かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

みのわのぞみ保育園

対象事業所名 みのわのぞみ保育園
経営主体(法人等) 社会福祉法人 春献美会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 223 - 0051
港北区箕輪町3-7-2
tel:045-562-1210
設立年月日 2016(平成28)年04月01日
公表年月 2019(令和元)年02月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 株式会社 学研データサービス
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

《施設の概要》
 みのわのぞみ保育園は社会福祉法人春献美会の系列園として、昭和52年設立の横浜市立箕輪保育園を平成28年4月に民営化移管により開設した園で、開園後3年目になります。1〜5歳児を受け入れ、定員は77名、平成30年10月現在81名在籍で、延長保育や障がい児保育を実施しています。園は東急東横線日吉駅から徒歩12分、商店街や大学、高校などの街並みを通りぬけた住宅地にあります。東京方面への交通が至便なため、地元の旧家のほかに近年は戸建てやマンションが増えています。近隣には田畑も残り、寺院や神社があり、自然豊かな公園がいくつもあります。こうした環境の中、子どもたちは伸び伸びと園生活を楽しんでいます。

《特に優れている点・力を入れている点》
○屋外遊びに積極的に取り組んでいます
 天気の良い日は、園庭で遊んだり、散歩に出かけ、自然の中で思いきり遊ぶ時間を設けています。近隣には、自然豊かな公園や遊具のある公園などが多数あり、子どもの年齢に合わせた散歩コースや目的に合わせて公園を選んでいます。子どもが発見した植物や虫などを虫眼鏡や図鑑で調べたり、季節の自然に触れることができるよう配慮しています。また、公園や園庭で見つけた虫やおたまじゃくしなどを飼育し、生き物を育て命の大切さを知る機会にもしています。異年齢で一緒に出かける機会を持ち、行き帰りは、年上の子どもが小さい子どもをいたわり世話をするなど交流をしています。

○地域社会との連携を重視した地域子育て支援事業計画をしっかり推し進めています
 園は民営化して開園3年目ですが、元の市立保育園の開園は昭和52年で、地域に認知された園でした。現在もこの伝統を生かして、地域社会との連携を重視した地域支援事業を推し進めています。毎年地域子育て支援事業計画を立て、実施しています。給食の食材は地産地消を旨として、JA(農協)を通じ、地元農家でできた野菜などを5歳児が買いに出ています。子育て支援事業として、園庭を開放し、育児相談、育児講座、食育講座、交流保育、絵本の貸し出しを実施し、運動会やおすもうさんを招いてのもちつき、新年おたのしみ会などの園の行事に地域の方々を招待しています。港北区のベビーステーション(おむつ交換の場所提供)の登録をしています。近隣のグループホームとは、園行事に招待し、毎月のように訪問し交流しています。

○日常保育多忙の中、互いに協力し合い、外部研修を受講し保育の質の向上に努めています
 厳しい職員体制ではありますが、横浜市や港北区をはじめ法人本部、大学、教育機関主催の研修に、職員は互いに協力し合って、積極的に参加しています。研修担当の園長は園の運営上の必要性や、職員の希望やキャリアアップなどを考慮した、多くの講座を受講する研修計画を作成しています。研修参加者は報告書を作成し、職員会議の中の内部研修などで報告し、内容の共有を図っています。また、会議に参加できなかった職員は事務室で随時報告書を見ることにしています。内部研修は全体職員会議の中で開くことが多く、必要な研修には非常勤職員でも参加できるよう配慮して、職員全体の質の向上に努めています。このようにして、多くの職員が年1回以上研修を受講しています。

《事業者が課題としている点》
 職員が、それぞれの役割や保育の協働性を認識して、連携することを課題と捉えています。基本に忠実に、報告、連絡、相談をして、疑問に思うことがあれば会議の議題に出して話し合い、子どもたちの実情に合わせた保育の実現に努めています。また、子どもたちのために園全体が円滑にまわるように、非常勤も含め職員それぞれの価値観を共有したり、個別対応が必要な場合もどの職員も同じかかわりができるように情報を共有したりしています。さらに、新人育成にも取り組み、クラス会議の中で日々の保育を振り返り、今後の取り組みや見通しを伝えています。


評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重  職員が子どもを呼ぶときは、男女の区別なく「ちゃん」や「さん」をつけて呼んでいます。日ごろの保育活動ではなるべく静かに話しかけることを心がけ、子どもには「大きな声はぶつかり合うから、今が5なら、3で話そうね」と、声の大きさを数字に例えて話し、大きな声は出さないように教えます。子ども一人一人の人格を大切にし、要望を受け止め、できる限り希望に沿うようにしています。子ども同士のトラブルに対しては、なぜそれが起こってしまったかを子ども自身が考え、相手のことを考えられるように、子どもに目線を合わせて話します。職員は外部研修で子どもの人権について学び、リーダー会議で子どもと向き合う姿勢について話し合っています。
 3歳児の保育室に牛乳パックで作った仕切り板があり、一人で遊びたいときや静かにしたいときには使っています。保育室内でもマットを敷いたり、テーブルで空間を区切ったりして、子どもが小集団で過ごしたり、保育士と遊んだりしています。友達に知られたくないことを話すときは職員と一緒に部屋の隅に行って話します。子どもが一人になりたがった時は、職員間で連絡を取り、子どもが落ち着けるような場所を確保して、担当保育士でなくても子どもを見守れる体制を整えています。おねしょの始末をするときは、子どもを自分の前に立たせて、ほかの子どもには見えないようにしてそっとトイレに行きます。布団は洗い、休憩室奥の布団乾燥機で乾かしています。
 保育業務マニュアルの中で、個人情報の取り扱いについてガイドラインを規定しています。マニュアルは全職員に配付して、個人情報の取り扱い方や守秘義務を周知しています。保護者には入園前の面談時に、子どもの写真や名前の掲載についての確認を取ります。重要事項説明書の中では個人情報の取り扱いを説明し、同意書に署名してもらっています。ボランティアや職場体験、実習生を受け入れる際には、マニュアル「ようこそ、みのわのぞみ保育園へ」の中で守秘義務や個人情報の取り扱いについて説明し、誓約書に記名してもらっています。個人情報は施錠できるキャビネットに保管し、廃棄する場合はシュレッダーで処理しています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

 全体的な計画にある年齢ごとの保育目標に基づき、年齢ごとに指導計画を作成しています。指導計画は年間が4期に分けられ、ねらい、養護、教育、食育など、必要な項目ごとに目標を設定しています。職員は日々の保育の中で、子どもたちの表情を見落とさないようにして、年齢や月齢など育ちに合わせた言葉かけや触れ合いをするようにしています。言葉にできる子どもからは意思や意見を聞くようにし、子ども一人一人が発している言葉を受け止めます。紙人形劇や大型紙芝居などを使って、子どもの理解を進める工夫をしています。計画を見直す際には読み取った子どもの表情やしぐさからも、子どもの意思を尊重するようにしています。
 1、2歳児の保育室では、コーナー保育や机でスペースを仕切った場所での遊びなど、好きなところで好きな遊びができるようにしています。1歳児の保育室は食事するスペースと午睡をするスペースを分けています。それ以外の年齢の子どもの保育室では、食事をした後掃き掃除と拭き掃除を行ったうえで午睡をしていますが、なるべく使用する場所が重ならないように工夫しています。午睡をする際には、子どもが毎日同じ場所で眠れるように配慮して布団を敷いています。異年齢交流は園庭や、朝夕は2歳児または4歳児の保育室で行いますが、一緒に散歩に出かけたり、パーテーションを取り除いて広いスペースで体操をするなどして、子どもたちは異年齢交流を楽しんでいます。
 1、2歳児の年間および月間個別指導計画があり、月ごとの子どもの姿、体験させたいこと、保護者支援、その他の配慮などを担当職員が計画します。子どもの発達を適切にとらえ、目標に対して計画が妥当であったかを評価し、記録し、クラス内で話し合いと振り返りを行っています。3歳児以上の場合でも、健康面や発達の様子、家庭の状況により、また専門機関の指導があった場合には、個別指導計画を作成しています。年間および月間個別指導計画はリーダー会議や職員会議で話し合い、子どもの発達状況に合わせて変更や見直しを行います。保護者には個人面談を行って、現在の子どもの育ちや今後の目標を説明し、保護者の意見を聞くとともに、同意を得ています。


3 サービスマネジメントシステムの確立 短縮保育については入園前の個人面接で詳細を相談するだけでなく、入園時にしおりを使って日程や内容を説明します。重要事項説明書にも記載しています。短縮保育の期間は1週間をめどとしていますが、保護者の仕事復帰時期や家庭の事情に合わせて柔軟に対応します。1歳児の担当は決まっていて、連絡帳を書く際もなるべく同じ職員が書いて、日常の子どもたちの様子が保護者に細かく伝わるようにしています。保育園に慣れるまで、子どもがどうしても持っていたいものは持ち込みをできるようにして、子どもが心理的に安定するまで様子を見ます。在園児を保育する職員と新入園児を担当する職員は連絡を密にして、進級した子どもに配慮しています。
 園は平屋建てで、門扉から入り口まではスロープになっています。廊下とトイレには手すりがついています。平成28年に横浜市から移管を受けた際には、保護者の同意を得て個別の記録を引き継ぎ、子どもにかかわる全職員がケースごとに情報を共有しました。横浜市総合リハビリテーションセンターに巡回相談を依頼するほか、日吉本町地域ケアプラザからも助言を受けられるようにしています。職員は自閉症や発達障がいなど、障がい児保育に関する研修を受け、リーダー会議で情報を共有し、話し合いを行っています。子どもたちは障がいのある子どもをふだん通りに受け止め、職員とともに自然に世話をするような形で一緒に活動しています。
 入園前の聞き取り調査で子どもの情報を確認します。かかりつけ医の診断書や生活管理指導表をもとに、園長をはじめとする全職員が情報共有し、アレルギー対応表を作成して除去食対応を行っています。食物アレルギーの最新知識は担当職員が外部研修を受け、受講資料と研修記録を作成し、職員全員で共有しています。保護者には給食メニュー表の該当部分にマーカーで印をつけて、前月末までに渡しています。保護者からはアレルギー情報に変更が生じた際に連絡をもらうようにしています。除去食を提供する際には名前を書いた専用トレー、専用の食器、名札を使用し、除去食にはラップをかけたうえで名前と除去物を書き、職員がラップを外す際、再確認しています。

4 地域との交流・連携 年度末の職員会議などで、その年度の全体的な計画について見直しを行っています。地域の子育て支援についても、支援の実績や行事アンケートなどで把握したニーズを基に話し合い、次年度に向けての取り組みを検討しています。地域の子育て支援事業として提供しているサービスには、園庭開放や交流保育、絵本の貸し出し、育児相談、運動会やおすもうさんを招いてのもちつき、新年おたのしみ会などの行事への参加などがあります。また、港北区のベビーステーションに登録し、役立ててもらっています。さらに、地域の子育て家庭に向けて、栄養士による手作りおやつ作りなどの育児講座を開催しています。
 利用希望者からの問い合わせには、パンフレットや入園のしおり、重要事項説明書などに基づいて、園長または事務担当者が平日は常時対応できるようにしています。問い合わせには見学が可能なことも伝えて、毎週水曜日の子どもの活動の様子がわかる9時30分から10時30分の間を案内しています。しかし、その日時に都合がつかない場合には保育に支障を来たさない範囲で見学希望者の意向に沿うようにしています。また、見学希望者の多い夏から秋にかけては、見学の曜日、時刻を増やして対応に努めています。見学者にはパンフレットを渡し、園長が内容を説明して園内を案内しています。見学途中や見学後の質問には園長がていねいに回答しています。
 ボランティアのマニュアルとして「ようこそ、みのわのぞみ保育園へ」があり、これに基づいて「保育園とは」から園の目標と保育姿勢、保育の一日、守秘義務、服装・身だしなみ、保育上の注意事項などをわかりやすく説明しています。ボランティアとして、地域の中学生の職業体験や高校生のインターンシップを受け入れています。受け入れに際して、事前に園だよりや掲示などで職員や保護者に知らせています。受け入れ担当は主任で、実施日前にオリエンテーションを行い、守秘義務の誓約書を受け入れています。指導は各クラスリーダーが行い、終了時には感想を聞き、有益な意見は以後の保育に役立てています。このほか、地域の有志のグループが毎月ボランティアで来園して「おはなし会」を開いています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

 園のパンフレットには、園長の挨拶文に始まり、保育理念、保育方針、保育目標、保育で大切にしたいこと、園の民間移管日、クラスの定員、施設概要、職員構成などのほか、保育活動の写真、延長保育の料金、平面図、案内地図など必要な情報を記載し、園の見学者などに配付しています。また、園のホームページにはさらに園の一日や年間行事、保育の様子としておすもうさんを招いてのもちつきの写真などを載せています。園の情報は港北区こども家庭支援課や横浜市こども青少年局に提供していますし、港北区主催の「わくわく子育て広場」でパンフレットを配付しています。また、保育園や幼稚園の紹介情報誌「びーのびーの」にも園庭開放や育児相談日も含めた情報を提供しています。
 職員はクラスごとの振り返りを基に職員会議などで結果を報告し合い、話し合って、次の計画作成につなげています。振り返り結果の話し合いの中から、子どもの安全のための環境見直しを行い、鉄棒の下に安全マットを敷くなど改善に結びついています。職員個人の自己評価やクラスごとの振り返りを踏まえ、園の保育理念や保育目標、全体的な計画に沿って、職員は年度末に「保育所における自己点検・自己評価」の書式で、個人ごとに自己評価を行っています。これを主任と園長が一つにまとめ、職員会議で説明、周知しています。一本化した「保育所における自己点検・自己評価」はファイルに入れ、玄関で保護者などに向けて公表しています。
 「就業規則」の「服務」の章では子どもの人格の尊重や守秘義務、個人情報保護など職員として守るべき法、規範、倫理を記載し、全職員は入職時に園長や主任から説明を受け、「秘密保持に関する誓約書」を提出しています。また、全体的な計画にも社会的責任や人権尊重、情報保護などを項目別に記述し、職員に周知を図っています。園を含む法人全体の財務諸表や現況報告書が法人のホームページで情報公開されています。世間で発生した子どもの虐待や人権侵害事例などは、新聞記事などを基にすぐにミーティングなどで情報共有して、早期発見や注意点の再確認をしています。


6 職員の資質向上の促進  横浜市や港北区をはじめ、法人本部、大学、教育機関主催の研修に、厳しい職員体制の中でも互いに協力し合って、積極的に参加しています。研修担当の園長は園の運営上の必要性や、職員の希望やキャリアアップなどを考慮した、多くの講座受講の研修計画を作成しています。研修参加者は報告書を作成し、職員会議の中の内部研修などで報告し、内容の共有を図っています。また、会議に参加できなかった職員は事務室で随時報告書を見ることにしています。内部研修は全体職員会議の中で開くことが多く、必要な研修には非常勤の職員も参加できるよう配慮しています。園長と主任は研修報告書の下部にコメントを付記し、受講者をフォローするとともに、研修を評価して次の研修選定に生かしています。
 職員の自己評価は「目標及び評価反省」シートにより行っています。11月ごろに、年度初めに設定した2つの目標などに対する達成度の自己評価と、設定目標以外のことについての自己評価、来年度の取り組み、目標を記入して園長と面談し、指導や助言を受けています。また、年度末には、職員が個別に園の自己評価を行い、これを基に園の自己評価を一つに取りまとめています。会議やミーティングで評価結果などを話し合う中から、保護者との情報交換や言葉づかいの問題が出て、非常勤職員を含めた内部研修を開き、「ていねいに聞く」など改善策を確認しました。園では「さくら・さくらんぼ保育」のリズム運動を取り入れており、年に2、3回専任講師の評価や指導を受けています。
 保育の計画書は法人共通の書式を用いています。保育の振り返りはその期の初めの計画のねらいと関連付けて、年間指導計画は四半期ごとに、月指導計画、週・日指導計画・日誌はその期間ごとにクラス単位で行っています。保育の振り返りは、例えば4歳児では「日々の小さな変化『昨日よりできた』を具体的な言葉で認め、一人一人の頑張りや達成感に共感する言葉をかけた」のように、その結果だけでなく、子どもの挑戦する意欲や努力など取り組む過程を重視して行っています。職員は振り返りを通じ、自らの保育実践やサービス内容の改善とともに、次の目標作成に生かしています。

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