かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

 バオバブ霧が丘保育園(3回目受審)

対象事業所名  バオバブ霧が丘保育園(3回目受審)
経営主体(法人等) 社会福祉法人 バオバブ保育の会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 226 - 0016
緑区霧が丘3-25-1
tel:045-921-6030
設立年月日 2006(平成18)年04月01日
公表年月 2019(令和元)年02月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 特定非営利活動法人 ナルク 神奈川第三者評価事業部
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の立地・特徴】
・立地および施設の概要
「バオバブ霧が丘保育園」は、JR横浜線十日市場駅からバスで7分、「郵便局前」バス停から徒歩2分の緑に囲まれた自然豊かな霧が丘グリーンタウンの中にあります。平成18年4月に社会福祉法人バオバブ保育の会が横浜市立霧が丘保育園の民間移管を受け、バオバブ霧が丘保育園として開園しています。0歳児から5歳児までの子どもたち98名(定員100名)が在籍し、一時保育も受け入れています。                             
園舎は昭和57年3月に建築された鉄筋コンクリート造りの平屋建てです。各保育室にテラスがあり、保育室から広い園庭に直接出入りできる造りになっています。園庭には大きな木々や果実のなる樹木もあります。
・園の特徴
  子どもたちが、くつろいで楽しく毎日を過ごせるように心がけていくことを基本方針とし、「一人一人が園生活を無理なく楽しく送れるように」「戸外の陽の光を感じ、自然と友だちになれるように」「子どもたち一人一人が生活の主人公になれるように」「いろいろな人と共感できる心が育っていくように」「体験を通して、生きる力が育っていくように」「楽しい雰囲気の中でイメージを広げていけるように」を心がけた保育を実践しています。

【特に優れていると思われる点】
1.子どもの気持ちに寄り添い、自発性や自主性を大切にした保育
  決して無理強いはしないで、できる限り子どもたちの気持ちを汲み取り、子ども同士が心をつないでいけるように努めています。子ども同士のぶつかり合いのときも、その都度職員が双方の気持ちを聞き、双方に伝えることで相手の気持ちを知り、どうしたらよいのかを一緒に考えることを大切にしています。
0〜2歳児クラスでは、職員が子ども一人一人のやりたい気持ちに寄り添い、やりたい遊びをたっぷりできるように時間を取り、子どもが充実感を持てるようにしています。3〜5歳児クラスでは、朝の「おはよう」の時間に意見を出し合い相談して、毎日の活動を決めることもあります。散歩の行き先や歌や劇遊び会のテーマ、栽培する野菜などは、子どもの意見を取り入れて決めています。「子ども一人一人が生活の主人公になれるように」という園の保育方針に沿って、子どもたちが自分で考え、判断し、行動していくことを大切にしています。

2.子どもの生きる力を育てる様々な直接体験
  園庭には実のなる樹木があり、子どもたちは収穫した夏みかんをその場で食べることもあります。また、プランターや園庭で米や野菜の栽培もしています。行事には、サンマの会、焼き芋、新米を食べる日、お餅つき、どんど焼き、野焼きパンなどがあり、子どもたちが様々な体験をできるように工夫しています。行事以外にも、梅ジュースや梅干しを作ったり、木工作りや巾着作り、講師を招いた陶芸活動やアート活動など、各年齢に応じた取り組みがあります。全園児保護者懇談会では、卒園児も参加して味噌作りをしています。また、子どもたちは、日々の生活の中でかたつむり、カブトムシ、金魚、ウサギの飼育や世話をして生き物に触れる体験をしています。これらの生活と結びついた体験を通して、生きる力を育んでいます。

3.保護者と園が協同していく子育て
  園は保護者との協同の場であり、問題や課題を共有し「保育者とともに進める」ことを、理念の一つとしています。園では一人一人の成長が次に生かされるように、児童票として0〜1歳児クラスは毎月、2歳児クラスは2か月ごとの個別計画と振り返りを、3〜5歳児クラスは4か月ごとに振り返りをして記録しています。園で管理する児童票を紙面で保護者と共有することを検討し、「あしあと(育ちの記録)」という個人記録の作成を進めています。「あしあと」には、園での子どもの姿として遊びやエピソードも記入し、保護者からは子どもと保護者の関わりを記入してもらう欄も設けています。また、園だよりに保育日誌の抜粋記事、日常の子どもの写真、保育士の一言、保護者の子育て日記を載せ、壁新聞「今日の様子」やクラスだよりなどを通して、子どもたちの様子を伝えています。

【特に改善や工夫などを期待したい点】
1.意見や要望などの記録・蓄積による園運営への反映
保護者や近隣住民からの苦情や要望については、年間数件の記録が「苦情報告書」に記載されています。保護者から日頃寄せられる意見・要望・苦情は、些細なことであっても専用のノートなどに記録し、蓄積・整理して園運営に生かしていくことが望まれます。

2.園内研修の一層の充実を図る
  職員は法人研修や外部研修に参加し、専門家の助言を受ける機会もあり様々な知識を身に付けています。今後さらに虐待の防止や早期発見、アレルギー疾患についてなどの内部研修や、衛生管理面や安全管理面などのマニュアルの読み合わせ、最新の情報収集や対応策などを全職員で共有していくことが望まれます。

3.配慮の必要な子どもの個別指導計画の作成
  配慮の必要な子どもの個別指導計画は、月間指導計画の中で個別配慮欄を設けて計画を立てています。3〜5歳児について、今後さらに特別な配慮が必要な子どもについては、継続的に支援していくことが想定されますので、個別に指導計画を作成し対応することが望まれます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

・保育理念は、『子どもたちが、「自分を大切に思える人」「柔らかに開かれた心をもち、様々な人と共に生きて行ける人」に育ってくれることを願い、保護者とともに子育てをすすめる』であり、子ども本人を尊重したものとなっています。

・職員綱領や保育方針で子どもの人格を尊重する姿勢を明確にし、職員は、子どもの呼び方、声の大きさ、子どもと話すときの目線や口調に留意しています。

・個人情報の取り扱いについては、職員に「職員のためのしおり」を配付して周知しています。保護者には、入園時に説明し了解を得ています。園だよりなどへの子どもの写真の掲載は、保護者へのアンケートにより掲載の可否を確認しています。

・遊びや工作などは性別に関係なく子どもが自由に選び、出席簿は月齢順などにし、順番や整列なども性別にしていません。職員は父親や母親の役割を固 定的に捉えることのないよう、話し方や表現に気を配っています。

・法人研修などで職員に虐待の定義を周知し、登園時や着替えの際に子どもの観察をしたり、いつもの様子との違いを確認して、虐待の早期発見に努めています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

・子どもの発達状況や課題は、入園前面接や事前に記入してもらった資料で把握し、個別指導計画や日常保育に生かしています。

・各指導計画は、職員の意見を参考にしてクラス担任が作成しています。連絡ノートや送迎時の保護者との会話の中から保護者の意向を把握するように努め、離乳食やトイレットトレーニングの進め方などを個別指導計画に反映しています。0、1歳児は毎月、2歳児は2か月ごとに個別指導計画を作成し、子どもの発達状況や必要に応じて見直しを行っています。

・乳児保育(0歳児)においては、職員はできるだけ子どもと一対一で関わり、気持ちを汲み取るように努め、優しく穏やかな口調で話しかけています。遊びのスペースには畳を敷き、つかまり立ちのできる棚や手作りの階段を置き、テラスも設置して十分遊べるように配慮しています。

・1歳児以上3歳児未満の子どもの保育においては、子どもが着替えやおもちゃ選びなどを自分でしようとしているときや何かをしょうとしているときには、職員はそばで見守り、自由に過ごせる時間を大切にしています。

・3歳児以上の子どもの保育においては、全体的な計画の中の「育ちの道筋に沿った保育」に重点を置き、各指導計画も育ちの道筋に沿って作成しています。

・子どもの年齢や発達に応じたおもちゃや絵本、教材などが多数あり、子どもが出し入れしやすいよう、低い棚やイラストが貼られたかごなどに入れてあります。デイリープログラムで遊びの時間を十分取り、子どもは園庭や保育室内で、ボール遊びやままごと遊びなどの好きな遊びをしています。遊びが見つけられない子どもには職員が声かけし、遊び相手になったりしています。

・子どもの自主性や主体性を尊重し、散歩の行き先や歌と劇遊び会のテーマ、栽培する野菜などは、子どもの意見を取り入れて決めています。

・園庭の畑やプランターでナスやキュウリなどの野菜を栽培し、収穫物を使ってクッキングをするなどの調理保育を行っています。プランターで稲の栽培を行い、田植えや稲刈り、脱穀などの伝統的な作業を経験しています。

・天気のよい日は散歩に出かけ、季節の自然を楽しみながら、身近な自然への興味や関心を深める機会にしています。また、散歩先の公園や園庭で日光の下で思いっきり身体を動かして遊んでいます。

・朝夕の遊び、散歩、食事、午睡などで異年齢交流活動を実施し、子どもの社会性、協調性、思いやりの気持ちなどの人間関係面の成長を積極的に図っています。

・3〜5歳児は、食事の盛り付け、配膳、片づけは自分で行い、職員は嫌いなものも盛り付けるよう声かけをしていますが、残すことも認めています。

・授乳は、担当職員が抱っこをして、ゆっくり話しかけながら行っています。離乳食は、手づかみも認めて、子どもが自分のペースで食べられるようにしています。

・乳幼児突然死症候群(SIDS)対策として、0歳児は5分おき、1歳児は10分おきに、うつぶせ寝と呼吸チェックを行い、チェック表に記録しています。

・トイレットトレーニングは1、2歳児クラスから始め、保護者と連絡を密にしながら、一人一人の月間指導計画表を作成して無理のないように進めています。

・保育が長時間なため、遊びの中に動と静が持てるよう配慮するとともに、保育室内にジョイントマットやテーブルを置き、静かに過ごせる環境を整えています。

・入園時の説明会やクラス懇談会で、保育の方針や保育目標などを説明し、毎月発行する園だよりに、クラスの保育日誌から抜粋した具体的な保育内容の記事や日常の子どもの写真を載せ、保護者が保育方針を理解しやすいようにしています。

・0〜2歳児クラスは毎日の連絡ノートで、3〜5歳児クラスは主に壁新聞「今日の様子」や毎月発行のクラスだよりで、日常の様子を保護者に伝えています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

・慣らし保育については、保護者に書面と口頭で説明し、0、1歳児には主担当保育者を決めています。また、在園児が不安なく過ごせるように、1歳児以上のクラスでは、新年度に1、2名の担任を持ちあがりとしています。

・入園前面接時に保護者から「健康、生活アンケート」などを提出してもらい、入園後は児童票などに成長発達状況を記録しています。個別指導計画や児童票には一人一人の申し送り事項も記載し、進級時に新担任に伝達しています。

・障がいのある子どもや外国籍の子どもを受け入れています。ケース検討会議では、原則2か月ごとに大学の教授や園長などが参加して個別のケースについて話し合っています。障がい児個別指導計画を2か月ごとに作成しています。

・食物アレルギーのある子どもについては、かかりつけ医の「生活管理指導表」を基に、栄養士を中心に職員も知識や情報を共有し、除去食の対応をしています。除去食提供の際は、職員間で複数回確認を行い、誤食防止に努めています。

・苦情対応マニュアルがあり、要望や苦情を受けた際に、第三者委員を交えて対応したり、緑区こども家庭支援課に相談できる体制があります。苦情解決の仕組みは、入園説明会で保護者に説明し、保護者の苦情や要望は、ご意見箱を置き、クラス懇談会や個人面談などで聞き取るようにしています。

・事故、ケガ、災害などに備えたマニュアルがあり、プール活動の際は監視と指導の職員を分ける、睡眠時や食事中は職員が必ず在室して窒息や誤燕のないよう見守るなどの対策を講じています。

・地震に備え、大型備品は固定するなどの安全対策を講じるとともに、火災避難訓練は毎月、地震避難訓練は年2回行い、また、年1回AED講習や救急救命講習を受講し、職員は救急救命や応急手当の処置法を身につけています。

・子どもがケガをした場合は、軽症でも保護者に連絡し、「アクシデント・インシデントレポート」に記録のうえ、改善策を職員会議で検討し、実行しています。

4 地域との交流・連携

・園見学者や園行事参加者から要望や育児相談を受けています。育児相談は、面談での相談が平日午前中、電話相談は随時実施する体制になっています。

・地域での子育て支援として、一時保育、交流保育(お話し会やお楽しみ企画など)、園庭開放、絵本の貸し出しのサービスを実施しています。毎年、テーマを決めて育児講座を2回開催し、ベビーマッサージや離乳食の試食も行っています。

・市立小中一貫校中学部の体験学習を受け入れています。近隣の県立高校とは、選択科目の授業の受け入れやサマーボランティアを受け入れ、一緒にチューリップを植えるなどの交流があります。近隣大学とは、敷地内に遊びに行ったり、文化祭を見に行く関係が作られています。

・5歳児は、市立小中一貫校の小学部を訪問したり、マリーゴールドを育てて年1回緑区の公園愛護会へ苗を贈呈したりしています。また、緑図書館を利用したり、行事や活動に合わせて近隣のスーパーマーケットなどに買いものに行っています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

・全職員に「職員のためのしおり」と全体的な計画を配付し、保育理念や方針などを周知しています。守るべき法、規範、倫理などは、就業規則や「職員のためのしおり」に記載のうえ、入職時に説明をして周知しています。

・設置法人の財務諸表や現況報告書などの経営、運営状況情報および園の施設概要やサービス内容は、各々のホームページで公開しています。設置法人の監事による内部監査のほか、税理士による定期的な会計監査が実施され、経営改善の取り組みが行われています。

・ゴミの分別、段ボールの廃材利用などゴミのリサイクルや減量化、並びにLED照明への切り替え、畑の散水用雨水タンク設置のほか、園庭に果樹や広葉樹などを植え、省エネルギーの促進や緑化の推進に積極的に取り組んでいます。

・保育に関わる重要事項は、保護者役員会で説明、意見交換、また保護者から意見募集を行い、職員会議などで決定のうえ、園だよりで保護者に周知しています。

・設置法人の中長期計画大綱および園の中期計画、年度事業計画を作成しています。人材育成計画を作成し、園長セミナーやリーダーセミナーなどの研修を実施して計画的に管理者層の育成を図っています。

6 職員の資質向上の促進

・『「職員としての育ち合い」ファシリテーションプログラム』があり、階層別に保育の課題や職員のキャリアパスも見据えた体系的な研修計画となっています。

・個人の年間研修計画として一人一人のキャリアアップ計画表を作成しています。また、一人一人が「この1年を振り返って」を作成し、保育やそのほかの業務の振り返り、次年度の抱負や目標、研修計画を記載し、園長コメントもつけています。

・内部研修は定期的に実施し、毎月行われる火災避難訓練に水消火器訓練や救急法を取り入れたり、幼児クラスの気になる子どもについて、アート活動、幼児安全法などを学んだりしています。設置法人系列保育園の職員見学交流も行っています。

・職員は年度末に「この1年を振り返って」で自己評価を提出し、園長と副園長が職員の自己評価を基に園の自己評価を行っています。

・保育日誌、月間指導計画、年間指導計画などで自己評価を行い、カリキュラム会議や保育会議で振り返りを行い意見交換して、次期につなげています。

・園長は、職員の個人面談や年度初めの非常勤職員のオリエンテーションで、職員の提案や意見、要望を聞き取るようにしています。

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