かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

重度神奈川後保護施設「花桃」(5回目受審)

対象事業所名 重度神奈川後保護施設「花桃」(5回目受審)
経営主体(法人等) 社会福祉法人湘南アフタケア協会
対象サービス 障害分野 生活介護他
事業所住所等 〒 238 - 0047
横須賀市吉倉町1丁目無番地
tel:046-822-2824
設立年月日 1970(昭和45)年07月01日
公表年月 2019(平成31)年02月 〜
使用評価項目 推進機構評価項目ガイドライン準拠版
評価機関名 公益社団法人 神奈川県介護福祉士会
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)
〇法人の基本理念に、「@私たちは、創業者のモットーである『和の心』を基本に、男女・老若を問わず障害を持った利用者のみなさまに対し、まごころをもって支援とサービスにつとめます。A私たちは、利用者のみなさまの支援にあたり、職員が意欲的に働ける環境づくりにつとめます。B私たちは、社会的責任を認識し、健全かつ公正な法人運営をおこない、適切な情報公開につとめます。」を置き、利用者の支援にあたっている。
〇呼吸器や心臓、腎臓等の内部障害のある利用者が多い。利用者は2人部屋と4人部屋で生活を送っている。ベッドの間はカーテン等で仕切り、利用者のプライバシーを確保している。神奈川後保護施設同様、全体の約9割が男性利用者である。
〇日中活動として、利用者は「創作活動グループ」と「作業活動グループ」で活動している。創作活動グループの創作科では、利用者個々の好みに合わせて、パズルやプラモデル、パソコン、造花作り等を行い、作品は施設の行事等で販売したり、施設内に飾ったりしている。作業活動グループの軽作業では、段ボールのまとめ作業を行っている。園芸科では畑で野菜を作っている。年間を通してジャガイモやソラマメ、サツマイモ、ハクサイ、ブロッコリー、シイタケ等を作り、収穫した野菜は管理栄養士を通して毎日の給食の中で提供している。
〇日中活動の「みんなの体操」は、週3回、職員も含めて施設全体で行い、皆で身体を動かしている。毎週木曜日には「ボッチャ(重度障害者のためのスポーツ)」を行っているが、参加者が増え、関心を持つ方も増えてきており、利用者は大会に向けて熱心に練習している。「ボッチャ」は、室内外にコートを準備し、雨天でも活動できるようにしている。日中活動は利用者が好きなものを選び、自主的に参加している。
〇8月には納涼会、11月には運動会、12月にはクリスマス会を行い、利用者がいろいろな行事に参加して楽しんでいる。年に2回外出の機会を設け、大江戸博物館や回転寿司店に出かけている。回転寿司は利用者に大好評で、また行きたいと言う声が多く聞かれている。ボランティアによる音楽会(ハープを聴く会、クリスマス音楽会等)もあり、施設内でも様々な楽しみが持てるよう工夫している。
〇年間の行事食として、カレーの日(月1回)や、ごちそうの日、七夕、土用の丑の日、重陽の節句、敬老の日、お彼岸、十三夜、クリスマス、お正月、雛祭り等に行事食を提供し、一年を通して食事を楽しんでもらっている。カレーの日は、よこすか海軍カレーやカツカレー、キーマカレー、夏野菜カレー等、毎回内容を替えて行い、地域の方たちにもカレーを提供している。
〇週3回の入浴を基本としている。1階に一般浴室が2ケ所あり、浴室は石造りでゆったりとしている。利用者は1〜2名ずつ、入口に「使用中」の札を掛け、自由に入浴している。浴室内の壁に銭湯絵の専門家による「富士山の風呂絵」を掲げ、銭湯の雰囲気を味わいながら入浴している。1階の浴室の利用が難しい利用者は、神奈川後保護施設の介助用の浴室を利用している。
〇1年前より「カレー食堂」を開き、地域の方に施設を開放している。「カレー食堂」は月1回メニューを替えて行い、町内の掲示板にポスターを掲示し、参加を呼びかけている。毎回、20名ほどの地域の方が「カレー食堂」を利用している。「カレー食堂」は「子ども食堂」として始めたこともあり、最近は地域の子どもたちも参加している。
〇昨年度より、地域に向けた取り組みとして、「車椅子無償レンタルサービス」を始めている。「車椅子無償レンタルサービス」の利用は現時点では多くはないが、今後も継続していく予定である。車椅子は希望に応じて、操作方法等も指導している。
〇「社会的居場所つくり支援事業」に取り組んでいる。「社会的居場所つくり支援事業」は、地域の中で引きこもっている方に対して、就労や社会的な関わりの場を提供する事業で、昨年度、市の紹介で2名の方を受入れている。2名の方は利用者の日中活動の見守り等に従事し、その後、非常勤雇用やボランティア活動につながっている。
〇福祉サービス第三者評価は、3年に1回、定期的に受審しており、今回が5回目の受審になる。施設全体で提供する福祉サービスの振り返りや見直しを行っている。
評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重 〇「倫理綱領及び行動規範」を整備し、年1回以上接遇研修を行い、利用者への関わり方を職員に周知徹底している。利用者への呼びかけは「ちゃん付けや呼び捨てをしないで年齢に応じた呼称で呼ぶ」、「必要以上に大きな声を出さない」等、介護現場から挙がった声を基にして、具体的な行動規範を作成している。
〇施設内で不法行為が発生しないよう、ミーティングや個別支援計画策定会議、主任会議、役員会議にて、不法行為の具体的な例をあげて、職員が内容を確認している。職員同士が顔を合わせ、話し合う機会を多く持つようにしている。
〇個人情報の漏えい防止の対策として、規程類や開示手続き等を整え、職員教育を行っている。職員には、他の利用者の前で個人の病気の話や家族の話等はしない、個人名が書いてあるファイルはロッカーに収納する等を説明し、徹底している。
〇見学者の訪問の際には、施設職員が同行し、利用者の居室やトイレ等には近付かないように説明している。実習生や見学者の訪問は、利用者に必ず事前に伝えるようにしている。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 〇居室担当を決めて、利用者個々の思いやニーズに対応できる体制を整えている。利用者と定期面談を行う他、日常の利用者の様子を観察し、利用者へ声かけして思いや訴えを聴き取るようにしている。
〇日中の活動は、利用者が好きなものを選び、自主的に参加して、機能回復や機能維持につなげている。職員側から何かを指示したり、無理強いしたりすることは一切しないよう心がけている。
〇常に利用者本人に寄り添い、本人の強みや意向に沿って支援している。パソコンの得意な方にはポスターやチラシ作りをお願いしたり、農業に詳しい人からは畑作業の指導を受けている。
3 サービスマネジメントシステムの確立 〇苦情解決制度のパンフレットを作成し、利用者に配布している。パンフレットにはルビを振り、利用者が理解しやすいよう工夫している。施設内に苦情受付担当者や苦情解決責任者名、第三者委員名や役割を明記した苦情解決制度のポスターを掲示している。
〇第三者委員は苦情解決委員会にも参加し、利用者や家族からあがった苦情に対して、職員と話し合いを行っている。
〇インシデントやアクシデントが発生した場合は、「ヒヤリハット/事故報告書」を作成し、朝礼やミーティング、申し送りノートで報告を行っている。多職種が集まり、内容の分析や対応策、再発防止の話し合いを行っている。
〇感染症対策委員会を置き、施設内の感染症予防の対策や、感染症発生時の対処等について検討し、ミーティングや申し送りで職員に内容を伝えている。11月から4月までのインフルエンザ発症の時期には、特に手洗いやうがいの声かけを行い、透析で通院する利用者には、外出時は必ずマスクを着用するよう促している。
〇施設の建物が海に面しているため、津波発生時の訓練も行っている。災害用の非常食の備蓄も、地域に向けて、現在の3日分を5日分に増やすことを検討している。
4 地域との交流・連携 〇市の社会福祉協議会からの依頼で、年1回、夏休みに高校生の介護体験のボランティアの受入れを行い、4〜5名の学生が活動している。施設の特性からボランティアの希望は少ないが、今年度は利用者の日中活動の支援にボランティアが活動している。
○1年前より「カレー食堂」を開き、地域の方に施設を開放している。「カレー食堂」は月1回行い、町内の掲示板にポスターを掲示し、参加を呼びかけている。毎回、20名ほどの地域の方が「カレー食堂」を利用している。
〇地域への開放行事として、納涼会やバザーを開催している。納涼会やバザーには地域の方が多く参加し、盆踊りに協力したり、焼きそばやフランクフルト等の模擬店を利用して楽しんでいる。
〇地域に向けた取り組みとして、「車椅子無償レンタルサービス」や「社会的居場所つくり支援事業」に取り組んでいる。
〇町内会に入会する他、地域の観光協会の町おこし運動に参加している。また、地元の消防団に両施設合わせて6人の職員が入団し、台風等の発生時や緊急時には実際に出動している。職員が地元の消防団に入団、活動することで、地域貢献の一端を担っている。
5 運営上の透明性の確保と継続性 〇法人の基本理念は、施設内に掲示するとともに、ホームページにも掲載して周知を図っている。職員へは、倫理規程等を中心に、職員会議の場や施設内研修等で説明している。
○福祉サービス第三者評価は、3年に1回、定期的に受審しており、今回が5回目の受審になる。施設全体で提供する福祉サービスの振り返りや見直しを行っている。
〇管理職の役割と責任を含め、「職務分担一覧表」や「各委員会参考表」を作成し、職員の業務分担を定めている。利用者の担当制を設ける他、物品(パソコンや机等)に関する管理担当者も決め、問題があった時にはすぐに対応できる体制を整えている。
6 職員の資質向上の促進 〇キャリアパス制度を導入し、就業規則も整備している。キャリアパス制度を導入することによって、施設に必要な人材や人員体制に関する基本的な考え方、人事管理に関する方針を示している。
〇外部研修に参加した場合には、朝礼の場で概要を説明し、研修報告書を提出している。研修報告書はファイルし、職員がいつでも閲覧できるようにしている。重要な外部研修については、各部署に資料をコピーして配布したり、伝達研修を開催する等、職員全体で内容を共有するようにしている。
〇職場内研修については、研修委員会が内容を企画して、2ケ月に1回程度開催している。内部研修は勤務終了後に行っているが、7〜8割の職員が参加している。

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