かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

横浜市かながわ保育園(4回目受審)

対象事業所名 横浜市かながわ保育園(4回目受審)
経営主体(法人等) 社会福祉法人 神奈川労働福祉協会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 221 - 0044
神奈川区東神奈川1丁目12番地 リーデンスフォート横浜3階
tel:045-440-2031
設立年月日 2002(平成14)年04月01日
公表年月 2019(令和元)年02月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 特定非営利活動法人 市民セクターよこはま
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の概要】
横浜市かながわ保育園は、JR東神奈川駅と京浜急行仲木戸駅の間の駅前19階建てマンションの3階にあります。ビルが建ち並ぶ街中にありますが、徒歩圏には、多くの自然豊かな公園があり、子どもたちの散歩コースとなっています。
横浜市かながわ保育園は、2002年(平成14年)4月に横浜市によって開設され、運営は社会福祉法人神奈川労働福祉協会が行いました。2006年(平成18年)4月からは指定管理者として引き続き同法人が運営している公設民営の園です。
園は、年齢ごとの保育室のほか、食堂・多目的室などがあり、風通しがよく日当たりが良いです。同じ階に砂場や遊具が設置された園庭があり、夏場には子どもたちがプール遊びをしています。
定員は100名(産休明け〜5歳児)で、開園時間は、平日(月曜日〜金曜日)は7時〜21時(0・1歳児は20時)、土曜日は7時〜19時です。
基本理念は、「子どもたちの『今、ここに生きる』を大切にし、一人ひとりが『かけがえのない存在』と感じて、自信を持って生きていく力を育てます」です。それに基づき「子どもたちをまんなかにして、保育者と保護者が共に力をあわせて、次のような子ども像を目指します」として、「自分の思いを素直に出せる子」「体を思いきり使い、のびのび遊べる子」「友だちが好きでどの子も大切にできる子」「自分で考え、行動できる子」を掲げています。

◆高く評価できる点
1、子どもたちは素直に自分の気持ちを表現し、園での生活をのびのびと過ごしています
園は、子ども一人一人が「かけがえのない存在」であることを保育理念で掲げ、職員の共通認識としています。保育士は一人一人の子どもの発言や表情、態度などで子どもの気持ちを汲み取り、ていねいに寄り添っています。
0〜2歳児を少人数でのグループに分け、落ち着いた環境の中、一人一人の思いを受け止めて保育士と愛着関係を築き、個々に合わせた活動ができるようにしています。保育士との個別の関わりの中で、言葉で表せない思いまで全てを受け止めてもらっていて、子どもたちは、素直に自分を表し、保育士に甘えています。
幼児になると子どもたちで何がやりたいかを話し合って、活動内容を決めたりしています。保育士は子ども一人一人の「やりたい気持ち」や「やりたいけど踏み出せない気持ち」「失敗したくない気持ち」など様々な思いを受け止め、励ましたりアドバイスしたりし、やってみるように後押ししています。5歳児は、誕生日の子どもの「やりたいこと」をクラスの一斉活動とする「リクエスト活動」を設け、一人一人の「やりたい気持ち」を形にしています。
3歳児の2人組での活動を始め4・5歳児の当番活動、3・4・5歳児の「3人組」や4・5歳児のペア活動などの様々な組み合わせでの活動を通して少しずつ大きな集団で自分を表せるようになっていき、子どもたちは集団の中でのルールや、お互いを思いやる気持ちなどを学んでいます。また、毎日の散歩や園庭での遊びではかけっこや鬼ごっこ、鉄棒などで、子どもたちは楽しみながら身体を動かし、お絵描きや製作活動、リズム運動、ふれあいまつりでのエイサーなどで、自分の気持ちを素直に表現しています。
子どもたちは、保育士に自分の気持ちを受け止めてもらい、「やりたい気持ち」を後押ししてもらっていて、のびのびと自分のやりたいことを見つけ園生活を過ごしています。

2、保育士が意識を持って保育にあたれるよう、様々な取り組みをしています
園は、人材育成計画に経験や能力に応じた期待水準や求める資質、研修を明示し、人材育成に力を入れています。保育士が、有給休暇と保健休暇(男性保育士も)を合わせて最低月2回の休暇を取れるよう、非常勤職員を含め人員配置を厚くしています。幅広い年齢や経験の職員がいますが、園長、副園長、主任、クラスリーダーが中心になってコミュニケーションを密にすることで、風通しの良い職場環境作りをしています。
また、研修にも力を入れていて、年4回園内研修を行うとともに、運営法人の研修や、神奈川県や横浜市、白峰学園保育センターなどの外部研修に、正規職員、非常勤職員ともに参加し、研鑽を積んでいます。全国合同研修大会には多くの職員が参加し、事例報告で出た良い事例について話し合い、保育に反映するなど、研修の成果を質の向上に生かしています。また、経験年齢にかかわらず、個々の期待水準にあわせてクラスリーダーや行事の実行委員長などの役割を課し、職員が責任をもって職務にあたれるようにしています。このような様々な取り組みを通し、保育士が保育を楽しみ、保育のプロとしての意識が育つようにしています。
今回の職員ヒヤリングでも、職員は自分たちの思いを熱く語っていて、保育への意識の高さを感じることができました。

3、地域の福祉施設として、地域の子育て支援に積極的に取り組んでいます
運営法人の理念に「神奈川に働く人々の生活の安定と向上のために・・・最善を尽くします」を掲げ、園の専門性を生かした子育て支援を積極的に行っています。
園の子育て支援としては、一時保育、交流保育、園庭開放のほか、休日保育も実施していて、多くの利用者がいます。毎週木曜日の園庭開放時には、育児相談も受けています。また、園児が園庭開放に来た地域の親子と一緒に地域の公園に散歩に行って遊ぶこともあります。育児講座として外部講師による人形劇やリズム遊び、おはなし会などに加え、製作遊びや絵本の貸し出しや給食の試食提供などもしています。
このように、園は地域の子育て支援に積極的に取り組み、地域の親子を支えています。

4、子どもへの思いを保護者と共有し、連携しています
入園説明会や懇談会等で園の方針について保護者に伝えるとともに、園だよりやクラスだより、年度末に発行する文集「かながわ」などで、園のめざす姿を具体的に記載し、保護者の理解が深まるようにしています。送迎時には、連絡帳だけでなく保護者と会話をし、子どもの姿を伝え保護者の相談に応じています。年1回の個人面談のほか、新入園児には家庭訪問をし、家庭での子どもの姿を確認しています。離乳食面談や排泄面談などを行い、双方の合意のもと連携しています。また、連絡帳に気になる記載があった時には、保護者に声をかけて思いを聞きすぐに対応策を講じるなどしていて、保護者と密にコミュニケーションを取っていくことで保護者との信頼関係を築いています。
このような保護者との関係は今回のアンケートの高い回収率(95.7%)や満足度(98.7%)でも読み取ることができます。

◆改善や工夫が望まれる点
1、マニュアルなど文書類の整備をしていくことが期待されます
園は、理念や人権、プライバシー保護などの大切にしていることを「職員ハンドブック」にまとめ入職時に配付するとともに、事故防止や緊急時の対応、感染症対応などの各種マニュアルを整備しています。
ただし、文書によっては見直しや更新が十分でないものや、項目ごとの整理がされていないもの、文書間の食い違いがあるものなど、整備が不十分なものがあります。また、職員間での読み合わせや周知が十分でないものも見られます。副園長や主任、クラスリーダーが指導する仕組みができていて、必要時には個別に口頭での指導ができる体制がありますが、職員数が多いこともあり伝達漏れや職員の経験値による理解度の差異を防ぐためにも、意図的に読み合わせをし、職員間で確認していくことが必要かと思われます。文書類の定期的な見直しと読み合わせをしていくことが期待されます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重 ・保育理念は「子どもたちの『今、ここに生きる』を大切にし、一人ひとりが『かけがいのない存在』と感じて、自信を持って生きていく力を育てます」、めざす子ども像は「自分の思いを素直に出せる子」「体をおもいきり使いのびのび遊べる子」「友だちが好きで、どの子も大切にできる子」「自分で考え、行動できる子」で、子ども本人を尊重したものとなっています。
・職員には入職時に「職員ハンドブック」を配付し、園が目指す保育の姿勢を共有しています。園は「職員としてめざす姿勢」を明確に示し、子ども一人一人がかけがえのない存在であることを職員共通の基盤としています。この姿勢に基づき、保育士は子どもの表情や声にていねいに寄り添う保育を行っています。
・個人情報の取り扱い、及び守秘義務についての規定があり、全職員(ボランティア・実習生を含む)に周知しています。個人情報の取り扱いについては、入園時に園の規定文書を配布し保護者に説明しています。全体的な個人情報の取り扱い、及び外部に出る子どもの顔写真使用の可否等に関する同意書を提出してもらっています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 ・園は、子どもの「やりたい気持ち」を大切に保育していて、子どもの興味や関心、要望を指導計画に反映しています。
・乳児は、少人数によるグループ保育を実施し、愛着関係の形成と思いを出せる環境を作り、幼児期はグループ活動の中で自分の意見を言い合える集団作りをしています。
・地域の公園で貸し出している花壇でジャガイモ栽培をしています。手入れや世話の係りを年度途中で5歳児から4歳児が引継ぎ、収穫したジャガイモを合宿(お泊り保育)のカレー作りに使用するまでを経験しています。
・子どもの表現力を育むための取り組みとして、お絵描き・制作活動・リズム運動・楽器演奏・お楽しみ会での劇ごっこ・ふれあいまつりのエイサーなど、多くのプログラムを取り入れています。T-2-(1)(3)
・3〜5歳児クラスでは各年齢から1人ずつの3人で構成する「3人組」や、4・5歳児のペア構成等を意識的に行っています。3人組での食事やリズム運動等の機会を設け、年上の子どもへの憧れや、年下の子どもに対する優しさを日々の活動を通して得られるように配慮しています。T-3-(1)〜(3)
・子どもたちが食事の時間を楽しく過ごせることを大切に捉えています。子どもたちが食事に関心を持つように、年齢に即した形で盛り付けや配膳等に関わる食事当番を決めています。
・全園児の保護者と連絡帳を使用し、情報交換するとともに、送迎時には会話し、保護者に子どもの様子を伝えています。年1回の個人面談、年3回の保護者懇談会を実施し、保護者が園の方針を理解出来るようにしています。
3 サービスマネジメントシステムの確立 ・全体的な計画に基づき年齢ごとに年間指導計画・月案、週案を作成しています。0〜2歳児は、グループごとに週案を作成しています。また、0〜2歳児には個別指導計画を作成しています。幼児についても、特別な課題がある場合には、個別指導計画を作成しています。
・苦情受け付けの仕組みを整え、保護者に周知しています。玄関に意見箱を設置するとともに、クラス懇談会や行事後のアンケートで保護者の意見や要望を聞いています。
・保護者の同意を得て、横浜市東部地域療育センターに保育士が付き添い、援助の仕方について共有しています。障がい児担当の職員を配置し、障がいのある子どもと他の子どもたちが一緒に活動できるように配慮しています。
・感染症や衛生管理、安全管理などの各種マニュアルを整備し、職員に周知しています。ただし、マニュアルによっては見直しなどが不十分なものもありますので、職員数も多い大型園であり、全職員への確実な周知のためには文書化の充実が必要かと思われます。
・事故やケガについては「アクシデントレポート」と「ヒヤリハット」に分けて記録に残し、統計・分析を行うと共に、リーダー会議・乳児部会議・幼児部会議等で事故やケガの状況報告及び再発防止に向けた検討が行われています。
4 地域との交流・連携 ・子育て支援サービスは保育の専門性を生かした大変積極的な取り組みで地域の親子を支えています。一時保育・交流保育・園庭開放を行っており、どのサービスについても年間を通して利用者が多い状況です。
・地域支援担当職員による、休日保育を行っています。利用する子どもは神奈川区内だけに留まらず、広範囲からの多くの子どもを受け入れています。
・地域の未就園児と保護者に向けた育児講座を開催しています。外部講師による人形劇やリズム遊び・おはなし会等に加え、園児との交流散歩・絵本の貸し出し・給食の試食提供等を実施しています。
・日々の散歩で出会う地域住民と、積極的に挨拶や会話を交わし良好な関係を構築しています。また、パート職員を近隣地域在住の人を雇用し、地域とのつながりを大切にしています。
・卒園児の小中学生を「ちびっこ先生」として、毎年夏休みに受け入れています。例年希望者が多く、今年度も90人近い学生が参加しています。中学生、高校生の職業体験の受け入れも行っています。
5 運営上の透明性の確保と継続性 ・入職時に、職員が守るべき法・規範・倫理などをまとめた「職員ハンドブック」を配付し、説明しています。また、就業規則や「横浜市かながわ保育園職員倫理綱領」にも記載されています。保育士は「職員自己評価」を用いて自分の保育を振り返り、結果について話し合っています。
・保育士の自己評価や保護者アンケートなどから保育所としての課題を明らかにし、リーダー会議で話し合い園の自己評価を作成しています。園の自己評価の公表は今後の課題となっています。
・運営法人による内部監査を実施しています。また、税理士による会計監査を年2回受けています。
・行事の実行委員会には、保育士・栄養士・非常勤職員が参加していて、組織をあげて取り組んでいます。実行委員会には保護者も参加しています。
・運営法人の中長期計画に基づき、園としての中長期計画を策定しています。中長期計画を踏まえ、単年度の事業計画を策定しています。
6 職員の資質向上の促進 ・職員が休暇(有給休暇と保健休暇)と勤務時間(実労7時間半)を確保できる人材構成であるかをチェックし、必要な人材の補充を行っています。園長、副園長、主任で話し合い、職員の希望や組み合わせ、子どもや保護者とのバランスなどを考慮し、職員配置をしています。
・新採用、2〜5年、6〜10年、11年以上ごとに求められる役割、必要な知識、研修等が記載された人材育成計画があります。
・職員は職員自己評価の「目標と課題把握表」を用いて目標設定と振り返りをし、年1回の園長面談で達成度の評価をしています。
・職員の研修ニーズを配慮し、園長が研修計画を作成しています。年4回、防犯訓練、保健衛生、エピペン、製作遊びなどの園内研修を実施していて、正規職員・非常勤職員ともに参加しています。職員は、神奈川県や横浜市、白峰学園保育センター、全国男性保育者研修会、全国保育合同研究集会などの外部研修に参加しています。また、運営法人の階層や職種別、年齢別の研修があり、非常勤職員を含む該当する職員が参加しています。研修に参加した職員は研修報告書を提出し、職員会議で報告しています。
・経験年齢にかかわらず、個々の期待水準にあわせてクラスリーダーや行事の実行委員長などの役割や権限を委譲し、職員が責任感を持って任務にあたり、やりがいと感じられるようにしています。

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