かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

くるみ保育園

対象事業所名 くるみ保育園
経営主体(法人等) 社会福祉法人くるみ保育園
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 245 - 0021
泉区下和泉5-18-15
tel:045-802-0974
設立年月日 1964年09月01日
公表年月 2018(平成30)年12月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 株式会社 R−CORPORATION
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【くるみ保育園の立地・概要】
●くるみ保育園は、地理的には旧大船ドリームランドの北側、旧米軍通信隊跡の西側に位置し、旧かまくら道「萩丸」バス停から西に折れ、「下和泉」バス停下車徒歩10分程度の、まだ畑や雑木林、竹林等の自然が多く残る住宅地の中にあり、近年、住宅地の開発が徐々に進んできている地域です。くるみ保育園は昭和39年に設立した伝統ある保育園であり、園舎は古き良き日の安心感を与える木造平屋建てで、広い園庭には四季折々の豊かな木々・草花が咲き、落ちついた穏やかな空気の流れる雰囲気を醸しています。次世代への園長交代があり、前園長のご退任と創立50周年を記念して園の門扉、園庭の改良が図られ、水はけの良い園庭に生まれ変わりさらに、遊び場の増設を行い、子どもたちの楽しい遊び場が完成しています。


●くるみ保育園は、地域と一緒に手を携え、大家族のような体制作りを行い、子どもを「伸び伸びと育てる」ことをモットーとして運営しています。地域の自治会、保護者会(父母の会)等の交流を大切にし、地域の盆踊りに園庭を提供し、地域と一体となって園作りに取り組んでいます。園舎内は園庭を正面に、廊下、中庭を挟んで左右に2棟と南側の園庭ベランダに沿って設けられた棟が3方向に構成され、4歳児の保育室はホールが設置された大きい保育室を活用し、ホールも活用しながら遊べる構造は特徴的です。2階には会議室、職員の休憩室を設け、2階から眺める開放感溢れる景色は職員の気分転換の一役にもなっています。定員は130名であり、保育室は、0歳児、1歳児、4歳児が1クラス、2歳児、3歳児、5歳児は2クラスを設けて運用しています。園庭は、自然と広さを生かし、「くるみランド」(滑り台等のある大型屋外遊具)、ブランコ、鉄棒、砂場、築山等が設置され、子どもたちは伸び伸びと十分に遊び回り、遊具を収めた大きな格納庫から自由に好きな遊具を出して楽しく遊んでいます。


【くるみ保育園の方針】
●くるみ保育園の理念は、「心に太陽を唇に歌を」を謳い、温かい雰囲気の中で、たくさんの遊びと数多くの体験を提供し、丈夫な身体と豊かな心を育む保育を実践しています。広い園庭、明るい園舎で子どもたちと保育士は一緒になって楽しく過ごし、日常的に、お話や絵本、紙芝居、お絵描き等で創造力・感性を養い、園児で俳句を作ったり、リズム遊び等で楽しく表現力を培っています。保育内容では、生命の保持・情緒の安定の「養護」の分野、健康、人間関係、環境、言葉、表現、食育の教育の各分野の保育を進め、子どもの発達段階に応じて保育目標や指導計画を立案し、それらに基づいた一貫した保育を実施しています。特に、月例差の大きい0歳児、1歳児、2歳児については、一人一人の発達に応じたゆるやかな支援計画を立てて日々の保育にあたっています。


≪優れている点≫
1.【発達に応じたプログラムの推進】
●くるみ保育園では、乳・幼児の生活の場である保育園として、健全な子どものあるべき姿である「動く」、「食す」、「休む」を着実に繰り返し、小学校就学時に全ての活動,指導計画が完結するよう年齢および個人の発達に応じたプログラムを作成して実施しています。自然に恵まれた環境、温かい地域の方々や保護者会(父母の会)に見守られる中で、様々な遊びと数多くの体験を通して丈夫な身体と豊かな心を育み、子ども一人一人が個性を持ち、人間として魅力のある子どもの育成に尽力しています。


2.【大家族制の中で子どもを伸び伸びと育てる】
●くるみ保育園では、地域の複数の自治会と交流を図り、地元の盆踊りには園庭を開放し、夏には地域のラジオ体操にも提供し、伝統ある保護者会(父母の会)の支援により、定員130人の園児は地域の方々と共に大家族のような生活を満喫しています。昨今、不審者等に対するセキュリティ重視のあまり地域と隔離された保育園が多い中、くるみ保育園は地域との一体感があり、コミュニティを確立し、子どもたちは大人との信頼関係を学び、伸び伸びと育まれています。


≪さらなる期待される点≫

1.【保育所の専門性を活かした相談機能】
●くるみ保育園は50年余りの歴史を重ねた由緒ある保育園であり、子育て支援の中には長年培った多くのノウハウが蓄積されています。地域とも活発に交流を図り、地域に溶け込んだ地域密着型の保育園として実績も多くあります。ただし、これまで地域と親密に培った実績はあるものの、蓄積された保育のノウハウを地域の子育てに活用できているかというと疑問が残ります。特に、若い核家族の世帯がこの地域でも増えてきていることを考え、専門家のアドバイス、保育園の資源が必要です。保育園の保護者のみに留まらず、地域の母親等への子育ての教え、定期的に子育て相談を実施する等、一層、くるみ保育園の取り組みに期待いたしております。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重 ●くるみ保育園では、保育の指標に「心に太陽を 唇に歌を」とし、温かい雰囲気の中で、たくさんの遊びと幾多の体験を提供し、丈夫な体と豊かな心を育むことを狙いとして保育にあたっています。職員に対しては、原則、掲示は行わずパート職員を含む全職員に配付して周知を図り、毎月1回土曜日に職員会議を兼ねた「職員研究会」を実施し、指標に沿って子どもの様子を職員間で話し合いを行っています。保護者については、4月に保護者総会、保護者会(父母の会)で話をして周知しています。
●個人情報の取り扱いや守秘義務については、個人情報の取り扱いについてのガイドラインを備え、個人情報の管理・扱いについてガイドラインに沿って新任研修時に周知しています。実習生やボランティアに対しては、定義・目的について説明を行い、誓約書を交わしています。保護者に対しては、重要事項説明書で説明し、個人情報の取り扱い(肖像権)の確認を行い、理解を得ています。
●性差に関する配慮では、遊びや行事での役割、持ち物や服装等は区別することなく、順番、グループ分け、整列も区別はしていません。教材は、子どもの好みに合わせて自由に選択できるようにし、保護者についても、母親・父親の役割等、固定的に捉えた表現はしないようにしています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 ●指導計画については、年齢別の指導計画を策定し、毎月の月案については個別に月案を用意しています。0歳児〜2歳児は個別指導計画を作成し、3歳児以上はクラス別に月間指導計画を作成しています。指導計画の策定では、低年齢児は複数担任によりクラス会議で検討を図り、幼児は担任制にて幼児会議を開催して意見交換を行い、必要に応じて園内研究会を開催してケース事例を確認し、共有を図っています。保護者の意見・要望については、行事ごとのアンケート、父母会の意見、常日頃での要望等を把握し、計画に反映させるようにしています。例として、幼児の合宿時の食事内容について保護者間で設定してもらい、まとめた内容を園で受け取り提供する等、意見を反映させています。
●施設環境について、保育室は全て1階に配置し、毎日、園内外の掃除を丁寧に行い、園の庭地も整理整頓が成され、清潔を確保しています。園庭には大きな銀杏や桜の木々が植栽され、開放的な空間と四季折々の草木の自然を生かした環境作りが成されています。くるみ保育園の開設50周年記念に合わせ、「心に太陽を」をモットーにした象徴の「お日様マーク」の門扉を設置し、建物の耐震工事を行い、園庭は水捌けの良い土質に改善し、固定遊具の充実を行い、砂場の日除けテント等も設置し、子どもが快適に生活しやすい環境を整えました。各保育室は陽光が十分に入り、空調はエアコンの活用と適宜、自然換気を行い、良好な環境を提供しています。音楽や保育者、子どもの声等については、行事の前には近所に手紙でお知らせし、了承のお願いをする等、配慮しています。
●献立は、栄養士が年間の献立を作成し、おいしく楽しい食事となるよう子どもの好む食材、味付けを工夫し、旬の食材、素材の風味を生かし、園の伝統の味付けを継承して提供しています。栄養士は日々の喫食状況を確認し、栄養バランス、子どもの好みを捉えた味付け、刻み方等を工夫しています。盛り付けは子どもに合わせてやや少なめの盛り付けとし、お代わりができるように工夫しています。保護者へは、事前に月間献立表を配付し、食材、調理法、献立作成のポイントについて記載し、家庭での食育につなげています。また、年長児の保護者対応にお誕生会の日に試食会を実施し、園の食事の味、量、盛り付け等の理解につなげています。試食会でのアンケートの意見も献立の参考にしています。今後、試食会については検討の幅を持ち、多くの保護者への理解につなげる機会を思案しています。
3 サービスマネジメントシステムの確立

●配慮を要する子どもについて個別にケース会議を行い、会議録を残して共有を図り、横浜市や戸塚地域療育センター、関連書籍により得た最新情報を基に学習し、保育に生かしています。また、保健所、横浜市戸塚地域療育センターと連携し、保護者も交えて話し合った結果は「研究会」で共有を図り、記録に残しています。
●虐待防止と早期発見については、マニュアルを備え、マニュアルに基づきプロとしての自覚に立ち、行うべき行動の確認と共に、登園時、毎日の視診で早期発見に努めています。また、子どもの様子や持ち物、衣類に留意し、日々の報告でも周知・共有を図り、職員間で声かけを行い、見守るようにしています。相談の窓口は、担任、主任、副園長としています。
●アレルギー疾患のある子どもの除去食対応では、かかりつけ医の指示を基に保護者と密に連携を図り、除去食の対応をしています。全職員にはアレルギー疾患の必要な知識や情報を提供して徹底しています。給食時では、色違いの別トレイに除去食プレートを添付し、別調理された(おやつを含む)食事を調理師、保育士の複数で確認し、誤飲誤食がないよう徹底しています。園では、職員、子ども自身、他の子どもたちにも周知し、全員で理解して配慮するようにしています。
●保護者からの苦情等に関しては、入園のしおり(重要事項説明書)に、第三者委員の名前と電話番号等を明示し、第三者委員とは常に連携を図り、入園説明会で第三者委員についての説明を行い、周知しています。保護者の意見は意見箱、懇談会、行事等のアンケートから積極的に要望・苦情等を吸い上げるようにしています。
●感染症等について、入園のしおりに感染症停止基準や感染症の疑いが生じた場合の対応を明示し、入園時に保護者に説明しています。感染症が園内で発症した場合は、お知らせするホワイトボードを設定し、速やかに保護者に状況報告の掲示を行い、罹患児童は別室に隔離対応し、園内拡散を未然に防ぐようにしています。地域の流行・最新の感染情報については、行政機関から入手し、玄関入り口に情報を掲示して注意喚起を行い、職員へも周知を図っています。

●外部からの侵入に対しては、園の扉は施錠し、インターホンを設置して来訪者の確認を行っています。毎年の防犯訓練では職員がランドセルを背負って不審者対応の訓練の寸劇等を行い、子どもたちへ啓蒙しています。不審者等の情報については、地域から入手していますが、全職員への伝達・周知は十分とは言えない面もあり、今後、防災訓練の見直し、外部から侵入した場合の不審者撃退法や撃退グッズ、緊急時の合言葉の設定等、また、侵入経路、避難体制の確認等の強化に期待されます。

4 地域との交流・連携 ●地域の子育て支援では、園庭開放、育児相談を実施しています。くるみ保育園では、これまで培ってきた保育・子育て等のノウハウを地域の子育てに悩む母親や、情報を得たい家庭、子どもとの遊び方がわからない母親等の育児相談に生かして適宜受け付け、支援を行っています。地域交流として、町内会の盆踊りに園庭を開放し、地域の老若男女、卒園児たちと楽しく交流を図っています。理事長は地域の名士であり地域に知り合いも多く、くるみ保育園は地域に密着した保育園として地域交流も活発に行っています。
●地域の保護者や子ども等に対する園の情報提供では、泉区の子育て情報サイト「いずみっこひろばうぇぶ」、広報よこはま泉区版等に情報を掲載しています。相談事業については泉区の広報誌や、泉区のホームページに掲載され、園庭開放時の利用者にも情報を提供し、希望に応じて育児相談を受け付けています。また、各小学校にも園のお知らせを配付して知らせています。
●地域への園の理解促進の取り組みとして、園行事(運動会、バザー、卒園式、作品展等)に各町内会長、地区内の中学校、小学校にも声をかけて働きかけています。地域との交流では園庭を開放して町内会の盆踊りを実施し、また、保育室を提供して卒園児や在園児の空手道場を行い、地域の方に指導を受ける等、地域一体となった活動を実施しています。施設開放や備品等の貸し出しでは園のテント、町内会のテント、ブルーシートなど相互に貸し借りが行われ、近隣と親密な関係を構築しています。
5 運営上の透明性の確保と継続性 ●職員の守るべき法・規範・倫理等は、就業規則に明示し、入社時に周知徹底を図り、規定集はいつでも閲覧できるよう職員室に設置しています。経営、運営状況等の情報は社会福祉法人として積極的に公開しています。他施設で発生した不正・不適切な事案、事故事例等の情報は、特に、メディアで取り上げられた事象に関して園長から全職員に詳細を説明して啓蒙を行い、職員は意識ある行動と、守るべき規範について再確認しています。
●環境整備では、マニュアルを作成し、横浜市の条例に基づいてゴミ減量化や分別、リサイクル、省エネに取り組み、節電、節水を心がけ、子どもたちにも蛇口をきちんと閉めることを教えています。園庭には四季折々の木々・草花が植栽され、畑やプランターで野菜の栽培を行い、緑化促進を行っています。「心に太陽を」のフレーズには自然保護の考えも含まれ、保育に反映されるよう推進を図り、園全体で環境整備に取り組んでいます。
●園の運営面に直接影響ある取り組みでは、園長、副園長は区の園長会に出席して情報を収集し、また、泉区役所からのメールや、厚生労働省の保育に関する動向・情報を入手し、他インターネット等で得た情報を分析しています。園長は、得た情報から特に、事故等の情報について職員会議で全職員に周知し、園に置き換えて見直しを図り、改善に取り組んでいます。
6 職員の資質向上の促進 ●実習生の受け入れは、副園長、主任が窓口となり、マニュアルに沿って事前にオリエンテーションを実施し、園の方針、保育目標、個人情報・守秘義務について説明を行い、受け入れています。実習生は1回に3人〜5人程度受け入れ、実習生の実習課題に沿ったカリキュラムを作成し、1年生には保育全体を見てもらい、2年生以降にはクラスの希望、理由を聞いて受け入れ、成果に結びつけられるよう協力しています。実習終了最終日には担当職員等と気づき、意見交換を行い、意見は運営に反映させるようにしています。
●職員、非常勤職員の研修体制については、新任研修、外部研修、園内研修等でテーマ・内容を定めた研修内容を推奨しています。また、職員個々の希望に応じた研修に参加し、積極的に研鑚を図っています。研修受講後は、レポートを作成し、職員会議で報告を行い、全職員で知識・技術の共有を図り、保育に生かしています。
●保育現場での権限の移譲については、各職員の職務を明確にして運用を図り、子どもと保護者の状況に応じて職員が自主的に判断できるよう可能な限り権限を委譲し、責任を明確化しています。業務改善については、職員から提案を募り、アンケートを実施して職員からの意見を吸い上げ、改善に努めています。園長は、職員個別に面談を実施し、職員一人一人の希望、意向、満足度等を把握し、職員がやりがいを持てる職場環境作り、より良い園作りに努めています。

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