かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

ピッコリーナ

対象事業所名 ピッコリーナ
経営主体(法人等) 社会福祉法人県央福祉会
対象サービス 障害分野 生活介護
事業所住所等 〒 252 - 0238
中央区星が丘4-16-16-1
tel:042-786-6086
設立年月日 2012(平成24)年04月01日
公表年月 2018(平成30)年12月 〜
使用評価項目 東京都版
評価機関名 株式会社フィールズ
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

<事業所の特色>
 「ピッコリーナ」は、JR相模線「上溝駅」から徒歩10分程の所にある生活介護事業所です。名称の「ピッコリーナ」はイタリア語で「小さくてかわいい」の意味で、小さくても地域でキラリと光る施設を目指して運営を行っています。
 障がいのある方が、店舗作業、自主製品制作、受注作業を通して利用者に社会とのかかわりを深め、地域で暮らすことを支援しています。利用者には相談、通所、食事、健康管理、避難訓練などの通所や生活の支援を行っています。


<努力、工夫していること>

1.施設として地域と共存し、誰でもが暮らせる地域づくりを目指しています

 カフェでは利用者のハーブティやビーズの販売、接客、調理の補助に自発的に取り組んでいます。店内は地域住民の作品の展示販売も行い、地域に開かれた場所となっています。
 地域の祭りや催しものに参加して販売活動を行っています。近隣での買い物、地域のスポーツ活動に参加して、利用者は地域の人々と顔馴染みの関係を作り、地域社会の一員として生活するよう取り組んでいます。施設は自治会や他の事業所、相模原市、地域包括支援センター等と連携し地域との共存を目指しています。


2.利用者アンケートや「利用者の声ボックス」などから利用者の意向を把握しています
 毎週金曜日に利用者と職員で「ミーティング」を行い、職員からは情報提供を行うとともに利用者からの意見を聞いています。利用者アンケートを定期的に行い、旅行で行きたいところや給食の好み、フリープログラムの内容などの意見を聞いています。
 アンケートの結果はボードに書いて利用者にフィードバックしています。アンケート結果で一番人気のディズニーランドの一泊旅行を採用しています。また玄関に「利用者の声ボックス」を設置し、「なんでも聞かせて」と書いて利用者からの意見を聞いています。


3.作業室毎に男性職員と女性職員を配置し、着替えや排泄などは同性介助を徹底しています

 作業室毎に男性職員と女性職員を配置して、着替えや排泄介助の際は同性介助が行える体制を実施しています。
 利用者用に、男女別のロッカールームを用意して、個別のロッカーには鍵が掛かるようになっています。通い袋に着替えなど私物を入れ、ロッカーで保管し自己管理しています。
 ロッカールームや医務室にはカーテンが取りつけて、着替えや処置をしている所が見られないように、羞恥心に配慮しています。


<優れている点>

1.看護師が2名体制で、利用者の健康管理や生活全般の支援に加え、家族の支援を行っています

 毎日看護師が2名でバイタル測定や服薬管理、栄養面、家族相談に携わり、往診医やクリニックの看護師などと連携を図り、健康維持などに努めています。2名体制で透析者の受け入れや通院付き添い、急変時も速やかに対応しています。
 看護師も支援活動や支援会議、家族懇談会などにも参加し利用者の生活全体も見ています。精神など専門科の受診同行し、専門的アドバイスを受け、支援に繋げています。また緊急時に備えクリニックと連携し3日分の服薬を管理して、家族懇談会では高齢化する家族に公的支援の利用のアドバイスをするなど支援しています。


2.オンブズマン、実習生やボランティアを受け入れて地域に開かれた事業所になっています

 毎月1回オンブズマンが2名來所し、利用者と個別に面接をしたり、グループで話を聞いてもらったりしています。内容は後日書面で報告してもらい、職員間で共有しています。
 毎年地域の中学生の職業体験や大学生の介護体験、養護学校の体験実習なども受け入れています。ボランティアは年間延べ人数で100名以上受け入れています。作業を一緒に行い、給食の配食、ハーブの植え込み、販売の手伝いなどをしてもらっています。


3.アセスメントを充実させて、一人ひとりの力を引き出す支援を行っています

 担当者は利用者の日常生活、作業、健康・医療、体重経過表、エコマップなど詳しくアセスメントしています。他の職員からも利用者の強みで伸ばしたいところ・気になっているところを、また利用者自身には好きな事・嫌いな事・やりたい事・支援して欲しいこと・気をつけて欲しいこと・希望・将来の夢などを聞き取っています。
 これらのアセスメントをもとに、課題・支援内容をモニタリングし、支援会議を開催し、利用者が目的をもって活動できる支援、選択できる支援、希望や持っている力を引き出し、次のステップに向けて支援をしています。


<事業者の課題や改善点>

1.手順書など職員が随時見て活用できる書式・ファイリング方法などの検討

 利用者の情報や急変時事項や施設内ルールなどは、職員会議や朝夕の申し送り時に共有を図っています。職員からは、計画書を変更する仕組み、手引書などの定期的点検・見直し、事業者内の決まり事の作成・見直しなどについて課題認識があります。
 支援計画の内容充実や利用者との話合いなどの記録を書面に残すなどの検討が望まれます。標準化を図るマニュアルの定期的見直しやファイリング方法などの検討が期待されます。


2.個別の人材育成計画を作成し、職員の育成に取り組むこと

 現在は法人のチャレンジシートを基に管理者が個別面談をし、職員の意向の把握や評価を行っていますが、人材育成計画は作成されていません。今後は職員一人ひとりの個別の育成計画を作成し、職員の離職減少に繋げることが期待されます。業務内容や職場配置、研修や資格取得の意向などを把握し、個別の育成計画を作成して職員の人材育成が望まれます。


3.「子ども食堂」に替わる地域貢献

 昨年度までは、地域包括支援センターや地区社会福祉協議会、地域ボランティアと協力し、毎月1回「子ども食堂」を開催していました。しかし協力者の都合もあり、現在は中止しています。地域のネットワークを築くために、「子ども食堂」に替わるカフェなど事業所の資源を活用した地域貢献が期待されます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

@ 法人が作成した倫理行動指針を事務室に掲示しています。倫理行動マニュアルの読み合わせを行い、支援の気になることや虐待についての話し合いを行っています。「利用者への対応の仕方」のビデオを使うなど所内研修を行い職員の人権擁護に関する意識を高めています。毎日帰りの会で職員の行動を振り返り、良かった支援や気になったことなどをお互いに話し合っています。虐待や人権擁護に関する外部研修は積極的に職員が参加しています。


A 法人で策定している文書保管規定に沿って、個人情報に関する書類は鍵のかかる書棚に保管しています。職員室の鍵は常勤職員が持っていて開け閉めを行っています。USBやノートパソコン、個人情報の書類は持ち出し禁止になっています。パソコンのパスワードは管理者、職員は一人ひとり異なっていて、情報を見るのも階層別にアクセス制限をし、情報漏洩防止に努めています。
ボランティアには写真を撮らないなど個人情報保護についての説明をしています。


B 利用契約時に重要事項説明書で、苦情解決制度について説明を行っています。苦情受付担当者・苦情受付責任者・第三者委員・行政機関の連絡先を明示して、いつでも苦情を申し立てることが出来ることを利用者・家族に伝えています。
苦情があった場合は苦情対応マニュアルに沿って所長が対応し、法人のエリアマネジャーにも報告しています。苦情内容は「クレーム報告書」にクレーム内容や対応方法など記録しています

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

@ 利用者の意向は基本調査表、アセスメント、個別支援会議、利用者アンケートなど様々な機会で確認し、発揮できるよう支援計画書に入れています。行事で活躍場面を設け、自主製品、下請け、カフェ、ハーブティづくりなど希望を聞き、取り組めるよう支援しています。その人らしさが発揮できるよう、ダンスが好きな利用者がスポーツプログラムで手本となるなど支援しています。


A 施設のルールとして、利用者や職員と話し合い「さん」付けで呼ぶことを統一しています。個別に利用者の状況に応じやってルールを支援計画に乗せて作成しています。室内やトイレ内の壁は明るく、柔らかな色使いで清潔が保たれています。特に冬場の換気に配慮しています。館内・フロア・トイレはシルバー人材サービスが週3回、作業室は利用者と職員が毎日作業終了後清掃しています。


B 年1回の健康診断実施、月1回の嘱託医の回診やクリニックと連携を図るなど、健康管理を行い利用者等の相談に応じています。看護師は毎日2名体制で毎日又は必要時にバイタルの計測、爪や皮膚の処置、服薬管理などをしています。家族の相談で皮膚科受診や便秘の服薬調整などのアドバイスもしています。また精神科の通院同行をし、専門医に相談し支援に繋げ、支援員としても利用者と関わり生活全般を見ています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

@ BSP(事業継続計画)を現在作成しています。火災や地震などの災害に備え、発電機やパソコンのバッテリーを購入し、3日分の食料の備蓄などを行っています。ノロウイルスやインフルエンザなどの感染症の対策は、看護師が利用者に注意するように口頭で説明したり、文書で貼りだすなど注意喚起をしています。侵入者対策としては警備会社のセキュリティシステムを導入し、玄関や事務室には防犯カメラを設置しています。


A みんなの声ボックス「みみのはこ」を活用しています。毎週実施する利用者との「ミーティング」、アセスメントに基づく個別支援計画等で本人の意思・要望を聞いて、本人の出来ることを行えるような支援を提供しています。職員は「利用者の強みで伸ばしていきたいと思うところ」を聞き取り、伸ばす支援内容を共有し取り組んでいます。


B 毎週金曜日に利用者と職員で「ミーティング」を行い、職員からは情報提供を行うとともに利用者からの意見を聞いています。利用者アンケートを定期的に行い、旅行で行きたいところや給食の好み、フリープログラムの内容などの意見を聞いています。職員には意向調査を実施し、職場配置希望などを把握し、必要時応じて所長が個別面談を行い確認しています。

4 地域との交流・連携

@ 地域包括支援センターや地区社会福祉協議会と連携をとり、地域の情報を把握しています。地域の福祉ショップでハーブティやシフォンケーキを販売し、利用者も職員と販売に参加して地域交流をしています。生活介護事業所連絡会や福祉ショップ運営委員会に定期的に参加し、障がい者の工賃アップに取組み、地域福祉の情報把握に努めています。


A 事業団のイベント、市主催の研修や講演会の案内などの情報を玄関横や廊下のボードに掲示しています。情報を提供することで、個人個人の必要な用件に自主的に参加できるよう促しています。職員が地域づくり推進会議などに参加し情報を繋げたり、また包括支援センターや他事業所等とも連携を図り、情報交換をしています。


B 事業所内の一角に設けている「カフェ」では、軽食と飲み物を提供し、他法人や地域の人、高齢者、障がい者の製品の展示や販売も行っています。利用者は生地をこねるなど調理の手伝い、製作したビーズやハーブティなどの販売を職員と共に行っています。店内は子育て中の方や高齢者など地域の人々が昼食や団欒、テイクアウトなどに利用しています。利用者自らが地域のスーパーやコンビニでの買い物行い、地域と顔見知りの関係作り行っています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

@ 法人の理念は事務室の職員が目につくところに掲示し、読み合わせを行い職員に周知しています。3ヵ月に1回家族懇談会を食堂で開催し、管理者から事業所の様子や方針などを説明しています。毎週金曜日に利用者と職員で「ミーティング」を行い、給食や旅行、工賃などの話し合いを行い、職員から事業所の方針などを伝えています。


A 所長・課長会議は毎日行い、非常勤の採用や行事の職員配置など運営に関することを検討し決定しています。月1回開催する常勤会議では、プログラムの内容などを決定しています。所長・課長会議や常勤会議で決定した内容は、職員が全員参加する職員会議で伝えています。職員会義の内容は議事録にまとめ回覧し、参加出来なかった職員も見て確認し、共有しています。


B 火災や地震などの災害に備え、発電機やパソコンのバッテリーを購入し、3日分の食料の備蓄などを行っています。ノロウイルスやインフルエンザなどの感染症の対策は、看護師が利用者に注意するように口頭で説明し、文書で貼りだし注意喚起をしています。他事業所の事故事例を事務室に貼って職員間で共有し事故防止に努めています。

6 職員の資質向上の促進

@ 職員の意向調査を実施し、職場配置などの希望を聞いています。管理者が個別面談をして意向を聞いて本部に伝えています。法人にキャリアパス制度がありますが、職員周知は不十分です。法人が年2回実施しているチャレンジシートの自己評価を基に個人面談を行い、個人の目標に合わせた評価を行っています。


A 事業所内では、ビデオ研修や外部講師を呼んで、ロールプレイによる虐待研修、救命救急研修などを実施しています。法人では階層別と共通の研修を実施し、パソコンから情報を把握出来るようになっています。担当研修や共通研修で希望する研修には積極的に参加出来るように配慮しています。業務は自主製品や受注製品の部署や行事プログラム担当など職員が役割分担し、リーダー制にしています。職員会議でリーダーから企画を出したり報告を行ったり、リーダーとしての自主性を育てています。


B 勤務表は課長が作成して、希望の有給が取れるように配慮しています。休憩時間も取り、残業も少なくし働きやすい職場つくりに取組んでいます。毎年4月には新人歓迎会、夏には暑気払い、年末には忘年会などを職員が持ち回りで企画し実施しています。職員間のコミュニケーションを図り、良好な人間関係を築いています。

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