かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

にじいろ保育園 綱島(2回目受審)

対象事業所名 にじいろ保育園 綱島(2回目受審)
経営主体(法人等) ライクアカデミー株式会社
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 223 - 0053
港北区綱島西3-4-8
tel:045-717-7241
設立年月日 2011(平成23)年04月01日
公表年月 2018(平成30)年12月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 株式会社 学研データサービス
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

《施設の概要》
 園は平成23年4月1日に株式会社サクセスアカデミー(平成29年8月ライクアカデミーに社名変更)により開園し、今年で8年目になります。園は東急東横線綱島駅西口から商店街を通り徒歩6分、綱島小学校に面した道を入ってすぐの4階建てマンションの1階にあります。定員は56名、平成30年9月現在60名が在籍しています。産休明け保育、障がい児保育を実施しています。園の玄関横にウッドテラスがあり、夏にはプール遊びや水遊びなどに使用し、砂場のある園庭では小さな畑やプランターなどで季節の野菜や花、米を育てています。園は駅に近くバスも利用でき至便で、周辺はマンションや新旧の住宅が広がる静かな地域です。また、いくつもの公園や川沿いの堤防があり、子どもたちは毎日のように散歩に利用し、四季を感じ、伸び伸びと過ごしています。


《特に優れている点・力を入れている点》
○おもちゃをはじめ手作りに力を入れ、子どもたちが喜ぶもの、発達に役立つものを研究しています
 年間計画を立てておもちゃを手作りするプロジェクトを実施し、全クラスで毎年新しいものを作っています。園長、主任も企画段階からアドバイスして作成を支援しています。手作りおもちゃは指先の機能発達、基本的生活習慣の練習、文字への興味喚起など各年齢に応じた発達を促すもので、布やフェルト、ペットボトル、ボタン、スナップのような身近な素材や廃材で作っています。発達に合ったおもちゃがどんどん変わる0歳児クラスでは、低月齢、中月齢、高月齢用のおもちゃをそれぞれ開発しています。実践にあたっては、子どもの反応や回数を重ねるごとにどう使いこなしていったかを写真入りでまとめ、全職員で共有して翌年につなげています。また、園庭開放やお誕生日会などの行事の際にも、地域の親子を含めた参加者に手作り品をプレゼントし、喜ばれています。


○戸外活動を重視し、体力づくりに力を入れています
 気象条件の悪い日を除き、毎日散歩などの戸外活動を取り入れ、日誌には戸外活動と室内活動を分けて記載しています。公園や河原などの散歩先について定期的に現地やコースの安全チェックを行っています。距離のある散歩コースも時に設定しています。公園ではドッジボールや大縄跳び、かけっこ、鬼ごっこなど、河原では段ボールなどを使った芝滑りなどを行っています。子ども用プールやたらいをクラス数以上にそろえてあるので、夏場は全クラス同時に水遊びが行えるようになっています。5歳児は近隣のスポーツジムのプールを年2 回借り、コーチの指導のもとに水中歩行や顔付け、もぐりの練習を行って、就学後のプール活動に備えています。遠足を3歳児から行い、公共交通機関を使ってアスレチックのある広い公園や動物園などに出かけています。


○法人本部の研修体系に園の自主的な研修などが組み込まれ、人材育成の仕組みができています
 研修には法人本部研修、外部研修、園での内部研修があり、園では年間の研修計画を作成しています。法人本部の研修には新任保育士研修、中途採用者向けスタートアップ研修、フォローアップ研修、スキルアップ研修、マネジメント研修、系列園での実施研修などがあり、非常勤職員も受講しています。外部研修は横浜市や港北区をはじめ、学校や教育機関の研修リストから職員が選び、また園から指名して、積極的に受講しています。一方、職員一人一人の成長を支援するため「成長支援制度」があり、職員には職位に必要な能力や経験など(キャリアパス)を明らかにしています。職員は年度初めに職位等級別の「成長支援シート」に年度目標を2つ定め、年2回園長と面談して達成度の評価と助言、指導を受けています。法人本部と園が一体となった人材育成の仕組みができています。


《事業者が課題としている点》
 保育方針や目標を大切に保育していくために、保護者にも方針や目標を理解してもらう機会を積極的に作ることを課題としています。日々の子どもとのかかわりについて職員全員で再確認し、指摘し合える関係を築いて、家庭的な雰囲気を大切に一人ひとりに寄り添い、子ども主体の保育を、今後も心がけたいと考えています。また、地域や自治体とのかかわりを密にして地域主催の祭りなどに園全体で参加できるようにしたり、近隣の小学校との交流をさらに深め、子どもが円滑に生活や学習ができるよう努めたりすることも、課題と捉えています。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重  園は保育理念に「のびやかに育て 大地の芽」を掲げ、保育方針は「みとめ愛 みつめ愛 ひびき愛」として、子どもが信頼、安定、共感を感じられる環境を重視したものとなっています。職員は自己評価で自身の保育への意識の振り返りをし、保育理念や保育方針、保育目標を、入社時の研修だけではなく職員会議などでも確認しています。また、各保育室や休憩室、玄関などにも掲示し職員の理解につなげています。そして、保護者には園の見学時や入園説明会時に、保育理念や保育方針、保育目標を記したパンフレットを使って説明しています。また、保育は基本方針に沿って行えるように、職員で確認しながら全体的な計画や指導計画を作成しています。
 「にじいろガイド」には、人権についての項目があります。その中の「保育のねらい」に子どもの人権の尊重について明記し、子どもの思いを肯定的に受け止めるようにしています。職員は否定的な言葉使いはせずに、子どもに聞き取りやすいはっきりとした口調で、優しく言葉をかけることや、注意時にも説教が長くならないようにすることなどが明記されています。日々の保育の中でも子どもが職員に話しやすい環境を心がけて、子どものペースに合わせて言葉を使っています。子どもの人権を認め、自尊心を傷つけないことを全職員が理解して保育に向き合っています。
 「にじいろガイド」に個人情報取り扱いのマニュアルがあり、守秘義務についての規定があります。保護者には入園時に個人情報の取り扱いについて説明し、写真の使用について個人情報使用承諾書で同意を得ています。子どもが園外保育に出かける際には、名前がわからないようにするなど配慮しています。職員は入社時の研修で個人情報の取り扱いについて学び、機密保持誓約書に署名、捺印して、内容を厳守しています。児童票など個人の情報が記載された書類は事務室の鍵のかかる場所に保管し、園外持ち出し禁止などの取り決めをしています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供  全体的な計画に基づき年間指導計画、月間指導計画、週案を年齢ごとに作成しています。月間指導計画の中に、週のねらいや配慮事項、活動内容とその流れも記載しています。理解できる子どもには、主体的に活動できるように説明しています。自分の気持ちがうまく伝えられない状態の子どもからは、その表情や様子を受け止めたり、視覚的にわかりやすいものを用いて職員が「○○かな」などと言葉をかけ、子どもの意見や要望を聞き取るようにしています。子どもの活動内容では子どもたちの○○したいという気持ちを受け止めています。例えば言葉が少ない乳児でも、熱中している様子などから柔軟に予定を変更して、散歩先や遊びを決めています。
 0、1歳児クラスには畳のスペースとフローリングのスペースがあり、職員の手作りの仕切りなどを利用して、小集団で遊べるように工夫しています。食事の時にはフローリングスペースにレジャーシートを敷き、午睡の時には畳のスペースを使って、食事と午睡の場を分けています。2歳児より上のクラスは子どもたちの活動に合わせて機能別のスペースを作っています。園は各部屋の仕切りの上部が透明プラスチック製で0、1歳児から5歳児までの全部屋が見通すことができ、互いの姿が見えるようになっています。また2歳児、3、4歳児、5歳児の3部屋の各仕切りはたたんで収納でき、クラス一緒の活動や造形など活動目的によって広く使えるようにもなっています。5歳児は午睡がなくなる時期に、乳児の午睡明けの着替えの手伝いや、おやつを一緒に食べるなどしています。
 0〜2歳児は個別指導計画を作成しています。そして、個別記録として毎日の子どもの姿や配慮について記載しています。個別指導計画はクラス会議で話し合い、職員が内容を共有して対応をしています。3〜5歳児クラスでも、課題のある子どもや配慮を必要とする子どもについては個別指導計画を作成し、「子どもの様子」「内容」「配慮と援助」「保護者、専門機関との連携」について記載しています。個別の目標や計画はクラス会議などで話し合い、子どもの発達状況に合わせて随時変更や見直しを行っています。食事やトイレットトレーニングなども送迎時や連絡帳などで保護者と相談し、同意を得て変更しています。
3 サービスマネジメントシステムの確立  慣れ保育については、入園説明会で園長が説明して、保護者の就労状況や子どもの保育経験などを考慮し、保護者と相談して流れを決めています。0、1歳の新入園児は基本的に個別担当職員を決め、子どもとの愛着関係が築けるよう職員が寄り添っています。よりどころとする物が必要な子どもには、タオルなどの持ち込みができるようにしています。子どもの生活については、0〜2歳児は連絡帳を毎日記入し、その日のエピソードを記載するなど、家庭と園での様子を共有できるようにして、送迎時にも子どもの様子を伝えています。進級時には、前年度のクラス担任が一人は持ち上がるようにして子どもが落ち着いて園生活を送れるように配慮しています。
 園内はバリアフリーで、トイレには車椅子対応の設備があります。障がいのある子どもの受け入れの際には、保護者の同意を得て、園長がその子どものかかわる療育センターや法人契約の臨床心理士の巡回相談を受け、医療機関や専門機関と連携をとっています。職員は、障がい児保育や自閉症などについての研修に参加しています。障がいのある子どもに対して職員が皆同じような対応ができるように情報を共有しています。さらに、特別な支援を必要とする場合にも年齢枠にとらわれず担当保育士をつけ保育にあたっています。障がいのある子どものできることに目を向け、クラスの中で無理なく活動できるように支援しています。
 アレルギー対応マニュアルがあり、アレルギーのある子どもに対しては、かかりつけ医の生活管理指導表を基に対応しています。園長や主任、看護師、栄養士で食事の提供や対応方法を決定し、除去シートを作成しています。そして、保護者と面談して内容を確認し、サインをもらって実施しています。職員は外部研修や看護師の指導によってアレルギーへの対応を学んでいます。アレルギーのある子どもへの食事提供について「アレルギー食提供1日の流れ」という図式が掲示されています。誤配食を防ぐために、複数の職員が内容を確認して、食事提供時には専用のトレイや食器、名札を使っています。アレルギーのある子どもには、職員がその子どもの横に付いて対応しています。
4 地域との交流・連携  年度初めの職員会議では昨年度中に収集した子育て支援ニーズについて検討し、今年度の地域子育て支援の年間計画を決めています。地域の子育て支援サービスとして、園庭開放や交流保育、育児相談、絵本貸し出し、身体測定、お誕生日会参加、ベビーステーションなどを実施するほか、にじいろまつり(夏祭り)や運動会などの行事案内を園の掲示板に掲示して地域の親子の参加を募っています。また、散歩先の公園では、公園に来ている親子にも声をかけ、絵本の読み聞かせや紙芝居などを一緒に楽しんでいます。また、港北区主催の地域子育て支援事業「わくわく子育て広場」に参加し、紙人形劇や食育相談をしています。園長や栄養士、法人の臨床心理士などによる育児相談や育児講座、食育講座を開催しています。
 園では地域の子育て家庭に情報提供するため、園の道路に面した箇所に掲示板を設けて、園庭開放や交流保育、育児相談、育児講座(食育講座)、園行事ポスター、ベビーステーションなどの案内を掲示しています。また、港北区の子育て支援ガイドにも園の提供する子育て支援サービスを載せています。育児相談は園長が担当して土曜日を除く平日10時から15時に行い、掲示板のほか、港北区の子育て支援ガイドで案内しています。また、運動会やにじいろまつり(夏祭り)などの園の行事のポスターを近隣の商店などに貼らせてもらい、地域の親子の参加を募っています。散歩先で出会う地域の親子には園のイベント予定のチラシを配付し来園を促しています。
 利用希望者からの問い合わせには、「入園のしおり(入園案内)」や園のパンフレットなどに基づいて園長や主任が常時対応できるようにして、園の保育理念やサービス内容、料金などを説明しています。利用希望者には園見学の希望を聞き、子どもの活動の様子がわかる時間帯で日程の相談をしますが、希望者の都合がつかない場合には保育に支障を来たさない範囲で、できるだけ希望に沿う日時で対応しています。見学者には見学者ノートに記入してもらい、園のパンフレットなどの資料を渡し、園長か主任が保育理念や利用条件、サービス内容、特徴などを説明して園内を案内し、見学中や見学後の質問にもていねいに対応しています。
5 運営上の透明性の確保と継続性  保育士の自己評価の結果は職員会議などで報告し、話し合い、課題を明らかにして改善に取り組んでいます。3〜5歳児は広い部屋をクラスごと3つに分けて使用していましたが、隣のクラスが気になり集中できないという課題が明らかになり、天井にレールを設け、折りたたみ板で3つのスペースに仕切れるようにしました。保育所の自己評価はにじいろ保育園の保育理念や保育方針に基づいて作成されており、全体的な計画に沿って、年2回全職員が個別に保育所の自己評価用紙に評価を記入します。これを全職員で話し合い、主任と園長が一つにまとめ、保育所の自己評価として職員会議で確認し周知して、次期の保育に生かすようにしています。期末の保育所の自己評価は法人本部の承認後、ファイルに入れ、玄関で保護者に公表しています。
 主要な業務のマニュアル集「にじいろガイド」を非常勤を含む全職員に配付し法人本部の新入社員研修や中途採用者向けスタートアップ研修などで、「保育士の責務と倫理」により守るべき法や倫理を学んでいます。また、保育の標準を明確化し、保育上のルールを示した「にじいろの保育」を全職員に配付し、その中で「人権の遵守、個人情報守秘義務、男女共同参画、虐待」などについて、職員会議などで確認しています。他施設などでの不適切な事例は新聞や法人本部の情報をもとに園長が話し、それらの行為を行わないよう啓発しています。なお、園や法人の決算内容について法人の園長会で報告はあるようですが、今後積極的に公開されることを期待します。
 保育園の現金などの入出金は園長がその業務にあたり、園長、主任がダブルチェックを行い、毎月法人本部の財務経理グループに結果を提出しています。年度初めに園の業務分担表を全職員に配付して職務分掌を明らかにしています。これには園長や主任から保育士、看護師、栄養士、調理員など9つの職位について、職務と職務内容、権限が明記されています。園の経理や事務について年に数回園内でトリプルチェックによる内部検証を行い、また法人本部の担当者が来園して内部監査を実施しています。園の運営や管理については法人の公認会計士による運営法人監査があり、法人本部を通じて必要な助言や指導を受けています。
6 職員の資質向上の促進  研修には法人研修、外部研修、内部研修があり、内部研修を0歳児担当の専門分野リーダーが、全体を主任、園長が担当し、研修計画を作成しています。法人研修には新任保育士研修や中途採用者向けスタートアップ研修、フォローアップ研修、スキルアップ研修、マネジメント研修、系列園での実施研修などがあり、非常勤職員も受講しています。外部研修は横浜市や港北区をはじめ、学校や教育機関の研修リストから職員が選び、また園から指名して、積極的に受講しています。研修受講後は研修報告書を作成し、職員会議の内部研修で報告し、全職員で共有しています。園長と主任は研修内容の保育への活用状況などから研修を評価し、次の研修選択に生かしています。
 職員は成長支援シートで年2回振り返りを行い、評価項目を1〜4の評価点で評価し、また年度初めに設定した2つの目標に対する結果を文章で自己評価します。さらに園長が評価して指導、助言をしています。保育の自己評価は全体的な計画に基づく年間指導計画、月案、週案・日誌などで年齢別のクラスごとに行っています。自己評価は、例えば5歳児の月案には「夏祭りは子ども主体で相談しながら出し物や役割を決め、準備と練習をしてまとまりと認め合う姿が見られた」とあり、活動の結果だけでなく、取り組む意欲や過程を重視しています。職員は自己評価を自らの保育の改善や次の計画作成に生かしています。
 成長支援制度の手引きには、等級制度として、職員を業務担当者から全体統括まで5等級に分け、その等級に求められる経験や能力、習熟度に応じた役割を期待水準として明文化しています。日常の業務は自主的に判断できるようにできるだけ職員に任せていますが、経営に関することや、子どもの事故やけがなどの発生、保護者の苦情などは速やかに園長や主任に報告、連絡、相談することを徹底しています。日ごろから業務改善の提案を募っています。研修後、手作りおもちゃの保育への活用提案があり、クラスごとに実行し、研修発表を行い、保育のレベルアップにつながりました。園長は職員の意向調査の時や、成長評価シートの年2回の面談などを通じて、職員の満足度や要望を把握しています。

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