かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

横浜すきっぷ保育園(2回目受審)

対象事業所名 横浜すきっぷ保育園(2回目受審)
経営主体(法人等) 株式会社俊英館
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 221 - 0056
神奈川区金港町7-15 TKビル2階
tel:045-620-9771
設立年月日 2013(平成25)年04月01日
公表年月 2018(平成30)年12月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 特定非営利活動法人 市民セクターよこはま
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の概要】
 横浜すきっぷ保育園は、横浜駅東口から歩いて約6分、または京浜急行神奈川駅から歩いて2分の、ビルの2階にあります。オフィスビルや商店が並ぶ都会の中の保育園ですが、徒歩圏には複数の公園があり、子どもたちの散歩コースとなっています。
 横浜すきっぷ保育園は、平成25年(2013年)4月に、株式会社俊英館によって開設されました。運営法人は、横浜市内で、他に2園保育園を運営するほか、首都圏を中心に保育園や学習塾などを幅広く運営しています。
 園の施設としては、保育室(0・1歳児室、2歳児室、3・4・5歳児室)、厨房、事務室などがあり、1階には園庭があり、夏場には子どもたちがプールや水遊びを楽しんでいます。
 定員は50名(生後57日〜就学前)で、開園時間は、平日〈月曜日〜金曜日〉7時00分〜20時00分、土曜日7時00分〜18時00分です。
 保育理念は、「地域と手を取り合い、子ども一人ひとりを 暖かな眼差しで見守り育てていける保育環境をつくる」、保育方針は、「一人ひとりの育つ力に“働きかけ”、“信じる”“待つ”ことで花開かせる保育」、保育目標は、「自ら考え行動できる子ども」「生活や遊びを通して学び合える子ども」「他者を思いやり、自分も大切にできる子ども」です。


◆高く評価できる点
1、子どもたちは素直に自分を表し、遊びを通して様々なことを得ています
 保育理念に、「暖かな眼差しで見守る」を掲げ、保育士は先回りすることなく子どもの様子を見守り、子どもの気持ちや身体が自ら動くことを待つ姿勢で保育に臨んでいます。保育士は、子どもの何気ない言葉や態度から一人ひとりの子どもの気持ちを汲み取り、子どもが素直に自分の気持ちを表現できるように働きかけています。子どもがやりたくないという意思を示したときには、強制することなくその子どもに合わせた声かけをし、子どもが自らやりたいと思うまで寄り添います。このような保育士の働きかけの結果、子どもたちは素直に自分の気持ちを言葉や態度で表し、保育士に甘えています。幼児になると、自分たちで話し合って、活動の内容を決めたり、問題を解決したりすることもできます。
 自由遊び時間には、子どもたちは友達と一緒に人形遊びやままごと、ブロック遊びなどを楽しんでいます。傍らでは、図鑑を広げて熱心に見入る子どもや、ジグソーパズル・お絵描きなどに一人で取り組む子ども、虫をじっくりと観察している子どもや、自分たちでルールを作ってカルタ遊びを本来の遊び方とは違うゲームに発展させているグループがいます。このような姿から、子どもたちが遊びを通して、それぞれの興味や関心を広げ、社会性など様々な学びを得ていることが読み取れます。
 ビルの中の保育園ですが、天気が良い日には毎日散歩に出かけていて、かけっこをしたり、鬼ごっこをしたりと、身体をたっぷりと動かしています。室内でも0歳児から、子どもの年齢や発達に応じた運動用具を用いて身体を動かす機会を作り、子どもが遊びながら運動能力を養えるようにしています。また、音楽に合わせて体を動かし表現力を養うリズム遊びや製作、英語遊びなども取り入れ、子どもが素直に自分を表現できるようにしています。
 このような取り組みにより、子どもたちは素直に自分を表現し、園生活を楽しんでいます。このような子どもの様子は保護者にも確実に伝わっていて、今回の保護者アンケートでも「遊び」の項目への保護者の満足度が飛び抜けて高くなっています。


2、保育士は、園内研修などで理念への理解を深め、子どもに寄り添う保育を実践しています
 入園時オリエンテーションで保育理念、保育方針、保育目標を説明するとともに、園内の各所に掲示して、周知を図っています。年度初めの全職員が参加する職員会議で確認するとともに、毎月の園内研修でテーマに沿って話し合ったりしています。また、園長が職員会議の席で質問することもあり、保育士が常に理念や方針を意識して保育にあたれるようにしています。会議以外にも、保育士は、日常的にもコミュニケーションを交わし、目指す方向性を共有しています。
 園は自己評価シートを用いて人材育成を行っていて、半年ごとに、園長が個別面談をし、目標設定と達成度の評価をしています。自己評価表には理念に基づくチェック項目があり、理念や方針に立ち戻ることができるようになっています。
 このような取り組みを通して、保育士は一人ひとりの子どもを大切にという気持ちを共有し、連携して保育にあたっています。


3、子どもたちは地域住民に優しく受け入れてもらい、成長しています
 子どもたちは毎日のように近隣の散歩に出かけ、地域で働く人の姿を見たり、季節の自然に触れたりしています。散歩では、工事現場や商店、近隣のビルの管理人などと挨拶や会話を交わしています。今年度からは、同じビル内の企業や事業所と年2回合同の消防訓練を、子どもたちも参加して実施しています。
 世代間交流として、ほぼ毎月の頻度で地域の高齢者デイサービス施設を訪問し、4・5歳児の子どもたちが高齢者と共にひとときを楽しんでいます。このような交流は、高齢者に全てを優しく包み込んでもらっている子どもたちにとってだけでなく、高齢者たちにとっても楽しみとなっています。
 近隣小学校との交流も活発で、園児が小学校で1年生と一緒に運動をさせてもらったり、学校の祭りに招待されたりして交流しています。そのほか、地域の小規模保育所(0歳〜2歳児)の子どもたちと1・2歳児の子どもたちが毎月2回程度の交流をしたり、地域のボランティアの読み聞かせを楽しむ機会もあります。
 子どもたちは、このような地域住民との交流を通して様々な経験を積み、成長しています。

    

◆改善や工夫が望まれる点
1、地域への育児支援を工夫し、地域に園の専門性を還元していくことが期待されます
 地域への育児支援としては、夏場のプール遊びや音楽会・人形劇・絵本の読み聞かせ等の育児講座を実施していますが、利用者は在園児保護者の知人や見学者への口頭での誘いによるものに限られています。また、園見学者からの相談には応じていますが、相談日を設定した育児相談は行っていません。また、地域への情報提供についても、ホームページへの掲載に限られています。
 地域住民に子どもたちが優しく受け入れてもらえるようになったこともあり、今後は、園としてももう一歩踏み込んで、地域ニーズを分析して、育児支援や情報提供の方法を見直し、散歩先での公園で出会う親子連れへの遊びの提供やイベントのチラシを配付するなどの工夫をし、園の専門性を地域に還元し、地域の福祉施設としての役割を果たしていくことが期待されます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

・保育理念は「地域と手を取り合い、子ども一人ひとりを暖かな眼差しで見守り育てていける保育環境をつくる」、保育方針は「一人ひとりの育つ力に“働きかけ”、“信じる”“待つ”ことで花開かせる保育」、子ども本人を尊重したものとなっています。保育理念・保育方針を玄関、トイレ、事務室などに掲示し、いつでも確認出来るようにしています。
・運営法人で定めた、個人情報の取り扱い及び守秘義務に関する規約があり、入職時には規約内容を説明し全職員に周知しています。ボランティア・実習生に対しては、誓約書の提出を義務付けています。パソコン上にある個人情報は、パスワードによるアクセス制限をかけ外部への持ち出しが出来ないシステムにしています。記録書類については、事務室内の書庫で施錠管理しています。
・行事の役割やグループ分けなどを、性別によって決めることはなく、総じて子どもたちの意見や希望で決定しています。家庭のあり方は多様で、職員が父親・母親の役割を固定的に捉えることはありません。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 ・活動前には、保育士は活動の目的や内容、注意することなどを説明しています。絵カードを用いるなど、子どもが理解出来るようコミュニケーションの方法を工夫しています。
・子どもたちが落ち着いて過ごせる場所作りに様々な工夫をしています。幼児合同クラスの学年ごとの活動時にはパーテーションで仕切りをしたり、乳児クラスでは可動式の低い棚やラックで室内を2ヶ所に分けたり、ビルの構造上で生まれた三角や四角の隙間のような部分を子どもが入り込むスペースとするなどの工夫があります。
・子どもの意欲や自由な発想を大切にする姿勢の保育を行っています。廃材を使った遊びでは、乗り物やロケットを作る過程で、子どもたちが運動会のテーマを「宇宙」に決めたり、夏祭りの星座作りに広がるなど、園全体の保育活動につなげています。
・全クラスとも、天気の良い日は毎日散歩に出かけています。距離や行き先を考慮した散歩コースを数多く作成し、子どもの発達や興味・関心に合わせて選択しています。散歩に出られない天候の日には、室内に運動用具を出し、子どもたちが思う存分身体を動かす時間を作っています。
・子どもの送迎時には保護者との会話を心がけ、家庭と園のそれぞれの様子を伝え合うようにしています。連絡帳は0歳児から5歳児までの全園児で用いています。
3 サービスマネジメントシステムの確立 ・全体的な計画に基づいて、年齢ごとに年間指導計画、月間指導計画、週案を作成しています。指導計画は、子どもの発達や状況にあわせ作成・評価・見直しをしています。0〜3歳児および特別な配慮が必要な子どもは毎月、4歳児は2か月ごと、5歳児は3か月ごとに個別月案を作成しています。個別月案は保護者に見てもらい、感想を記入してもらっています。
・特に配慮を要する子どもを受け入れています。園内研修で、特に配慮を要する子どものケースについて話し合い、保育室の環境構成などに反映しています。担当保育士を配置し、障がいがある子どもと他の子どもが一緒に活動できるように支援しています。
・非常勤職員を含む全職員に業務マニュアルを配付し、運営法人による入職時オリエンテーションで説明しています。また、衛生管理、安全管理、感染症対応などの各種マニュアルを完備しています。
・運営法人の看護師が定期的に来園する体制があり、毎月「保健研修」として、看護師による園内研修を実施しています。
・地震・火災・不審者を想定した避難訓練を毎月実施しています。今年から、ビル全体の消防訓練にも参加し、ビル内の人々に子どもたちの存在を知ってもらう良い機会ともなっています。
4 地域との交流・連携 ・「かなーちえ」(神奈川区地域子育て支援拠点)や「すくすくかめっ子事業」(神奈川区の子育て支援事業)の活動に参加し、地域の保護者の保育所に対するニーズを把握しています。
・音楽会・人形劇・絵本の読み聞かせ等の開催時には、地域の保護者や子どもも受け入れる姿勢です。しかし、参加者は在園児保護者の知人や見学者への口頭での誘いによる人に限られています。また、園のホームページによる情報提供や、園見学者からの相談には応じていますが、相談日を設定した育児相談は行っていません。
・世代間交流としては、ほぼ毎月の頻度で、地域の高齢者デイサービス施設への訪問し、交流しています。また、近隣小学校との交流を活発に行っています。地域の小規模保育所(0歳〜2歳児)の子どもたちと1・2歳児の子どもたちが毎月2回程度の交流をしています。
・毎日、全園児が散歩に出かけています。野菜苗の買い物などの機会も作り、地域の人たちとの交流を積極的に行っています。
5 運営上の透明性の確保と継続性 ・業務マニュアルに職員が守るべき法・規範・倫理等を明記し、入職時オリエンテーションで全職員に周知しています。年度初めの職員会議でも確認しています。
・重要事項説明書、事業計画書、報告書、決算報告書、園の自己評価、経理規程等が玄関に置かれていて、誰でも見ることが出来ます。
・園長は、各クラス代表が参加する年2回の運営委員会で、継続的に意見交換しています。パソコンソフトの導入など、重要な意思決定について、職員会議で十分な説明をし、職員の意見を聞いています。
・園長は、月1回の運営法人の園長会、横浜市や神奈川区の園長会、横浜市のマネジメント研修などに参加し、保育園運営に影響のある情報を収集、分析しています。重要な情報は、必要に応じてリーダー会議や職員会議で報告して話し合い、園全体で取り組んでいます。
・運営法人の中長期計画があり、それに基づき、園としての単年度計画を作成しています。運営法人は、次代の保育所運営に備え、新しいサービスプロセスの仕組みを常に検討していて、中長期計画にも位置づけられています。
6 職員の資質向上の促進

・運営法人の人材育成プログラムに基づき目標、達成度、キャリアビジョンなどを記載する自己評価シート、評定基準のための自己評価表を用いて、人材育成をおこなっています。職員は、半年ごとに自己評価シートに記載し、それに基づき、園長が、個別面談をし、目標設定と達成度の評価をしています。
・研修担当は園長で、個々の職員の職務や経験、目指したいレベルや希望などを考慮し、個別の研修計画を作成しています。毎月、園内研修を実施するほか、運営法人の研修や横浜市や頭部地域療育センター、白峰学園保育センターの外部研修に積極的に参加しています。園長は、できるだけ公平に外部研修を受けられるように配慮しています。研修に参加した職員は研修報告書を提出するとともに、園内研修でも報告しています。
・指導計画、日誌には振り返りの欄があり、計画で意図したねらいと関連づけて振り返りが行なわれています。振り返りの結果は、次期の計画作成に反映されています。
・毎年、個々の職員が記載した園の評価を基に、職員会議で話し合い、園の評価としてまとめています。園の自己評価は、園の理念や方針、全体的な計画に沿って行なわれています。
・年2回実施する自己評価表に職務や階層ごとの評定基準が明記されています。職員は年2回自己評価シートを用いて目標設定と自己評価を行い、園長が達成度の評価をしています。査定は、達成度の評価と日常の勤務態度、自己評価表による評定などを総合的に判断しています。評価、査定の結果は園長面談で職員にフィードバックしています。
・自己評価シートに提案や意見を記載する欄を設けています。職員からの提案は、職員会議で話し合い改善につなげています。提案によっては、月1回の運営法人の園長会議で話し合いをしています。

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