かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

明日葉保育園元住吉園

対象事業所名 明日葉保育園元住吉園
経営主体(法人等) 株式会社明日葉
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 211 - 0033
中原区木月祗園町6-31
tel:044-982-3102
設立年月日 2016(平成28)年04月01日
公表年月 2018(平成30)年12月 〜
使用評価項目 川崎市版
評価機関名 株式会社フィールズ
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

<施設の概要・特徴>

 明日葉保育園元住吉園は、平成28年4月に、株式会社明日葉によって設立されました。運営法人は川崎市で他に3園の保育園を運営するとともに、横浜市、東京都で保育園や学童・児童館、こども家庭支援センターの運営を行っています。
 園は東急東横線元住吉駅から商店街を10分ほど歩いた住宅街の中にあります。近隣には、川崎市国際交流センターを始め、自然豊かな公園が複数あり、子どもたちの散歩コースとなっています。鉄骨造り2階建ての園舎は明るく、日当たりの良い園庭も設置しています。夏には子どもたちがプール遊びをしたり、野菜の栽培も行っています。
 園の定員は60名(生後5か月〜小学校就学前まで)、開園時間は、7時〜20時です。保育理念は「子どもの明日を育み、今日を支える」であり、保育目標は「自分も人も尊重できる子ども」「自分で考えて正しいことを選びとれる子ども」「心も体も健やかな子ども」「思いを適切に表現できる子ども」として保育運営を行っています。


<特によいと思う点>

1. 自分の身体を守ることや、人を思いやる気持ちを学ぶため、様々な経験を通して子どもの成長につなげています

 2歳児以上は「からだのはなし」の時間を設け、自分の身体を知り、けがや病気から身を守ることを学んでいます。誕生会や行事以外にも異年齢で活動する時間を設け、0歳児から5歳児までを4つの縦割りグループに分け、コーナー遊びをしたり、一緒に製作をしたりして活動しています。
 また、子どもは近隣の老人福祉施設に毎月訪問して、乳児は近隣の小規模保育園と交流しています。各種の取り組みを通し、子どもたちは自分の身を守ることや、人を思いやる気持ちなど、様々なことを学び、成長しています。


2. 食育活動を通して、子どもが食への関心を深められるようにしています

 園は食育に力を入れており、野菜の栽培やトウモロコシの皮むきなど食材に触れることから始め、2歳児からはクッキング活動を行っています。クッキングはクラスごとにテーマを決め段階的に取り組み、親と子によるクッキングにつなげています。
 5歳児は和食・洋食・中華の親子クッキングを3回に分けて行い、参加した保護者をもてなし、保護者から好評を得ています。また、自分たちでふりかけを作って野菜にかける「ふりかけサラダ」など、子どもが楽しみながら、苦手な野菜を子どもが克服できるような工夫もしています。


3. 「現場力レポート」を園の質の向上につなげています

 運営法人が行っている「現場力レポート」に積極的に参加しています。現場力レポートは各事業所が改善につながった実践事例を半年に一度運営法人に提出し、運営法人で優秀事例を選出して表彰するものです。園長は制度に積極的に取り組み、園全体の質の向上につなげています。各クラス担任、栄養士、看護師、フリー保育士など常勤職員の過半数が、毎回事例を提出する仕組みを作り、レポート内容を職員会議で報告しています。
 今年度も「野菜嫌いの突破口! 自分で作るふりかけサラダ」など9本のレポートを上半期に提出しています。


<さらなる改善が望まれる点>

1. 地域と継続的に交流した地域ニーズの把握

 開園して3年目を迎え、少しずつ地域とのつながりができています。地域交流については、地域住民も交えた運営委員会で意見をもらいながら、育児講座や園庭開放などいろいろな試みを行っています。
 それらの行事を続け、参加者が増えていくことで、ボランティアの受け入れにもつながり、ニーズの把握もできます。また、地域の行事への参加の可能性も広がると予想されます。今後も地域との交流を進めながら、どのような活動が地域のニーズに合っているかを検討することが期待されます。


2. 職員同士のコミュニケーションを深めて、目指す保育の実践

 園は、保育の中では、頭ごなしに声かけをせず、まずは子どもの気持ちを聞く、察するようにすることを大切にしています。そのために、子どもへの言葉かけや対応などをまとめた心得を全職員に配付し、折に触れて昼礼や乳児・幼児会議、職員会議等で取り上げ、話し合っています。
 取り組みは行っていますが、課題について職員間でじっくりと話し合ったり、お互いに注意し合うまでには至らず、課題となっています。今後も職員間のコミュニケーションを深めていき、目指す保育が実践されることが期待されます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

@ 職員のマナーや子どもへの関わり方、言葉かけや対応などをまとめた「社会人として、明日葉保育園元住吉園の一員としての心得」を全職員に配付し、入職時のオリエンテーションや4月の職員会議で周知しています。園長、主任は保育の様子を見て回り、気になる時には個別に指導するとともに、昼礼や職員会議で取り上げて話し合い、職員間で共有しています。保育の中では、頭ごなしに声かけをせず、まずは子どもの気持ちを聞く、または察するようにし、保育士のあり方を意識しています。


A 虐待防止マニュアルを整備し、職員に周知しています。虐待が明白になった場合や疑わしい場合、見守りが必要な場合には、中原区役所や川崎市こども家庭センターと連携する体制が出来ています。看護師・保育士は日々の子どもの様子を観察して身体を視診し、気になることは園長に報告して職員間で共有し、虐待の防止・早期発見に努めています。


B 入園時に保育園が取り扱う個人情報やその利用目的について保護者に説明し、「個人情報同意書」で意向を確認し、それに基づいて対応しています。ホームページへの掲載や受診時のカルテ作成などで個人情報を公開する際には、その都度保護者に確認しています。個人情報取り扱いマニュアルを整備し、職員に周知しています。個人情報に関する書類は、事務室の鍵のかかる書類に保管しています。パソコンはパスワードでアクセス制限を設定し、園外への持ち出しを制限しています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

@ 保育士は子どもの意見や表情、仕草などから子どもの思いを把握するように努め、子どもの関心や意見を活動や行事に反映しています。幼児は、運動会の演目やハロウィンの衣装などを子どもと話し合って決めています。夏祭りや運動会などの行事後には、保護者アンケートを実施し、結果を次年度の計画に反映しています。年度末には保護者アンケートを実施し、結果を玄関に掲示しています。運営委員会には保護者代表が参加し、意見交換しています。また、懇談会や個人面談で、保護者の意見や要望を聞き取っています。


A 職員は、保護者が相談しやすいよう雰囲気作りに努め、降園時には一声保護者に声をかけるようにしています。保護者から寄せられた意見や要望は、昼礼や職員会議等で共有し、対応について話し合っています。改善したことは、園便りなどで保護者に伝えています。


B 保育室には、おもちゃが子どもの視線にあわせて並べられ、子どもが自分で選んで主体的に遊べるように環境設定されています。保育室は広いスペースを確保し、子どものやりたいことに合わせてコーナーを設置するなどしています。お散歩マップを作成し、子どもたちは毎日のように散歩に出かけ、地域住民と交流したり、地域の自然に触れたりしています。月1回の近隣の高齢者施設訪問や乳児のリトミック、幼児の体操教室など、子どもが様々な人間関係や友だちとの関係を楽しめるようにしています。


C 基本的な生活習慣の自立を目指し、年齢や一人ひとりの様子に合わせて、保護者との連携を大切に支援しています。離乳食は、段階ごとに栄養士が保護者と相談しながら進めています。トイレットトレーニングは一人ひとりの状況に合わせて保護者と相談しながら始めています。登降園時には、保護者と会話し、子どもの様子について情報交換しています。年2回、保育参観の期間を設け、あらかじめプログラムを知らせて好きな時に参観出来るようにしています。保育参観時には、希望する保護者は給食の試食をすることもできます。


D 2歳児以上は「からだのはなし」の時間で、自分の身体について学んでいます。「からだのはなし」では、けがや風邪・インフルエンザなどについても取り上げ、けがや病気から身を守るための指導もしています。散歩時の危険箇所などの安全教育も行っています。異年齢の取り組みとしては、誕生会や行事以外にも、異年齢で交流しています。0歳児から5歳児までを4つの縦割りグループに分け、5歳児がリーダーとなって、コーナー遊びをしたり、一緒に製作をしたりして活動しています。


E 食育計画を作成し、野菜の栽培や、0・1歳児からトウモロコシの皮むきなど食材に触れ、2歳児からはクッキングなどの食育活動をしています。クッキングはクラスごとにテーマを決め、親子クッキングを目標に段階的に進めています。5歳児は和・洋・中のメニューを用意して3回に分けて親子クッキングを行い、子どもたちが保護者をもてなしています。また、自分たちでふりかけを作って野菜にかける「ふりかけサラダ」など、子どもが楽しみながら、苦手な野菜を克服するような工夫もしています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

@ ホームページ、パンフレットで園の情報を提供しています。平日に入園前見学会を実施し、パンフレットを用いて説明し子どもの様子を見てもらい、園の取り組みを理解できるようにしています。入園時に、子どもや家庭の状況、既往症などを保護者に児童票などに記入してもらい、園長、主任、栄養士、看護師による入園前面接で確認しています。子どもがスムーズに園生活を始められるよう慣れ保育を実施しています。4月には、懇談会を実施し、クラス担任が子どもの様子やクラスの方針などについて説明し、保護者の不安の解消を図っています。


A 「生活の内容に関する全体的な計画」に基づき、クラスごとの年間指導計画、月案、週案を作成しています。0・1・2歳児は、個人別月案を作成しています。指導計画は、乳児はクラス会議、幼児は幼児会議で作成し、職員会議で共有しています。月案は毎月、年間指導計画は4期に分けて評価・見直しをするほか、日々の子どもやクラスの様子について昼礼で共有し、必要に応じて柔軟に計画を変更しています。また、職員間のコミュニケーションを大切にし、クラス会議や乳児・幼児会議、職員会議など各種会議で情報共有を図っています。


B 運営法人作成の「職員マニュアル」のほか、感染症予防、嘔吐下痢対応、熱性けいれん対応、プール・水遊びなどについて園独自のマニュアルを作成し、入職時に説明するとともに、4月の職員会議で配付し確認しています。マニュアルは、随時見直しをし、その都度職員に周知しています。また、昼礼や乳児会議、幼児会議で話し合い、避難訓練の方法や避難経路の見直しをするなど、職員からの意見をマニュアルの見直しに生かしています。保護者からの要望で嘔吐処理講習会を実施するなど、嘔吐処理の方法が職員間で徹底されています。


C 苦情解決マニュアルがあり、仕組みが整備されています。苦情受付担当、苦情解決責任者、第三者委員2名を定め、入園のしおりや玄関の掲示で保護者に周知するとともに、入園説明会や入園前面接、新学期懇談会で説明しています。

4 地域との交流・連携

@ ホームページで園の情報を公開しているほか、園の行事や地域交流事業の情報を外掲示板に掲示しています。見学希望者を積極的に受け入れています。今年の10月から見学会のあとに園庭開放も行うようになりました。園では地域交流事業として高齢者施設との交流、中学生の職業体験、観劇会、育児に関する講座などを行ってきました。近隣の高齢者施設へは、施設からの要望で5〜10月の誕生会の日に出向いて歌やゲームなどで交流しています。育児に関する講座については、昨年はインフルエンザの流行する冬に、嘔吐処理講座を行いました。


A 5歳児担任は幼保小連携会議に年2回、年長者担当会議に年1回出席しています。地域5歳児交流会にも参加し、複数の保育園と交流を行っています。中原区の園長会議、園長・校長会議、認可・認定園長会議、看護師会議、栄養士会議、主任会議に出席し、地域の課題を把握するとともに実務情報の交換を行っています。乳児主任、幼児主任、担当フリー保育士などが中原区子ども支援室の主催する研修に参加しています。


B 川崎市には同運営法人の園が他に3園あり、エリア園長会議で情報交換を行うとともに、地域の課題に取り組んでいます。隣の高津区にある園は川崎市社会福祉事業団に加盟しており、加盟園の園長会の内容は運営法人の川崎エリア園長会議で共有しています。中原区は人口の増えている地域であり、必要に応じて年度限定児の受け入れも行ってきました。

5 運営上の透明性の確保と継続性

@ 運営法人本部の中長期計画に基づき、園長が10年計画、5年計画、3年計画、1年計画を策定しています。全計画に保育実践、保育環境、職員養成、地域の項目があり、運営法人の保育園共通の理念の実現に向けた構想や推進策を項目ごとに3〜4箇条設定しています。全体像が把握できるように、毎年全計画を一覧表にして職員に回覧しています。園の中長期計画、特に1年計画を反映させて年度単位の事業計画を策定しています。事業計画は保育内容、行事、地域の子育て支援、防災、食育、保健、職員研修など22項目で構成されています。


A 園のマニュアルの中に職務分担表を作り、毎日・月初・月末・年間(随時)の業務を明示して職員に配布しています。運営法人が行っている「現場力レポート」に積極的に参加しています。現場力レポートは各事業所が改善につながった実践事例を半年に一度運営法人に提出し、運営法人で優秀事例を選出して表彰するというものです。園長はこの取り組みを園全体の質の向上につなげるため、各クラス担任、栄養士、看護師、フリー保育士など常勤職員の過半数が毎回事例を提出する仕組みを作り、レポート内容を職員会議で報告してもらっています。


B セルフモニタリング制度を導入し、「保育所における自己評価ガイドライン」をもとに、自らの保育と保育所の保育について3年連用式の書式を使って評価する取組を行っています。栄養士・看護師など他職種の業務についても、任せきりにならないように、「食の提供・質向上のためのチェックリスト」など他職種業務のチェックリストで評価を行い、評価の際の話し合いに参加した職員名も記しています。また第三者委員、各クラス代表、運営法人本部管理職、園長、主任で構成した運営委員会を年2回開催し、園の運営に反映させています。

6 職員の資質向上の促進

@ 運営法人の本部マネージャーと連携して必要な人員体制がとれるようにしています。年度末など保育士が足りない時期には、保育士募集のポスターを外に掲示しています。また、運営法人本部と園長が連携して就職フェアに参加し、パート職員の確保に努めています。運営法人本部全体で人事考課の取組を行っています。職員が会社共通・部門共通・役職共通の各項目について行った目標設定と自己評価に対し、運営法人のマネージャーが年度初めと年度末に、園長が秋と冬に面談をして、中間レビューと総合評価を行っています。


A 運営法人では、全体研修、入社時研修のほか、1〜3年目の職員や主任を対象とした階層別研修、学年別担任情報交換会を行っています。また、運営法人では各組織から集まった「現場力レポート」の表彰を半期に1回行っています。園では、各クラス、各職種で作成したレポートを、運営法人に提出する前に園内の報告会で共有することで、創意工夫や切磋琢磨の職場風土を創出しています。外部の研修についても推奨し、上限額はあるものの、参加費用を研修の予算からまかなえるようにしています。


B 年度初めに「年間予定・研修実施(予定)一覧表を作成し、研修名、日程、参加予定職員名を記しています。研修参加者が研修報告書を作成し、職員会議で報告することで研修内容を全体で共有しています。同運営法人の近隣4園を対象とした合同研修があり、テーマを決めて年4回実施しています。今年度のテーマはわらべうたで、学んだ内容を園で実践して次回に結果を報告する形式で行っています。これによって、研修内容を確実に実践につなげるとともに、研修がニーズに合っているかどうかを検証しています。

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