ収集車が、どのようにごみを集めているのか見せてもらう、近隣の商店の協力を得ての買い物の体験、他園や高齢者施設との交流、小中学校の学校教育との連携、図書館利用など子ども達が地域を知り、園生活がさらに充実していくような体験を日々の保育の中で行っています。
 地域との関わりを大切にしながら、様々な体験の積み重ねが子ども達の心身の健やかな発達につながっています。

2.職員が密に協力連携を図り、子ども達が毎日を豊かに過ごせる保育に努めています

何事も「やってみよう」という姿勢を持つ園長の力強いリーダーシップの下、職員が密な協力連携を図り、保育に取り組んでいます。主任はフリーな立場で園長や職員をサポートしています。栄養士、看護師は専門的な視点から子どもの園生活の充実を支えています。職員は、日々の昼礼のほか、月2回の職員会議、毎月のリーダー会議、乳児会議、幼児会議、クラス会議で丁寧に子どもの様子や育ちについて話し合い、情報共有を図っています。
記録の面からは、指導計画作成時にねらいを記入し、子どもが自分からやりたくなるような仕掛け作りができているか、実践がそのねらいに沿っているか、など振り返りをしています。子どもの育ち、意欲、心の動きなど子どものその瞬間を記録していくことを大切にし、自らの実践を振り返り、積み重ねています。
職員の前向きで熱心な取り組みは、業務改善や向上を目的に法人内で行われている「現場力レポート」で園が優秀賞で表彰されていることからもうかがえます。職員同士で良いところを出し合い、感謝する取り組みなど、モチベーションを維持するための工夫も見られます。
法人および園の名称である「明日葉」の花言葉は「旺盛な活動力」で、子ども達が毎日を豊かにすごせる保育を通じて、明日をたくましく生きる力を育めるよう実践につなげています。


≪努力・工夫している点≫

1.保護者と連携し、安全を確認しながら離乳を進めています

 0歳児については入園時に保護者に「離乳BOOK」を配付しています。離乳期間(パクパク期までは必ず)は家庭で食べたことのある食材(特に青魚やたんぱく質類)を「離乳BOOK」に記入してもらっています。家庭で初めて食べる食材をまず試してもらい、アレルギーの有無や子どもにとっての安全性を確認した上で、給食で提供するようにしています。
献立表を前月の中旬に配付し、栄養士は子どもが食べたことがない食材がある場合は、提供前に担任を通じて保護者に伝え、家庭で対応する時間を十分とっています。
また0歳児クラスの保護者の保育参加の中で「離乳講座」を開催し、保護者に試食してもらっています。実際の離乳食の形状や味付け、調理のポイントなどを栄養士がきめ細かく説明し、質問に答えています。保護者からは味付けや調理のポイントが参考になると好評です。
子どもの発達に熱心に向き合い、保護者と連携して子どもの育ちを支えています。


≪課題や改善することが期待される事項≫

1. 地域の子育て支援サービスのさらなる検討が期待されます

地域の子育て支援サービスとして交流保育、園庭開放を行っています。交流保育時は給食の試食も可能です。予約制でベビーマッサージ、離乳食講座の機会も設けています。しかし、利用者がなかなか集まらない状況があります。
園の情報や子育て支援の取り組みをさらに地域の子育て世代の人々に知ってもらえる情報提供方法について、検討が期待されます。定期的な育児相談日を設けて対応していく取り組みに関しても検討が期待されます。

2.中長期的な視野に立った計画の作成が期待されます

単年度の事業計画はありますが、園としての中長期計画の作成がありません。常に先を見据えた課題設定や外部変化に対応できる環境を整えるためであったり、園の進むべき方向性や具体的な達成プロセスを明確にするための中長期的な視野に立った計画の作成が期待されます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

@ 法人内の系列園共通で「子どもの明日を育み、今日を支える」という保育理念を掲げています。保育方針は「養護と教育の中で、保護者と協力して生涯にわたる人格形成の基盤を培う」を主旨に、7項目をつくり、保育目標を「自分も人も尊重できる子ども」「自分で考えて正しいことを選びとれる子ども」「心も体も健やかな子ども」「思いを適切に表現できる子ども」とし、いずれも利用者本人を尊重したものとなっています。

A 子どもへの言葉がけや声の大きさについて、職員の都合で急かしたり、威圧的な言葉遣いにならないように職員は心がけています。職員は姿勢を低くして子どもの目線に合わせ、どの子どもにも平等に接し、子どもの気持ちを受け止めるようにしています。また職員は保護者から子どもの呼び方を確認しています。職員は入社時に「子どもとの関わりについて」の研修を受け、周知しています。

B 個人情報の取り扱いや守秘義務について、職員は入社時研修で、非常勤職員はオリエンテーションで説明を受け、同意書を得ています。個人情報に関する書類は、事務所の施錠できる棚に保管し、持ち出しを禁止しています。入園説明会、懇談会において、個人情報の取り扱いなどについて説明し、同意書を得ています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

@ 全体的な計画に基づき年間指導計画、月間指導計画、週案を作成しています。子どもの思いをくみ取ったり、自分で意見を言ったり、考えることを見守る姿勢を常に持つよう心がけています。子どもの意見や興味を取り入れ、計画には柔軟性を持たせています。

A 発達の個人差を踏まえた上で、一人一人に見合った保育が行われるよう2歳児クラスまでは個別指導計画を作成しています。今年度、成長が流れでより見やすく、分かりやすく記入できるように個別指導計画の書式の変更をし、保育に生かそうとしています。計画は子ども一人一人の成長、発達状況に合わせ、無理をせず次月も引き続き取り組んで行くなど柔軟に変更、見直しを行っています。

B 食事年間計画があり、幼児クラスは月1回「食育day」を設け、クッキング、野菜の栽培のほか、噛むことの大切さやわかめなどが乾物になるまでなど「体験型の考える食育」、年長児の給食当番や野菜の世話をする当番活動を通じて、食に関する興味、関心を育んでいます。食材は国産を基本とし、季節感を大切に旬の食材を使用しています。毎月行事食や季節に因んだメニューがあり、日常でも様々な工夫をして楽しく食事ができる雰囲気作りを心がけています。

C 年3回の行事後のアンケート、年度末のアンケート結果などから保護者の意見をくみ取り、懇談会などの質疑応答により、保護者における保育方針の理解度を把握するようにしています。降園時は「保育日誌」を活用し、保護者にその日の子どもの様子を口頭と連絡ノートで伝えています。年1回、個別面談を実施しています。面談期間を長く設定し、保護者の都合に合わせられるようにしていますが、面談日以外でも面談を希望する保護者には、柔軟に対応しています。年2回のクラス懇談会でクラスの様子、今後の活動などについて保護者に伝えています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

@ 入園時に把握した生育歴を始め、入園後の子どもの成長発達記録をファイルしています。各クラスの個人記録ノートにより子ども達の様子が分かり、職員間での共有もしやすいように工夫をしています。その他、月齢、年齢に応じた期間を設定し、個別の発達状況の確認、記録をしています。記録内容は事務室に保管し、全職員が共有できるようにしています。進級時には引き継ぎ会議を行い、旧担任から新担任へ丁寧に情報の申し送りを行っています。

A 食物アレルギーのある子どもや外国籍の子ども、家庭支援の必要な子どもなど特に配慮を要する子どもを受け入れる体制があり、受け入れています。クラス会議の中でケース検討を行い、現時点での様子、配慮や関わり方が適切かどうか話し合って、会議録に残しています。虐待やアレルギー、発達支援に関する横浜市や鶴見区の研修で得た最新の情報を基に職員会議、研修報告などで話し合い、日々の保育に生かしています。

B 保護者からの意見、要望に関しては昼礼や会議で話し合っているほか、ファイルを作りまとめています。園単独での対応が難しい場合は、法人本部、第三者委員、鶴見区こども家庭支援課と連携を図っていく体制を整えています。

C 健康管理・衛生管理・安全管理などに関する各マニュアルを整備し、マニュアルに基づいた対応や訓練を行っています。行政、医療機関、児童相談所など必要な関係機関・地域の団体をリスト化しています。

4 地域との交流・連携

@ 入園を考えている見学者や園で行っている子育て支援サービス利用者からの相談を通し、子育て支援ニーズや地域の保育園の必要性について把握しています。鶴見区の園長会、幼保小連絡会、鶴見区の育児支援イベント「あつまれ!えがお」等の会合や打ち合わせを通し、子育て環境の向上と地域ごとの連携や子育てネットワークの充実を図っています。

A 近隣の商店の協力を得て、買い物の体験をしたり、敬老の日には隣接するデイサービスの高齢者に歌を披露し、折り紙やあやとりを教えてもらうなど交流を行っています。市場小学校の一年生と年長児との交流会のほか、市場中学校の職業体験を受け入れています。

B 利用希望者の問い合わせや見学希望には、園長または主任が対応しています。園見学は基本的には専門プログラムのある日の午前中に設定していますが、できる限り見学者の都合に合わせています。園のパンフレットに基づいて園長が説明し、質問などへの対応を行っています。平成30年度は11月までに70組の見学に対応しています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

@ 職員一人一人の自己評価、指導計画の振り返り、保護者アンケート結果を踏まえて園の自己評価をしています。園の自己評価は玄関掲示で公表しています。今年度は第三者評価受審にあたっての自己評価にも取り組んでいます。

A エコ活動や環境に配慮した取り組みについて、法人のホームページで知らせています。使用済みの油からバイオディーゼル燃料や石鹸を作る環境啓発活動は法人として取り組んでおり、園でも協力を呼び掛けています。幼児クラスは鶴見区の環境事務局職員による出張教室で環境について学んでいます。その他、保育時の着替えの予備用に、家庭で不要になった洋服の寄付を保護者にお願いしています。

B 保育理念は園の掲示板、事務室などに掲示をしています。配付されているクレドは、常時携帯や個人ロッカー内掲示など各自の方法で活用しています。職員会議で唱和をする機会もあります。年度末の全体的な計画の見直し時に、理念、方針、目標について振り返りを行い理解を深める機会としています。理念・基本方針と実際の保育との関係については、職員会議などで機会あるごとに園長が説明し、職員の理解を確認しています。

6 職員の資質向上の促進

@ 年間計画に基づいた職員一人一人に必要なスキルアップ内容に合わせた外部研修を積極的に受講しています。研修受講後は、研修レポートを提出し、内容によっては園内研修に組み入れています。さらに、法人の内部研修(年2回)においても学んでいます。非常勤職員も障がい児保育基礎講座、救急救命講習など必要な研修を受講しています。

A 毎月、横浜市内の系列8園で子どもの年齢別の情報交換会を実施しています。他園のクラス担任との話し合いや意見交換で自らの保育を振り返り、他園の取り組みを参考にするなど、保育の質の向上に生かしています。また、法人内の取り組みで、業務の改善や向上のための「現場力」について半期ごとに事業所ごと、取り組みをレポート提出しています。園は優秀賞で表彰されています。

B 指導計画作成時にねらいを記入し、子どもが自分からやりたくなるような仕掛け作りができているか、実践がそのねらいに沿っているか、など振り返りができるようになっています。子どもの育ち、意欲、心の動きなど子どものその瞬間を日誌に丁寧に記録をしていくことを大切にし、自らの実践を振り返り、積み重ねています。その積み重ねに基づき子どもの成長に合わせて次の指導計画を立てています。

C 園長は職員の改善提案や意見を職員会議、職員アンケート、日常会話の中で把握し、いつでも職員と個別に話ができる環境を整えています。園長は職員との個人面談を年2回行い、満足度や要望など把握に努めるとともに、職員に気づきを与えるような言葉かけを心がけ、モチベーションの維持、向上への働きかけを行っています。また、職員同士が感じた良いところをサンクスツリーとしてメッセージを貼っていく取り組みをしています。自分では気づかなかった長所や、他の職員からの評価を感じることで、職員がモチベーションを維持できるように工夫しています。

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