かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

川崎市特別養護老人ホーム多摩川の里デイサービスセンター

対象事業所名 川崎市特別養護老人ホーム多摩川の里デイサービスセンター
経営主体(法人等) 社会福祉法人川崎市社会福祉事業団
対象サービス 高齢分野 通所介護(ディサービス)
事業所住所等 〒 214 - 0012
多摩区中野島6丁目13番5号
tel:044-935-5200
設立年月日 1993(平成5)年04月01日
公表年月 2018(平成30)年12月 〜
使用評価項目 推進機構評価項目ガイドライン準拠版
評価機関名 一般社団法人 アクティブ ケア アンド サポート
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

〔特に良いと思う点〕
○目標を設定し、チームワークでサービスを提供しています
 社会福祉法人川崎市社会福祉事業団(以下、「法人」という。)川崎市特別養護老人ホーム多摩川の里(以下、「事業所」という。)デイサービスセンター(以下、「センター」という)は、毎年目標を設定し、専門性の向上に取り組み、支援に生かしています。今年度は、口腔機能向上サービスの充実を挙げています。
職員は外部研修を受け、その結果の伝達研修を行い、また、カンファレンスを重ね共有化を図っています。
看護師や栄養士が、介護職員と連携を組み、チーム力の発揮に努めています。利用者一人一人への口腔ケアの支援とともに、地域に向けて口腔機能向上体操の講習会を開催しています。
○利用者の強みを生かす視点で支援を行っています
 一人一人に応じた個別支援を基本にしています。個別カンファレンスで多職種からの意見や提案を聞き、利用者の強みを捉え共有しています。日常の介護やコミュニケーションを通して利用者に対する観察や理解を深め、その人の強みに視点を当てた見方をとるよう心がけています。自分で着替えができる人には、時間がかかり効率は悪くなってもゆっくりと待っています。
○地域交流の一環として、ボランティア活動を利用者支援に生かしています
 ボランティアの受け入れから毎日の活動、ボランティア交流会の企画・開催などはボランティア委員会が担当しています。2017年度、事業所全体のボランティア受け入れ数は2,000人を越え、そのうちセンターの受け入れは約400人となっています。センターにおけるボランティア活動は、洗濯物たたみや利用者の、例えば将棋の相手などがあります。地域交流の一環として利用者支援に生かしています。
○内部研修や外部研修など研修制度を充実させています
 法人は基本理念として職員の資質・能力の向上を掲げ、事業所は基本方針として職員の育成に努めることのほか、利用者が満足するサービスの提供、法令遵守、健全な経営などを掲げています。職員の資質・能力向上のための研修に重点をおき、職員の階層に応じて法人基礎・専門研修、事業所内研修、外部研修、伝達研修などを実施しています。受講者は、研修修了後に研修報告書を作成し、センター会議で報告し、研修内容を共有しています。

〔さらなる改善が求められる点〕
○利用者が互いに快適に過ごすことができるよう利用者対応にさらなる工夫が期待されます
 センターでは、障害者差別も高齢者虐待も根は同じと考え、「自己点検シート」を活用し、日頃の自分自身の行動や思いを振り返っています。「自己点検シート」には、「言葉の暴力は心理的虐待である」「他の職員が見ていない状況だと、利用者への対応がぞんざいになることがある」など29のチェック項目を設定しています。今回の利用者調査において、「あなたは、利用者同士のいさかいやいじめ等があった場合の職員の対応は信頼できますか」に「ハイ」と答えた割合が55%にとどまりました。今後、利用者対応にさらなる工夫が期待されます。 
○地震等を想定し、福祉用具や活動用道具などの整理整頓が必要と思われます
 訪問調査の日、利用者と職員が2チームに分かれゲームで楽しく過ごしている様子を観察しました。サービス提供時間が終了し、利用者が帰宅した後の機能回復訓練室には、窓際の一部に活動用道具や段ボールが重ねて置いてあり、車椅子や玩具などの整理整頓が行き届いていないところが見受けられました。地震などの災害時(緊急時)を想定した備え、整理整頓が必要ではないか検討と実施が期待されます。
○マニュアルの整備はされていますが、活用が期待されます 
 マニュアルを整備し、事務所の書庫で管理しています。ミーティングや職員会議で、利用者支援の方法や業務の打ち合わせを行っていますが、職員間の口頭でのやり取りが中心で、マニュアルに基づく議論は少ないように見られます。今後、提供するサービスの基準となるマニュアルに立ち返り、日常的に活用できるよう独自のマニュアルの作成が必要でないか検討が期待されます。


評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重 職員は「自己点検シート」により日頃の自分の行動や思いを振り返っています。高齢者虐待防止・身体的拘束適正化委員会は身体拘束状況調査を定期的に実施しています。 機能訓練室にカーテンで仕切った静養スぺースを設け、休養が必要な利用者のプライバシーに配慮しています。職員は静養スペースに入る時は声かけをしています。事業所では、介護相談員を継続的に受入れ、介護相談員が聞き取った利用者の声を環境整備や接遇の振り返りに生かしています。また、研修で「虐待を発生させない施設をつくるために」をテーマに取り上げ、「自己点検シート」の結果をもとにグループワークを行い、振り返りと不適切なケアをなくす対策を話し合っています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 職員は認知症対応の研修を受け、利用者への観察力やコミュニケーション力を高めています。カンファレンスを行い利用者一人ひとりに対する認識を深めています。日々の会話を通して利用者との信頼関係を深め、思いをくみ取ったり、変化のある時には日誌の特記事項に書きとめ、他の職員へ伝えています。また、必要に応じ聞き取りをしています。
 ケアマネジャーが招集するサービス担当者会議に、利用者・家族、通所介護職員、その他利用者が関係する他の福祉・医療担当者が参加し、利用者の介護に関わる現状報告、希望や意向を伝え合い、現状分析を行い、課題をまとめます。この会議後まとめられたケアプラン(サービス利用計画書)の目標に基づき、通所介護計画の作成を行います。利用者や家族と面談し、通所介護計画に対する要望や意向を反映・確認し、署名捺印をもらっています。サービス担当者会議に利用者・家族が参加することにより、利用者の意思や可能性をサービス計画に反映しています。日々のデイサービスでは、創作活動やトランプ、囲碁など個別の希望に沿ったプログラムやレクリエーションゲームなどの集団活動があり、利用者が意欲的に参加しています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

苦情解決・相談対応マニュアル及び苦情解決・相談実施要項を整備しています。センターの入口に苦情解決制度及び責任者や受付担当者、第三者委員の氏名を掲示し、意見箱を設置しています。利用開始時には利用者に対し重要事項説明書に記載した相談窓口・苦情対応として行政や国民健康保険団体等の外部の相談窓口も含む連絡先や対応者を説明しています。苦情や相談が寄せられた場合は、センター内で対応できることは、担当者を中心に解決を図っています。また、デイサービス会議で報告するとともに、苦情相談記録票に記載し回覧・共有しています。 
利用者一人一人の個別支援計画には、例えば、転倒を起こしやすい人には歩行の付き添い方や歩行器の使用への配慮事項を織り込み、また、誤嚥を起こしやすい人には予防のための口腔体操などを取り入れています。日々発生したインシデントが報告され、記録に残し、必要に応じてデイサービス会議や回覧で共有しています。事故の場合は、事故報告書を作成、再発防止策を職員間で共有し、再発防止に努めています。
食堂での座席配置は、利用者の安全と互いの相性を考慮し快適に過ごせるよう配慮しています。センターの機能回復訓練室はゲームや運動などの活動の場になっています。窓際の一部に活動用道具が積まれた状態が見られ、整理に工夫が必要と思われます。静養室はカーテンで仕切り、プライバシーに気を配っています。浴室は広い一般浴槽とリフト浴があり、利用者の希望や身体状況に応じて選択し入浴しています。私有物は専用ロッカーに収納してもらいますが、貴重品は持ち込まないよう依頼しています。
「感染症及び食中毒の予防及び蔓延防止のための指針」に基づいて感染症予防対策委員会を設置しています。委員会は対策を検討するほか、研修の実施、発生時の対策、予防・蔓延防止対策を立てています。予防のため日々の体調を家庭からの連絡帳で把握するとともに、毎日看護師がバイタルチェックや体調の管理を行っています。
救命救急について、「事故別緊急対応チャート」に基づき、発見者から施設長、法人、市役所への報告と迅速な対応の仕組みを整えています。心肺蘇生のためAEDを設置し、毎年職員が消防署の研修を受け、伝達研修により周知し、使用できるようにしています。
看護師が勤務し、医療面の応急対応に備えるとともに、必要に応じケアマネジャーを通して主治医に報告しています。また、緊急時に、医療機関をはじめ、管轄の消防署、家族へ連絡を取れるよう連絡体制を整備しています。


4 地域との交流・連携 地域のニーズに応え、地域の人々に輪投げなどの用具を貸し出しています。また、職員が近隣の「老人いこいの家」へ出向き、口腔体操を実施し、在宅の高齢者の口腔機能の向上に貢献しています。
毎年11月、事業所は隣接の身体障害者福祉会館と合同でフェスティバルを開催し、センターの利用者をはじめ多くの地域住民が参加し、作品の展示や模擬店、フリーマーケットなどを楽しんでいます

5 運営上の透明性の確保と継続性 事業所は毎年指定管理者制度の施設として法令などを遵守しているかをチェックするセルフモニタリングを実施しています。指定管理者制度活用事業に定める「評価シート」によって川埼市の評価を受け、高い評価を得ています。事業所は傘下の介護事業について第三者評価を数年ごとに受審しています。今年度は、センターが受審し、その結果を公表する予定です。
毎年10月、利用者満足度調査を実施し、調査結果を家族にフィードバックしています。評価結果はいずれも事業報告にまとめ、理事会に報告しています。
センターの管理者は事業所のホーム長(施設長)が兼務し、役割と責任は業務分掌に明示しています。ホーム長は、センターを統括し、年度事業計画書や年度事業報告書を作成します。日常の業務として、予算の執行をはじめ、苦情の受け付け・対応、職員の勤務管理、契約職員の採用などを担っています。ホーム長は法令順守の観点から、法人のコンプライアンス研修を受講し、職員にフィードバックしています。ホーム長は毎月デイサービス会議を開催し、稼働率や収支状況を職員に説明し、職員の認識を高めるとともに、意見を聞いたり、提案を受けたりして業務に反映しています。働きやすい職場環境を維持するため目標管理制度を導入し、目標管理面談を行っています。日頃、職員とのコミュニケーションを深め、期待と課題を共有するなど働きやすい環境作りに努めています。

6 職員の資質向上の促進

法人の理念や事業所の方針は、毎年3月の研修の場でホーム長が新年度事業計画を説明するなかで確認しています。
職員研修には、法人の階層別基礎・専門研修をはじめ、事業所内の内部研修、外部派遣研修、伝達研修があり、職員の知識と技術の向上を目指しています。研修受講後研修報告書を作成したうえで、デイセンター会議で報告し、情報共有を図っています。
実習生は主任が実習生指導者となって受け入れ、センターの業務や介護を学習したい学生などには、いつでも指導できる体制を整えています。
正規職員の採用は法人で行い、契約職員の採用は事業所で行っています。職員に対し、業務分掌の明確化を図り、遂行するべき業務内容を明確に示しています。目標管理面談の際、職員の意見や提案を聞くなど職場環境の整備に努めています。法人は、「人事考課ガイドブック」を作成し、各事業所の職員に明示しています。
パソコンを利用して日々の出退勤、有給休暇や残業時間を管理しています。目標管理制度を導入し、目標の設定時と評価時にホーム長が職員と目標管理面談を行っています。
ホーム長と主任はコミュニケーションをとり職員の就業環境を考慮しています。職員の得意分野を伸ばし、足らないところを補うよう心がけています。適宜事業所の産業医に相談し、また、衛生委員会(事業所の?)の指導や助言を得たりしています。


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