かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

森の台保育園(3回目受審)

対象事業所名 森の台保育園(3回目受審)
経営主体(法人等) 社会福祉法人 歩育の会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 226 - 0014
緑区台村町633
tel:045-929-5552
設立年月日 2004(平成16)年04月01日
公表年月 2019(平成31)年01月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 株式会社 学研データサービス
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

《施設の概要》
 「社会福祉法人 歩育の会」の系列園です。定員は66名、平成30年11月現在80名の在籍で、産休明け保育や延長保育、障がい児保育、一時保育、地域子育て支援センターなどを行っています。平成16年4月1日が開所日ですので、すでに14年ほど経っていますが、清潔で古さを感じない施設です。場所は、横浜線中山駅から徒歩で15分ほどの所にあります。周囲は住宅地や畑があります。また、公園がいくつもあり、自然に恵まれた環境です。こういった中で、子どもたちはのびのびと過ごしています。


《特に優れている点・力を入れている点》
○年間食育計画を立て、子どもたちが食に対するさまざまな経験を積んでいます
 0〜2歳児と3〜5歳児の食育年間計画表が作成されています。それぞれ毎月のねらいを立てて実施しています。各月のねらいのもとに、3〜5歳児クラスは、配膳、栽培、食育、反省の欄があり、具体的に記載されています。配膳では、汁物を自分で持っていく、副菜を自分でよそう、主食は当番がよそうといった手順で自分たちでできるようになるプロセスを大事にしています。また、特に3〜5歳児のクッキング保育は、さんま焼き、お月見団子、クッキー作り、カレー作りと年4回ほど行っています。さらに、裏庭の畑や園庭のプランターでは、夏野菜や冬野菜を栽培して、収穫し、食しています。このように多彩な食に関する活動が充実しています。


○さまざまな地域支援活動を実施しています
 地域の子育て中の家庭への支援活動が充実しています。園庭開放や絵本の読み聞かせ、おやこリトミックなどを未就園の子どもを対象に行っています。また、緑区主催の「みどりっこ」という活動では、広報誌に育児相談や園庭開放、その月の催し物を掲載して参加を呼びかけています。さらに、乳児を持つ保護者に対して外出時の排泄や授乳に園の施設を提供する「赤ちゃんの駅」という活動を実施し、そこを利用した保護者に対する育児相談なども行っています。園で実施している夕涼み会やミニ・コンサートなどの行事に地域の子どもたちの参加を促しています。なお、地域の方が突発的な用事ができたり、あるいは、リフレッシュなどで一時的に子どもを預かる事業も実施しています。このように、さまざまな地域支援活動に取り組んでいます。


○リトミックや体操をはじめさまざまな活動を導入しています
 外部講師によるリトミック(2〜5歳児が週1回)や体操教室(3〜5歳児が週1回)、化学遊び(5歳児が月1回)、英語教室(3〜5歳児が月2回)などを展開しています。リトミックに例を取れば、年間計画表があり、毎月の年齢別活動が計画されています。2歳児は、4月の返事(「は」、「あ」、「い」で3回手をたたく即時反応)から、最終の3月では基礎リズムをたたくと進歩していきます。5歳児になると、スイング、ビート、クレシェンドといった具合に発展していきます。体操は、マット、跳び箱、鉄棒、ボールなど種々のものにチャレンジしていきます。こういった外部の講師の指導の際は、必ず担任がいますので、講師の指導技術や指導方法などを学ぶ良い機会になっています。


《事業者が課題としている点》
 環境整備や玩具整備、マナー向上を課題としています。各課題に対して係を決め、取り組みについて話し合い、年間目標を決めて定期的に話し合っています。係の職員は職員会議でほかの職員へ周知して、係だけが改善に取り組むのではなく、全職員で取り組むこととしています。また、幼保小の連携も課題としています。園では、日々の活動や行事のための練習、分園や系列園との交流など活動が多く、他園との交流が困難な状況ですが、小学校や幼稚園、保育園との会議などには、無理のない範囲で参加することにしています。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重  子ども一人一人を尊重し理解して、その子どもに合った保育を行うことを大切に考え、職員は子どもに対して穏やかに笑顔でかかわるよう心がけています。職員会議では子どもの人権尊重、職員の表情、子どもへの伝え方、しかり方などについても確認し合っています。子どもたちを呼び捨てにせず、○○ちゃん、○○くんと呼び、子どもの様子や表情、発言から気持ちをくみ取るよう努めています。子どもがおもらしをした場合は、ほかの子どもに見られないよう配慮しながら速やかに対応し、子ども同士のトラブルの際は双方の言い分を聞き、子どもが納得できるように仲立ちします。しかる必要がある場合は、個別に子どもにわかりやすく、短く伝えるなどの配慮をしています。
 子どもが一人になりたかったり、周囲から声をかけてほしくないときなどは、ピアノや机の陰や保育室内のへこんだスペース、玄関ホールの下駄箱の陰などを活用して、職員は必要に応じて声をかけながら子どもの様子を見守ります。子どもと1対1で話し合う必要が生じたときには、保育士は子どもの自尊心やプライバシーに配慮して保育室の隅や廊下の踊り場、あのね広場、空いている部屋など、ほかの子どもの視線を気にせずすむような場所を使用して、子どもが理解し納得できるように穏やかにかかわるよう心がけています。
 性差については、保育中の並び順やグループ分け、身につけるものなどで区別することはありません。描画や製作においては子どもたちが好みの色を選び、発表会で披露する内容や配役についても子どもたちの個性や気持ちを尊重して決めています。自由遊びの時間にはブロックやままごとなど、性差に関係なく子どもは思い思いの遊び方で楽しんでいます。また、子どもや保護者に対して、父親、母親の役割を固定的にとらえた話はしていません。無意識に性差による固定観念で子どもにかかわる様子を見かけたら、職員間で声をかけ合ったり職員会議などで確認し合うようにしています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供  全体的な計画は旧保育課程および前年度までの保育内容を全職員で振り返り、見直したうえで、園長や主任などを中心として作成しました。全体的な計画は、保育理念や保育方針、保育目標に基づき、子どもの最善の利益を第一義に作成されています。年齢別の保育目標や、子どもの健康支援や環境・衛生管理、保護者支援、地域支援などを含む重点的に取り組む保育の柱、養護、教育、食育ごとに、子どもの年齢に応じて設定した保育のねらい及び内容などで構成され、幼児期の終わりまでに育ってほしい姿なども考慮して作成されています。全体的な計画は入園時と進級時に保護者へ配付して説明し、改定などがあれば随時説明します。
 0〜2歳児についてはクラスの月間指導計画の中に、子ども一人一人について「月初めの子どもの姿」「養護(生命の保持・情緒の安定)」「教育(健康・人間関係・環境・言葉・表現)」「環境構成、援助」などの項目を設け、個別の指導計画を作成しています。3歳児以上で発達上の課題が見られたり特別な配慮を必要とする子どもについては、クラスごとの専用ノートに子どもの様子や状況を記録し、職員会議で情報共有して保育にあたり、必要に応じて毎月、週案を含む「個別指導計画」を作成しています。保護者と密に連携し、個別の目標や計画は子どもの発達状況に合わせて柔軟に変更や見直しを行っています。
 おもちゃは、管理担当の職員が子どもの年齢や発達に応じて入れ替えを行い、月に1回、絵本担当の職員が各クラスの絵本を補充しています。1階のままごとの部屋にはキッチンセットやテーブル、いす、皿や鍋、野菜などのおもちゃ、手さげ袋などがあり、クラス間で連携して子どもたちが遊べるようになっています。2階のみんなの広場には、ままごとセットやブロック、木のおもちゃ、絵本などがあり、主に1、2歳児が自由遊びの時間などに遊んでいます。職員は子どもたちがじっくり遊び込める時間を確保できるよう計画を立てており、振り返りを行いながら課題点などを話し合っています。各保育室内のおもちゃの整備やコーナー作りの工夫など、環境構成をさらに充実させると良いでしょう。
3 サービスマネジメントシステムの確立   クラスごとの年間指導計画や月間指導計画、週の指導計画は、担任が子どもたちの様子や発達状況などを踏まえて作成し、園長や主任、副主任が内容を確認しています。各計画については、日々の子どもたちの様子や状況に応じ、また子どもの自主性や主体性を尊重しながら評価や見直しを行い、必要に応じて職員会議や毎日のクラスミーティング、乳児、幼児会議などで話し合っています。日ごろから連絡帳や送迎時の会話で保護者と連携していて、また行事後に出してもらう感想用紙や年度末の保護者アンケートなどからも保護者の意向をくみ取る努力をしていて、保育の計画に保護者の意向を反映するよう努めています。
 要望や苦情への対応については文書化され整備されています。保護者から要望や苦情があった場合、必要に応じて第三者委員や外部の権利擁護機関を交えて対応する体制ができています。要望や苦情があれば、速やかに受付担当者の主任、解決責任者の園長に報告し、内容に応じて経営層で対応や解決策を話し合った後、職員会議で話し合い、職員への周知を図り対応します。年度末に実施している園に対する保護者アンケートの集計結果はホームページ上にて開示しています。保護者からの要望や苦情については記録を残し、その後の解決に生かしています。
 安全管理マニュアルとポリシーブックに保育中の事故防止や災害時の対応について明記され、職員に周知されています。プール活動の際は監視役に徹する職員を必ず1名配置し、職員間で連携して事故防止に努めています。食事や授乳中の誤嚥防止のための嚥下の留意点について、栄養士から給食会議でアドバイスを受け、職員に周知しています。安全点検表に園内と園庭、それぞれの安全チェック項目が記載されており、月に2回職員が点検確認を行っています。棚の上の備品の滑り止めマットや、可動式ロッカーのストッパーなどを用いて備品の転落転倒防止対策を行っています。防災会議を随時開催し、消防計画を作成して毎月1回、防災訓練を実施しています。災害時緊急連絡網メールを導入し、保護者への送信訓練や、各保育室に掲示されている緊急時連絡通報のフローチャートに基づき、通報訓練を行っています。
4 地域との交流・連携  地域支援活動として、親子リトミックや紙芝居、絵本の読み聞かせ、ミニ・コンサートなどのポスターを作り、ホームページや掲示板で知らせ参加を呼びかけています。いずれも園内で実施しています。そのほか、散歩で出かけた公園などで地域の方に園の企画を話したり、逆に、要望を聞いたりしています。園の行事に参加した方から意見や感想、要望などを聞いています。なお、赤ちゃんの授乳や排泄の際に園を利用することができる「赤ちゃんの駅」を行い、地域貢献活動をしています。また、社会福祉協議会の研究会には園長あるいは職員を派遣し、地域の福祉ニーズの把握に努めています。そして、緑区の育児支援案内には、常時育児相談ができることを載せています。
 園長や主任、副主任たちが定期的に地域の支援活動について話し合っています。また、地域支援担当の職員を決めて活動をしています。そこでは、一時保育や地域支援活動について定期的に話し合って、その活動について職員会議報告をしています。活動の一環としている園庭開放については、どのようにしたら地域の人に喜ばれるかなど改善策を話し合っています。リトミックや絵本の読み聞かせでは、保護者も一緒に参加し、絵本の読み方やリトミックの仕方など、子育ての参考となるようにしています。なお、未就園の子どもを対象に緑区内の保育園がいろいろな催し物を行う緑区主催の「みどりっこ」では、担当の職員を3名つけて、当園の紹介や遊びを提供しています。
 園で行っている活動については園便りや給食便り、保健便りなどをホームページや掲示板で公開し、保護者のみならず地域の方々にも知らせています。育児相談については、緑区の育児支援案内や毎月緑区が発行している「みどりっこカレンダー」にも、日常的に随時実施していることを載せています。また、園便りは地域の各保育園や幼稚園、小学校に郵送しています。さらに、入り口脇にある園外掲示板に、ミニ・コンサートや夕涼み会など行事のポスターを貼り、地域の方々に知らせ参加を呼びかけています。なお、みどりっこカレンダーには区内の各保育園の毎月の活動が掲載されており、当園も園庭開放やリトミック、ミニ・コンサートなどを載せています。
5 運営上の透明性の確保と継続性  職員の自己評価表は、園の理念や保育方針の理解、子ども一人一人の理解度を深め受容しようと努めているか、遊びや生活を通して人間関係が育つように配慮しているかなど18項目があり、そのうち3項目にはさらに小項目がある構成となっています。この自己評価表は6月、10月、年度末の3回、毎回4段階の自己評価をしたものを提出して、園長面談を行います。そして、園長、主任、副主任の会議で職員個々の自己評価の結果報告、問題解決へ向けての取り組みについて話し合っています。その職員の自己評価の結果と保育園の自己評価の結果を踏まえ、年度末に全体の計画の見直しを行い、職員会議で報告しています。
 園が作成している「ステートメントブック」には、職員の行動規範が明記されています。このブックは事務室や各保育室に置いてありますので、職員は常に確認できるようになっています。また、各職員に配付している「ポリシーブック」の中にも、人権尊重の指針というタイトルで、人権について正しく理解することや人権について保育者として忘れてはならないことなど詳しく記載されています。さらに、就業規則の中の服務規律では、法の遵守や社会人として、保育士として守るべきことが記載されています。この就業規則は職員がいつでも見られるように、事務室に置いてあります。他施設の不正や不適切な事例は、職員に回覧して知らせたり、場合によっては職員会議で取り上げています。なお、園の経営、運営状況については、ホームページに載せています。
 園長は、横浜市や緑区の園長会をはじめ、幼保小連携会議、区内の公私立合同の役員会などさまざまな会議に出席して、福祉行政の動向や近隣の福祉の実態、地域の抱えている課題などの情報を得ています。そして、園に関係あるいは影響する情報については、主任や副主任に報告し、職員に伝えたい情報は職員会議で話すようにしています。法人理事会では重要課題については話すようにしていますし、系列園3園のリーダー会議でも話題にしています。最近の話題は、保育所保育指針の改定や職員の処遇改善、キャリアパスなどがありました。
6 職員の資質向上の促進  横浜市や社会福祉協議会などから来る研修については、偏ることなく全職員に、非常勤職員の希望者にも参加してもらえるように、主任が中心となり研修計画表を作成しています。園内研修は年4回実施しています。これは非常勤も含む全員参加です。毎年6月、12月、2月、3月に実施しています。今年度は、ポリシーブックの読み合わせ、実技研修として嘔吐や熱性けいれんなどの非常時対応、保健衛生などでした。このほか、キャリアアップ研修受講者による勉強会も行っています。外部研修については研修報告書を提出するとともに、職員会議で研修報告を行っています。なお、園内研修について振り返りを主任、副主任会議で行い、次回のプログラムの参考にしています。
 保育園の自己評価は次の手順で作成しています。まず、系列3園の副主任以上10名が集まり、自己評価表の運営管理や守秘義務、安全・危機管理など8つの柱、31項目に基づいて、それぞれ自園の評価をします。その後、それを集計して次月の会議で振り返りを行い、次年度に生かす仕組みです。この保育園の自己評価の結果は、31項目4段階で評価し、ホームページに載せています。保育の質の向上のために、系列園内で交流研修も行っています。このほか、外部講師による英語やリトミック、化学遊び、体操などでは、講師の指導技術を学んでいます。
 事務長は経営参画と目標の徹底管理、コンプライアンス管理、主任は、職員の指導や園行事の企画・運営、園長の補佐、クラスリーダーとの連携・調整、副主任は主任の補佐や職員の指導、クラスリーダーは計画の実行責任や状況把握と問題点の解決、改善点の実行、各職員への業務指導及びサポート、そして一般職員は、指示された業務の遂行や日常業務の実行などの役割が明文化されています。このほか、職員は園業務の柱ごとに係を持ち、その遂行に力を注いでいます。具体的には、防災や、地域子育て支援、マナー向上、玩具整備などがあります。職員の満足度や意向、要望については面談で園長が聞いています。かねてより職員からパソコンで各書類を作ったほうが良いとの提案があり、現在、実行に移しています。

詳細評価(PDF505KB)へリンク