かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

光海学園

対象事業所名 光海学園
経営主体(法人等) 社会福祉法人永耕会
対象サービス 障害分野 障害児入所支援
事業所住所等 〒 250 - 0203
小田原市曽我岸148番地
tel:0465-42-1639
設立年月日 1954年07月01日
公表年月 2018(平成30)年12月 〜
使用評価項目 評価機関独自版
評価機関名 公益社団法人 神奈川県社会福祉士会
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)
○事業所の概要
 光海学園は、JR東海道線国府津駅から御殿場線に乗り換え、下曽我駅で下車徒歩5分程度の閑静な住宅街にある。財団法人積善会が昭和29年7月に開設した児童福祉法に基づく指定障害児入所施設である。18歳未満の知的障害者の入所を対象にしている。入所定員は30名で、平成30年6月1日現在の入所者は男性17名、女性12名の合計29名である。
 「児童一人ひとりの人権を尊重します」「児童一人ひとりの個性やニーズにあった支援をします」「児童一人ひとりに耳を傾けます」「児童一人ひとりが安心して送れる生活を支援します」「児童一人ひとりが毎日元気に、楽しく学校に通えるように支援します」を施設の理念に掲げている。「明るく・楽しく・のびのびと」を施設運営のモットーにして、職員は施設で生活している子どもたちが楽しく社会のなかで生活していかれるように日々の生活を見守っている。
○優れている点:
@関係機関と連携し児童が日々の生活を元気に送れるように支援している。
 のびのびとした雰囲気の中に児童の笑顔がある。施設の理念に、児童一人ひとりが毎日元気に楽しく、学校に通えるように支援することを掲げている。職員は子どもたちとの信頼関係を大切にし、子ども達とともに笑い、表情豊かな毎日を子どもたちが送ることができるように見守っている。児童はそれぞれが特別支援学校、小・中学校に通っている。職員は一人ひとりの学校行事や連絡事項に細かく目を通している。29名の入所児童のうち23名が家族の療育に課題があるなどによる措置入所者である。正月も半数以上が家族のもとに帰らず施設で過ごしている。全員が療育手帳を所持している。児童相談所と連携し、職員は児童たちが安心して笑顔で過ごせる環境づくりに努めている
A納涼祭などの季節行事に積極的に取り組んでいる。
児童は納涼祭や秋の旅行、クリスマス会など季節ごとの行事に積極的に参加している。納涼祭は光海学園主催の一年で最も盛大なお祭りである。光海学園の卒業生が集まり同窓会となる。施設の芝生に櫓をたてて、盆踊りを楽しむ。地域のボランティアの協力で模擬店を出店し雰囲気を盛り上げている。毎年11月にはディズニーランドや箱根など全員参加の一泊旅行がある。また、年一回学園遠足を実施し、昨年11月は大型バス2台で、児童と職員の全員、保護者15人が参加し相模湖での一日を楽しんだ。外出レクリエーションのイベントでは、東京観光、野球や相撲のスポーツ観戦など児童の希望を尊重し出かけている。また、児童は地域の行事に積極的に参加している。みんなのつどい(県西地区運動会)に参加し、今年は光海学園の児童4人がみんなの前で開会式の選手宣誓を行った。
B児童が食事に興味を持ち、食事時間が楽しくなるように工夫している。
 一人ひとりの児童に合った食事を提供している。食事形態は一口大、刻み、ミキサー食、低カロリー食等である。法人直営の厨房を有し、食材の確保から調理、食事提供まで行っている。 栄養士を配置し児童の食事状況の把握に努めている。食事の盛り付けを小盛・普通盛・大盛に調整している。育ち盛りの児童は自由にお代わりをしている。児童の食事風景は笑顔にあふれ明るい雰囲気である。学期のはじめは「はじめよう会」と称して児童たちが協力して食事作りをしている。1学期はハヤシライスを全員で作り食事を楽しんだ。期末は「おさめよう会」と称してみんなで外食し、前回はしゃぶしゃぶと焼肉の食べ放題に児童全員が参加した。毎年11月に小田原司厨士会のコックが施設を訪問し、おいしいディナーの提供がある。この活動は42年も続いている。児童はきれいに盛付けされた多くのご馳走に大喜びである。
○改善すべき事項
@食事支援、排泄支援、入浴支援、健康管理等の生活支援マニュアルを整備し、個々の児童の障害特性等に配慮したサービスの標準化への取り組みが期待される。
A年に1回程度、施設独自にサービス課題の評価項目を定め、施設サービスの自己評価を行い、サービス改善に活かす取り組みが望まれる。
Bアセスメントから個別支援計画作成、モニタリング及び個別支援計画に沿った支援の日々の記録に関するガイドラインを整備し、ケアマネジメントの標準化の取り組みが期待される。
C児童の人権擁護に積極的に取り組んでいる状況がうかがえるが、異性介助をなくす取り組みや呼称問題への取り組み等一層の配慮と職員意識の強化が期待される。
評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重 〇職員は、定期的に自身の人権意識について「人権チェックシート」を用いて振り返り、「できていない」と回答した職員には園長が個別に聞き取りし、人権への意識を高めるようにしている。
〇職員は、児童相談所の研修で支援の在り方や入所している子供の自己肯定感が乏しいことを学び、いかに自信を持ってもらうかが大切であることを学んでいる。
〇職員それぞれの考え方があり、呼称については、統一した呼び方にはなっていない。小学生に対して、呼び捨て、あだ名、ちゃん、くん等で呼ぶことなどがある。職員会議でも問題となり、学園としても改善の必要性を認識している。
〇KWネット(県西地区障害者施設・権利擁護ネットワーク)オンブズマンの方は、お祭りやクリスマス会等の時に来てこどもと一緒に昼食を食べている。必要に応じて児童との個別面接を実施している。
〇同性介助が基本だが、職員配置の関係で、夜と早朝は異性介助になることがある。男女合同の場面が多かったが、日中活動を男女分離して行う時間を作ったことで、落ち着いた環境で日中活動ができるようになっている。
〇永耕会倫理綱領を掲示し職員に周知している。人権研修(年4回)、人権チェックシートを実施し、職員の人権意識の強化を図っている。周知徹底については課題意識を持って取り組んでいる。永耕会虐待・人権侵害事案発生時の対応マニュアルを作成し、虐待事案発生時の職員の行動手順、通報者の保護等について規定してい
る。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 〇職員は、児童の一人ひとりの支援ニーズを探るために、声掛けをできるだけ多く行い、「応援したい」という気持ちを本人に伝え続けることを心がけている。日々の健康管理や排泄支援、元気がなくて部屋にばかりいて出てこないといった本人の生活状況に配慮し、学校での生活はどうかを確認し児童への最適な支援に努めている。
〇家族面談で要望を把握し、また、家族に個別支援計画評価表を送付した際、評価表の中に家族の希望欄があり要望の把握に努めている。
〇利用者の良い所を見つけるようにしている。職員は、1日に一つ子供の良い所を見つけ、お礼を言ったり褒めたりすることで児童のエンパワーメントの強化を図っている。
〇通っている学校とは、連絡帳を毎日やり取りすることで情報交換や連絡事項の確認を行っている。児童相談所とは年4回の研修を通して交流し、必要に応じて相談や支援をお願いしている。
〇重度の子供にも、何度も繰り返し個別支援計画の内容について伝え、頑張った時には職員の嬉しい思いを伝えている。出来たらその上のステップを目指すよう促している。
〇本人に個別支援計画の内容を説明し同意を得ている。家族は、面会時に同意を得ている。家族が来ない場合は、電話をした上で、評価表、個別支援計画を郵送し同意を得ている。返送の際、評価表の家族の意見欄に記入してもらうようにしている。
〇個別支援計画は、年度はじめと年度半ばに利用者の各担当職員が作成している。策定にあたり評価表に基づいて評価を行い見直している。評価表は、日常生活動作、性格・行動及び健康管理に関する記述項目があり、利用者一人ひとりのサービス支援のニーズを明記している。
3 サービスマネジメントシステムの確立 〇苦情受付担当者は支援部長で、苦情受付責任者は園長である。苦情受付ポストは玄関を入口のロビーに設置しているが、利用は全くない状態である。苦情があった場合は、直近の職員会議にて報告している。
〇事故報告書、ヒヤリハット報告書の書式を定め職員に周知している。ヒヤリハットが起きた場合は、報告書にまとめ職員会議に報告しファイルに保管している。ヒヤリハットの報告書の提出は少なく、積極的に活用し事故防止に次ぐ取り組みが期待される。
〇寮内は清掃が行き届き、清潔な環境が保たれている。毎日、清掃担業者が食堂、居室、浴室、トイレなど園内の清掃を行っている。そのほか、食堂は食事のあと、居室やトイレは汚れたら支援担当職員が掃除している。
〇感染症対応マニュアルを作成し、感染症に対する基本的な考え方や、感染症発症後の対応について記述している。嘔吐物の処理については、ポスターを掲示している。マニュアルは職員会議で周知してスタッフルームに設置している。
〇救急時の対応や、連絡の手順などを記した救急時対応マニュアルを整備し、職員会議などで全職員に周知し、スタッフルームに設置している。関係医療機関の連絡先等を記載している。年2回法人主催の医療委員会があり、救急対応について検討している。救急時には速やかに保護者に連絡を行い、当日のケース記録と事故報告書に記載している。事故報告書は部長、園長が確認し、担当者と話し合い職員会議で再発防止について話し合っている。
〇消防、防災、地震発生時の行動指針、災害発生時の職員の緊急出勤、風水害、不審者進入時の対応について、法人の防災委員会が中心となり、マニュアルを作成している。年12回、火災・地震を想定して避難訓練を行っている。その中で年1回は不審者対応訓練、風水害対応訓練、消防署より講師を招いての救急対応訓練を実施し、3月には永耕園と合同で炊き出し訓練も行っている。
4 地域との交流・連携 〇毎年、年度初めに園長が近隣の看護学生対象にボランティアを募っている。主な内容は朝7時30分から8時30分の間の子ども達の整容、歯磨き、登校準備など有償で実施している。夏まつり、永耕祭、クリスマス会では、準備、出店の売り子や利用者の引率のため、主に実習生を対象にボランティアを募集している。
〇年4回、縫い物ボランティアの日があり、利用者が学校で使用する雑巾や巾着袋などの縫い物を依頼している。また、年1回小田原厨房士会よりディナーの奉仕がある。ボランティア開始にあたり、実習受け入れ担当者より守秘義務や注意事項などについて説明している。
〇地域の方を招待するイベントとして、学園主催の夏祭り、学園も参加している永耕会主催の永耕祭がある。事前に近隣の学校、出入りしている業者、駅や自治会にポスターを配付して案内している。夏祭りは、おにぎり、焼きそばなどの出店のほか、ゲームコーナーや盆踊りがあり、近隣住民が50名ほど参加している。永耕祭にも学園の子どもたちが出店をしており、近隣住民が100名ほど参加している。
〇曽我岸自治会及び子ども会に加入し総会に出席している。自治会主催の夏まつりでは神輿の休憩所として、場所を提供している。
5 運営上の透明性の確保と継続性 〇ホームページに光海学園の理念や基本方針を掲載し、広く一般に施設運営の考え方について開示している。また、施設の各種の行事を写真入りで詳細に説明し、施設での児童の活動についてわかりやすく説明している。また、法人の倫理綱領を掲載し、職員が知的障害者を支援する専門的役割を自覚し、確固たる倫理観を持って利用者支援にあたることをホームページに明記している。
〇県西地区文化事業(作品展)に参加して、展示ブースに施設の紹介パネルを掲示し、地域の方々に施設を知ってもらう取り組みをしている。施設の紹介パネルは、学園の夏まつりでも展示している。
〇年4回程度全職員が人権チェックリストを記載している。利用者に対する人権配慮のほか、職員同士のコミュニケーションについても設問があり職員の精神面の体調管理について注意を喚起している。チェックの結果を園長が取りまとめ、必要に応じて職員との面談を実施している。
〇施設サービスの定期的自己評価は実施していない。年に1回程度、施設サービスの実践の状況を評価しサービスの改善に活かす取り組みが期待される。評価項目は第三者評価項目の他に施設独自の課題に沿った項目を選定し実施することが期待される。
6 職員の資質向上の促進 〇法人の服務規程、職員倫理綱領、園長としての運営方針を整備している。理念、方針については、年度初めの職員会議で園長が説明し職員に周知している。また、ニュースなどで不適切な行動についての報道がある都度に、職員会議などで話し合いを行い注意を喚起している。年2回行われる法人主催の人権研修でも繰り返し説明を行い周知している。
〇社会福祉協議会、神奈川県知的障害者施設協会などが主催する障がいの理解や支援に関する研修など、年間3回程度外部研修を受講している。外部研修に参加した際は、職員会議において報告をするとともに、研修報告書に研修の内容及び所感を記載し閲覧できるようにしている。
〇基本的な援助態度習得のために、学園内部の研修として年4回児童相談所との合同研修を実施している。毎回子どもたちへのアンケート結果をもとに児童相談所からアドバイスをもらっている。
〇法人研修として、年度初めに新任研修を行うほか、年度半ばと年度末に人権研修を行っている。7月と2月には、外部より講師を招き、支援方法、虐待防止などテーマを設けて研修を実施している。
〇実習の受け入れにあたり、実習生受け入れ担当職員を配置している。実習に当たり事前にオリエンテーションを行い、施設概要、守秘義務、子どもと関わるにあたっての留意事項などについて説明している。日々の指導は、指導要領に基づき、指導担当職員が行っている。毎日指導担当職員と振り返りの時間を持ち、最終日には園長が参加し反省会を行い、実習生アンケートを実施している。昨年度は保育関係の学校13校より30名ほどの実習生を受け入れている。

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