かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

横浜市三春台保育園(2回目受審)

対象事業所名 横浜市三春台保育園(2回目受審)
経営主体(法人等) 横浜市
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 232 - 0002
南区三春台107
tel:045-231-5067
設立年月日 1968年07月01日
公表年月 2019(平成31)年01月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 株式会社フィールズ
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

[施設の概要]

 園は京浜急行線南太田駅から徒歩13分ほどの丘の上に位置し、隣接する三春台公園には園庭から出入りできる門があり、園庭同様に使うことができます。近くには園と交流のある太田小学校、小規模保育事業所や寺社、公園が点在し、野毛山動物園や横浜橋商店街も散歩コースの一つとなっています。
 園は開設からは50年が経過し、現在の鉄骨造り2階建ての園舎に建て替えて10年目になります。1歳児から5歳児までの定員74名のところ、現在は79名が在籍しています。
 園舎1階には、ホール、地域支援室(こあらルーム)や図書コーナーがあり、近隣の子育て親子や小規模保育事業所の子どもたちが、施設や園庭を利用しています。


≪優れている点≫

1.保護者意見を共有し、園運営に反映しています

 保護者からの意見等を園運営に生かすため、保護者意見を吸い上げることを大切に考えています。保護者からのアンケート結果などは、保護者の意見・感想をそのまま掲示する方法に変更しました。
 リンゴ型の記入用紙に記入・提出してもらい、樹が描かれた大きな紙に貼りつけて掲示しています。掲示により保護者が他の保護者の意見・感想を見ることができます。目を引く掲示方法により、保護者からの認識の高まりにつながっています。
 さらに掲示された感想に対して、同意見や共感した場合には、シールを貼り賛同の意志を示せる工夫をしています。
 乳児クラスのアンケート結果も幼児クラスに伝わるように掲示場所を変えて、保護者がすべてのアンケート結果を見ることができ、どのような意見が多いか等が視覚的に把握しやすくなっています。
 この取り組みにより、保護者間でも共有化が図れ、保育の理解や保護者同士の交流にもつながっています。直接掲示することで、率直な感想や保護者ニーズの把握につながり、より良い園運営に生かされています。


2.地域の子育て支援ニーズに則したサービスを提供しています

 子育て支援事業として、毎週火、水、木の午前中に園庭開放しています。第1、第3土曜日午前中には、地域支援室(こあらルーム)を地域の子どもたちの遊び場、保護者のおしゃべりの場として開放しています。
 週3回の絵本の貸出し、月1回の身体測定、絵本の読み聞かせ、「手作りおやつの紹介」などの育児講座や園児と一緒に遊ぶ交流保育を行っています。七夕、運動会ごっこ、ふれあい音楽会、お正月遊び、豆まき、ひなまつり等の行事に、地域の人や近隣の保育園児を招待しています。
 4、5歳児は、公園愛護会の方と一緒に三春台公園の清掃や花植えなどの活動を年間通して行っています。5歳児は、近隣の町内会館で地域の高齢者との交流(ふれあいサロン)を毎年6回行い、高齢者との友好関係を築いています。


≪努力・工夫している点≫

1. 「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」を明確にしています

 新しくなった保育所保育指針をよく理解して全体的な計画を作っています。さらに、子どもの発達や状況に応じて年間指導計画、月間指導計画、週案を作成しています。
 特に5歳児には、遊びの中で環境を整えたり必要な援助を行ったりする「アプローチカリキュラム」を作成し、「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」を明確にしています。園の「アプローチカリキュラム」は、小学校の、「スタートカリキュラム」と関連するように作成しています。


2.担任交代で自分たちの保育を見直しています

 園では担任が他のクラスに入り、別の視点から自分の保育を振り返る園内研修をしています。乳児の職員が幼児のクラスに入るのなど担任を交代して保育を実施します。いままで、「乳児は・・」という観点で見ていたことが、他の担任が見ることで「○○もできるのではないか」などと意見を得て、他のクラスでの遊びの実施方法を自分のクラスに取り入れるなど内容を深めていっています。
 単にできる?できないだけでなく、職員が自分たちでさらに工夫をして新たな方法を考えています。他の職員からの客観的な判断を得て、自分自身の保育力、保育の質の向上を見直しています。


≪課題や改善することが期待される事項≫

1.ローテーション勤務による職員間の負荷平準化

 園長・主任は、職員の勤務状況の把握を行ってシフト調整などの管理を行っています。しかし、職員のローテーションの関係から、重要な会議を中途退席せざるを得ない状況が発生しています。重要な会議に、職員全員が参加できるよう職員間の調整や負荷平準化の工夫を検討されることが期待されます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

@ 保育理念『全ての子どもたちが、自分を「かけがいのない存在」と感じ、自信を持って生きていかれるように』を掲げ、保育姿勢を「子どもが喜んで登園し、安心して活き活きと遊べる環境をつくります」等5項目として、子どもを尊重したものになっています。


A 「性差・人権に関するチェックリスト表」で非常勤を含めたクラスごとに年2回チェックを行い、威圧的な言葉使いをしない、呼び捨てにしない、子どもの人格を尊重するなどを自己確認しています。職員は否定的な言葉使いはせずに、子どもに聞き取りやすいはっきりとした口調で、優しく言葉をかけるように努めています。


B 「子どもの権利を保育の場面で考えてみよう」をテーマに園内研修を行い、日々の保育の中でも子どもたちが職員に話しやすい環境作りを心がけ、子どもの成長にあわせた言葉を使っています。職員は、子どもの人権を認め、自尊心を傷つけない保育姿勢をとるよう努力しています。


C 「個人情報対応マニュアル」が作成されています。園長は、園で働く全職員に対して個人情報取り扱い、守秘義務について研修、職員会議などで周知しています。保護者には入園時に個人情報保護について説明し、園だよりなどで使用する写真についても同意書をもらっています。ボランティア、実習生、保護者の保育士体験でも守秘義務について説明して、誓約書に署名をもらっています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

@ 子どもの発達状況をふまえて、年齢に応じた言葉で、子どもに分かりやすく話し、子どもが理解し納得したことを把握した上で、子どもの気持ちに寄り添った丁寧な対応をしています。言葉がうまく伝えられない子どもに対しては、態度や表情から職員が思いを汲み取り、思いを受け止め、子どもが自ら行動できるよう援助しています。


A 園ではプランターや畑で季節ごとの野菜や、花を栽培して、年齢ごとの食育活動に繋げています。給食は、完食することが目的ではなく、本人が食べようとする意欲を尊重して、給食を食べることが楽しくなるように援助しています。苦手なものを食べようと努力したときや、食べることができた場合に褒めることで、子どもがもう少し食べてみようと意欲を持てるように声かけをしています。


B 眠れない子どもや、眠くない子どもには午睡を強要せず、本を読むなどしてから横になって体を休めるよう伝えています。子どもたちが安心して眠りにつけるよう、室温・換気に配慮し午睡の環境を整えています。


C 子どもの送迎時に、職員は保護者から家庭での子どもの様子について聞き、日々の子どもの様子は保護者に口頭や連絡帳で伝え、職員の感想を添えた写真を園内やクラスに掲示し、活動内容を伝えています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

@ 全体的な計画に基づいて、子どもの発達や状況に応じた年間指導計画、月間指導計画、週案を作成しています。月間指導計画、週案ともに、自己評価、見直しを行っています。年度末には、保育所の自己評価と保護者アンケート結果を配付し、保護者の意見や意向を次年度の指導計画に反映しています。進級時、前年度担任から「次年度担任間の引継ぎ記録」をもとに口頭で詳細な引き継ぎが行われています。


A 特に配慮を要する子どもの入園に当たっては、事前に南区役所の担当保健師、ケースワーカーと情報共有を行い、年2回中部地域療育センターの巡回相談も受けて日々の保育に生かせるよう努力しています。障がい児に応じた職員を配置し、特性を考慮した個別指導計画を作成し、具体的配慮、援助事項を基に達成できる目標を立て、取り組んでいます。


B 虐待対応マニュアルを整え、職員は虐待の定義・対応などについて虐待予防研修で学び、虐待や早期発見のポイントに関する情報を、全職員に回覧し周知しています。虐待の予防のため、身体の傷、登園時の親子の様子、家庭での食事、発育状態、衣服のチェックなどを行い、虐待が疑わしい場合や無断欠席が続くときは、区役所の担当保健師・ケースワーカーと対応方法を確認する体制を作っています。


C 要望、苦情の窓口は園長が担当し、職員が受け付けた際は、すみやかに園長に報告する仕組みがあります。入園説明会で、「保育園のしおり(重要事項説明書)に記載してある「苦情解決制度について」の説明を行い、「三春台保育園のしおり」に記載の第三者委員2名のうちの1名を紹介しています。行事の後には、保護者にアンケート用紙を配布し、保護者の感想、意見や要望の把握に努めています。保護者からの要望、苦情は整理してファイルにし、問題解決と再発防止に生かしています。

4 地域との交流・連携

@ 子育て支援事業として、毎週火、水、木の午前中に園庭開放、第1、第3土曜日午前中に地域支援室(こあらルーム)を、地域の子どもたちの遊び場、保護者のおしゃべりの場として開放しています。週3回の絵本の貸出し、月1回の身体測定、絵本の読み聞かせ、「手作りおやつの紹介」などの育児講座や園児と一緒に遊ぶ交流保育を行っています。


A 七夕、運動会ごっこ、ふれあい音楽会、お正月遊び、豆まき、ひなまつり等の行事に、地域の人や近隣の保育園児を招待しています。4、5歳児は、公園愛護会の方と一緒に三春台公園の清掃活動や花植えなどの活動を年間通して行っています。5歳児は、近隣の町内会館で地域の高齢者との交流(ふれあいサロン)を毎年6回行い、友好関係を築いています。


B 南区市立井土ヶ谷保育園(育児支援センター園)発行のいどがや通信(南区市立保育園子育てひろばカレンダー)、「南区子育て応援マップ おひさまだいすき」に情報を掲載しています。南区地域子育て支援拠点「はぐはぐの樹」のホームページに子育て支援情報を提供しています。見学者には、「三春台保育園のしおり」を用いて、職員体制、保育方針、保育の流れ、延長保育等を説明しています。保育料については「横浜市保育所入所案内」に記載されていることを説明しています。


C 太田小学校との合同防災訓練に参加、運動会練習見学、5歳児がめいとく保育園の5歳児と一緒に小学校で5年生と一緒に給食を食べる給食交流、学校探検などで定期的に交流しています。西区の一本松小学校の田植え見学、園での田植え指導で交流を行っています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

@ 児童憲章は、各クラスと事務室に掲示し、組織・職員が守るべき法・倫理・規範は、横浜市人材育成ビジョンに、「職員行動基準」倫理・法令順守として明記しています。南区市立保育園子育てひろばカレンダー、南区子育て応援マップ おひさまだいすきや、南区地域子育て支援拠点「はぐはぐの樹」のホームページに子育て支援情報を提供しています。近隣の人や太田小学校、ぽかぽか保育園などに、5歳児が園だよりを毎月届けています。


A 重要な意思決定は、職員には職員会議、アルバイト会議で説明し、保護者へは保護者会や園だよりなどで説明し、また保護者と継続的に意見交換をしています。保育時間の変更、民間移管、行事の変更、工事の取り組みなどは、保護者にも懇談会、保護者会などで十分に理解できるよう説明しています。


B 主任は、各種カリキュラム、日誌、クラスノートなどの記録に目を通し、職員の仕事分担、業務状況を把握し、積極的にコミュニケーションを図り、職員個々の能力や経験にあわせた助言や指導を行っています。主任は、園長と職員とのパイプ役として働きやすい職場環境の構築に努めています。

6 職員の資質向上の促進

@ 横浜市人材育成ビジョン(職種版)保育士分野人材育成ビジョンにより(H30年4月改訂)、保育士キャリアラダーに経験年数、階層別に役割・期待水準が明文化されています。キャリア自己分析表、保育士キャリアラダーを用いて、職員の専門性や職務遂行能力、職務に関する成果や貢献度等を評価する仕組みがあります。園長は職員一人ひとりと面談し、職員が年度初めに作成した「目標共有シート」を基に、年間育成目標をたてていいます。年度末に再度面談して、達成状況の確認や評価・反省を行っています。


A 横浜市こども青年局、南区こども家庭支援課で、横浜市人材育成ビジョンに沿った研修計画が策定され、横浜市こども青年局、南区区役所などが主催する研修に、常勤職員と非常勤職員が参加しています。園長は、園内研修を随時行い、職員のスキルアップを図っています。園内研修は、常勤職員と非常勤職員が参加できるよう、午睡の時間に担当者を決めて実施しています。


B 職員は子どもの成長や発達過程に合わせて指導計画を立て、子どもの心の育ちや意欲、取り組む過程などを毎月のカリキュラム会議やケース会議で確認しながら指導を継続し、次月の計画に反映しています。職員は、前週、前月の振り返りの中で自己の保育技術、保育内容を自己評価し、翌週、翌月の計画に反映しています。

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