かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

厚木市児童発達支援センター ひよこ園

対象事業所名 厚木市児童発達支援センター ひよこ園
経営主体(法人等) 社会福祉法人県央福祉会
対象サービス 障害分野 障害児多機能型事業所
事業所住所等 〒 243 - 0018
厚木市中町1-4-1 厚木市保健福祉センター2階・4階
tel:046-225-2245
設立年月日 2017(平成29)年04月01日
公表年月 2019(平成31)年02月 〜
使用評価項目 東京都版
評価機関名 株式会社フィールズ
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

<事業所の特色>
 
「厚木市児童発達支援センターひよこ園」は平成29年に開所し、児童発達支援事業、保育所等訪問支援事業、障害児計画相談を行っています。
事業所は小田急小田原線「本厚木駅」から徒歩5分のところにある「厚木市保健福祉センター」内の2階と4階にあります。
事業所の理念は「1) 質の高い発達支援サービスの提供 2) 利用児童や保護者が安心して相談できる場の提供 3) 謙虚さと誠意が感じられる職員の態度 4) 互いを思いやり、チームワークを大切にする職員集団の構築 5) 厚木市等行政機関や近隣関係機関との緊密な連携」の5項目になっています。


<事業所が特に力を入れている点>

1.研修に参加しやすい環境を心がけ、各種の専門知識の習得に力を注いでいます
「職員の専門性を高める」という目標を設定し、法人、外部、内部研修を積極的受講しています。研修に参加しやすい環境づくりを心がけ、研修情報を広く職員に提供し勤務時間内での参加を可能とし、外部研修等の研修希望については勤務調整し出席を促しています。法人研修では全体研修のほか、人権研修、メンタルヘルス研修があり、外部研修では、自閉症や発達障害、ダウン症児の発育発達など専門知識の習得をしています。内部研修では外部講師を招いて各職員がケースを発表しスパーバイズを受け、質の高い発達支援サービスに向けて取り組んでいます。

<特に良いと思う点>

1.保護者懇談会や個別面談などで保護者からの意見を聞き支援に活かすと共に、ニーズに沿った保護者研修会を開催しています 
毎年保護者懇談会を実施し、園からはクラス全体の様子や活動状況を伝え、保護者からは家庭での様子や園に対する要望を聞いています。出された要望や意見は職員会議で園長他全職員で話し合い、対応を検討し支援に活かしています。内容や対応については園だよりに掲載し、全保護者に周知しています。毎年保護者向けに同建物の厚木市保健福祉センター6階のホールで保護者研修を開催しています。就学に向けての情報提供や学童期に向けた家庭での関わり方などをテーマに外部講師により実施し、園以外の保護者も含め毎年50〜60名の参加があります。

2.子ども達に理解しやすく、安心して過ごせる室内環境を整備しています
室内の壁には、スケジュールを文字と写真カードや絵カードを貼り、時間の流れを理解できるように、全体の時間から絵カードを剥がして残りの時間を理解しやすくするなど視覚支援の環境にしています。刺激や癒しを感じてもらえるように、職員の手作りのスヌーズレンの考え方を取り入れた活動を提供しています。自由遊びでは本を読んだり、おもちゃ遊びをしたり、パズルをするなど集中できるようにパーテーションを利用して環境つくりをしています、ロッカーの角には被いをしたり、手洗いの洗面所は扉で開け閉めできるようにして安全面での配慮をしています。

3.同事業所が運営する相談支援事業や保育所等訪問事業と連携をしながら、支援を行っています
「ひよこ園」では、児童発達支援の他相談支援事業と保育所等訪問支援事業を運営しています。児童発達支援事業の通園児の相談や障害児支援利用計画の作成、サービス担当者会議などで意見交換を行い、情報を収集しています。保育所等訪問事業には通園児の保育所等を訪問し生活状況や行動を観察してもらい、助言などをもらっています。新規利用児は慣れないこともあり、相談支援事業や保育所等訪問事業の職員も一緒に関わってもらい、不安の解消に努めるなど連携をしながら、支援を行っています。

<さらなる改善が望まれる点>

1.キャリアパスによる人材育成計画や研修制度の体系化が期待されます
目標管理を行う「チャレンジシート」を基に上司と面談し、目標設定による評価をしています。チャレンジシートは法人に提出し、管理されていますが、昇給や昇任に結びつくものにはなっていません。職員採用時には法人による人事制度についての説明は行われていますが、キャリアパスの体系化には至っていません。また、事業所として各職員の育成を体系的に示す人材育成計画についても未整備の状態です。職種や職層に応じて必要となる技術水準について具体的に定め、職員に周知されることが期待されます。

2.中長期計画で事業所の方向性を示し、連動する単年度計画を作成することが期待されます
法人の中長期計画は策定されているようですが、確認はできませんでした。事業所としての中長期計画はなく単年度計画及び計画に合わせた予算案を作成しています。中長期計画で将来へ向けての方向性を示し、到達点を明らかにし、その方向に向けて単年度の計画が必要と思われます。 今後は事業所として中長期計画を策定し、課題を細分化して単年度事業計画に反映し、職員や利用者等への周知を図ることにより、全員が事業運営への意識を高めていくことが期待されます。

3.基準書や各種マニュアルはありますが、標準化に向けた活用や定期的な見直しが期待されます
事業所の運営に必要な基準書や手順書、各種マニュアルを整備していますが、開設2年目ということもあり、やや寄せ集めの感があります。整理及び見直しが必要と思われます。また、会議等で順番に読み合わせや確認を行い、日常的に活用していくことが期待されます。疑問点や不具合な場合など必要に応じた見直しや改善が一部では行われていますが、定期的な業務点検の見直しにはなっていません。一定の基準を定め定期的な見直しに取り組まれることを期待します。


評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

@ 入職時には法人の研修委員会による新人職員研修会を実施し「職員ハンドブック」を配布しています。職員ハンドブックにはコンプライアンス、職員倫理行動綱領や倫理行動マニュアル、就業規則等があり、職員はハンドブックを教本として学んでいます。福祉サービスを提供する業種であり、利用者の人権を重視し、事故の無いよう研修委員会による毎年数多くの人権研修が行われ全職員が研修に参加しています。また、年度当初の会議で、倫理行動マニュアルの読み合わせを行い、利用者に対する支援の在り方、信頼関係を築くことを確認しています。

A 事業所内での虐待事例はありませんが、家庭での虐待の可能性については、家庭との連絡を密にして必要に応じて福祉総務課と連携しています。職員ハンドブックや倫理行動マニュアル児童版には虐待防止についての利用児童や家族との関わり方が記されています。職員は入職時や会議での読み合わせを行っていますが、虐待について体系化されたマニュアルではなく、定期的に研修が実施されているわけではありません。虐待の早期発見・通報は福祉施設や保育士の努力義務であり、今後は意識を高めていくうえでも虐待防止に向けた定期的な研修が期待されます。

B 利用契約時には外部の福祉関係機関や医療機関等への情報提供及び情報収集について個人情報の提供に関する同意書、情報収集承諾書に同意を得ています。また、同様に子どもの写真や名前の園内掲示や園だよりへの掲載についての承諾を得ています。面談や相談に関してはプライバシーに配慮し相談室を利用しています。子どもへのプライバシーへの配慮としてはトイレやおむつ替えに際しては衝立を立てトイレ内で行っています。プールの時はプールの更衣室で着脱をしています。送迎バスは自宅近辺ではなく幹線道路に停車する配慮をしています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

@ 3月に開催される新規利用児・保護者対象の説明会の際に園長から保護者に重要事項説明書の内容の説明を行い、同意の署名、押印をもらっています。重要事項説明書では、事業所の概要・目的と運営方針・職員体制・サービスの概要・苦情申立て・健康管理・非常災害時の対応などの説明を行っています。また児童福祉法に基づく通所給付費から給付されるサービス内容や利用料金についての説明も行い、利用児・保護者の同意を得ています。 

A 新規利用者には個別面談を行い、内容を初回面談質問票に記録しています。紹介された場所・現在通っている機関名・医療について・ADL・運動・コミュニケーションなどの本人の状態や家族関係や家庭での一日の過ごし方など聞き取った内容を記録しています。利用申し込み書にも医療的ケアやアレルギー、てんかんなどの状況や希望する通所日、送迎の希望などの要望を聞いて記録し個人別ファイルに入れて、いつでも確認出来るようになっています。

B 利用開始直後の1週間から2週間は保護者と一緒に通園し、時間を短縮したり、送り迎えをして慣らし通園を行っています。相談支援や保育所訪問担当の職員にも加わってもらい、職員の配置を厚くするなどの工夫をして不安解消に努めています。年少の3歳児は寝ていることもあり、今までの生活のペースを考慮し、無理のない活動内容にしています。サービス終了児は地域小学校の支援級や普通級、養護学校などに入学するので、引き継ぎ書に得意なことや苦手なことなど支援する上での情報を記載し伝えています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

@ 利用者の意向や満足状況を把握するために年度末には利用者アンケートを行っています。クラス担任間で行うリーダー会議や運営会議の場で運営方法や行事等について話し合い、課題、意向を把握しています。相談支援事業所との連携で地域の相談支援事業所連絡会情報や事業所訪問から地域情報収集しています。県の事業関係説明会や厚労省ホームページ、法人レポートから情報を収集しニーズを掴んでいます。こうした各種情報や福祉動向を分析し事業所の課題を抽出しています。

A 法人の中長期計画は策定されているということでしたが、確認はできませんでした。事業所としての中長期計画はなく、単年度計画及び予算案を作成しています。事業計画には方針や行動指針、重点目標、重点課題、業務内容、週間予定等が明示され、本年度の事業の予定が整備されています。事業計画は前年度に作成されており、本年4月に所長が交替したことで、見直しや修正をかけることも考えています。今後は事業所として中長期計画を策定し、課題を細分化した単年度事業計画に反映し、職員や利用者等への周知を図ることが期待されます。

B 今年度の事業計画の重点目標は、魅力あるプログラム、財政の安定化、笑顔で働ける職場づくり、研修等を掲げています。重点課題として、療育の充実、家族支援の充実、質の高い発達支援サービスの提供、職場環境の快適さ等を挙げています。その指標として@財政の安定化では、赤字の出ないように月の試算表で収支状況の把握し、利用率のアップを目指すこと、A質の高い発達支援サービスとして療育環境整備、怪我防止、療育の充実を図ること、B研修を通じて職員の専門性を高めること等を挙げ、実行に取り組んでいます。

4 地域との交流・連携

@ 近隣の大学・短大・専門学校の授業の一環として年間を通してボランティアの受け入れを行っています。毎週2名の学生が1回90分、年間延べ100名の学生が実習生として療育に携わっており、学生への教育の一環として支援の現場を提供しています。事業所側としては、行事等の際などスムーズに行われるよう協力してもらっており、また、地域における事業所の周知にも繋がっています。更に、専門的事業所として地域の保育所・幼稚園など児童関係事業所職員や学校関係者に向けて子どもの発達に関わる研修会を実施するなど、地域貢献に取り組んでいます。

A 利用児の計画相談事業所が開催する担当者会議に参加し、他機関と情報交換を行うなど連携をとりながら支援を行っています。医療機関の主治医とは看護師が連絡し、利用児の健康状態などを聞いています。就学について教育機関と話し合うこともあります。保育園や幼稚園の先生が見学に来ることもあり、利用児のコミュニケーション度について話し合ったりしています。同事業所の相談支援や保育所等訪問支援の職員に相談して、意見をもらうなど他部署とも連携を図っています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

@ 厚木市児童発達支援センターひよこ園(以下、事業所)は、児童福祉法に基づく指定児童発達支援事業所(福祉型)として平成29年4月に開所し、「通園事業」「保育所等訪問支援事業」「障害児相談支援事業」の3事業を実施しています。運営主体は社会福祉法人県央福祉会で、法人の理念や基本方針、ミッション、行動指針を定め、所内に掲示しています。日常的に目に触れ意識づけを行うと共に職員会議などで唱和・確認しています。事業所が目指す理念、方針はパンフレットや入園のしおりに掲載し、サービス開始時には利用者及び保護者に説明しています。

A 所長は目指す理念や方針の実現に向けて年度当初に職員会議で自らの役割伝え、事業所をリードしています。事業所の取り組むべきこととして、経営の安定化を図ること、サービスの質を高め利用者・家族に信頼されること、職員が業務を円滑に進めるための環境づくりや職員の人材育成を行うことを、職員に伝えています。現状の具体的な課題として障害特性や子どもの発達への理解を深めアセスメントが的確に出来ること、一人で抱え込まないで情報共有のできる、風通しの良い職場づくりを職員に伝えリーダーシップを図っています。

B 所長は本年4月に着任し、本年度より経営層やリーダー格の職員が参加する運営会議及びクラス担任が行うリーダー会議をそれぞれ月1回設定し、案件の決定や情報の周知が機能するように整えました。事業所の組織図や業務分担表を作成し、職員一人ひとりの配置や業務を明確にしています。制度改正など重要な案件は月1回開催される法人の所長会議で報告され、その経緯を含めて朝礼や夕礼、会議で伝達し、参加できなかった職員には「事務日誌」で周知しています。保護者には直接口頭で伝える場面はなく、プリント配布や掲示で知らせています。

6 職員の資質向上の促進

@ 常勤職員の採用及び配置は法人人事部が行っています。法人人事部はホームページでの募集案内や定期的な説明会を実施しています。非常勤については事業所による採用を行い、求人媒体ネットやハローワークなどに募集をかけています。年齢や男女等の制限はなく、知識や経験よりも仕事への動機づけや療育に対する取り組みを重視しています。面接を行い、実習は3日間の体験をしてもらい採用を決めています。配置については法人人事部に対して意見具申をしていますが、特技や特性に基づく配置は難しい状況です。

A 年度当初に本人と上司が面談し業務目標を定め、仕事に取り組み、その達成度合いを本人と上司で評価を行うチャレンジシートを活用しています。チャレンジシートは法人に提出し、管理されていますが、昇給や昇任に結びつくものにはなっていません。職員採用時には法人による人事制度についての説明はあるようですがキャリアパス制度は設定されていません。また、事業所として各職員の育成を体系的に示す人材育成計画についても未整備の状態です。職種や職層に応じて必要となる技術水準について具体的に定め、職員に周知されることが期待されます。

B 事業計画には「職員の専門性を高める」という目標を設定し、法人研修、外部研修、内部研修を積極的に行っています。法人研修では全員参加の全体研修のほか、人権研修、メンタルヘルス研修には毎年数名が参加しています。外部研修では、自閉症に関わる支援や発達障害のある子へのSST活用、ダウン症児の足の発育発達について、など専門知識の習得をしています。内部研修として外部講師を招いてケース会議を開催し、職員一人一人がケースを発表し職員間で検討し、スパーバイズを受けており、質の高い発達支援サービスの提供に向けて取り組んでいます。

詳細評価(PDF748KB)へリンク