かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

うめのき保育園(2回目受審)

対象事業所名 うめのき保育園(2回目受審)
経営主体(法人等) 社会福祉法人 川崎市社会福祉事業団
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 213 - 0032
高津区久地3-13-1
tel:044-829-1830
設立年月日 2012(平成24)年04月01日
公表年月 2018(平成30)年12月 〜
使用評価項目 川崎市版
評価機関名 株式会社フィールズ
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

<施設の概要・特徴>
 
うめのき保育園は、JR南武線久地駅から歩いて12分ほどの、川崎市立久地小学校の隣にあります。近くには、自然豊かな公園が複数あり、子どもたちの散歩コースにもなっています。
 うめのき保育園は、平成24年(2012年)4月、社会福祉法人川崎市社会福祉事業団によって開設されました。運営法人は、保育園のほかに障害児施設、高齢者施設などを幅広く運営しています。定員は120名(5か月〜就学前)、開園時間は7時から20時です。
 園舎は鉄骨造り3階建ての1、2階部分を使用しており、日当たりがよく明るい空間が広がっています。広々とした園庭のほかに、ウッドテラス、屋上があります。屋上の一角には、乳児・幼児それぞれの畑もあり様々な作物の栽培を行っています。また、地域子育て支援センターを併設しています。
 保育理念として「子どもの人権の尊重及び子どもの権利保障」「子どもの健全な発達保障」「地域における子育て支援の社会的役割の実施」、保育目標として「心も体も健康な子ども」「友だちと一緒に楽しく遊べる子ども」「自分の思いや考えを豊かに表現できる子ども」「楽しく食べる子ども」を掲げています。
 
<特によいと思う点>

1.子どもの興味や関心を大切に、子どもが主体的に活動できるよう支援しています

 園は、子どものやりたい気持ち、表現したい気持ちを大切に保育を展開しています。保育士は、日々の子どもとの関わりの中から、子どもの興味や関心、意見などを把握し、生かすよう取り組んでいます。子どもが冒険に興味を持ったことから行事のテーマを海賊にするなど、行事や活動に反映しています。
 保育室も子どもの発達段階や興味、関心にあわせて環境構成をし、子どもが自分で好きな遊びを選び、発展させられるよう働きかけています。このような働きかけのもと、子どもたちはのびのびと自分を表現し、園生活を楽しんでいます。


2.異なる職種の職員が連携し、子どもが様々な経験を積めるよう支援しています

 月間指導計画は、乳児・幼児会議で話し合って作成し、職員会議で共有しています。乳児・幼児会議には、保育士だけでなく看護師・栄養士も参加し、専門的な視点から意見を出しています。食育では、子どもたちに人気の絵本や紙芝居に出てくるものをクッキングで作るなどしています。看護師による健康集会では、歯磨きや手洗い、危険予知などの指導を取り上げています。
 異なる職種の職員が連携して取り組むことで、子どもの生活の幅を広げ、子どもが楽しみながら生きる力を育めるよう支援しています。


3.併設の地域子育てセンターと連携し、地域の子育て支援に積極的に取り組んでいます

 園は、保育理念に「地域における子育て支援」を掲げ、積極的に取り組んでいます。園の育児支援としては、園庭開放を毎週水曜日と月1回午後に実施しています。保育園の活動と給食が親子で体験できる「うめのきランド」も計画的に実施しています。
 年5回ほど移動動物園や体操教室などの地域活動事業を実施し、地域の子育て家庭を園に招待するほか、父親学級を年間4回実施しています。また、併設する地域子育て支援センターと連携し、一時保育、子育てに関する講座、育児相談、出張保育など様々な支援に取り組んでいます。


<さらなる改善が望まれる点>

1.職員の意識統一の徹底とリーダー層の育成に向けて、保育技術の向上の取組を継続することが期待されます

 園では、職員の育成に力を入れ、各種研修に職員が参加しています。また、園が現在課題と考えていることを研修テーマにグループに分かれて担当しており、成果が保育室の環境構成などに生かされています。
 現在、異動などにより比較的経験年数の浅い職員が多い状況にあり課題意識を持ち解決の糸口を切り開く力を持つ職員の育成、リーダー層の育成を課題と捉えています。保護者応対などへの再認識を徹底し、今後も保育技術の向上に向けた取組を継続し、職員の育成を図っていくことが期待されます。


2.検討中の全体的な計画(保育課程)の見直しを進めていくことが期待されます
 園は、運営法人の6園共通の全体的な計画(保育課程)を基本に、全体会議で子どもや家庭の状況、地域性などを考慮し、園としての全体的な計画を作成しています。全体的な計画は、擁護(生命の保持、情緒の安定)教育(健康、人間関係、環境、言葉、表現)の各項目に分けて、年齢・発達に応じたねらいと内容が記載されています。
 園としても課題ととらえ、運営法人の園長会で検討をしていますが、目指す子どもの姿が具体的に明示されておらず、今後の取組が期待されます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

@ 保育理念に「子どもの人権の尊重及び子どもの権利の保障」を掲げ、保育士は子どもの気持ちに共感する言葉がけや支援を行い、否定的な言葉は使わないように心がけています。全職員に「川崎市子どもの権利条例」を配付し、人権に関する研修を実施するとともに、折に触れて職員会議などで取り上げ、園長が子どもの気持ちを尊重する保育について具体例をあげて確認しています。また、保育士は「人権に関する自己点検」を用いて振り返りをし、職員間で確認しています。

A 虐待防止マニュアルを整備し、虐待の早期発見と対応に努めています。必要に応じて、児童相談所や高津区役所などの関係機関と連携する体制ができています。 受入れ時の子どもの視診や、看護師による視診等を徹底し、子どもの小さな変化にも気づけるようにしています。また、保護者とコミュニケーションを密にし、必要に応じて相談にのるなどしています。

B 「個人情報保護基本方針」を定め、保育園が取り扱う個人情報やその利用目的について、入園時に保護者に説明し、同意書を得ています。児童票など個人情報の書類は、事務室の鍵のかかる書庫に保管しています。子どもの写真の掲載など、個人情報を使用する必要が生じた場合には、必ず全ての保護者の同意を得るようにしています。職員および実習生などからは守秘義務に関する誓約書を取り、会議やオリエンテーションで周知を図って個人情報の漏洩を防止しています。体験学習の生徒には、学校側からも指導してもらっています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

@ 年に1回、運営法人による「利用者満足度調査アンケート」を実施するとともに、クラス懇談会、保育参観・参加、個人面談などで、保護者の意見や要望を聞き取っています。保護者から寄せられた意見や要望、苦情などは、職員会議で報告し、改善策や対応について話し合っています。検討結果は、園だよりなどで保護者にフィードバックしています。

A 保育目標に「友だちと一緒に楽しく遊べる子ども」「人の話をよく聞き、思いや考えを豊かに表現できる子ども」を掲げ、子どものやりたい気持ちや表現したい気持ちを大切に保育しています。保育士が子どもの興味や意見を引き出し、活動や行事の取組に反映したり、誕生会や会食などに取り入れたりしています。保育室は、子どもの年齢や成長、興味や関心にあわせて見直しをし、子どもが主体的に遊べるよう環境設定をしています。子どもが自分で選べるよう乳児クラスのおもちゃ箱を斜めに配置するなど、様々な工夫が見られます。

B 運動指導や体操教室、太鼓、楽器遊び、童歌、リトミックなどを年齢や発達に応じて取り入れ、子どもが楽しみながら身体を動かし、豊かな感性や情緒を養えるようにしています。保育士が子どもの表現を認め、いろいろな表現があることを知らせることで、友だちの表現を受け入れ、評価する力が育っています。また、目的に合わせて行き先を決め、近隣の散歩に出かけています。異年齢での散歩では、一緒にゲームをしたり、落ち葉や木の実を一緒に集めたりして、異年齢で触れ合う機会となっています。

C 「みえる保育」を意識し、保護者に積極的に情報提供しています。保育説明会やクラス懇談会(年2回)などで園の方針を分かりやすく説明するとともに、園だより、クラスだより、健康だより、給食だより、食育だよりなどを定期的に発行し、園の方針や保育の内容、日常の子どもの姿などを丁寧に伝えています。送迎時には、保護者と会話をし直接子どもの様子を伝え、保護者の意見や要望を聞いています。また、行事や食育、日常の保育活動の様子やの子どもの姿を写真に撮り、その日のうちに園内に掲示しています。

D 保育目標に「楽しく食べる子ども」を掲げ、食育に力を入れて取り組んでいます。乳児・幼児それぞれの畑があり、野菜を育て、収穫して、調理して食べています。絵本を読んで、それに出てきたホットケーキやサンドイッチを作るなど、子どもが親しんだ絵本や紙芝居と連動する取組もしています。季節ごとの行事に合わせた行事食を提供し、食文化について保育士が伝えています。0〜3歳児は各保育室で、4・5歳児はランチルームで落ち着いて食事をし、年齢や発達に合わせて食事のマナーが身につくようにしています。

E 看護師が健康集会などで子どもに対し保健指導や危険予知指導を実施しています。模型やペープサートを用いての虫歯の話をしたり、歯垢染色を行いながら、子どもに分かりやすく歯磨き指導をしています。また、蛍光ローションを用いてブラックライトで照らし、洗い残しの確認を行う手洗い保健指導もしています。年長児に対しては、聴診器で心音を聞かせることで命の大切さを感じられるようにしたり、デリケートゾーンの話をしたりし、自分を大切に思えるようにしています。健康集会の様子は保護者にも伝えています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

@ 運営法人のホームページやパンフレットで園の情報を提供するとともに、見学者を随時受け付け、質問や相談に応じています。入園説明会および4月の全園児対象の保育内容説明会で、保育内容や緊急時の対応、約束事、料金などについて説明しています。事業計画等を説明するときには、分かりやすくまとめた資料を用意し保護者の理解が深まるようにしています。入園時には、子どもの状況や保護者の就労状況に合わせて慣らし保育を実施し、子どもが少しずつ家庭から園生活のリズムに移行できるようにしています。

A 子どもの状況や地域性などを考慮して職員会議で話し合い、全体の計画(保育課程)を作成し、それを基に、クラスごとの年間、月間、週間、日案の指導計画を作成しています。0・1・2歳児および障害児については、個別指導計画を作成しています。また、年齢に応じた食育計画、健康計画を作成しています。月案は、月末の乳児・幼児会議もしくは職員会議で、年間指導計画は4期に分けて反省・評価をし全体会議で話し合い、見直しています。指導計画の話し合いには、看護師、栄養士も参加し、その専門性を計画作成に生かしています。

B 運営や業務に関する各種マニュアルを職員間で分担して作成し、事務室および各クラスに置き、いつでも確認できるようにしています。マニュアルは年度初めに見直し改訂版を作成しています。見直しには職員の気づきや提案も取り入れています。避難訓練を毎月実施していて、保護者をまじえた訓練や緊急避難先である久地小学校への避難訓練も年2回実施しています。怪我や事故が発生した場合には、事故発生報告書を作成し、会議で内容を周知し再発防止について話し合っています。ヒヤリハットについても報告書を作成し検討しています。

C 苦情受付担当や苦情解決責任者及び第三者委員を設置しており、玄関に掲示しています。苦情受付ご意見箱(うめのきボイス)を設置し、随時受け付けています。要望・苦情に対しては速やかに対応し、保護者と面談するなど、解決に向けて説明しています。

4 地域との交流・連携

@ 園の情報は市のホームページや、園内の地域子育て支援センターのブログで見ることができます。地域活動事業への参加を近隣住民に呼び掛け、園見学も随時受け付けています。園の掲示板には行事のお知らせや健康だより、食育だよりを掲載しています。中学生の職業体験を積極的に受け入れています。保育士体験・実習生・ボランティアなどの受入れのマニュアルを定め、言葉遣いや子どもへの接し方、守秘義務についてオリエンテーションを実施しています。ボランティアが来ることは、保護者とクラスの子どもたちに事前に知らせています。

A 園庭開放を毎週水曜日と月1回午後に実施しています。「あおぞら保育」と名付けた午後の園庭開放では、一時保育の子どもなどが園児と一緒に保育のプログラムに参加しています。保育園の活動と給食が親子で体験できる「うめのきランド」も計画的に実施しています。年5回ほど移動動物園や体操教室などの地域活動事業を実施して地域の子育て家庭を園に招待しています。父親学級を年間4回実施しています。地域子育て支援センターと連携して、一時保育、子育てに関する講座、育児相談、出張保育を行っています。

B 隣接する久地小学校の施設開放委員会に出席しています。幼保小連絡会議や区の保育所等地域連携担当者が開催する年長担当者会議には年長の担任が出席し、就学に向けた情報を入手しています。高津区主催の園長・栄養士・看護師・施設長補佐の連絡会に毎回参加しています。社会福祉協議会が主催する「地域生活支援SOS川崎事業」の連携会議で、高齢や障害など地域の他専門分野の担当者とも連携を図っています。地域療育センターや児童相談所等と連携し、要保護児童対策地域協議会に参加して、虐待防止などに向けて取り組んでいます。

5 運営上の透明性の確保と継続性

@ 毎年事業計画で重点目標を定め、今年度の達成状況を翌年度の計画に反映させています。保育環境については保育研究プロジェクトが研究発表した根拠に基づき、保育の視点で整備の必要性を予算要求に生かしています。コット(簡易ベッド)整備など複数年におよぶ場合は、一部導入の時点で効果を検証した後に順次に整備を進めています。食育の推進、BCPを見据えたマニュアル、地域の子育て支援などの重点目標や事業計画の各業務については担当者やチームを決めて分担することで、各職員が意識を持って計画的に取り組んでいます。

A 職員全員で保育の質の向上に取り組むために、園が現在課題と考えていることを研修テーマにし、そのテーマをグループで担当しています。昨年度は、3つのテーマを取り上げ、それぞれに職員を6〜7名ずつ配置しました。各グループは月に1回程度会議を開いて課題に取り組み、10月に中間報告、12月にまとめの報告を職員全員に向けて行いました。さらにその中の1グループが法人の6園合同研修発表会で発表し、法人内の全園で取り組み内容を共有しました。今年もこの方法で新たな課題に取り組んでいます。

B 運営法人がまとめた毎月の試算表で経営状況の把握と分析を行い、分析結果や改善事項について職員に説明しています。光熱費や水道、備品代などの支出を前年と比較したりしながら、無駄をなくすよう努めています。設備・備品の長寿命化を心がけ、教材や備品の購入に際しては、職員全体で商品と価格の調査を行い、低価格で良いものが買えるよう取り組んでいます。また、総予算及び水遊びや玩具や絵本などの各保育活動に当てられるクラスごとの年間予算について全体会議で説明し、計画的かつ効率的な支出を職員に呼び掛けています。

6 職員の資質向上の促進

@ 正規職員としてクラス担任、看護師・栄養士、さらに事務職員を配置して業務の役割分担を明確にしています。クラスを持たず、必要に応じて発達が気になる子どもへの支援や援助を行う職員もいます。人事考課制度があり、職員は個人・チーム・役割の各業務目標を目標管理シート・業務管理シートに記入し、園長、副園長と面談をしています。目標の達成度によって評価・報酬・昇格が連動します。非正規職員の内部登用制度もあります。実習生受け入れでは、養成校側との連携に努め、プレ実習という1〜2日の体験実習も行っています。

A 職務基準に基づいた運営法人の研修計画があり、職員を6階層に分けて研修内容を一覧表で示しています。運営法人の研修計画に基づいて園の研修計画を作成しています。基本の研修はキャリアアップに向けての「スキルアップ研修」で、外部研修を各職員のキャリアパスに合わせて割り当てています。法人研修、スキルアップ研修以外には、社会福祉協議会の研修、高津区保育士研修、6園全体の合同研修などに職員が参加しています。園内の研修も行っており、講師を招いて行うものと、グループに分かれて取り組むものがあります。

B 園長は職員の日々のシフト勤務や時間外勤務が過重労働にならないようチェックし、必要があればシフト変更も可としています。毎月有給休暇や振替休暇の希望を聞いてからシフト表を作成しています。年に1回、全職員が健康診断を受けています。また、対象者や希望者に腰痛健康診断を実施しています。運営法人で年に1回ストレスチェックを行い、ストレス度の高い職員に対しては面談を行っています。職員間の親交を深められるよう、夏祭りや運動会などの行事の前後や年度末などに親睦会や慰労会を開催しています。

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