かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

相模原南部療育センター

対象事業所名 相模原南部療育センター
経営主体(法人等) 社会福祉法人 県央福祉会
対象サービス 障害分野 障害児多機能型事業所
事業所住所等 〒 252 - 0303
南区相模大野1-25-37
tel:042-701-3677
設立年月日 2011(平成23)年07月01日
公表年月 2019(平成31)年01月 〜
使用評価項目 東京都版
評価機関名 株式会社フィールズ
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

<事業所の特色>
 相模原南部療育センタ-は平成23年7月に障害を持つ子どもへの「児童発達支援事業」と「放課後等デイサービス」を行う事業所として開設されました。事業所は、小田急線「相模大野駅」から神奈中バスで約5分、バス停「小沼」下車徒歩3分ほどの場所にある2階建ての施設で、県内で複数事業所を運営する社会福祉法人県央福祉会が運営しています。
 事業所は相模原市及び近接の市における乳幼児から学童期へと一貫した発達支援システムの確立を目指して活動しています。サービスの内容はグループ療育、個別療育、幼稚園・保育園・学校へのコンサルテーション、発達検査、送迎サービスとなっています。定員は10名であり、現在は54名が登録し利用しています。


<特に良いと思う点>
1.事業所運営を継続するための計画を策定し実施しています
 事業所は数年前から今後の存続についてサービス内容を検討しており、経営の安定化が望まれていました。3〜5か年計画を策定して、単年度計画を作成して、法人の承認を得て、実施しています。経営収支向上を重視して、目標の指標を明示し達成の努力をしています。昨年度は「利用児の居場所となる」という基本方針に沿って、利用児の利用率アップを目標にして取り組み2割強の利用率アップにつなげています。利用児の週利用を、1日から2日に増やすことなどで利用率アップに努力した結果、徐々に利用者数が増え、年度初め103%の利用率が、年度末に124%に増加しています。
 さらに、今年度は「提供プログラムの充実」「経営の安定化」を目標に活動しています。エリアマネジャーと管理者は長期的に、段階を踏んで成人事業の取り入れや委託事業の受託なども視野に入れ検討しています。事業所移転の検討も含めて全体を考えて計画し取り組んでいます。


2.放課後等デイサービスのプログラムを充実しています
 事業所のプログラムは週ごとに決めて、買い物、調理、制作、運動などを実施しています。買い物は近隣のスーパーマーケットで家族から依頼されたもの1品と好きなおやつなどを買っています。調理はホットケーキやサンドイッチなどを作り、皆で食べています。運動は近隣の小学校の体育館を借りて実施し、制作は季節の貼り絵などの協働制作を行っています。
 土曜日は中・高生を対象にプレジョブ体験を行っています。高校生には製菓やボールペンの解体・組み立てなど就労に向けた作業を実施しています。子ども達はプログラムに積極的に参加し、楽しんでいます。


3.家族に事業所の様子を伝える工夫をしています
 小学生は保護者が迎えに来ることになっているので、担当職員からその日の様子を直接伝えています。中・高生の家族には自宅へ送りの際に伝えています。
 連絡帳で、家族からの連絡事項をグル-プ担当職員が必ず確認し、利用中の様子や達成できたことを書いて伝えています。毎月発行する機関誌「もり」には毎月のプログラムの様子や事業所の予定、連絡事項、所長からのコメントなどを載せて、家族に配布し事業所の様子を知らせています。


<事業所が特に力を入れている点>
1.放課後等デイサービスはグループ療育を中心に実施しています
 グループ療育は小学生・中学生・高校生の3グループに分かれています。各グループに職員が2名ずつ担当し、調理プログラムは、クラス毎に役割を決め、ホットケーキや蒸しパン、おにぎり、サンドウイッチなど家庭でもできるものをIHヒーターで調理しています。
 運動は近隣の小学校の体育館を借りて、バトミントンや卓球、バスケットボールなどを小・中・高校生が一緒に行っています、オセロやトランプ、各部屋を回るスタンプラリーのゲームなどグループプログラムを通じて、ルールや順番を守ることが身につくように支援をしています。


2.特性に応じて、絵カード・写真・文字などを使用してコミュニケーションをとっています
 言葉でのコミュニケーションが難しい子どもには、絵カードを用いて、おやつや手洗い、トイレなどを伝えています。職員はいつでも絵カードを使えるように常時持ち歩いています。マカトンサイン(手話法)で「トイレに行く?」など聞くこともあります。クラスごとにホワイトボードに文字と写真などでスケジュールを示しています。
 外出プログラムも風景などを撮影した写真で知らせるなどイメージし易くしています。部屋の外にその日の職員と通所している子どもの写真を貼るなどコミュニケーションをとり易くする工夫をしています。


<改善が望まれる点>
1.組織のリーダーシップの更なる発揮
 当事業所は、常勤正職員が管理者1名のみで、残り10名は全員非常勤職員です。非常勤職員の内、3名は週5日の8時間勤務で、ほぼ常勤なみの勤務となっています。この状況の中で、管理者は日常業務を職員とともに行っています。
 毎日の打ち合わせと月1回の職員会議で組織運営をしています。事業所を取り巻く環境も厳しいため、理念・基本方針、運営計画などの説明によるリーダーシップの発揮が期待されます。また、非常勤職員の処遇アップ、研修への参加など、職員への配慮をエリアマネジャー、法人人事部などと検討されることが期待されます。


2.リスクマネジメントへの取り組み
 リスクマネジメントの必要性が社会的に高まり、高齢者また福祉事業においても対応がもとめられています。旧来からの盗難、事故、火災、地震などのリスクに加えて、水害、テロなど新たな事象がリスク認知されています。
 リスクマネジメントへの認識を法人、エリアレベルで主導してリスクの発生確率、発生時の重要性などの検討が望まれます。これらを事業所でまとめ、事業継続計画を策定し、実施に移していくことが期待されます。


3.個別支援計画の職員間での共有
 個別支援計画には、外出・調理・制作・運動・遊びの項目に目標と取り組みや関わり方を記載して、プログラム内容に連動しています。児童発達支援管理責任者の所長が作成し、職員は内容を確認し個別支援計画に基づいた支援を行っていますが、作成時に職員間で話し合うなど内容を共有する機会を持っていません。
 今後は、個別支援計画作成時に、支援会議などで職員皆の意見を聞いて、職員の意見を反映するなど職員間で共有することが期待されます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

@ 虐待が発生しないよう、毎日の職員打ち合わせにおいて、施設での支援目的を説明し、支援方法について職員と意見交換をして、施設内での虐待発生防止に努めています。また、他の施設での虐待事例を入手した際には、職員に事例として伝達しています。


A 利用者の権利擁護のために、苦情解決制度をつくり、重要事項説明書にて入所時に相談先を明示し、説明を行っています。その他苦情申し立てができるポスターを施設内に掲示しています。利用者には法人が定期的に利用者アンケートを行い、利用者の意向の把握を実施しています。毎日の打ち合わせで利用者一人ひとりの様子を話し合い、意見、要望、苦情に対して即応できる体制を保持しています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

@ 子どもが自分で出来ることは、日常生活の中で自然に行えるように見守りながら、タイミングよく声掛けを行っています。例えば教室に入って、ひらがなで名前の書いてある自分のカゴを確認して、カバンを入れています。職員は見守りを基本として、わからない時や、困った時に支援するようにしています。連絡帳も自分から職員に手渡しています。忘れそうになった時は声掛けをして促しています。


A 挨拶は職員からするようにしています。クラス毎に16時頃から始めの会を行い、曜日と当日の予定の確認をし、前に出て自己紹介をしています。挨拶は日常生活の中で自然に出来るように無理に促さないようにしています。運動ププログラムなどでは、じゃんけんやくじ引きで順番を決め、ルールを守っています。横断歩道で信号の見かたや渡り方、一時停止を確認できているかなども学習しています。


B 集団プログラムは、クラス毎に3人〜7人のグループで役割分担を決め実施しています。調理プログラムでは;ホットケーキや蒸しパン、おにぎり、サンドウイッチなど家庭でもできるものをIHヒーターで調理し、出来たものを皆で食べています。工作では七夕やハロウィンの貼り絵など協働制作をしています。運動では近隣の小学校の体育館を借りて、バトミントンや卓球、バスケットボールなどを小・中・高校生が実施しています。個別プログラムは1対1ではないですが、ハロウィンのお面やフェルトで鯉のぼりなどを作って、持ち帰ってもらっています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

@ 昨年利用者を対象にしたアンケートを実施し、事業所のサービス評価を行っています。その結果を法人のホームページに公表しています。職員の意向については、毎月の職員会議において質疑応答などを行う他、必要に応じて面談を行っています。第三者評価において、職員アンケートを実施しています。


A 法人でマスタープランとしての3〜5か年計画を策定しています。事業所では毎年、単年度計画を作成して、法人の承認を得て、実施しています。経営収支向上を重視して、利用率アップの目標を明示し達成に努めています。

4 地域との交流・連携

@ 放課後等デイサービスでは、学校への迎えが多いため、教員からその日の体調などの引継ぎを行っています。小学生の保護者は迎えに来ますので、その際にデイサービスでの様子や体調についても気付いたことを伝えています。また保護者からは連絡帳や電話などで、服薬が変更したことや、脳波などの受診結果を聞いています。また職員からも連絡帳に体調に変化があったことなど様子を書いています。例えば、疲れていて横になっていたので、活動に参加出来なかったなどその日の様子を伝えています。


A 放課後等デイサービス事業において、地域貢献を行うことが主務の他、放課後等サービスという時間制約もあって、積極的な地域貢献に取り組むのが難しい状況ですが、ボランティア、実習生受け入れ等、依頼に応じて実施しています。地域他事業所の利用児の事業所での支援は協力しています。利用者家族に対しては、活動内容を広報していますが、近隣地域、自治会などへの発信は行っていません。

5 運営上の透明性の確保と継続性

@ 事業所独自の理念は掲示されていません。現在は、法人が掲げる2つの理念と11の基本方針を掲げており、職員(管理者以外は全員非常勤職員)には、その法人の理念と基本方針の理解と共有がある程度されています。管理者は事業所理念の必要性を感じており、すでにその草案を作成し、法人の承認を得て、職員に説明し、事務所に掲示する準備をしています。


A 事業所で使用しているパソコンでの各種情報、例えば人事情報や財務情報等、については、職制ごとにアクセス権限を設定しています。当事業所には常勤職員が管理者のみで、その他は非常勤職である現状もあり、情報漏えいのリスク対策を行っています。

6 職員の資質向上の促進

@ 打ち合わせでは、職員一人ひとりの気づきや工夫・提案について話し合っています。また、目標や課題についても伝達し、チームとして取り組んでいくことを明示しています。


A 常勤正職員の管理者と、非常勤職員10名で運営されています。事業所を運営している状況の中で、非常勤職員への研修の実施、さらに一人ひとりの育成計画作成と実施、賃金・処遇やる気向上など、色々な運営上の改善テーマを抱えて管理者は運営を行っています。

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