かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

もんもん保育園(2回目受審)

対象事業所名 もんもん保育園(2回目受審)
経営主体(法人等) 社会福祉法人 徳栄会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 254 - 0824
平塚市花水台12-28
tel:0463-33-2325
設立年月日 1992(平成4)年04月01日
公表年月 2019(平成31)年01月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 株式会社フィールズ
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

[施設の概要]
 もんもん保育園は、昭和51年、個人による保育舎運営を経て、平成4年に平塚市認可保育所として開所しています。園はJR東海道線平塚駅からバスで10分ほどのバス停から、徒歩数分の住宅地にあります。鉄筋コンクリート造2階建て園舎と園庭を設置しています。園の定員は50名で現在61名が在籍しています。
 運営法人は社会福祉法人徳栄会で、法人理念を『地域に求められ、共に育ちあい、「もんもんちゃん家」として親しまれるような総合施設の創造』としています。多様化が進む社会の中で保護者のニーズに応えられるよう保育時間を午後10時まで(神奈川県のモデル事業)としています。
 子どもたちは、日々の散歩のほか、年齢発達に応じた活動、さまざまな社会体験、季節の移り変わりを楽しめるように積極的に出かけています。また、3歳児からの外部の専門講師による英語遊び、体操遊び、5歳児の書道教室を通して楽しみながら自由に気持ちが表現できるようにしています。
 運営法人は平塚市内の姉妹園2園および、卒園児の保護者や地域の強い要望から開設した児童クラブ3施設と連携を図り、0〜10歳までのトータルケアを行っています。


≪優れている点≫

1. わくわくドキドキプロジェクトやにじいろ保育を通し、子どもたちの主体性を育んでいます

 子どもが主体的によく考えたり、観察したり、さまざまな体験を通して遊び込み、新たな発見をしていく活動「わくわくドキドキプロジェクト」を展開しています。子どもたちが興味を持って始めたカブトムシやカニの飼育活動からさらに子どもたちの自由な発想が広がり、生活発表会の演目につながっています。「森の仲良し大作戦」というオリジナルのストーリーを創り、子どもたちはカブトムシやカマキリの役を演じます。廃材を利用した自由製作からお店屋さんごっこにも発展させています。
 また、3〜5歳児は園舎2階のオープンフロアで常に関わりながら活動をしています。ピンクグループとみずいろグループに分かれる「にじいろ保育」では、子どもたちの希望を聞いて、遊びの内容や食事の時間などをそれぞれに決めています。年下の子どもへの思いやりや、年上の子どもへの憧れを育みながら、異年齢で育ち合っています。1階の乳児クラスとの関わりの時間も大切にしています。子どもたちは、異年齢でぶつかり合いながらも職員たちの見守りや必要に応じたアドバイスの中、自分たちで解決していく力も身につけていきます。年長児の卒園の時は、「よろしく」と言って、バトンを3、4歳児に引き渡しています。


2. 保育理念や保育方針の実現のために、職員全員が連携し日々の保育に取り組んでいます

 保育理念、保育目標の他に、基本方針と職員の基本姿勢が策定されています。職員はそれらが明記されたものを常に携帯し、昼礼で読み合わせをしており、理念・方針等の共通理解を図り日々の保育に生かしています。職員は出勤するとハイタッチをして挨拶を交わし、明るくコミュニケーションを取って業務につき、昼礼で情報伝達や意見交換をしています。
 キャリアパス及び職員育成マニュアルで昇進・昇格基準が職員に周知されており、理念や方針を踏まえた人材育成や研修の計画が実施されています。職員表彰制度や職員同士で良い点を評価し合う取り組みなど、モチベーションを維持するための工夫も見られます。新卒職員から定年後の非常勤勤務職員まで年齢層が厚く、常勤職員率、定着率も高く、安定した保育の提供ができおり、職員は経験や能力に応じた自分の役割を自覚し、理念や方針の実現のために連携して日々の保育活動に取り組んでいます。


3.保護者の意見、要望を速やかに検討し、改善に努めています

 保護者の意見、要望に対し速やかに検討し、園運営に反映していこうとする姿勢をもって改善に努めています。玄関の掲示板にご意見コーナーを作り、保護者から出された意見、要望および、改善策を報告しています。要望により、運動会でビデオを撮る保護者のスペースを設置するなどの対策も行っています。
 「もっと保育園から子育てのヒントが欲しい」といった意見があったことから、「もんもんちゃん家のはなし」を子育て情報発信の新しいツールとして毎月発行しています。毎回「抱っこ」「子育てまっただ中、平日の時間の活用方法」などテーマを決め、保護者へのインタビュー結果も掲載しています。取り組みから半年が経過して、保護者からも評価されています。乳児トイレの臭い対策については、使用済みおむつを園廃棄に変更などの対応も行っています。
 行事ごとや年度末など定期的に保護者の方へアンケートをとり、意見や要望に対して速やかに検討して対応しています。園としての回答は掲示や配布により、保護者などに伝えています。


≪努力・工夫している点≫

1.地域との繋がりを大切に考え、保育に生かしています

 園は、地域とのつながりを大切に考えています。地域の方も園を温かく見守ってくれており、気軽に声をかけてくれています。自宅で丹精を込めた菊の鉢植えや庭で採れた柿のおすそ分けが届けられるなど身近なご近所付き合いをしています。
 子どもたちが毎日のように遊びに行っている公園では、毎月自主的な清掃日を設けて、子どもたちとゴミ拾いや落ち葉掃きをしています。災害時の広域避難場所としている高校とは、学生が子どもたちの手を引いて校舎屋上まで誘導する合同訓練を行っています。子どもの祖父母向けの行事の際は、近隣の高齢者も招いて交流しています。
 地域の子育て支援事業に参加して、歌やハンドベルを演奏するなどしています。地域の親子との交流や民生委員とのつながりを大切にしています。平塚駅での赤い羽根募金活動、七夕見学、美術館利用など平塚ならではの社会資源を子どもの体験活動に積極的に取り入れています。


2.園の理念、方針を保護者に認知、理解をしてもらうための工夫をしています

 保護者に、園が目指している保育の理解を得るため、理念方針に沿った日々の保育の実践に努めていることはもちろんのこと、園フェンスの看板、個別の連絡ノート、園行事の際のプログラム、毎月発行のもんもんだより(理念方針に沿った、今月のねらい)など保護者が良く目にするものに理念・方針の掲示や添付をし、保護者の理解促進を図っています。
 アンケートを実施して、保護者の理解を確認しています。アンケートでは「園の基本理念や方針の認知度」は94.6%、賛同度は100%で極めて高い結果が出ています。理念方針に基づいた園の丁寧な取り組みが、保護者に十分理解されています。


≪課題や改善することが期待される事項≫

1.中長期計画の確認の機会を持つことも期待されます

 園運営に影響のある情報を収集し、運営課題の検討や計画的な人材育成を行っています。中長期計画を策定していますが、進捗状況の確認がありません。
将来の園運営を見据え、進むべき方向を明確にするため、毎年に中期計画を見直す機会を持つことが必要です。計画の進捗状況や単年度計画との整合を確認する機会を持つことも期待されます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

@ 保育理念、基本方針、保育の目標は、子ども本人を尊重した内容であり、玄関に掲示しています。「子どもをはぐくむ主体的な遊びを通して生きる力を培う保育」「保育士は愛情豊かに関わりを持ち応答的保育を行う」という保育理念のもと、4項目の基本方針を定めています。保育目標は「自分のことが好きな子ども・自己肯定感」「生きぬく力の基礎をもてる子ども」を柱に、「自分のことは自分でできる子ども・明るく元気な子ども・よく考え行動できる子ども・仲良くできる子ども」の具体的な子ども像を掲げています。


A 子ども一人一人の気持ちを大切にきちんと目を見て、年齢によって言葉かけの仕方や内容を変えながら職員として望ましい対応を心がけています。子どもの要求や質問に対して優しく耳を傾け、その主張を受け止めるように努めています。人権マニュアルの読み合せのほか、必要に応じて、職員会議の中で子どもへの注意の仕方、保護者対応など、ロールプレイを行い、人格を尊重した保育の再確認をしています。


B 個人情報の取り扱いや守秘義務について、職員は入職時に説明を受けています。実習生には、受け入れ時のオリエンテーションで同様の対応をしています。保護者には入園時に園での対応を説明しています。ホームページにも個人情報保護方針についての画面を設けています。子どもの個人情報を含む書類を保管している事務所は、閉園時間に施錠しています。各保育室に設置しているパソコンは園内入力、閲覧のみアクセス可能となっています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

@ 全体的な計画は、保育の基本方針に基づき、地域の状況や園の特色を考慮して作成しています。全体的な計画に基づき、年齢ごとに年間指導計画、月間指導計画を作成しています。態度や表情などから子どもの意志を汲み取り、言語化できる子どもからは意見要望を聞いて指導計画の見直しに生かしています。子どもの興味や発見を取り上げて自主性や主体性を育てる取組みを行っており、計画には柔軟性を持たせています。


A 3歳未満児については個別指導計画を作成し、一人一人に適した対応ができるように配慮しています。3歳以上児についても、健康面や発達の状況などで特別な配慮を要する場合には、個別指導計画を作成しています。ケース会議で、子ども一人一人の発達状況を話し合い、計画の変更や見直しを柔軟に行っています。食事や排泄などの状況について保護者と情報共有し、重要な計画の変更は了承を得ています。

 
B 給食は、季節感を大切に旬の食材を使用しています。食材や調味料は国産、無添加、低農薬など、安全性にこだわりを持っている生活協同組合を中心に購入しています。出汁を引いた後のコンブは子どもたちの大好物です。おやつの飲むヨーグルトも手作りです。子どもたちの保育に生かすため、年間食育計画があり、子どもたちは、クッキング、野菜の栽培・収穫、栄養の話(三色食品群、いただきますの意味など)、当番活動などを通し、食に関する興味関心を育んでいます。

3 サービスマネジメントシステムの確立

@ 入園時に確認した生育歴などの記録や、入園後の子どもの成長発達記録は、園児管理システムのケア記録に入力しています。経過記録は0、1歳児は毎月、2歳児は2ヶ月ごと、3〜5歳児は3ヶ月ごとに作成しています。成長発達記録は、子ども一人一人に合った一貫した対応を行うために職員間で共有しています。


A 保護者からの意見・要望は園児管理システムに入力するとともに、昼礼時に口頭で伝達し、速やかに職員に周知しています。玄関の掲示板にご意見コーナーを作り、保護者からの意見や要望と改善策を報告しています。保護者からの意見を検討して、運動会でビデオを撮る保護者のスペースを設置するなどの対策を行っています。


B 健康管理・衛生管理・安全管理などに関する各マニュアルを整備し、マニュアルに基づいた対応や訓練を行っています。災害時の広域避難場所としている高校とは合同訓練を行っています。海に近い地域柄、津波に備え、高校生が子どもの手を引いて、屋上まで誘導しています。各クラス担任の1名はインカムを装着し、散歩時も園と速やかに連絡が取れるようにしています。行政、医療機関、社会福祉協議会など「もんもん保育園と繋がっている社会資源」を作成し、必要な関係機関・地域の団体をリスト化しています。

4 地域との交流・連携

@ 法人が運営する近くの児童クラブが空いている時間帯には「あーかのおへや」として地域の親子に開放し、園の保育士、栄養士、看護師が出向いています。絵本の読み聞かせ、季節の制作あそび、食育についての話や試食会などを行い、育児の相談に応じています。園の嘱託医の協力を得て、定期的に医療相談も行っています。


A 園は、地域とのつながりを大切に考えています。園行事には民生委員、児童委員協議会会長、近隣の高齢者施設、子育て支援事業利用者、卒園児など園と関わりのある地域の人々を招待しています。子どもの祖父母向けの行事の際は、近隣の高齢者も招いて交流しています。クリスマス会はボランティアの協力があり、子育て支援団体主催のクリスマス会には子どもたちが参加をしています。必要に応じて園のパネルシアターや紙芝居の貸し出しをしています。地域の方も園を温かく見守りご近所付き合いができています。毎日のように遊びに行っている公園は、自主的な清掃日を設けて、子どもたちとゴミ拾いや落ち葉掃きをしています。


B 園見学の際は、丁寧な説明を心がけているため1日2組を対応としています。子どもたちが活動をしている時間帯を勧めていますが、希望者の都合に応じ、午後、土曜日も対応可能としています。見学者は記録に残し、入所の際の面談等で役立てるようにしています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

@ 法人の倫理規定を策定しており、就業規則の服務心得の中で組織及び職員が不正・不適切な行為を行わないよう、守るべき事項が明文化しています。倫理規定や服務心得の内容については、職員会議等で話し合い周知を図っています。


A 経営、運営状況等の情報をホームページで公開しており、法人の決算書は園内に掲示してあります。園の事務、経理、取引に関するルールや職務分掌などが明文化されており、職員に配布しています。園の運営状況は定期的に理事会で報告し、法人の監事による監査を受けています。県や市が行う監査で指摘事項があった場合は、理事会に報告し速やかに改善に取り組んでいます。


B 平塚市や神奈川県が開催する説明会、平塚市の園長会、夜間保育園園長会などに参加して、保育所運営に関する情報を収集・分析しています。重要な意思決定については、事前に職員や保護者に目的や理由などを十分に説明し、意見交換を行なっています。保護者アンケートを実施し、法人の職員の全体会議を開催するなど、組織的に取り組むことにしています。

6 職員の資質向上の促進

@ 職員育成マニュアルとキャリアパスに基づいて、人材育成の計画を立てています。職員一人一人が経験に応じた目標を立てて、定期的に振り返りを行っており、園長と副園長が年3回の面接をして、個別に確認し目標達成度の評価をしています。保育技術の向上のために、専門家を招いてケースカンファレンスの講義を受けて、平塚市の「こども発達支援室」の巡回時に、職員が個別のケースの指導を受けています。


A 職員表彰制度があり、勤務年数や成果によって職員会議で表彰しています。職員同士で良い点を認め合う投票や、自己肯定感を高めるピグマリオンミーティングを行っています。自分では気づかなかった長所や、他の職員からの評価を感じることで、職員がモチベーションを維持できるように工夫しています。


B 子どもの状況に応じて自主的に判断ができるように、現場の職員に可能な限り権限を委譲し、責任を明確にしています。職員の提案で「わくわくドキドキプロジェクト」を実施し、子どもたちの主体的な活動を展開しています。面談や自己評価で職員の要望や満足度を把握し、業務改善の工夫を募って実施しています。

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