かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

あかね台光の子保育園(4回目受審)

対象事業所名 あかね台光の子保育園(4回目受審)
経営主体(法人等) 社会福祉法人 みわの会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 227 - 0066
青葉区あかね台2-18-1
tel:045-982-0025
設立年月日 2004(平成16)年04月01日
公表年月 2019(平成31)年02月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 株式会社 学研データサービス
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

《施設の概要》
 あかね台光の子保育園は、JR線および東急田園都市線長津田駅からバスで10分の「熊の谷公園」より徒歩5分ほどの位置にある、平成16年4月開所の私立保育園です。近くには自然豊かな公園があり、散歩コースに恵まれています。保育目標に「元気な子・考える子・優しい子」を掲げ、保育士、栄養士、看護師が協力して保育を進めています。定員は90名(0〜5歳児)、開園時間は、平日は7時から20時、土曜日は7時から18時です。0〜2歳児クラスでは生活習慣が身につくことを大切に考え育児保育担当制を取り、3〜5歳児クラスでは日常の保育や行事の実施において子どもたちの主体性を大切にし、社会性を身につけることができるような環境作りをしています。地域の子育て支援として、一時保育や育児相談なども行っています。

《特に優れている点・力を入れている点》
○ホスピタリーマインド(温かい心)を大切にして、子どもが主体的に活動できる保育環境を整えています
 「我が子をゆだねたい保育」という保育理念を掲げ、ホスピタリーマインド(温かい心)を大切にして、子どもが主体的に活動できる保育環境を整えています。園全体のコンセプトは「木」で、内装は木をふんだんに使ったぬくもりのある雰囲気になっています。保育室には、ままごとや絵本、積み木、製作などのコーナーが作られており、子どもが自分の好きな遊具で十分に遊びを楽しめるよう、コーナー保育が充実しています。2階にはフリースペースが設けられており、0、1歳児のテラスには、木製のぶらんこや平均台などがあり、子どもたちにとって居心地のよい環境を工夫しています。子どもたちがいろいろなことを経験できるようさまざまな行事を行うほか、3〜5歳児クラスでは、専門家を招き、体操教室や英語で遊ぶ時間を取り入れています。

○子どもたちが元気に過ごせるよう、食育と健康教育に力を入れています
 子どもたちが元気に過ごせるよう、食育と健康教育に力を入れています。毎月「げんきのはなしのひ」を設け、保育士や栄養士、看護師が協力して、子どもたちに健康の大切さを伝えています。食に関心が持てるよう、トマトやなすなどの栽培をして調理してもらって食べるほか、5歳児は田植えや稲刈りを体験し、毎日当番が自分たちの食べるご飯を炊いています。また、楽しんで食事ができるよう、花見の季節には重箱から盛り付けて花見の気分を味わったり、梅雨の季節にはカタツムリをかたどったランチ、七夕にはそうめん、節分には赤鬼をかたどったランチを出すなど行事食を工夫しています。年末には、全クラスが調理に参加し、みんなで「光っこ大鍋」という味噌汁を作って食べており、子どもたちが食に関心が持てる取り組みとなっています。
○園内、園外プロジェクトを立ち上げ、園の魅力を向上させ、推進しています
 「あかね台光の子保育園 魅力向上・発信プロジェクト」と命名して、平成29年度より園内業務改善チームと、地域活動や情報発信を担当する園外プロジェクトチームの2つのプロジェクトチームが立ち上げられました。きっかけは、職員自らの「弱点を魅力に変えていこう」という強い思いによるもので、いわば逆転の発想でした。各チームは3人で構成され、園長や主任が構成員を選抜しました。園内業務では事務作業や会議が多く残業が増え負担感が増しているため、書類を同一形式に統一して事務の軽減を図っています。園外プロジェクトチームでは、「地域支援が弱い」という園の認識を踏まえて近隣の地域ケアプラザや他施設に子どもたちを連れて行き、積極的に地域の保護者や子どもたちとの交流を深めています。

《事業者が課題としている点》
 今後、乳幼児が減少していく中、利用者ニーズの多様性や社会情勢を見ながら、選ばれる保育園について園全体で常に考えアクションしていくことを課題としています。「魅力向上・発信プロジェクト」として、園内業務改善チームと、地域子育て支援活動の活性化と情報の発信を目的とした園外プロジェクトチームの、2つのチームを設けて取り組んでいます。また、リーダーおよび年長者は、後輩を育てる責任があることを意識し、後輩が抱いている不安を具体的に把握して共有し、改善に向けて一緒に考え取り組んでいくことを課題としています。より質の高い人財が育つ職場環境作りを積極的に行いたいと考えています。


評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

 個人情報管理マニュアルをもとに、個人情報の取り扱いについて採用時に研修を行い、全体会議などでも職員に周知しています。実習生やボランティアの受け入れマニュアルがあり、守秘義務に関して説明し、文書同意を得ています。子どもの持ち物管理場所の名前の表示や子どもの写真、保育の様子を取ったビデオ、保育業務に必要な文書での個人情報の取り扱いについて、あらかじめ保護者には説明して了解を得て、同意書を書いてもらっています。個人情報は事務室内の鍵のかかる棚に保管しています。個人情報となる書類は、シュレッダーで処理し、事業ごみとして廃棄しています。
 「保育業務マニュアル」に、「相手を尊重した言葉づかいをする」「子どもを呼ぶときは呼びつけるようなことはせず、一人一人に対して話しかけるようする」「子どもを呼び捨てにしない」などを記載し、言葉づかいの留意点を明確にしています。保育士が子どもと話す時は大きな声は出さず優しく接しています。職員のロッカー室には「職員心得」「保育士の基本姿勢チェック」「倫理綱領」を掲示し、常に意識できるよう工夫しています。「保育士の対応基準チェックシート」で定期的に確認し、子どもの人権を尊重した対応の振り返りを行っています。年度初めの全体会議で、全職員で保育業務マニュアル研修を行い理念や保育姿勢について学んでいます。
 保育室の押し入れの下の空間「デン」は、友達や保育士の視線を意識しないで過ごせる場所となっています。子どもをクールダウンさせる場合や、子どもと職員が一対一で話し合う時は事務室や園長室を使っています。子どもたちは何人かのグループに分かれて、保育室のコーナーや2階のフリースペース、1階の絵本コーナーで小集団で過ごしています。4、5歳児用のトイレにはドアがついています。おねしょは、だれでもあることと理解して受け止め、保育士が速やかに片付け、トイレ内のシャワーで体を洗い着替えをしています。


2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

天気のよい日にはできるだけ戸外に出るようにしています。近隣には自然豊かな公園や里山、遊具のある公園などがあり、目的に合わせて散歩に行っています。戸外に出るときには必ず日よけつき帽子をかぶっています。また、体調のすぐれない時には室内で遊ぶなど、子どもの健康状態に合わせて配慮しています。0歳児クラスには階段状の遊具、1、2歳児クラスには巧技台などがあり、毎日活動に取り入れています。3〜5歳児クラスでは、週1回、専門の講師による体操教室を行っています。日ごろの活動でも取り入れ、運動会では体操教室の成果を発表しています。5歳児クラスでは、夜まで過ごすわくわく会を実施し、星空見学や花火を楽しみました。
 こいのぼりや七夕など暦や季節に合わせ、年齢に応じてさまざまな製作を行い、作品を保育室に飾っています。3歳児から個人持ちのクレヨンや自由画帳があり、自由に絵を描いたり製作をしています。製作の時間には毛糸やトイレットペーパーの芯、空き箱などの廃材も自由に使って製作しています。毎月の歌やリズム遊びを決め、CDやピアノ、ギターに合わせて楽しんでいます。月2回専門講師による美術遊びの時間があり、さまざまな素材に触れて自由に表現することを楽しんでいます。3歳児から外国人講師による英語遊びを毎週行い、年数回専門の講師によるわらべ歌の会を実施し、感性や情操をはぐくむ機会となっています。
 全保育室、おもちゃは種類ごとにかごに入れて棚にしまってあります。棚にはおもちゃの絵や写真を貼っており、子どもは自分でしまうことができます。遊ぶときには子どもたちは自分で遊びたいコーナーを選んで遊んでいます。0歳児には音のなるおもちゃ、1歳児には型はめおもちゃ、2歳児にはごっこ遊びの道具、3〜5歳児クラスではみたて遊びの道具など年齢や子どもたちの興味に合わせておもちゃを取りそろえています。2階の張り出しコーナーでは、積み木などの作りかけの作品を置いておけるコーナーを設けています。一斉保育以外の朝夕の時間は自由時間となっており、子どもたちが思い思いのコーナーで自由に遊んでいます。


3 サービスマネジメントシステムの確立

 不審者対応マニュアルを策定して改定時や入職時に説明を行い事務室に設置しています。門扉はオートロックになっており、開錠にあたっては職員と保護者はICカードを使用し、外部の方には画像つきのインターフォンで対応しています。不審者が現れた時の合言葉を決め、年2回不審者対応訓練を実施し、職員の体制を確認しています。散歩など戸外活動時には防犯ブザーと笛を携帯しています。不審者情報は、近隣の小学校からの情報のほか、近隣に在住している職員からも情報を得ることができ、得られた情報はすぐに職員や保護者に伝えています。
 衛生管理に関するマニュアルを用意し、入職時に説明を行い事務室に設置しています。清掃方法や消毒方法、嘔吐物の処理の仕方について記載されています。マニュアルは随時見直しを行い、改定時には職員に周知しています。マニュアルに基づいて清掃しており、園内は清潔な状態が保たれています。玄関や廊下、ホールなどは用務員が清掃、保育室は保育士が清掃、トイレは全員で清掃を行っています。清掃分担表を作成し、清掃を行った際にはチェック表に記載しています。おもちゃや寝具などの消毒も定期的に行っています。嘔吐処理の備品は各保育室に設置し、年2回嘔吐物の処理などについて研修を行っています。
 全クラスとも健康診断を年2回、歯科健診を年1回、身体測定を毎月実施しています。健康診断や歯科健診、身体測定の結果は、入園時から使用している児童票の健康の記録に記載し、入園から卒園までの健診結果が一目でわかるようになっています。保護者には、健康カードに記載して伝えています。毎月、看護師や栄養士、保育士が連携して、「げんきのはなしのひ」を設け、健康について子どもたちに伝えています。また、成長曲線の確認を行い、必要に応じて、保護者と連携し対応しています。嘱託医とは、健康診断の結果について指摘やアドバイスをもらうなどの連携をしています。重要事項説明書に嘱託医の病院名を記載し、保護者に伝えています。


4 地域との交流・連携

近隣の地域ケアプラザにおいて保護者や子どもたちと交流するなかで、地域の子育て支援ニーズを探っています。移動動物園やもちつきなどの「地域子育て支援事業」で地域の方々にアンケートを行い、園や保育への要望や意見を聞いています。また、成長や発達、離乳食の進め方など育児に関するさまざまな相談を受け付けるなかで、保護者が必要としている子育て支援をとらえています。園長はじめ職員は近隣の幼保小連携推進校と交流する協同事業に参画したり、近隣の保育園と手作りおもちゃの研修会を開いています。ほかに、日々の散歩や園外活動で出会った方々との会話からも保育ニーズをつかんでいます。
 園行事でのアンケート結果や一時保育、育児相談を通して把握した子育て支援ニーズについては、職員会議や昼礼などを通してすべての職員に周知しています。昨年度スタートした園外プロジェクトチームは園が力を入れて取り組むもので、若手職員3人で構成され、地域の交流や子育て支援を強く推し進めています。例えば、近隣の地域ケアプラザに5歳児5、6人を連れて行き、地域の保護者や子どもたちと遊んだり、子育て支援情報のチラシ「キラキラ広場」を掲示してもらうなどして園の取り組みを周知しています。ほかに、出産前の保育体験や離乳食相談なども行っており、今後は、一時保育の部屋で「親子で遊ぼう会」を行うことを計画しています。
 正門横に設置している地域向け掲示板には、保育理念や目標を掲げるとともに、「キラキラひろば」を掲出して子育て支援情報を提供しています。「キラキラひろば」には、育児相談や絵本の貸し出し、園庭開放、一時保育に関する情報が掲載されていて、町内会の回覧板で広く地域に行きわたるようにしています。平日9時から17時まで育児相談に関する予約を電話で随時受け付けており、保育士、看護師、栄養士がそれぞれの専門領域からさまざまな相談に対応しています。掲示板では、外部で開催されている保護者の集いや子育て情報も案内されています。見学や月2回の園庭開放で来園された方の育児相談にも対応しています。


5 運営上の透明性の確保と継続性

園では法人が掲げる理念や、施設職員倫理綱領、職員心得、保育者の基本姿勢を規程として明文化し全職員に周知しています。諸規程は業務対応基本マニュアルに盛り込まれ、非常勤職員にも配付しています。年1回4月に行われる法人新任者研修では、組織の重要事項の説明や、マナーや接遇の指導を行っています。また、12月に行われる法人全体研修では、保育の倫理や制度など保育の根幹にかかわることについて学んでいます。昨年度は保育所保育指針の改定について講義を受けました。系列園での事故や、園内でのけがやヒヤリハットが起きたときには、昼礼や週案ミーティング、職員会議で取り上げるなど再発防止に努めています。
 ホームページは法人が主体となって制作し、園の特徴や個性が出るように動画や写真などをわかりやすく見せています。パンフレットのほかに、子育て支援情報を載せた「キラキラひろば」を作成して地域掲示板に掲出するほか、青葉区役所や近隣の地域ケアプラザにも配付しています。毎月の園だより「キラキラ通信」は園見学に来た方に配るとともに第三者委員にも送付しています。園の受付窓口には来園された方がだれでも見られるように、苦情解決機関や、園生活に係る経費一覧を含めた重要事項、情報開示、病児・病後児保育などのファイルを並べています。地域老人会の機関紙や社会福祉協議会が発行している高齢者向けの冊子にも園情報を載せています。
 園の見学日は月に1、2回設定し、事前予約制で、ホームページでも周知しています。見学時間は10時から1時間ほどとって、平均すると1回で5、6組の親子が来園します。主に園長か主任が対応し、園全体を案内したあとに、質疑応答を行っています。親子の要望に応じて、職員の目が届く範囲で子どもをクラスで遊ばせて観察することもあります。見学時の配付物としては、パンフレットや、園で購入する物品案内と価格表、年間行事予定などで、これらに基づいて説明を行っているので、だれが対応しても必要な基本情報を説明できるようになっています。仕事の都合で予定日以外の日にしか来られない保護者にも対応しています。


6 職員の資質向上の促進 園では実習生を受け入れており、「実習生を受け入れるための心構え」に基づき指導しています。実習を始めるにあたり担当である主任から、実習の決まりや守秘義務に対する説明が行われ、誓約書を園に提出してもらっています。配属前のオリエンテーションでは、持ち物や身だしなみ、勤務のあり方についての具体的な注意事項が伝えられています。実習プログラムは園の理念を踏まえ、養成校のねらいと実習生の意向を聞いて計画しています。クラス担任と毎日15分の反省会を、最終日には園長や主任も参加して総括反省会を行っています。園長は「その人らしさをもってかかわってほしい」と実習生に期待を寄せています。
 園長が人材育成で重視していることは「その人の保育への思いの強さ」です。園長は、その思いが意欲や質の向上を引き出すと考えています。業務対応基本マニュアルの中に「みわの会人財像」と銘打たれた法人が目ざす人材、求める人材が明示されています。欠員補充は、ハローワークや養成校、人材紹介会社からの紹介によって対応しています。キャリアパスの指標として、専門職種別に初任者、中堅者、管理職の段階ごとに求められるスキルを目標設定した「成長のステージ」があります。この指標に沿った育成計画を推進しています。職員は、自己目標の設定と年2回の振り返りを行う人事考課チェックシートを作成して園長に提出し、達成度の評価を受けています。
 園の研修は園長と主任が担当し、必要に応じて主任がアンケートにより職員から希望を取っています。年間の研修計画は前年度の研修評価を参考に、事業計画に明示しています。研修は、法人、系列園合同、園内、園外の4つに分けられ、全職員を対象としたものから、新人やリーダー、栄養士、看護師などグループや職種を対象としたものまであり、職員は積極的に参加しています。非常勤職員は、嘔吐処理や救急救命などの必須研修に加え、希望する研修にも参加できます。最近では保育士と看護師の2人が、所属する事業所の従業員や地域の方などに対してAED(自動体外式除細動器)の使い方や心肺蘇生法を指導することのできる応急手当普及員認定証を取得しています。

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