かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

スターチャイルド≪矢向ナーサリー≫

対象事業所名 スターチャイルド≪矢向ナーサリー≫
経営主体(法人等) ヒューマンスターチャイルド株式会社
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 230 - 0001
鶴見区矢向6−12−1
tel:045-571-2345
設立年月日 2016(平成28)年04月01日
公表年月 2019(平成31)年02月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 特定非営利活動法人 よこはま地域福祉研究センター
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の概要】

スターチャイルド《矢向ナーサリー》はJR南武線矢向駅から徒歩5 分のところにあります。近くには商店街があり、園の周りはアパートやマンションが建つ住宅地となっています。園は2016年(平成28年)4 月、ヒューマンスターチャイルド株式会社によって開設されました。
園舎は鉄筋コンクリートの3階建てでエレベーターが設置されています。1階は0歳児の保育室と乳児トイレ、温水シャワー付きの沐浴設備、調理室、事務室があり、2階は1歳児と2歳児の保育室と乳児用トイレ及び職員の更衣室があります。3階は3、4、5歳児の保育室と幼児用のトイレがあります。1階のテラスで、夏はプールを設置しています。2階、3階にはベランダがあり、プランターなどで植物を栽培しています。
定員は50名(6 ヶ月〜5 歳)です。開園時間は月曜日〜金曜日は7:00〜20:00、土曜日は7:00〜18:00 となっています。
保育理念は「子どもたちの無限の可能性を信じ、意欲を引き出し、伸ばす保育を実践します」と定めています。保育目標・方針として「@よく考え、心身ともにたくましい子(自立と挑戦を援助します)、
A個性の豊かな子(個性を尊長し長所を伸ばします)、Bやさしさと思いやりのある子(社会性=人と関
わる力を身につけます)としています。


1.高く評価できる点  

●子どもたちは、のびのびと自分らしさを素直に表現し、園生活を楽しんでいます 
保育士たちの温かい見守りの中で、子どもたちはのびのびと活動しています。保育室では、乳児がマットの上でみんなで一緒にゴロゴロと横転したり、仰向けに寝転がると、保育士に「こちょこちょ」とスキンシップをしてもらい、保育士との関わりを楽しんだりしています。レール遊びをする子ども、ブロックで掃除機らしきものを作って、「お掃除」と言って掃除のまねをする子どももいます。子どもたちは保育士のお話が大好きで、保育士が絵本を取り出して読み聞かせをすると、すぐに集まってきて静かに聞こうとしています。
公園では、自由に走り回ったり、鉄棒などに挑戦したり、持参したボールや縄跳びなどを使って自由に遊んでいます。乳児は保育士が牛乳パックで作ったバッグにドングリを入れたものを持って、カチャカチャ音をさせて走り回ったり、保育士と一緒に落ち葉を拾ってバッグに入れてみたりしています。幼児になると、ボールを使って、2人で向かい合って投げ合ったり、ボール蹴りをしたり、数人で当てっこ遊びをするなど、年齢によって自分たちで遊びを作りだし、自分の得意なことを遊びの中で見つけ、思い切り体を動かしながら、グループの中で楽しんでいます。
子ども同士のけんか等については、保育士はこどもの気持ちを尊重して、簡単にやめさせるようなことはしません。幼児の場合は、どうしてそのような争いになったかをお互いに話し合いをして、お互いの気持ちを理解した上で、素直にあやまることができるように援助しています。乳児の場合は、たたいてしまった子どもを見て、保育士は「痛いよ」と相手の子どもが感じたことを代弁し、たたいてしまった子どもが分かるようにしています。保育士は子どもたちが言葉で考えることを大切にしています。
このような保育士たちの見守りの中で、子どもたちはのびのびと園生活を楽しんでいます。

●保育士たちは一人一人の子どもに寄り添って、連携して保育にあたっています
園の定員は50名で、家庭的な雰囲気が感じられます。保育士たちは、全ての子どもたちの性格や家庭の状況を知っています。それぞれの子どもの特性に合わせて、子どもに寄り添い、その状況にふさわしい声かけや援助をしています。それを実現させる背景に、職員間で、他の保育士たちや施設長との信頼関係ができていることが挙げられます。職員会議やカリキュラム会議、障害児のケースカンファレンスなどでは、子どもたちの状況を職員間で意見交換したり、議論をする中で、子どもたちの状況を共有し、方針を共有することで、実際の保育に活かしています。さらに、施設長は一人一人の職員とよく話しをしており、また、年に2回の職員との面談の中で職員の意向を把握しています。職員も施設長を信頼し自信をもって保育にあたる環境が生み出されています。
こうした保育について保護者からの園に対する信頼も厚く、今回の利用者アンケートでも、園に対する満足度は極めて高い結果となっています。


2.力を入れている点 

●保育士のキャリアアップ自己評価と園の評価を連動させています
運営本部は保育士のキャリアアップに力を入れています。保育士の経験年数に応じてそれぞれの階層の果たすべき役割・業務とそのために必要とする能力・知識・技術が体系的に示されており、それぞれの階層ごとに必要とされる研修内容も明示されています。このキャリアパスに従って職員は自分自身の能力と技術を高めていく仕組みとなっています。さらに、職員たちのモチベーションを高めるために、自分自身の評価にも力を入れています。「スキル考課シート」が作成されており、職員は、毎年自分自身のスキルを評価し、さらに、その年度のスキルアップの目標を立てていきます。半期ごとにその目標に対して、どれだけ達成できたかを自分自身が評価し、園長と面談するようになっています。このような仕組みにより、保育士たちは自己自身の能力開発に取り組むようになっています。


3.工夫・改善が望まれる点 

●地域との交流がさらに期待されます 
園でも年間の事業計画で重点目標として、地域との交流を図ることをあげています。しかしながら、現在のところ地域との交流は必ずしも十分ではありません。地域の保護者や子どもに向けて、子育てや保育に関する講習・研修会はまだ実施されていません。地域住民を対象として育児相談も実施しているものの、定期的な開催には至っていません。しかし、園見学会や子育てイベントなどを開いたときには育児相談も実施するなど、少しずつ取り組み事例も多くなっています。今後さらに力を入れることにより、地域とのより良い関係が構築されることが期待されます。


評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重 ・職員会議の前に理念の唱和を月に1回行っており、職員は理念や基本方針を理解しており、実践しています。
・保育士は、穏やかでわかりやすい言葉で話し、子どもの気持ちや考えを態度や言葉から汲みとるよう努めて日々の保育を実施しています。園は、保育理念に“肯定形による前向きな言葉がけ”を掲げ、望ましい保育者としての資質や態度、人権保育、接遇、差別用語などが記載された「保育者マニュアル」を全職員に配付しています。職員は、子どもの人権についてカリキュラム会議で話し合い、全職員の共通理解として認識しています。気になる言葉掛けなどは、施設長が気付いた時にその都度指摘して改善に努めるようにしています。
・守秘義務の意義や目的を職員やボランティア・実習生に周知し、誓約書を得ています。個人情報の取り扱いについてガイドラインが整備されており、全職員に周知するとともに、同意書を得ています。個人情報に関する記録はすべて施錠できる場所に保管、管理しています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 ・年齢ごとに指導計画を作成し、子どもには必要なことをきちんと説明し、子どもの意見や要望を組み入れながら、計画を見直し、指導計画に反映しています。月間指導計画、週案ともに振り返りの欄があり、指導計画の評価、見直しができるようになっています。
・乳児については、個別指導計画を作成しておりパソコンに保存しています。月間、四半期ごとに、期の目標を立てており、期の終了時には振り返りが記載できるようになっています。次期の目標などの指導計画は、この振り返りを反映するようにしています。また、離乳食、トイレットトレーニング、箸の使用などの課題については、保護者との話し合いによって計画を作成しています。
・園は、環境改善を年間の目標に掲げ、子どもの年齢や発達に応じたおもちゃや絵本、教材などを子どもの手の届く場所に用意して、マットやテーブルでコーナーを作り、子どもが落ち着いて遊べる環境を確保しています。
・子どもの自由な発想を受けとめ、行事や日々の保育活動を実施しています。例えば、子どもの意見から“潜水艦ごっこ”が始まり、子どもたちが椅子を並べたり、魚の絵を描いて周りに泳がせたりするなどの遊びに発展しました。自由遊びの時間には友達とごっこ遊びをしたり、落ち着いて絵本を読むなど自分の好きな遊びをしています。保育士は氷鬼などルールのある遊びを取り入れたり、遊びが見つけられない子どもには、一緒にやってみようと誘うなど、子どもたちが興味や関心を持って遊べるよう援助しています。
・園の年間指導計画の食育に栽培があり、子どもたちはトマトやピーマンなどの野菜を育て、収穫して調理室で調理してもらい試食しています。また、子どもたちはヒマワリを育て、観察画を描いたり、収穫した種を次年度植えたりするなど保育活動にフィードバックしています。
・子どもが自分から食べようとする意欲を大切にして子どもが完食した喜びを感じられるよう、保育士は声かけ、援助しています。また、子どもたちが収穫した野菜を給食室で調理したり、2歳児は皮むきなど野菜に触れ、幼児はクッキングするなど食材や食事、その過程に関心が、持てるよう工夫しています。幼児クラスは衛生面に配慮して、配膳を当番活動として保育士と一緒に取り組んでいます。乳児の授乳は、毎日の様子を保護者と連携を取り、一人一人のリズムを大切に個別に対応しています。
・栄養士は、給食日誌の残食記録や給食会議、クラス担任が記入した毎日の喫食状況報告書や嗜好などの情報を参考にして、調理方法や味付けなどを工夫して次に活かしています。また、クラスを回って子どもたちの食べている様子を見る機会を作っています。
・トイレットトレーニングは一人一人の状況をみて保護者と連携しながら個別に対応しています。おもらしをした子どもには、自尊心を傷つけないよう配慮し、まわりに気付かれないようさり気なく対応するよう努めています。また、お迎え時の保護者への伝え方も工夫しています。
・子どもの降園時に、その日の子どもの様子を伝え、保護者と情報交換するよう配慮しています。乳児は連絡帳を持ち日常的に情報交換をしています。個人面談は11月を個人面談強化月間として全クラスで期間を決め行うほか、保護者の要望に応じて随時行っています。クラス全体の様子や保育の目的、子どもたちの日常の様子などを伝える懇談会を実施しています。
・園だよりを定期的に発行して、園や子どもの様子、子どもに関する情報などを伝えています。また、幼児クラスはその日の様子をホワイトボードに書いて掲示し、活動内容を保護者に知らせています。さらに、園は日常の保育の様子や行事に向けての取り組みを伝える「可視化」に取り組み、活動内容を写真に撮って掲示したり、ホームページのブログに掲載しています。
・毎月の誕生会に誕生児の保護者の保育参観を行っています。ほとんどの保護者が誕生会に参加して子どもの成長を感じると好評を得ています。
3 サービスマネジメントシステムの確立 ・アレルギーに関する研修を受けた職員は、結果を職員会議やカリキュラム会議で報告して、最新の情報を共有しています。食物のアレルギーの場合、アレルギー食は他の子どもとは異なったプレートを用いて、テーブルも別にして、保育士がついて見守っています。
・外国籍の子どもがいるので、保育室の中での水道、トイレの使用方法などについては絵を取り入れて、分かりやすく説明しています。言葉の通じにくい保護者に対しては、ゆっくりと丁寧に説明しています。子どもたちには、その国の国旗カードなどを使って、それぞれの国について説明して、理解を深めています
・重要事項説明書には、第三者委員の名前と電話番号が記載されており、誰でも直接苦情を申し立て出来るようになっています。園では苦情対応マニュアルを作成しており、第三者委員の名前が記載されているのと、解決に至らない場合は、かながわ福祉サービス運営適正委員会の電話番号も載っています。しかし、保護者に対しては、権利擁護機関である当委員会などの紹介はされていませんので、保護者に周知することが望まれます。
・苦情や要望に対しては、解決までのフローチャートが作られており、迅速な対応が可能となっています。また、これまでの苦情・要望もリスト化され、ファイルとして残されています。
・歯磨き指導は0歳児から導入しています。歯科衛生士から歯磨き指導を受け、3歳児まで保育士が仕上げ磨きをしています。幼児は歯磨き時間を確認するため砂時計を使って歯磨きを行っています。
・感染症マニュアルには、各種感染症とその対策、対応方法等が明記されています。保護者には登園禁止基準やその他の感染症について記載された重要事項説明書を配布して説明会等で説明しています。
・園は、重大事故につながる恐れのある睡眠中や食事中の子どもの見守り、プール・水遊び時には監視に専念する監視者を置くなど、職員に周知し事故の発生防止に努めています。職員はAEDの使い方や救命救急法の研修を受け、心肺蘇生の訓練も実施しています。
・事故やケガの状況は記録し、会議で再発防止に向けた話し合いをして改善策を職員全員で共有しています。毎月のヒヤリハットを姉妹園で集計して、事例から事故防止に努めています。
4 地域との交流・連携

・地域での子育て支援サービスとして園は一時保育も実施しています。その登録者は30名以上で、夏休みや冬休みの利用状況は20名、月平均の利用状況は10名ほどです。子育てイベントで絵本の読み聞かせや手作りおもちゃの作り方を指導するなどしていますが、園が主催する講習・研修会はまだ実施していません。これから離乳食のすすめ方など園で出来る事をしていきたいと考えています。
・地域の医療機関や鶴見区こども家庭支援課、横浜市東部地域療育センター、中央児童相談所など相談内容に応じて必要な関係機関はリスト化されており、職員に周知しています。また、関係機関との連携は施設長が担当し、日常的に連携がとれる体制になっています。
・ボランティア受け入れのためのマニュアルとして「ボランティア受け入れ規定」があり、オリエンテーションを実施し、ボランティアに対して保育園の方針、利用者への配慮を十分説明し誓約書も取る仕組みになっています。施設長が受け入れ担当者となり、体制はできていますがまだ実績はありません。


5 運営上の透明性の確保と継続性 ・職員には就業規則の中で服務規定を示すのと同時に全国保育士会倫理綱領を配付して職員の守るべき規範・倫理等を周知しています。また、他施設の事例を基に話し合いを行っています。例えば夏のプールや水遊びの時期に、水による事故を防止するための話し合いを行い、具体的対応を確認しました。
・2017年から2018年にかけて、園からの連絡はスマートフォンやパソコンを利用して行うことにしました。この過程で保護者へ導入の経緯と使い方の説明を丁寧に実施してきました。この運用については、全職員が検討し、導入を決めました。
・運営法人は、職員のキャリアパスを整備しており、主任クラスのリーダーを育成する仕組みを持っています。リーダーは現在は現場を担当しており、他の保育士とはコミュニケーションを多くとり、現場の問題を解決しようとしています。
・保護者とのコミュニケーションにスマートフォンやパソコンのソフトを導入する時には、リーダーだけでなく、職員全体の問題として取り組みました。
・運営法人は中期計画としての経営ビジョン及び経営方針を示しています。今後はさらに具体的な取り組みなども盛り込むなど、より充実してくことが期待されます。園としての年間の事業計画も、中長期計画を踏まえたうえで策定されることが期待されます。
6 職員の資質向上の促進 ・施設長及び運営法人は人員構成について常にチェックをしています。運営法人では職員の経験年数や技量に応じた人材育成計画を作成しており、これに従って職員のキャリアパスが設定されています。職員は、毎年期の初めと中間時点で自分自身の目標を定め能力・技術の向上に努めています。期末には施設長との面談により、どの程度目標を達成したかを、自己評価する仕組みを作っています。
・非常勤職員を含めて内部研修は誰でも受けることができます。本部では、職員の階層別に研修メニューを用意し、横浜市や鶴見区が主催する職員研修には、職員は必要な研修を申請して受講することができます。研修報告では日常の業務にどのように役立っているかの評価も実施しており、研修内容のチェックも実施しています。
・非常勤職員は勤務初期のころは、クラスに入ってもらい、クラス担任と共同して保育にあたっています。施設長やリーダーは職員間のコミュニケーションが円滑になるよう援助しています。また、個別に面談を行い保育業務についての意見等も発信できるようにしています。
・月案や、週案では、保育士たちは目標を設定し、終了時点でその目標の達成状況を振り返り、次の計画の作成時に反映しています。
・運営法人では職員のキャリアパスを作成しています。キャリアパスに連動して能力開発・研修が設定されています。達成度については、施設長と年に2回面談があり、双方で確認しながら評価していきます。

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