かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

横浜市金沢さくら保育園(2回目受審)

対象事業所名 横浜市金沢さくら保育園(2回目受審)
経営主体(法人等) 横浜市
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 236 - 0021
金沢区泥亀1-21-1
tel:045-781-9318
設立年月日 1949年08月01日
公表年月 2019(平成31)年02月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 株式会社フィールズ
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

[施設の概要]
 横浜市金沢さくら保育園は、京浜急行「金沢文庫」駅から徒歩6分ほどの場所にあります。当初は民間保育園として設立されましたが、昭和24年に設置者が横浜市になりました。公立保育園になってから69年になる歴史ある保育園です。園は小学校や地域ケアプラザと隣接し、金沢区役所からも近い位置にあります。
 園舎は鉄筋コンクリート造2階建てで、日当たりの良い園庭には、夏みかん、柿、やまももなどの果樹が植えられています。敷地内の小さな畑で野菜を育て、毎年子どもたちが収穫しています。
 定員は0歳児(生後6ヶ月)から5歳児までの110名で、現在は117名が在園しています。園目標に「丈夫なからだをつくろう」「みんなでなかよく遊ぼう」「意欲的に取り組もう」「楽しく食べよう」を掲げています。


≪優れている点≫

1.異年齢との関わりを積極的に展開し、子どもの自信と成長につなげています

 幼児クラスは「異年齢保育カリキュラム」をもとに年間を4期に分けて計画的に異年齢保育を展開し、子ども同士の関わりを深めています。朝夕の園庭遊びで関わりを楽しむとともに、誕生会やクッキングなどの行事に一緒に参加し、リズム遊びや体操、歌、散歩は年間を通して一緒に活動する場面を設けています。5歳児は3・4歳児クラスの布団敷きや午睡後の着替えの手伝い、朝の人数調べ、台ふきん集めなどを行い、頼りにされること、感謝されることで「リーダーなんだ」「年上なんだ」との意識が芽生えています。幼児は夏季合同保育を行い、夏の遊びや生活をともにしながら、手伝ったり、教えたりすることで、異年齢児との関わりを深めています。
 3歳児1人、4歳児1人、5歳児1人の3人単位の異年齢のグループを作り、異年齢交流を行っています。お店屋さんごっこ、ウォークラリーなどに同じグループで参加する中で、年長児への憧れの気持ちや、年下の子どもへの優しい気持ちを持つなど成長につながっています。
 乳児クラスは0・1・2歳児交流として乳児お楽しみ会を開き、クラスごとに、日頃楽しんでいる手遊びや劇遊びなどを見せ合って楽しいひと時を過ごしています。


2.子どもが楽しく食べられるように、きめ細かい食育活動を展開しています

 園目標の一つに「楽しく食べよう」を掲げ、子どもが食べることが好きになり、意欲的に食事に向き合えるようにきめ細かい保育を行っています。各クラスの「食育指導計画」には食育の園目標、クラスの目標をもとに、1年を4期に分けた期ごとのねらい、子どもの発達内容、職員の配慮、野菜の栽培などが具体的に記載されています。計画に沿って、発達に応じた食事のマナーや箸の持ち方など家庭と連携しながら身に付けられるように配慮しています。そら豆やとうもろこしの皮むき体験をし、クッキングの時間には調理員とともに、お月見団子や園庭のやまもも、あんずのジャムづくりなど食べることが楽しくなるような取り組みをしています。
 園内の畑やプランターで人参・かぶ・オクラやさつま芋を育て、収穫したさつま芋でスイートポテトを作っています。5歳児クラスではサンマを一匹食べる体験やバイキングなど楽しい経験ができるように取り組んでいます。園児が見守る中で行った、園長先生による鯵やサンマをさばいて見せる「魚の解体ショー」では子ども達は興味津々で覗きこんでいます。
 調理室横には調理の職員による旬の食材や行事食などの紹介を、写真や絵を用いて子ども達にわかりやすく展示して、子ども達が興味、関心を持てるよう工夫しながら取り組んでいます。


3.地域のニーズに応じた子育て支援活動を展開し、地域のセンター園としての役割を担っています

 育児支援センター園に指定されており、施設開放、交流保育、育児講座等を計画的に行っています。園庭開放は、月曜日から土曜日に行っており、遊具や砂場で遊んだり、園児の園庭遊びに合流しています。保育室やホールを開放する日もあり、絵本の読み聞かせや身体測定、誕生会を定期的に行っています。お弁当持参で施設開放を利用する親子もいます。
 交流保育は月に1〜2回行っており「リズムと体操で遊ぼう」「どろんこあそび」などで子ども達が交流しています。体験給食では、同じ年齢の園児と遊んだ後に、親子で同じ給食を体験し、保護者が味付けや量などを参考にできるようにしています。遊びや食育をテーマにした育児講座は、園単独で行うだけでなく、地域ケアプラザ等の関係機関と合同で開催しています。育児相談は月曜日から金曜日まで受け付けており、施設開放や育児講座等の利用者からの相談も多く寄せられています。
 園では育児支援専任保育士を中心に、育児支援のプロジェクトを設置し、園全体で取り組みを行っています。利用者アンケートや育児相談の内容などから地域の子育て支援ニーズを把握し、保護者が抱える子育ての不安や悩みを解消できるように、地域の関係機関と連携していろいろな取り組みを行っています。地域には多世代にわたる卒園者がおり、園児の散歩では地域の人が親しく声をかけてくれる関係ができています。園の専門性を生かした育児支援を継続し、地域の保育園としての役割を担っています。


≪努力・工夫している点≫

1.職員の工夫と主任・副主任の体制で、人材育成につなげています

 園舎は築約40年が経過していますが、職員は保育室やトイレの清掃、園内の点検に力を入れ、施設を清潔で安全に保つ努力をしています。保育室内のおもちゃの棚、手すり等にはクッション材やキルティングでカバーをして、子ども達が怪我をしないように配慮しています。
 職員は保育室や園庭の安全点検を毎日行い、改善すべき点は園長や主任・副主任に報告して速やかに対応しています。増改築やサッシの入替え等、職員は清潔で安全な施設環境が維持できるように工夫しています。
 園では個々の職員が日々の保育活動の中で、子どもへのふさわしい対応ができるように、主任と副主任を置いて、スーパーバイザーとしての役割を果たすことができるようにしています。主任と副主任は、各クラスの保育の状況や個々の職員の業務状況を把握し、情報を共有しています。
 子どもや保護者の対応の仕方など、必要に応じて職員の能力や経験に合わせた助言や指導を行い、職員からの要望や提案なども聞き取っています。個々の職員が精神的・身体的に良好な状態で仕事に取組めるように配慮しています。職員が活躍できるように主任と副主任が協力し、職員の人材育成につなげ、保育の質の向上を図っています。


≪課題や改善することが期待される事項≫

1.非常勤職員の資質の向上のための取組みを継続することが期待されます

 園では常勤職員の他に約30名の非常勤職員が勤務しています。担任や主任・副主任が、非常勤職員の指導にあたり、資質の向上に取り組んでいます。園長は面接で、保育理念や基本方針の理解の確認や、非常勤職員の役割を確認しています。毎日のミーティングや園内研修には、勤務時間の範囲内で非常勤職員も参加しています。ミーティングや引継ぎノートを活用し、子どもの状況についての引継ぎを適切に行い、職員間で連絡もれがないようにしています。
 子どもや保護者にとっては、どの職員にも同様の資質が求められます。非常勤職員としての制約の中で、工夫することにより資質の向上についての取り組みを継続することが期待されます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

@ 保育理念、保育方針、園目標は、子ども本人を尊重したものになっており、玄関・各クラス・事務所に掲示しています。保育理念「すべての子どもたちが自分をかけがいのない存在と感じ、自信をもって生きていかれるような保育をめざす」を踏まえて、保育方針と保育目標を定めています。保育目標には「丈夫なからだをつくろう・みんなでなかよく遊ぼう・意欲的に取り組もう・楽しく食べよう」を掲げ、4項目の「保育姿勢」を定めています。


A 職員は、子どもが幸せで、毎日喜んで登園し、保護者が安心して子どもを預けられることを最も大切にしています。一人一人の子どもの気持ちを受け止め、発言を尊重し、気持ちをストレートに言葉にできない子どもの思いに寄り添うようにしています。子どもの呼び名は保護者の希望する呼び方で統一していますが、運動会など公の場などでは男女とも「さん」にしています。職員は金沢区や大学で主催する人権研修に参加し、アルバイト職員には研修報告をしています。


B 安全に配慮しながら、ホールや空いている部屋・衝立などを利用して、子どもと個別に話したり、一人になれるように工夫しています。子どもが興奮している時は担任または他の職員が静かな場所で見守ったり、話をして落ち着けるようにし、他の子ども達が特別視しないように配慮しています。排泄を失敗した後のシャワーはカーテンの中で行い、周りに気付かれないようにするなど気を配っています。


C 個人情報の取り扱いや守秘義務については細心の注意を払い、「個人情報保護マニュアル」を整備して具体的な取り扱いについて決めています。守秘義務については職員、アルバイトは採用時に、実習生、ボランティアなどはオリエンテーション時に伝えて誓約書の提出を得ています。保護者には入園説明会や保育士体験前に話し、同意を得ています。個人情報が記載された書類は鍵付き書庫に保管し、重要書類やパソコン内のデータは、事務所から持ち出さないことになっています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

@ 全体的な計画は、保育の基本方針に基づき、地域の特性や園の特色を考慮して作成しています。全体的な計画に基づき、年齢ごとに年間指導計画、月間指導計画を作成しています。クラス会議で指導計画の評価・見直しを行い指導計画案を作成し、毎月のカリキュラム会議で検討しています。行事や保育士体験のアンケート、連絡帳などから保護者の意向を汲み取り、指導計画に取り入れるようにしています。


A 保育所内には充分な陽光が入り、各保育室にはエアコンや加湿器を設置しています。保育室の温度・湿度を定期的に確認して、体感や外との温度差に気を配り定期的に換気を行っています。園庭と保育室の各トイレに温水シャワーが設置してあります。園内の清掃は職員が交代で行っており、清掃チェック表を活用して、保育室やトイレを清潔に保つようにしています。外周りの清掃は朝夕の時間外保育担当の職員が毎日行っています。


B 3歳未満児の個別指導計画は、月間指導計画に記入しています。日頃から保護者と子どもの様子を伝え合い、離乳食やアレルギーなどの保護者の同意が必要な事項に関しては、園長も同席して面談を行っています。3歳以上児についても、健康面や発達の状況などで配慮を要する場合には、個別指導計画を作成しています。主任やフリー保育士がクラスの応援に入り、子どもの様子を見てアドバイスし、カリキュラム会議で一人一人について検討しています。


C その日の子どもの様子は送迎時に口頭で伝え合うとともに、乳児は個人連絡帳、幼児はクラスごとに毎日記入するクラスノートで様子を伝えています。個人連絡帳は家庭と保育園を結ぶコミュニケーションノートとして、保育園からも子どもの様子や連絡事項など細かく伝えています。クラスノートはA4版の大型ノートに当日のタイトルをつけて、一行おきに大きな文字で記載して、忙しい保護者が読みやすいように工夫してあり、行事やイベントのあった日には、写真も添付します。

3 サービスマネジメントシステムの確立

@ 入園時に確認した生育歴などの記録や、個人記録、経過記録、健康台帳などは、クラスごとに綴り事務室書庫で保管しており、内容は職員間で共有し、日々の保育に生かしています。0歳児は「個人記録」を作成し、毎日の健康状態・食事・睡眠・子どもの様子などを記録しています。1歳児以上は半年ごとに「経過記録」を作成し発達の状況を記録しています。


A 配慮を要する子どもについては、適切な対応を行うために、個別指導計画を作成し個人日誌で記録しています。カリキュラム会議では、個々のケースについて多面的な検討を行い、記録を残しています。保健師との連携や、地域療育センターの巡回相談で、集団生活上の配慮や工夫点などの助言を受けて保育に生かしています。


B 「横浜市立保育所苦情解決要綱」に従って苦情対応を行い、必要に応じて金沢区や横浜市に相談・報告を行っています。保護者が利用しやすいように1階のホールと2階の廊下に意見箱を設置し、各保育室に第三者委員の連絡先を掲示しています。保護者からの苦情や要望は個別対応記録ノートで記録し、経過を把握できるようにしています。保護者アンケートで出た要望等は保育所の自己評価と一緒に公表しています。


C 健康管理、衛生管理、安全管理については、各マニュアルを整備して対応しています。「年間保健計画」をもとに保健目標を設定して、子どもの健康管理を適切に実施しています。園庭や保育室、事務室など詳細な安全点検表に沿って毎日点検しています。清掃チェック表を各トイレに備えて清潔に保てるように心がけています。各マニュアルの内容は園内研修で全職員に周知し、見直しを行っています。

4 地域との交流・連携

@ 育児支援センター園に指定されており、育児支援専任保育士が中心になって育児支援のプロジェクトを設置し、園全体で地域の子育て支援に取り組んでいます。育児講座、交流保育、施設の地域開放などを計画的に行い、育児相談は月曜日〜金曜日に行っています。地域の商業施設や町内会館で出前保育や育児相談を行い、園の子育て支援サービスについてのお知らせをしています。参加した保護者からアンケートを取り、地域の子育て支援ニーズを把握し計画を立てています。


A 運動会やお楽しみ会、卒園式には地域の民生委員である第三者委員を招待し、隣接する施設の高齢者との交流を定期的に行っています。地域の中学校からは職業体験やボランティア受け入れを積極的に行い、園長は近くの大学に出向いて、保育園紹介の話を学生にしています。年度始めや夏休み明けには、早めに出勤した職員が隣接する小学校の登校時間児童安全見守りに参加して、地域の方や児童と関わっています。


B 隣接する地域ケアプラザや小学校、地域の保育園等との交流や地域の図書館、公園を利用することで子どもの生活の幅を広げ、地域の理解を深めています。近隣の保育園とは年間計画を立てて近くの保育園同士で、リレーやドッチボールなどを一緒に楽しんでいます。隣接する小学校の1年生の給食体験や、中学校の体育祭でかけっこに参加しています。5歳児クラスは隣の高齢者施設の利用者との交流で招待されたり、お正月遊びをする時などは園に招待し一緒に楽しいひと時を過ごしています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

@ 横浜市職員としての行動基準が明文化されており、職員に周知されています。守るべき法、規範、倫理等を周知するために、不祥事防止研修、人権啓発研修、個人情報保護に関する研修、環境教育に関する研修を毎年実施しています。


A 他の施設での不適切な事案については、ミーティングなどで周知し、職員間で議論して法令遵守についての啓発を行っています。


B 保育所運営に影響のある情報は、横浜市こども青少年局や金沢区こども家庭支援課から得ています。得られた情報は、ミーティングや職員会議で園長から説明があり、職員全体に周知しています。重要な改善課題については、保育所全体の取組みとしています。

6 職員の資質向上の促進

@ 横浜市の「保育士人材育成ビジョン」を踏まえて、人材育成や人員配置を行っています。年度始めに、職員は園長との面談で、資質向上に向けた目標を話し合い「目標共有シート」を作成し、年度末には振り返りの面談を行っています。園長は、職員との面談や人事考課制度を通して、個々の職員の資質の向上を図っています。


A 非常勤職員の指導は、日々の保育の中ではクラス担任が中心になって行っていますが、内容によっては主任・副主任が直接指導に当たります。業務に必要な各種のマニュアルは、各クラスにファイリングされており、日々の保育で活用しています。非常勤職員も、ミーティングや園内研修に勤務時間の範囲内で参加しています。


B 月間指導計画には「取組みの状況と保育士の振り返り」「自己評価」欄があり、振り返りに基づいてクラス会議で次期の指導計画案を作成し、毎月のカリキュラム会議で検討しています。幼児会議、乳児会議、毎日の職員ミーティングで、多面的な視点で子どもをとらえて情報を共有しています。


C 職員の自己評価の結果から園の課題を明らかにして、保育所としての自己評価を行っています。保護者アンケートを実施し、内容を全職員で共有しています。保育所としての自己評価と保護者アンケートの内容は「保育所の自己評価の結果について」を掲示して公表しています。

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