かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

ゆうぽーと保育園(2回目受審)

対象事業所名 ゆうぽーと保育園(2回目受審)
経営主体(法人等) 社会福祉法人 貴静会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 224 - 0053
都筑区池辺町4643
tel:045-937-7077
設立年月日 2008(平成20)年04月01日
公表年月 2018(平成30)年12月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 特定非営利活動法人 市民セクターよこはま
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の概要】
 ゆうぽーと保育園は、JR鴨居駅から歩いて8分ほどの、事業所や住宅が混在する地域にあります。近くには鶴見川の土手があり、子どもたちの散歩コースとなっています。
 ゆうぽーと保育園は、平成20年(2008年)4月に同じ池辺町の大型マンション内に設立され、平成29年(2017年)4月にマンションの建て替えに伴い現在の仮設園舎に移転しました。平成32年(2020年)には、元の地に戻る予定です。設置運営法人は社会福祉法人貴静会で、他に、東京都町田市で保育園を4園、学童保育を4カ所運営しています。
 定員は60名(産休明け〜5歳児)、開園時間は、平日(月曜日〜金曜日)が7時〜19時半、土曜日が7時〜18時です。
 保育理念は、「職員の手作り保育の中でひとりひとりを大切にし、みんなと一緒に元気に育つ」保育方針は、「全職員の愛情あふれる保育の中で遊び込む保育をする」、保育目標は、「いいあたま」「やさしいこころ」「じょうぶなからだ」「がまんづよいこ」です。


◆高く評価できる点
1、子どもたちは、のびのびと自分を表現し、遊びを通して様々なことを得ています
 園は、「子どもの生活は遊びである」を掲げ、子どもが遊び込めることを大切に保育しています。保育士は、子どもの声に耳を傾け、子どもの興味や関心のある遊びを一斉活動につなげ、子どもが遊びながら様々な経験を積み、創造性や社会性、人間性などを養えるようにプログラムを組んでいます。
 自由遊びの時間には、小さなブロックで動く昆虫をつくって友達と競ったり、友達と協力してブロックを積み上げ、自分たちの背の高さよりも高い塔を作ったり、一人でけん玉を練習して段位に挑戦したり、クラスの仲間と廃材工作に熱中したりと、子どもたちはそれぞれの興味にあわせて思いっきり好きな遊びを楽しんでいます。出来上がった作品や製作途上の作品を保管するスペースや、好きな廃材に名前をつけて保存するスペースなどもあり、子どもが継続して好きな遊びをできるよう環境設定されています。
 0・1歳児は、保育士との関わりの中で、言葉にできない小さな思いを察し、言葉で確かめてもらう繰り返しの中で、言葉で自分の思いや困ったことを表現することを習得していて、乳児でもたくさんおしゃべりをすることができます。幼児になると話し合いの場を多くとり、自分たちで話し合って遊びのルールを決めたり、遊び方を考えたりしています。異年齢の交流も盛んで、2歳児から5歳児までの縦割り保育(サンドイッチDay)や全園児合同で行なう誕生会などで交流しています。1月には集大成として、0歳児から5歳児までを5グループにわけて1週間を過ごすサンドイッチウイークがあり、キャンプごっこや段ボールハウスごっこなどいつもと違う遊びをして楽しんでいます。
 また、遊びを通した身体作りにも力を入れていて、晴れていれば毎日、園庭や散歩で身体を思いっきり動かしています。また、全園児で、板の山登り(2枚の板をちょうつがいでつなぎ、鎖で高さ・角度を調節できる山のようにしたもの)にチャレンジする園独自の取り組みのほか、鉄棒やリズム遊び、幼児の体操教室などで、身体を動かしています。
 このような活動を通して、子どもたちはのびのびと自分を表現し、思いっきり遊び込み、園生活を楽しんでいます。


2、保育士は、気づきと学びを大切に、コミュニケーションを密にとって保育を展開しています
 園は、「現状、課題、指導計画、役割、研修」という人材育成プログラムを策定し、職員一人一人の育成を実施しています。園長は、保育士の自己評価表に基づいての年3、4回の面談を通して、助言や気づきを与えています。園内研修は、職員の希望や園の現状を踏まえてテーマを設定していて、絵本やリズム、ケース検討、姉妹園見学などがテーマとして取り上げられています。また、毎月様々な職員が講師となり、得意なものを指導したり、外部研修で得た知識や技術、気づきを発表したりし、お互いに学び合うことで、保育士の自信やモチベーションにつなげています。
 定員60名という家庭的な保育園ということもあり、全職員が子ども全員について把握していて、他のクラスの職員の気づきもすぐに伝えられ、話し合って対応することができます。職員は、会議や打ち合わせ、日常会話などで、常にコミュニケーションをとって、クラスや子どもたちの様子を共有し、連携して保育にあたっています。


3、日々の子どもの様子を丁寧に伝えていくことで、保護者との信頼関係を築いています
 入園説明会や年2回の懇談会で理念や方針について説明するとともに、運動会などの行事では、必ず園長が園の方針を説明する機会を作り、保護者の理解を深めています。送迎時には、保護者と会話をして、その日の子どもの様子を、エピソードを交えて細やかに伝え、意見交換しています。毎月の園便り、クラス便り、給食便りを発行するほか、行事だけでなく日々の保育の様子を写真に撮って園内に掲示し、保護者がイメージしやすいようにしています。また、年度末や懇談会前の保護者アンケート、日々の保護者との会話などで、保護者の意見や要望を把握し、園長が個別面談をして説明するなど、小さな要望に対してもすぐに対応しています。
 このように、丁寧に保護者とコミュニケーションをとることで、保護者との信頼関係が構築されていて、今回の保護者アンケートでは、「満足」と「どちらかと言えば満足」を合わせて100%の高い満足度となっています。


◆独自に取り組んでいる点 
1、鶴見川沿いという地域性を生かし、4・5歳児が月1回鶴見川探検をしています
 園の近くには、鶴見川の土手があり、毎日のように子どもたちが散歩に出かけています。子どもたちは、川べりの草や花、水辺に集まる鳥、天候によって水の流れが変化する様子を楽しみ、土手を行き交う地域住民と挨拶や会話を交わしています。鶴見川流域センターまで散歩に出かけることもあります。
 4・5歳児は、月1回、一日たっぷりと川沿いで過ごす鶴見川探検があり、鶴見川の源泉(川の始まり)や河口(川の終わり)を見に行くなどし、川への理解を深めていて、水マス推進サポーターに認定されています。また、川にちなんで「かっぱ」を行事のテーマにするなどの取り組みもあります。
 このように身近にある鶴見川の自然との触れあいを通して、子どもたちはたくさんの発見や驚きを経験し、四季の自然に心を動かし、科学する目を養っています。


◆さらなる取り組みが期待される点
1、検討中の、水害時の近隣の関係機関との協力体制を早急に構築されることが期待されます
 園は、鶴見川沿いにあるため、ハザードマップでは水没する危険が指摘されていて、課題ととらえています。対策として、現在、近隣の保育園や学校、ショッピングセンターなどに呼びかけて協力を仰ぐことを検討しています。頻発している自然災害の事例もありますので、早急に関係機関と協議して協力体制を築くとともに、避難方法や避難路の検証や避難訓練の実施などを行い、水害に備えた緊急時の体制を整備されることが期待されます。


◆改善や工夫が望まれる点
1、地域に園の存在を認識してもらうための方法のさらなる工夫が望まれます
 園は、地域の子育て支援として年30回の園庭開放、歌のコンサートやお楽しみ会などのリズム遊びなどの交流保育、育児講座を実施しています。子育て支援の情報を園の掲示版で掲示するとともに、公園や見学者にチラシを渡すなどしていますが、仮園舎への移転後、参加者がほとんどありません。移転により地域性も変化していることもあり、地域のニーズについての情報を収集・分析し、地域ニーズにあった情報提供の仕方を工夫したり、子育て支援の見直しなどをしていくことが期待されます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

・保育理念は「職員の手作り保育の中でひとりひとりを大切にし、みんなと一緒に元気に育つ」そして、保育方針「全職員の愛情あふれる保育の中で遊びこむ保育をする」です。これらは子ども本人を尊重したものとなっています。保育理念や保育方針は全職員に紙面で配布し年度初めの職員会議で確認し合っています。また、いつでも意識して保育を行えるように休憩室にも掲示しています。
・子どもに対する言葉遣いや呼称、子どもの気持ち受け止め方などを、研修や話し合いのテーマに取り上げ職員間で話し合っています。保育士は、穏やかに子どもに話しかけていて、せかしたりすることはありません。自分から発言をしない子どもに対しても1日に1回は話しかけ子どもの気持ちを把握するように努めています。
・個人情報に関するガイドラインがあり、休憩室に掲示するとともに、4月の職員会議で職員に周知しています。保護者に対しては、入園のしおりに記載し、入園説明会で説明し、同意書を得ています。個人情報に関する記録は事務室の施錠できる棚に保管しています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 ・自由遊びの時間には、友だちとブロックで大きな作品を作ったり、お家ごっこをしたり、一人で塗り絵や絵本を楽しんだりと、それぞれが好きなことをして遊んでいます。鬼ごっこやかくれんぼ、いす取りゲーム、リレー遊びなどルールのある遊びを取り入れ、皆で一緒に遊ぶ楽しさとともに、ルールを守ることなど社会性を身につけられるように支援しています。
・子どもたちは毎日のように、近くの公園や鶴見川の土手にでかけ、四季の自然の変化を楽しんでいます。5歳児は月1回、鶴見川探検として、鶴見川の土手で1日遊び込む機会を設けています。
・リズム遊びやわらべ歌、製作など、子どもの年齢や発達に合わせ自由に表現できる機会を設けています。保育室には、折り紙、画用紙、塗り絵、廃材など様々な素材が、子どもが自由に使えるように豊富に用意されています。
・「サンドイッチDay」という2歳から5歳の子どもたちを集めて5つのグループに振り分けて活動しています。1月からは0,1歳も交流するようにし子どもの発達を促しています。
・園は身体作りに力を入れていて、全クラス、鉄棒と板の山を取り入れています。幼児は、体育指導員による体操教室を実施しています。
・園は楽しく完食することを基本とし、子どもが苦手なものを食べることは強制することはありません。少食の子どもや偏食のある子どもには、一口でも食べられるよう量を減らし、完食した喜びやおかわりの楽しさを感じられるようにしています。
・毎月の誕生会の日には、その月の行事にちなんだメニューにし、盛り付けも華やかで子どもが楽しめるように工夫しています。旬の食材や魚を用いるようにし、和食を中心にした献立となっています。「園長おはなしタイム」で世界の話がある日には、紹介した世界の国々の料理を取り入れています。
・懇談会や行事の際には、必ず園長が保育の方針について話す機会を設けています。年に2回の懇談会のためのアンケート、年1回の園の評価のための保護者アンケートで保育方針が理解できているか確認しています。
3 サービスマネジメントシステムの確立 ・指導計画は0歳児〜1歳児用と2歳児〜5歳児用に様式を分け年齢に応じて作成されています。
・個別に対応する場合はケース会議を定期的に設けて話し合っています。また、園内研修のテ―マに挙げて職員間で情報を共有しています。
・虐待研修は全職員が受けて虐待の定義を理解し早期発見に努めています。疑わしい場合は家庭訪問に行ったり、横浜市北部児童相談所や都筑区の保健師と連携を取っています。
・アレルギーのある子どもにはかかりつけ医の保育所におけるアレルギー疾患生活管理指導表を基に対応を職員会議や給食会議で検討しています。給食を出す際、食器は普通食と違う物を使用し専用のトレイにのせて対応しています。
・健康管理、衛生管理、安全管理などの各種マニュアルを整備しています。
・子どものケガについては、小さなケガであっても保護者に状況を報告しています。事故は事故報告書に、事故に至らないヒヤリハットはインシデント・アクシデントレポートに記録しています。事故報告書には、発生状況とその対応、事故発生の要因分析、改善策を記載する欄があり、要因分析を危機管理、構造、保育内容、人的面から検証できるようになっています。内容は職員会議で話し合い、共有しています。
4 地域との交流・連携 ・子育て支援としては、年30回の園庭開放、歌のコンサート、ミニ動物園、お楽しみ会、リズム遊びなどの交流保育を実施しています。一時保育を実施していて、クラスの中で過ごしています。また、地域の保護者に向けて子育て講演会を開催しています。
・園庭開放の利用者に声をかけ、育児相談に応じています。随時育児相談を受け入れていて、その旨を、園の外の掲示板に掲示しています。
・歌のコンサート、5歳児のお茶会に地域住民を招待しています。幼保小連携事業に参加し、研修に出席しています。近くの高校と定期的に交流しています。
・散歩の際には、こどもたちと保育士は、地域住民と挨拶を交わしています。近隣のショッピングセンターや商店に買い物に出かけています。
5 運営上の透明性の確保と継続性 ・保育所の自己評価は保育理念や保育方針、全体的な計画を基に作成した自己評価表を用いて、行っています。保育士一人一人が自己評価を行い振り返ったものを全体で話し合う機会を設け最終的にまとめて保育所の自己評価としています。
・就業規則やマニュアルに守るべき法・規範・倫理等が明文化されています。年度初めに確認し意識して行動できるように努めています。
・会計事務所と契約して内部監査を実施しています。また、運営法人全体で外部監査の指導や指摘事項を共有し改善に生かしています。
・重要な意思決定にあたってはメール配信やお便り、掲示等で打診してから話し合いの場を作り説明しています。また、園長は重要な意思決定にあたっては懇談会で各クラスに参加して説明しています。そして説明時に保護者の相談や意見を聞いて回答するように心掛けています。
・運営法人で中長期計画を立てています。それに基づいて事業計画を立て、将来の運営に関しては園長・主任・副主任が普段から話し合いを重ねています。
6 職員の資質向上の促進 ・保育所の理念・方針を振り返られるようにチェックリストを作成し「現状―課題―指導計画―役割―研修」という人材育成プログラムを策定しています。
・一人一人自己評価表を通した園長面談を通して保育士から自発的に行きたい研修、園長が保育士に学ばせたい研修を考慮して積極的に職員が研修を受けています。
・保育士の経験等を考慮した研修計画に基づいて受講した研修について園長と共に振り返りその中での気づきを大切にして保育に生かしています。また、良い気づきは会議で下ろして全体で共有しています。
・非常勤職員にも「保育のしおり」や「保育の流れ」を配布して説明し理解を促すなど保育の質の向上をはかっています。年に2回非常勤会議を実施し情報を共有しています。そして週一回はミーティングに参加して日常の保育を確認しています。
・経験や能力によって役割や業務分担を記した表を作成し職員に周知しています。そして園長との面談等で意見を言いやすい雰囲気を作っています。また、いろいろな問題に柔軟に対処する為に現場では報告を義務付けて自主的に判断できるように伝え、最終的な結果責任は園長がとるようにしています。

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