かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

港南つくしんぼ保育園(2回目受審)

対象事業所名 港南つくしんぼ保育園(2回目受審)
経営主体(法人等) 社会福祉法人 つくしんぼの会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 230 - 0003
港南区港南4丁目2−6
tel:045-882-2940
設立年月日 2002(平成14)年04月01日
公表年月 2019(令和元)年02月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 株式会社 学研データサービス
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

《施設の概要》
 港南つくしんぼ保育園は、横浜市営地下鉄ブルーライン「港南中央駅」から徒歩5分の位置にある、平成14年4月開所の私立保育園です。近くには自然豊かな公園が多く、散歩コースに恵まれています。子どもの豊かな心を育てることを大切にした保育を目ざし、保育理念は「豊かな心と身体の自立を促す遊びを中心とした楽しい保育−様々な遊びの経験から自ら考え、行動し、生きる力の基礎を育てる」です。定員は0〜5歳児あわせて148名、開園時間は、平日は7時から19時、土曜日は7時から16時です。地域に根ざし、遊びを中心とした楽しい保育を行っています。異年齢保育や食育、音楽活動、外部講師による体操も取り入れ、子どもたちは明るく元気に活動しています。

《特に優れている点・力を入れている点》
○子どもの人権に配慮した保育を実施しています
 園では「人権について」というマニュアルがあり、その中には「子どもの人権 保育園で大切な人権とは」という文言があります。職員は新人研修で、「子どもの意見の尊重と参加する権利」を学び、対話的保育を実施しています。社会的レベルでの「子どもの人権」だけではなく、日常で一人一人の子どもとかかわる生活レベルでの「子どもの人権」を守っています。例えば、おもらしした子どもに対して、まず、早く着替えをさせたい状況である場合に、職員は子どもに、「今は急いで取り換えたほうがいいと思けれど、この方法で良い?大丈夫?そこまで行く時は先生隠してあげるから」と、子どもに対して、このほうが都合が良いというような一方的な押し付けではなく、子どもに、このようにして良いかという承諾を得て、子どもが納得したうえで行動しています。

○子どもの主体性を尊重した保育を行っています
 子どもの主体性を尊重した保育を行っています。対話保育を取り入れ、子どもたちのやってみたい気持ちや興味を見つけ、それに必要な物を準備したり、遊びが発展するように一緒に考えるようにしています。職員は研修で造形を学び、にじみ絵を描くなどさまざまな素材を使って表現する楽しさを子どもに伝えています。日常の中ではわらべ歌を楽しみ、年数回、歌や太鼓のコンサートを開き、表現することの楽しさを体験しています。子どもの発達や年齢に合わせておもちゃを用意し、遊ぶ時にはいろいろなコーナーを作って遊んでいます。2〜5歳児は一人一人に、職員が製作した人形が用意されており、好きな時に自分の人形で遊ぶことができます。園庭にはアスレチックがあり、子どもたちは自由な発想で遊びを楽しんでいます。


○積極的に地域連携を深め、保育ニーズの掘り起こしに取り組んでいます
 園ではフリー保育士を「地域担当職員」と決め、地域における各機関や施設との連携を深めており、地域全体の福祉力向上に貢献しています。港南区内において保護者が中心となって立ち上げられた「子育て連絡会」の賛助会員になるなど、港南区および地域の子育て支援に関するニーズの把握に努めています。「こうなん子どもゆめワールド」という地域イベントや園独自の「遊びの日」などの場で育児相談に応えるほか、園の見学を随時受け入れ、園長が中心となって育児、子育て相談に応えています。近隣の福祉施設と共同でイベントを実施するなど、地域の園に対する理解促進に積極的に取り組んでいます。

《事業者が課題としている点》
 キャリアパスの取り組みを充実させ、組織として保育の質の向上を目ざすことを課題としています。意見を出し合える良好なチームワークを築いていきたいと考えています。また、事務作業の合理化を図り、全職員有給休暇50%の取得を目ざしています。有給休暇取得検討チームを設け、不公平感のない取得のルールを決めたり、事務処理を見直し、職員の事務量の軽減を図ることを考えています。地域福祉の拠点となるべく、地域に向けて、子育て家庭の支援になるような事業の実施も課題としています。子育て親子の居場所作りなどを考えています。


評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

 園の保育理念は「子どもの最善の利益・その福祉の増進に努めます」「子どもの人権を守り、子どもの育ちを保護者と見守り、保護者の就労する権利の保障に努めます」、園の方針は「子どもも大人も、ともに元気になれる保育園」ほか5項目、保育目標はこんな子どもに育ってほしいとして、「よく食べ、よく寝、よく遊び、生き生きした子」「自分と仲間を大切にできる子」「自分でやりたいことがあり、自分の力で乗り越えようとする子」を掲げています。保育理念について、職員には年度初めの職員会議で、新人職員には新任研修などで周知し、職員の自己評価や園長との面接時にも確認しています。保護者には入園説明会でも園長から話しています。
 「人権について」というマニュアルがあります。その中には、「子どもの人権 保育園で大切な人権とは」という文言があります。職員は新人研修で、「子どもの意見の尊重と参加する権利」を徹底して学び、「遅いね、はやくして」などの言葉使いはせず「みんな待ってるよ」など子どもの自己肯定感がはぐくまれるように子どもの気持ちを受け止め、小さなことでも褒めて認めることで子どもが自信を持てるような言葉使いを心がけています。職員は、必ず子どもに「○○してもいいかしら」など同じ視線の高さで対話をするなど、子どもの人権に関して日ごろから関心をもって取り組んでいます。
 子どもが落ち着いて過ごせる環境として、階段下のちょっとしたスペースや保育室内の押し入れの下の空間などがあります。また、パーテーションなどで個別の空間を作るなどしています。職員が子どもと一対一で話をしたい場合は、子どもの様子を見て、部屋の隅や廊下、別の部屋などを利用して、子どもに話が伝わりやすくなるような場所を考えて話をしています。子どものクールダウンが必要な場合は、子どもがどのような気持ちを伝えたいのかを考慮し、環境を変え応接室や事務室を使っています。


2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

 全体的な計画は、保育理念や保育方針、保育目標に基づき、子どもの最善の利益を第一義に作成されています。園の開所時間は7時から20時までとなっています。近隣には公共施設や高齢者施設などがあり、近隣との交流を通じて、地域の中で福祉的役割を果たせるように努めると明文化されています。全体的な計画は法人の理念を基にクラス単位の意見を吸い上げ、全職員が参加したものを園長がまとめ、さらに職員の理解が得られるよう職員の意見を取り入れ、微調整を重ね作成しています。全体的な計画については懇談会で保護者に向け園長が説明し、それに沿った保育内容を園だよりでも伝えています。
 全体的な計画をもとに年齢ごとの「年間指導計画」「月間指導計画」「週案」を作成しています。ほかに年齢ごとの「年間食育計画」「保健年間計画」を作成し、食育計画では年齢にあった食育にかかわる栽培や、5歳児からはクッキングについても記載されています。日々の活動について、子どもにわかりやすい言葉で伝えています。また、職員はビデオで保育の様子を撮影し、子どもたちの様子や表情を客観的に見る研修を実施しています。これによって、個々の子どもたちの様子を見ることができ、自分たちの保育の振り返りの一つとしています。子どもたちが好きなことや興味を持っていることをテーマにして、子どもたちの発想や自主性を取り入れるように、計画は柔軟に行われています。
 入園説明会には、子どもと一緒に来てもらっています。そして、説明会の後に園長、主任、フリーの職員が面接を行って、子どもの様子や親子の関係を見ています。保護者には「入園児調査表」に、勤務先や通勤時間、アレルギーに関して、送り迎えの人、園への希望などを記載してもらい、その内容に基づいて面談を行っています。その後、担任に情報を伝えています。また、きょうだいが在園している場合は、新入園の子どもは別日に面接をして、生育歴や家庭での状況把握に努めています。これらの情報は職員会議で職員に周知しています。面接時の記録や提出された書類は個別にファイルして保管し、指導計画に反映させるなど日々の保育に生かされています。


3 サービスマネジメントシステムの確立 入園時の短縮保育は、保護者の勤務状況などに応じて2週間を目安に行っています。保護者が就労状況により長く休みが取れない場合には、3月から一時保育を利用してもらうなどして、なるべく保護者の状況に合わせるようにしています。新入園児の主担当は決まっています。また、子どもの心理的なよりどころとなるぬいぐるみやタオルなどの持ち込みができるようにしています。2歳児までは時系列の連絡帳を使っています。職員はその子どもの園でのエピソードを伝えるように心がけています。進級時には担任が一人は持ち上がるようにして、子どもの不安がないように配慮しています。
 年間指導計画や月間指導計画、週案は子どもの状況などを踏まえて検討や見直しを行っています。日々の保育はクラスごとに毎日反省し、週1回と随時振り返りをして、職員会議でさらに検討し、職員が共通認識を持ち日々の保育につなげています。月間指導計画や個別指導計画は担当職員が自己評価や反省を記載し、評価や改定について園長や主任が助言して次につなげるようにしています。また、職員会議では栄養士や看護師も含めて、指導計画の見直しをしています。乳児の食事の進め方、トイレットトレーニングなど個別の計画は、保護者の意見や意向を反映しています。
 保育所児童保育要録は、5歳児担任が作成し園長が確認して小学校に送付しています。子どもの情報や、園での生活、特徴、健康、発達状況などを記録するものとして、児童票や入園児調査表、新入園児補助表、健康台帳、個人面談記録があり、0〜2歳児は月ごとの、3〜5歳児は期ごとの成長や発達が記載された個人記録があります。これらのファイルを見ることで入園から卒園までの子どもの状況が理解できるようになっています。職員は、進級時に子どもの姿を振り返り、「子どもの姿」に記載し、新担任に申し送りをしています。これらの書類は保管場所が決まっており、どの職員も閲覧できるようになっています。
4 地域との交流・連携

 地域のニーズをくみ取る活動は活発に行われています。港南区内の保護者が中心となって立ち上げた「子育て連絡会」の賛助会員となっており、区内全般に渡る子育て支援ニーズの把握に努めています。同時に地域のイベントなどにも積極的にかかわることで、さらにきめ細かな対応が可能となっています。園の「遊びの日」には離乳食の試食会を実施し、終了後にはアンケートで参加者の希望を聞き、次回の企画に生かしています。また、園の誕生会には地域の人にも参加を呼びかけるとともに、近隣の施設との交流行事や港南区が主催する祭りの場など、さまざまな機会をとらえて育児相談を行い、地域ニーズの把握に努めています。
 園ではフリー保育士による「地域担当職員」を決めており、園長及び主任と協議をしながら地域支援の具体化を図っています。一時保育や交流保育、園庭開放を毎月実施し、あわせて育児相談も行っています。また、「つくしんぼ講座」では心理学や絵本の専門家を招いて地域向けの講座を行い、「離乳食試食会」においては職員が離乳食だけでなく手作りおもちゃの作り方などを話すなど、専門性を生かしたサービスを提供しています。「こうなん子どもゆめワールド」という地域イベントにも積極的に施設を開放し、本年度は家庭における事故を想定した救命救急法を消防署の協力で行いました。また、高齢者施設や障がい者支援施設など隣接する4施設と連携し、地域の福祉力の向上に積極的に取り組んでいます。
 育児相談は月に3回開催される地域の「あおぞら交流会」の場で行われていますが、それ以外でも必要であれば随時相談に応じています。また、園の「遊びの日」にも育児相談会を実施しています。また、「ながら相談」と称して折に触れて相談に応えるように努めています。園に関する情報は、随時更新するホームページ及び区の広報誌で園庭開放などについて知らせると同時に、園のフェンスや掲示板などにポスターを掲示し、だれでも情報が得られるように配慮されています。また、散歩の時に運動会の案内を配るなど、地域への情報発信は積極的に行われています。


5 運営上の透明性の確保と継続性

 園の情報提供はホームページや港南区の広報誌など、さまざまな機会をとらえて積極的に行われています。また、隣接する福祉施設には毎月のお便りが配付されており、横浜市や港南区、港南地域療養センター、児童相談所などに園のパンフレットを配付しています。保護者に対しては、重要事項説明書(入園のしおり)を常時エントランスに置いて、関心のある人はいつでも閲覧できるようになっています。さらに、園入り口の掲示板には各種案内を掲示し、保護者への周知を図っています。
 園に対する問い合わせには、園長および主任、3名のフリー保育士が主に対応していますが、電話の応対などはだれでもできるようにマニュアルが作られています。電話対応の記録はきちんとしており、問い合わせに関して不明な点があれば担当者が後に電話で折り返すことが習慣づけられています。見学に関しては希望を聞いたうえで見学日を決めており、園の入り口の掲示板にも見学受け入れに関する案内が掲示されています。園長は見学を、園の様子を広く地域に知ってもらうと同時に、園の基本方針や保育に対する考え方を理解してもらえる機会であり、入園後の信頼関係を築くうえでも重要な機会ととらえています。
 園の保育理念や保育方針に沿って職員の自己評価が行われており、園長は面談を通して職員の要望を聞いています。また、保育所そのものの自己評価も園の理念や方針に沿って行われており、保護者に向けて「アンケートに応えて」やお便りなどを通して自己評価を公表しています。「こうなん子どもゆめワールド」という港南区主催の地域イベントに園を開放していますが、その際に、それぞれのクラスごとに子どもの成長と発達の様子を職員が写真や文章にまとめて展示し、それまでの保育に対する自己評価の場として生かされています。それらはアンケート結果とともに、保護者がいつでも手にとって見られるようにエントランスに置かれています。


6 職員の資質向上の促進

 実習生の受け入れにあたっては職員会議において園長が職員に方針を説明し、周知を図っており、充実した実習とするために事前に園の見学とオリエンテーションを行っています。また、実習中の疑問や悩みごとを担当職員に遠慮なく言える環境を作るように心がけています。実習生もクラス会議に同席し、子どもや保育への理解を深めています。実習にあたっては業務マニュアルを基に園の基本方針や情報の守秘義務などの説明を行い、実習内容は「実習生記録簿」「実習日程表」に記録されています。実習終了後は園長、主任、担当職員と実習生との振り返りの場を設けており、実習生からの感想や疑問、意見は保育に生かされ、実習生受け入れの在り方の参考にしています。
 保育士の配置基準に加えて2名の保育士および非常勤の保育士を配置するなど、子どもの数に対して十分な職員配置が成されており、事業計画書にも具体的な配置計画が明記されています。保育士の配置は保育士勤務表によって明確になっており、毎日の勤務表は事務室のホワイトボードに記入して、クラスを超えて協力できる体制が作られています。「法人が望む保育士像」が明文化されており、それを基に各階層ごとの職務内容に応じたキャリアパス計画が策定されています。法人の「職員研修要綱」を基に園独自の年間研修計画を策定しており、平成29年度より順次「キャリアパス研修」の受講を進めています。職員は年間目標を定め、法人独自の「自己評価表」に基づいて自己評価を行っています。10月と3月に園長と面談したうえで振り返りと反省を行い、3月にはそれを基に次年度の個人目標を定めています。
 「子どもの主体性を見守る」「遊びの中の教育を見つめる」などの目標を定めて年間研修計画が作られており、主任が研修担当を務めています。園内研修は、保育に支障のない範囲で参加する勤務時間内研修と、自由参加の勤務時間外研修が行われています。本年度は習字や歌、救命救急、園の理念、基本的人権や、ビデオ研修などとともに、0〜2歳児を対象とする造形に関する研修を行いました。いずれも非常勤職員も参加しています。園外研修に関しては全職員が年間2回は参加でき、研修終了後は「研修報告書」の提出が義務付けられており、内容は職員会議の場などで共有されています。処遇改善に対応したキャリアパス研修は、経験7年以上の主任と副主任、各リーダーおよび経験3年以上の専門リーダーを対象に実施しています。


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