かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

相模原市立新磯保育園(3回目受審)

対象事業所名 相模原市立新磯保育園(3回目受審)
経営主体(法人等) 相模原市
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 252 - 0327
南区磯部1176-13
tel:046-225-6124
設立年月日 1980(昭和55)年04月01日
公表年月 2019(令和元)年02月 〜
使用評価項目 神奈川県社協版
評価機関名 株式会社フィールズ
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

<園の概要>
 相模原市立新磯保育園は、JR相模線「相武台下」駅から徒歩18分、または、バス利用で最寄りのバス停から徒歩5分の住宅街にあります。
園の周囲には川や田んぼ、原っぱや林など豊かな自然があります。創立は1980年で、38年が経過した鉄筋コンクリート造りの一部2階建ての建物です。定員120名に対して現在110名が在園しています。子どもの受入れ年齢の範囲は生後2ヶ月〜小学校就学未満で、延長保育と障がい児保育も行っています。
「子どもの心に寄り添い、一人一人を大切にする保育」を理念とし、「意欲と思いやりのある子ども、心身共に健康な子ども、楽しく食事をする子ども、豊かな感性で創意工夫しのびのび表現できる子ども、生命を大切にする子ども」を育むこと5つを基本方針として保育を実践しています。

<優れている点>

1.自然豊かな地域の特性を活かし、生命を大切にする子どもを育てています

子どもは園の周囲の川や田んぼ、原っぱや林などの自然豊かな環境の中で園外活動をしています。散歩で遺跡探検をしたり、田んぼではカエルを捕まえたりアメンボを見つけたりしています。園では地域の自然に触れ、生き物や草花に興味を持てるようにしています。メダカやカブトムシなどの飼育や野菜の栽培を通じて、生命の大切さや、心豊かな感性を育み、元気で明るくのびのびと子どもが成長できるように保育を実践しています。
また、地域の伝統行事の「大凧上げ」を大凧センターで見学したり、「お月見くださいな」の地元行事に家庭で参加したり、地域に伝わる行事を子どもたちに伝えています。 

2.地域との交流を進め、地域の子育て支援を積極的に行っています

地域の子育て支援は、「相模原市保育所子育て広場事業運営要綱」に基づき、園が作成した「新磯保育園地域交流年間計画予定表」に沿って、地域担当職員を中心に行っています。園は「育児相談」、「園庭開放」、「なかよし文庫」、「いっしょにあそぼう」、「ミニミニ育児講座」、「誕生会」、「園の行事」、4歳児と5歳児を対象にしたボランティア「あいの会」による絵本の読み聞かせ会を実施し、地域の子育てを支援しています。また、共催事業では、新磯こどもセンターを会場とした「ふれあい親子サロン」と「おひさまはらっぱ」、新磯公民館を会場とした「ほのぼのひろば」を実施しています。「いっしょにあそぼう」、「ふれあい親子サロン」及び「おひさまはらっぱ」などでも子育て相談を実施しています。

3.職員は積極的に研修受講を行い、資質向上を促進しています

職員の資質向上に向けて、相模原市が職員の階層別に課題を明確にして立案した「職場研修実施計画表」に基づき、園内研修と園外研修を実施しています。職員は、外部研修を受講すると「研修報告書」を作成し、職員会議において研修内容などを報告しています。また、職員の受講状況は、「職員研修一覧表」により一目で確認できます。
「研修報告書」や「研修資料」は職員に回覧し、情報を共有しています。閲覧後の「研修報告書」は職員がいつでも閲覧できるように、事務室で保管しています。職員の自主的な研修も行っています。自主研修は、職員の自主的な参加で実施され、30年度では「保育教材作り」など年6回のテーマ別研修と毎月のリトミック研修を計画しています。
担当者が研修の内容について企画し、講師の依頼や資料及び教材の準備などを行っています。職員はこれらの研修などを通じてより良い保育士を目指しています。

4.市と園が策定したマニュアルに則り職員は保育を実践しています

 相模原市は保育に関する「相模原市保育理念」などの基本的なマニュアルを策定し、園はこれらのマニュアルに則り、園の保育理念、保育方針及び保育目標などを保育現場に落とし込んで園のマニュアルを策定しています。
各クラスでは、年間のねらいも定めて、「年間指導計画書」を作成しています。職員は、これらの一貫して体系づけして整備されたマニュアルを、職員会議や研修、マニュアルの読み合わせなどで学習し、共通の理解の下に、保育理念、保育方針及び保育目標を達成するための保育を実践しています。実践した保育を振り返り、自己チェックを行い、保育の改善に繋げています。

<独自に工夫している点>

1.職員会議を2交代制で開催し、職員の情報連携を強化しています

 職員は子どもたちの様子と情報を把握し共有しています。職員会議では、子どもの成長や発達状況、配慮を必要とすることなどを全職員で確認しています。従来の職員会議は1日だけの開催のため、職員の勤務状況によっては、出席できない職員がいました。そのため、伝達事項が直接伝わらなかったり、議題についての意見を聞いたり述べたりすることができない職員がいました。そこで、職員会議を2日間に渡って開催し、職員が勤務状況などを考慮して都合の良い日に出席することを可能にしました。その結果、職員の情報の伝達度が高まるとともに、職員の多様な意見も収集され、情報連携が強化され、保育の実践に役立っています。なお、「会議報告書」は全職員に回覧され、閲覧日を記載し、回覧状況が一目で確認できます。

2.保護者とのコミュニケーションツールを工夫して情報連携をしています

園の運営についての「保護者アンケート」を集計分析して保護者に公表するとともに、次年度の保育園の重点目標を設定する際の参考にしています。また、園で子どもが栽培し収穫した野菜を家庭に持ち帰り、家庭で会話した感想などを木の葉の形に模した「アンケート用紙」に記入してもらい、ツリーの絵を描いた用紙の葉っぱの位置に貼付して掲示しています。「心の声シート」などで寄せられた保護者の希望や要望も、職員が共通の情報として受け止めて協議し、対応しています。降園時にクラス担当がいない場合でも、保育士間の「当番ノート」を活用することにより、担当以外の保育士が保護者にその日の子どもの様子を伝えるように改善した例もあります。対応結果は、必要に応じて掲示などで保護者に告知しています。

<改善すべき事項>

1.園舎の老朽化対策の説明と推進

園は創設から38年が経過し建物や保育体制に歴史ある園となっています。園は建物の衛生面や室内の環境管理に配慮して運営しています。全室のエアコンを交換し、階段の手すりの部分的補修や清掃を徹底して、子どもの安全と衛生の維持に努めています。しかし、一部の保護者は防犯対策や職員対応について不安を感じています。今後とも保護者の状況を把握し、園が取り組んでいることなどの説明を行うことが期待されます。子どもにとって過ごしやすい環境作りとともに保護者の理解促進が期待されます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

@ 園は相模原市が定めた「相模原市役所接遇マニュアル」に基づき、「新磯保育園 保育マニュアル」を策定して人権への配慮を明文化しています。また、市が職場ごとに設置している接遇取組推進員も置き、接遇改善に努めています。保育士は、子どもや保護者との関わりにおいて、乱暴な言葉使いや態度はとらない、決して体罰は行わないなどを定めたマニュアルに則り、専門職としての自覚を持って保育にあたっています。

A 人権社会の構築と人権文化まちづくりのための「相模原市人権施策推進指針(ダイジェスト版)」で、出生、国籍及び性差などによる差別もしないと明示しています。園でも、「新磯保育園 保育マニュアル」、「保育園のしおり」などで明文化し、職員会議や研修などで周知しています。また、職員は、全国保育士会が作成した「人権擁護のためのセルフチェックリスト」で自己点検を行い、日々の保育の質の向上を目指しています。

B 相模原市は「児童虐待早期発見・対応の手引き」を定め、虐待の防止に取り組んでいます。園でもこの手引きに則り、職員が虐待防止の研修会や講習会に参加するとともに、園内でも研修を実施しています。また、関連機関とも連携して、虐待の予防や早期発見に努めています。個別の案件については、小学校や子育て支援センターなどの関連機関が出席するケース会議に園長と担任の保育士も出席し、協働して情報の整理や共有化、支援方針の検討や変更などを行っています。

C 相模原市は「相模原市個人情報保護条例」を制定しています。園でも、「言わない・誘わない・貼らない・持ち出さない」を原則に、「新磯保育園保育マニュアル」、「新磯保育園運営規定」などを設定し、個人情報の保護に取り組んでいます。個人情報の取り扱いについて、掲示物、作品の掲示、写真の扱い、書類の取り扱いなど詳細に取り決めています。個人情報が記載された「児童票」を事務所内の施錠した保管庫から事務所内に持ち出す際も「児童票持ち出しチェック表」で出入りを確認しています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

@ 家庭との連絡、情報交換の手段・方法については、「保育園のしおり」や「新磯保育園 保育マニュアル」で明文化しています。「年間行事予定表」、「園だより」、「クラスだより」、「ホワイトボード」などでも子どもの活動を伝えています。登降園時の保護者と保育士の会話などでも子どもの情報交換を行っています。また、0歳児と1歳児クラスは「連絡帳」、2歳児以上のクラスは「すくすくカード」で、家庭と保育園の情報を交換しています。

A 保護者の保育についての希望や意向の把握は、「相模原市保育所等及び療育センターにおける苦情解決実施要領」や「新磯保育園 保育マニュアル」に明記されています。年2回の懇談会や原則として年1回、必要に応じて複数回実施する個人面談で家庭の希望や意向を把握しています。

B 園の運営についての「保護者アンケート」を集計分析し、保護者に公表するとともに、次年度の保育園の重点目標を設定する際の参考にしています。また、イベント等の保護者の感想や意見は木の葉の形に模した「アンケート用紙」に記入してもらい、掲示しています。「心の声シート」などで寄せられた保護者の希望や要望も、職員が共通の情報として受け止めて協議し、対応しています。降園時にクラス担当がいない場合でも、保育士間の「当番ノート」を活用することにより、担当以外の保育士が保護者にその日の子どもの様子を伝えるように改善した例もあります。必要に応じて対応結果は、掲示などで保護者に告知しています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

@ 温度・湿度などの室内の環境管理は、「相模原市保育園園児健康マニュアル」に基づいて行っています。室内の温度は冬季や夏季ごとに、外気温との差を調整しつつ管理しています。湿度も、冬季は40〜60%、夏季は45〜65%としています。温度や湿度は毎日計測して「日誌」記録しています。おもちゃ、布団、砂場などの除菌・消毒などによる管理は、「相模原市保育園園児健康マニュアル」に基づき行っています。おもちゃ、園庭、遊具及びトイレなどをマニュアルに則り、毎日あるいは定期的に消毒し、「安全衛生チェックリスト」に記録しています。また、保育室についても毎月破損やささくれがないか、室内の清掃は毎日しているかなど10項目を確認して記録しています。

A 季節的な感染症を予防、予測する為の情報収集や情報提供については、「感染症対応マニュアル」を策定しています。園では、職員研修を実施するとともに、季節的に流行する感染症の資料や園内で流行している感染症の情報を、1階の事務所前と2階の廊下の「感染症ボード」に掲示して知らせています。また、「感染症のお知らせ」や「保健だより」でも情報を保護者に提供し、感染症の予防や蔓延防止に努めています。なお、保育室には「嘔吐物処理セット」を常備しています。

B 食物アレルギー児に対しては医師の診断書に基づいて、除去食や代替食の提供をしています。アレルギー児専用のトレーに禁止食物名と名前のプレートを置き、調理員と保育士、さらに2名の保育士でダブルチェックをして間違いが無いように提供しています。普通食児が保育室にアレルギー原因物質を持ち込まないように、ランチルームの出入り口に足ふきマットを設置したり着替えるなど徹底しています。

4 地域との交流・連携

@ 地域の子育て支援は、園が作成した「新磯保育園地域交流年間計画予定表」に沿って、地域担当職員を中心に行っています。園内活動では、随時行う「育児相談」、月曜日から土曜日に行う「園庭開放」、月曜日から土曜日に行う「なかよし文庫」、年9回行う「いっしょにあそぼう」、年7回行う「ミニミニ育児講座」、毎月行う「誕生会」、年7回から8回行う「園の行事」及び毎月行う4歳児と5歳児を対象にした、ボランティア「あいの会」による絵本の読み聞かせ会などを実施し、地域の子育てを支援しています。また、共催事業では、新磯こどもセンターを会場とした8月を除き毎月行う「ふれあい親子サロン」と「おひさまはらっぱ」を、新磯公民館を会場とした年9回行う「ほのぼのひろば」を実施しています。なお、「いっしょにあそぼう」、「ふれあい親子サロン」及び「おひさまはらっぱ」などでも子育て相談を実施しています。

A 園では、子育て支援の情報を提供しています。「地域交流年間計画予定表」を年1回発行するとともに、相模原市のホームページにも掲載しています。毎月の地域交流の日程や内容、その他の子育てひろばや講座の情報を記載した地域交流のポスターやチラシを園、こどもセンター及び公民館に掲示しています。また、こどもセンターのポスターを園で掲示しています。地域の子育て通信で、子育てに関するコラムやその年のテーマに沿った育児のアドバイスや情報も提供しています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

@ 園では園の運営、事業内容についての自己点検・改善活動の一環として、相模原市保育園の自己評価表を園用に作り変え、子どもへの関わり、健康・安全体制及び職員の資質向上など45項目に渡り自己評価を行っています。また、クラス担当が、保育の流れ、保育のポイントおよび次年度に向けての3項目を半年ごとに振返り「保育の反省」に記録しています。保育園の年度行事や地域交流についても評価し、その結果を保護者に「お知らせ」として発信しています。

A 園では運営・事業内容について地域の理解を得られるように、パンフレットを作成し、告知に努めています。パンフレットには、園の保育目標、特徴及び地域との交流状況などを掲載しています。パンフレットは、給食レシピと一緒に玄関前や事務所前に置き、自由に閲覧したり持ち帰れるようにしています。また、ホームページ「子育て支援情報サービスかながわ」で園の概要、保育方針及び特色などの情報を提供しています。

B 保護者が保育参観や行事などに参加しやすいように、「年間行事予定表」を作成し、保護者が参加できる誕生会、クラス懇談会、個人面談及び公開保育などの行事を事前に案内しています。また「園だより」でも行事予定を案内しています。

6 職員の資質向上の促進

@ 職員の資質向上に向けて、市が職員の階層別に課題を明確にして立案した「職場研修実施計画表」に基づき、園内研修と園外研修を実施しています。職員は、外部研修を受講すると「研修報告書」を作成し、職員会議において研修内容などを報告しています。また、職員の受講状況は、「職員研修一覧表」により一目で確認できます。「研修報告書」や「研修資料」は職員に回覧し、情報を共有しています。閲覧後の「研修報告書」は職員がいつでも閲覧できるように、事務室で保管しています。

A 職員の自主的な研修も行っています。自主研修は、職員の自主的な参加で実施され、30年度では「保育教材作り」など年6回のテーマ別研修とリトミック研修を計画しています。担当者が研修の内容について企画し、講師の依頼や資料及び教材の準備などを行っています。

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