かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

横浜市川井宿保育園(2回目受審)

対象事業所名 横浜市川井宿保育園(2回目受審)
経営主体(法人等) 横浜市
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 241 - 0805
旭区都岡町98-1
tel:045-961-2877
設立年月日 1969年06月01日
公表年月 2019(令和元)年01月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 公益社団法人 けいしん神奈川
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

施設の特徴
 横浜市川井宿保育園は昭和44年6月に開所し、50年目になる歴史のある保育園です。平成2年に全面的な改築工事を行い、リニューアルしています。最寄りの相鉄線鶴ヶ峰駅からはバスによる利用となりますが、「よこはま動物園ズーラシア」に隣接し、近くには森や多くの公園もあり、自然や動植物を身近に感じられる豊かな環境にあります。
 園舎は平屋建てで、二つの園庭と固定遊具やプールを備え、栽培が楽しめる小型の菜園や果樹園があります。定員は76名で、現在1歳児から5歳児の82名が在籍し、障害児保育なども行っています。
保育理念は「すべての子どもたちが、対話と共感を通して、自分をかけがえのない存在と感じ、自信をもって生きていかれるようにする」を掲げ実践しています。
 保育園の「園歌」は、園目標にもつながり、子どもたちと職員は親しみを持ち、色々な場面で歌われています。小型園の特徴を生かし、家庭的な雰囲気を大切にしています。平成32年度からは民間への移管が公表されています。


特に優れていると思われる点
1.保育環境を整え、子どもの主体性を尊重した保育を実践しています。 
 保育園には、社会経験豊富な新採用職員、中堅職員、ベテラン職員と幅広い経験年数の職員がおり、その職員同士が互いに刺激し合い、また支え合いながら保育を展開しています。小型園の特徴や平屋建て1フロアーの利点を生かし、職員は顔の見えるコミュニケーションを行っています。
 各クラスには年齢の見立てに合わせた、ままごと道具を用意するなど、ごっこ遊びを楽しめるようにしています。じっくりと興味のあることを楽しめるように玩具の数を用意し、落ち着ける場所を用意するなどの工夫もしています。子どもが思いついたお化けごっこを、クラス全体で楽しめるように働きかけ、子どもの発想も取り入れながら、お化け屋敷づくりを楽しむ活動につなげています。子どもの発想から発展したごっこ遊びは、他クラスをお客として呼び、集団活動として楽しめるようにするなど、子どもの様子に合わせながら主体性を大事にした保育を行っています。
 また、子どもが自発的に描画を楽しめるように、4・5歳児クラスは個人用の絵かきファイルを用意し、道具箱にクレヨンなどを置いています。3歳児以下のクラスも子どもがやりたいと思ったときに、保育士の見守りのもとで楽しめるように紙やマーカーなどを用意しています。


2.恵まれた自然環境を生かし、屋外活動を積極的に取り入れ、体験を広げています。
 保育園の周り半分は閑静な住宅街があり、半分は森など自然が多く、天気の良い日には、積極的に散歩や外遊びを楽しんでいます。散歩や遠足は、乳児コース・幼児コースなど発達に合わせて公園や、あそび場所を選んで、でかけています。近くに「よこはま動物園ズーラシア」があり、身近に動物を観察する機会を設けています。1歳児は、室内用の滑り台や裏庭の緩やかな斜面の上り下りで、全身を楽しく動かせるようにし、幼児は、より巧みに体を使う鉄棒、フラフープ、なわとび、ボール投げなど友達と一緒に普段の遊びの中で楽しめるようにしています。夏の水遊びや泥んこ遊びは、健康チェックカードの記入と個々の健康状態を見て行っています。園庭の砂場にはテーブルと椅子を用意して、子どもがそれぞれ落ち着いて遊べる環境を確保しています。


3.身近な小動物との関わりや、野菜の栽培を通した食育に力を入れています。
 二つの園庭があり、野菜などを育てて味わい、草原スペースでは土に触れ、虫取りや木登りなど園内の自然を十分に楽しむ活動を取り入れています。子どもが興味を持ったダンゴムシやカブトムシ、ザリガニなどの小動物を飼育し、じっくりと観察できるようにしています。
 全クラスが野菜や花を栽培し、収穫物を利用して食育活動や製作に取り入れています。トウモロコシの皮むきやトマトシャーベットづくりなど調理の手伝いや、収穫した野菜での調理をして、食への意欲を高めたり、食べる楽しみを伝えたりしています。
 また、食育の年間計画により調理員と連携しながら調理体験を行っています。調理員は食材そのものを見せてくれたり、目の前でおやつの盛り付けをしてくれたりして、子どもとの関わりをもっています。5歳児は、当番活動の中で配膳や食器の片づけをしています。会食の際には、ランチョンマットを敷いたり園庭で食べたりする機会を持っています。


4.地域のボランティアや幅広い年齢層の方との交流により、貴重な体験を積んでいます。  
 保育園ボランティアの方は、日にちを決めて楽器演奏会や、畑の作物や花壇の草花の手入れ、草取りなどしてくれます。幼児クラスは、町内の公園愛護会の方と一緒に、近隣の公園に春と秋に花の苗や、球根を植えてその生長を楽しんだり、開花した花を一緒に見たりして交流しています。運動会、お楽しみ会、卒園を祝う会などの行事や、畑で摂れた野菜を使っての会食に地域の方を招待しています。散歩先で出会う地域の方々には積極的に挨拶をしています。
 5歳児が近隣の保育園児と交流したり、介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)に訪問して触れ合う機会を持ったりしています。町内の老人会の方とランチ会をし、手遊びの披露などの触れ合いも行っています。中学校や高校の職業体験やボランティア活動の生徒との交流があります。子どもたちと小学校、中学校へ園便りを届けに行ったり、小学校の図書室開放や給食交流・プール交流を行ったりしています。近隣小学校の運動会や作品展にも参加しています。


特に工夫・改善が必要と思われる点
1.民間への移管について利用者家族への情報を積極的に提供し、利用者家族の不安のないようスムーズな移管を期待します。
 2年後に民間移管が予定されています。利用者家族の不安もかなりあります。積極的な情報提供や発信をお願いします。引継ぎがスムーズに行われるよう計画的に進めて行くことを期待します。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重 ・理念や方針は子どもの最善の利益を念頭に、保育所保育指針や保育の基本となる「よこはまの保育」に沿って、保育理念・保育方針・園目標・保育姿勢を作成し、明文化しています。
保育理念は「すべての子どもたちが、対話と共感を通して、自分をかけがえのない存在と感じ、自信をもって生きていかれるようにする」としています。
・全職員対象の園内研修で子どもへの言葉づかいについて、資料も活用しながら話し合いを行っています。園内研修の中で、普段何気なく使っている言葉が、子どもに対して適切な言葉づかいとなっているかを職員一人一人が確認し、意識を持つようにしています。
・各家庭に個人情報を渡す際には、専用の袋があり、活用しています。連絡帳も含め、個人情報の受け渡しは職員がダブルチェックするなど誤配に気をつけています。写真などを掲載する際には、必ず保護者記載の個人情報確認票を見て確認した上で掲載しています。
・様々な活動の役割など生活や遊びの場で決めることがあるときには、子どもの希望を聞き、性別により分けることはせず、製作で色画用紙などを使うときには、子どもが好きな色を選べるようにしています。
・人権研修に参加し、意識を高めています。子どもや保護者への対応や言葉かけの中で、配慮が欠けていると気づいた時には会議やミーティングで確認し改善しています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 ・全体的な計画は毎年見直しをしています。計画の内容に栽培活動と食育活動を入れ、園の特色を生かしたものにしています。保護者には入園説明会や年度初めのクラス懇談会で話をして、各クラスにも掲示しています。
保育の全体的な計画は各クラスにある業務ファイル内にあり、いつでも職員が確認できるようにしています。
・入園説明会で旭区統一の「入園前記入表」を提出してもらい、それをもとに面談をしたり入園後も短縮保育の際に話をしたりしています。
入園後すぐに、保護者に記入してもらった児童票や面談の中で、子どもの育ってきた状況や家庭での様子を確認しています。
面談などにより把握した子どもの状況に基づいて指導計画を立て日々の保育に生かしています。入園説明会や面談中に得た子どもの状況はミーティングや会議で報告し共通認識を持つようにしています。
・室内の温水シャワーは5歳児室トイレ、乳児トイレ、幼児トイレと3か所、屋外には5歳児室前テラス、乳児室前テラス、幼児室前テラスと3か所設置しています。室内の温水シャワーは毎日清掃したり必要に応じて消毒したりするなどして清潔を保っています。屋外の温水シャワーは毎日点検チェックし清掃するようにしています。
・食事と午睡をはっきり区別し、食後に布団を敷くなど生活の場の妨げにならないようにしています。ついたてや棚などを上手に使用し遊びの空間を分けています。
誕生会の集会やリズム運動をするなどして異年齢交流の機会を持っています。年長児が乳児の午睡明けの着替えの手伝いをしています。
・年間を通して季節や子どもの興味に合わせて玩具の入れ替えやコーナー設定の変更をして、子どもが遊びを選べるように子どもに合わせた高さの棚や箱に玩具を入れ、自分で出し入れできるようにしています。
・園内研修でクラスの環境設定について職員間で学びあい、コーナー設定などに全員で話し合って気づきを生かし、おもちゃリストを作成し、どのクラスにどんなおもちゃがあるのかを職員間で共有しています。
・好きな時に描いたり作ったりできるように色鉛筆や紙などを用意したり、戸外の砂場にテーブルと椅子を用意して遊びが広がるようにしています。自発的に遊びこむことの大切さを理解し、遊びの時間が細切れにならないようにしています。
・年間行事予定を年度初めに配布し、さらに園便りに掲載して事前に予定が立てられるようにしています。クラス懇談会、個人面談、保育参加の日程は兄弟姉妹に配慮して保護者が出席しやすいようにしています。年度末に保護者アンケートを実施しています。また、通年保護者からの意見や質問を受ける意見箱を設置しています。
・保育参加は1年中受け付けています。個人面談に合わせて保育参加を呼びかけています。希望があればいつでも受け付けています。乳児クラスは子どもの自然な姿が見られるような工夫(変装など)をして保育参加を行っています。
3 サービスマネジメントシステムの確立 ・入園説明会で旭区統一の「入園前記入表」を提出してもらい、それをもとに面談をしたり入園後も短縮保育の際に話をしたりしています。
入園後すぐに、保護者に記入してもらった児童票や面談の中で、子どもの育ってきた状況や家庭での様子を確認しています。
面談などにより把握した子どもの状況に基づいて指導計画を立て日々の保育に生かしています。入園説明会や面談中に得た子どもの状況はミーティングや会議で報告し共通認識を持つようにしています。
・3歳未満児については毎月カリキュラム会議で伝え、他の職員からも意見を聞き個別指導計画に反映しています。配慮の必要な幼児について、月間指導計画の個別配慮欄に記載し職員が共有しています。保護者にも現状を伝えたり、配慮している点を伝え相談したり、必要ならば面談もしています。
・アレルギー除去食マニュアルを作成し、アルバイト職員も含め確認し提供の流れを共有しています。医師の診断書、生活管理指導表は個別にファイリングし、それに基づき除去食を提供しています。保護者と毎月アレルギー面談を行い、保護者の確認のもと除去食提供を行っています。
毎日の夕方のミーティングで翌日の除去食の有無と内容を確認し、全職員に周知しています。専用トレー、専用食器、名札を使用し、アレルギー児童同士も間違いがないよう色を変えています。配膳間違いのないようにアレルギー児童を先に配膳してから他の児童の配膳を行っています。
・苦情解決制度については入園説明会で説明し、入園のしおりにて第三者委員について記載しています。第三者委員を行事に招待し保護者に紹介する場を設けています。
意見箱を設置し保護者の意見を取り入れられるようにしています。
行事後や年度末に保護者アンケートをとり、意見要望を集めています。
・健康管理マニュアルに基づいて朝の健康観察や体調の悪くなった子の対応を行っています。また乳児は朝の健康状態について受け入れチェック表を用いて把握し、職員間で共有できるようにしています。
保護者には連絡帳や口頭で園での健康状態について伝え、必要に応じて通院を進めたり安静に過ごすことを伝えたりしています。
ます。
・大震災を想定した行動を考え確認する園内研修を行っています。職員の緊急連絡網があり速やかに全職員に連絡ができるようになっています。毎月、避難計画訓練表に基づき訓練を実施し、防犯訓練も年間通して実施しています。
4 地域との交流・連携 ・育児支援交流に参加した地域の保護者の方にアンケートをとり園への要望を聞いています。また育児支援に参加した親子とコミュニケーションを取りながら保護者の様々な相談に応じています。近隣保育園と職員が交流し地域子育てについて情報交換をしています。
旭区合同の公立私立教育施設のイベント「あさひ子育て、保育園ひろば」に積極的に参加し地域の声を聞いています。
・育児支援室や園庭を毎日開放したり絵本の貸し出しを行ったりしています。交流保育、ランチ交流、を行っています。食育講座・運動遊び講座などの育児講座を行い地域の子育て支援をしています。前年度の反省を基に話し合い育児支援年間計画を作成し実行しています。
・育児相談を毎日受け付けています。育児支援に参加した親子とコミュニケーションを取りながら保護者の様々な相談に応じています。
園で行う育児相談事業は旭区の広報やホームページで広く宣伝しています。育児支援のポスターを作成し園や地域の掲示板に掲示しています。園便りを近隣の小学校に届けています。
・育児相談の連絡先リストをパンフレットとともに用意しています。
関係機関との連携、連絡は園長が行っています。旭区福祉保健センター、西部地域療育センター(ぴーす鶴ヶ峰)などの関係機関と連携しています。
・運動会やお楽しみ会、卒園を祝う会などの行事や畑で採れた野菜を使っての会食に、地域ボランティアの方を招待しています。都岡町内の公園愛護会と協力して近隣の公園に花の球根や苗を植えたり、開花した花を一緒に見たりしています。
中学校や高校の職業体験やボランティア活動を積極的に受け入れています。子どもと小学校、中学校へ園便りを届けに行ったり、小学校の図書室開放や年長児の給食交流、プール交流に行ったりしています。
5 運営上の透明性の確保と継続性 ・クラス内で年間保育の振り返りをし、自己評価、来年度の課題について話し合ったことを会議で報告し他の職員と共有しています。
毎年年度末に保育所の自己評価を全職員で行い振り返りをして次年度への課題としてつなげています。
保護者からのアンケートを毎年行いその中で出た改善するべきことを話し合い保護者へ改善についての具体的方法を書面で回答し掲示しています。
・横浜市職員行動基準が定められており、職員証の後ろに入れて各自で見たり、事務室のロッカーに貼って皆で見たりしています。また、その内容をミーティングで確認しています。
園内や外部の研修で人権やコンプライアンス違反について学んでいます。
・理念、保育方針を明文化したものは事務室や廊下に掲示しています。会議で理念や保育方針を確認する機会を持ち年に1度、理念、保育方針も含めた全体的な計画の見直しを皆で行っています。
・民間移管が決定した時にはお知らせの手紙を全員の保護者に手渡しで行い、保護者の思いを直接聞いて横浜市こども青少年局に伝えています。廊下に意見箱を2つ設置しています。
行事の日程変更などは事前に了承を得た上で各家庭に文書で配布し口頭でも伝えています。お楽しみ会や運動会後にアンケートを取り保護者からの意見や感想をまとめて配布しています。
6 職員の資質向上の促進 ・横浜市の人材育成計画に沿って人材育成に取り組んでいます。年度初めと年度末に園長が一人一人と面談を行い目標共有シートの内容を共有しています。キャリアに合わせた年間目標を各自で立て目標共有シートに記入し達成状況を園長と共に確認して次の課題へつなげています。新任保育士にはトレーナーが付き園長を含め3者で目標を立てて育成を行っています。
職員一人一人のキャリアや業務に合った研修が受けられるよう計画を立て研修に行ける体制を整えています。園内研修プロジェクトをつくりプロジェクトチームが中心になり研修を行っています。正規職員、非常勤職員がともに学びあえる場を作り保育に生かしています。
・園長、主任が研修の推進を行っています。キャリアにあった研修の計画を立て様々な研修を受けています。研修参加者は研修報告書を作成し職員に回覧した後、会議やミーティングで報告し共有しています。
・園内研修で保育環境について学び各クラスの保育環境の良いところ、改善すべきところを伝えあい保育の質の向上につなげています。
他の園の公開保育に参加し得た学びを皆に伝えています。また園での公開保育で他園保育士に意見をもらい職員間で共有しています。
・年間指導計画、月間指導計画、毎日の保育日誌の中で振り返りや自己評価を行い次への課題につなげています。年度末には保育士のキャリアラダーを活用して自己評価ができるようになっています。
・クラス内で年間保育の振り返りをし、自己評価、来年度の課題について話し合ったことを会議で報告し他の職員と共有しています。
毎年年度末に保育所の自己評価を全職員で行い振り返りをして次年度への課題としてつなげています。
保護者からのアンケートを毎年行いその中で出た改善するべきことを話し合い保護者へ改善についての具体的方法を書面で回答し掲示しています。
・人材育成計画で細かく明文化されています。その計画書は職員一人一人に配布されていていつでも確認できるようになっています。
人事考課の結果は毎年個人に開示され自分の評価を知ることができるようになっています。年度初めに立てた目標についての振り返りの面談を園長が行い、一人一人への評価を直接伝えています。

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