かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

さくらの木保育園

対象事業所名 さくらの木保育園
経営主体(法人等) 社会福祉法人 川崎市社会福祉事業団
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 211 - 0041
中原区下小田中1-11-1
tel:044-766-6001
設立年月日 2017(平成29)年04月01日
公表年月 2018(平成30)年12月 〜
使用評価項目 川崎市版
評価機関名 株式会社フィールズ
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

<施設の概要・特徴>

 さくらの木保育園は平成18年4月に川崎市小田中保育園の指定管理となり、平成29年4月には民間移管され現在の名称に変わりました。従来から管理運営を行い実績を積んでいた社会福祉法人川崎市社会福祉業団が運営する保育園です。園の名前は、保護者、在籍職員の意見も聞き、園庭にある大きく歴史のあるさくらの木を基にして命名されました。
 園は、JR南武線武蔵中原駅から徒歩10分ほどの、静かな住宅地の中にあります。近隣住民の方々からもご理解・ご協力を受け、明るい子どもたちの声が地域との懸け橋となり地域の方々と支え合い園運営を行っています。
 園の保育目標は「心も体も健康な子ども」「友だちと一緒に遊べる子ども」「自分の思いや考えを豊かに表現できる子ども」「楽しく食べる子ども」を掲げています。園長・副園長を中心に職員が笑顔を絶やさず、子どもたちを優しく包み込んで過ごしています。


<特によいと思う点>

1.子どもの意見を大切にし、対応・実践することに努めています

 保育方針「一人ひとりを大切にし、子どもの心や意欲を育てる保育をする。」を実践し、子どもに向き合う視点を大切にして保育を行っています。また、川崎市の基本理念「子どもたちの笑顔あふれるまち・かわさき」「ガイドブック」などを活用しています。地元の公立保育園と園の職員全員が参加した勉強会(年3回)を、保育に活かしています。
 来園者にダンスを披露したいなど、子どもの希望を取り入れています。常に子どもの気持ちを大切にした保育が実践され、子どもたちは自己を表現してのびのびと園生活を楽しんでいます。


2.地域支援を継続して、地域との交流・連携が軌道に乗っています

 園の専門性を発揮し、様々な地域支援を行っています。0歳児親子を対象におだっこ広場(月2回)、1歳半〜未就園児を対象にした遊びのさくらっこ広場(月1回)、そして中原区の協力のもとに3ヶ月〜5ヶ月までの親子を対象にしたベビーミミケロひろばを行っています。また、地域子育てサークル(年3回)、出張保育・JAサロン(年12回)も行っています。散歩の際には、バギーにポスターを張り、PRするなど地域に呼びかけています。地域の方々の口コミも多くいただけるようになり、年々利用者も増え、定着しつつあります。


3.食事に関する取組を地域の協力を得て、保育士と栄養士が連携して行っています

 園では近くに借りた畑を利用して野菜の栽培をしています。子どもたちは水やりや収穫を体験しています。収穫した野菜は栄養士が子ども達の目の前で調理をして、献立に追加しています。
 栄養士は食品の種類や栄養などを説明しながら、調理の音やかおりを直接感じてもらうように配慮をして、食に対しての興味を持ってもらうよう努めています。
 栄養士は毎日各クラスの喫食状況を子どもに話しかけながら見て回り確認しています。毎月の給食会議で園長・保育士・栄養士・委託業者が栄養、調理形態や味などの見直しを行っています。


<さらなる改善が望まれる点>

1.ヒヤリハットデータの有効な活用

 園では怪我を恐れるあまり子どもの成長を抑えるような指導は避けたいと考えています。そのためにも、毎月1回安全点検チェック表による点検を実施して、この結果を踏まえて事故の未然防止策を検討しています。ヒヤリハットの記入についても保育の安全衛生面での職員の自己啓発を求めて、事故に至る可能性のある出来事を発見し数多くのヒヤリハットの記録で全職員が周知できるようにしています。
 今後は記録に基づいて年齢、時間帯、場所などを分析し、事故の未然防止に努めていかれることが期待されます。


2. 保護者への説明による理解の促進

 保護者などから園舎の建て替えについての不安の声が複数あります。園舎は耐震強度に問題がないことも園では確認しています。
 保護者の不安を取り除き安心して利用してもらうためにも、関係者と相談して、園からの説明などで状況を理解してもらうことが期待されます。


評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

@ 園の保育理念に「子どもの人権の尊重及び子どもの権利保障」を掲げ、基本方針の中にも「川崎市子どもの権利条例による子供の権利を守る保育園」を掲げています。子どもの主体性を大切に考え、一人ひとりの意志を尊重し、子どもが自分の意志で遊びを選択できるように努めてます。子どもの発達段階や興味に合わせ、遊具の入れ替えや配置を変えるなど、環境作りに配慮しています。

A 保育士は、一人ひとりの子どもの家庭環境や取り巻く環境の把握に努め、情報を共有しながら、担任だけでなく職員全体が一人の子どもに同じ理解で関われるように努めています。子どもを一人の人と見ることを前提に、意見や個性を受けとめ、子ども同士のケンカも単に謝ることで終わらせないよう、子どもの言い分を聞いて、自分たちで解決していけるよう、自律生活への支援をしています。運動会やお楽しみ会ではどういうものをやりたいか、子どもの気持ちを引き出すよう努めています。

B 虐待の防止、早期発見については、日頃から登園時や着替えの際に、子どもの身体の視診を丁寧に行っています。虐待にも色々なケースが考えられるため、身体的な部分だけでなく、服装や言葉遣いの変化などにも気をつけて見守っています。 気がかりな点が見受けられた場合は、保護者とコミュニケーションを図り、信頼関係を築きながら、改善に向けて取り組んでいます。児童相談所など関係機関と定期的に連絡を取り、早期発見や対応に取り組んでいます。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

@ 園の玄関には「みんなの声BOX」の意見箱を置き、無記名の書面で意見を受け付けています。年に1回「利用者満足度アンケート」を実施し、各行事の後にもアンケートを実施しています。アンケート結果は毎月発行している園だよりで保護者と共有しています。アンケートの収集結果から、園長・主任・行事担当職員が課題を抽出し検討をしています。保護者の意見も取り込み、新年度の行事に反映するよう努めています。

A 子どもの意見に共感し、その都度対応することに努めています。保護者の声を引き出し受け止めるために、保護者が話しやすい雰囲気となるように心がけています。日頃より送迎時の保護者には、できるだけ多く口頭で子どもの様子を伝え、保護者とのコミュニケーションを大切に捉えています。園長も保護者とのコミュニケーションづくりに努め、保育士に直接言いにくい事柄・要望などもも聞き取り対応するよう努めています。

B 登園時は、保育士が子どもの視診とともに、保護者から家庭での様子を聴き取っています。迎え時は「早遅伝達書類」に必要事項を記入し、引き継ぎを確実に行うように努めています。基本的な生活習慣の習得については、毎日の積み重ねで少しずつできるように、出来たことをほめて次のステップへとつなげています。一人ひとりの発達段階を見極め個別に進めています。午睡は眠くない時でも、横になって静かに過ごし身体を休めるように促しています。

C 保育時間が長くなるので延長保育については、子どもの体調や疲れに特に配慮をしています。「早遅番伝達書類」や毎月の会議で情報共有に努め、それぞれの子どもの状況を把握し、早朝や夕方の時間帯の過ごし方に反映させています。子どもたちが安全に遊べる環境を整えるために、乳児クラスと幼児クラスを分けて延長保育を行っています。延長保育は、縦割り保育で異年齢が楽しく過ごすために、遊びの種類を工夫し、遊具設定や保育環境を整えています。

D 園では近くに借りた畑を利用して野菜の栽培をしています。子ども達と水やりや収穫をし、収穫した野菜は献立に追加、栄養士が子ども達の目の前で調理と調理保育もしてます。アレルギー児対応食は、「食物アレルギーマニュアル」に従いの献立作成します。調理後は、複数回の確認をして配膳しています。健康診断は0・1歳児クラスは2ヶ月毎、2〜5歳児は年3〜4回、歯科健診は年2回実施しています。健診で指摘事項があった場合は、医療機関への受診を個別に呼びかけています。健診結果は保育計画の見直しなどに反映させています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

@ サービス開始時には重要事項説明書を基にサービス内容や料金、怪我や発熱などが発生した場合の対応なども含めて、具体的な説明を行っています。その上で「重要事項確認書」を作成、保護者と園が相互に確認します。入園時には「入園のしおり」、また毎年年度始には「保育内容説明会」資料が配布されています。平成30年度の保育内容説明会資料の冒頭には、ジーン・モデシットの「いいこってどんなこ?」が紹介され、保護者と具体的な話し合いが共通の基盤の上で行われています。

A 児童票ファイルには、入園時の面接記録、予防接種記録、家族状況、保護者との面接記録、入園後の観察個人記録、個人別指導計画(個人記録・効果と反省)健康診断記録、個人別発達状況表などがファイルされ、記録内容は最終的に園長が確認しています。記録は子どもの姿だけでなく保育士のかかわり方がわかるよう記載するように常に指導しています。管理すべき書類の提出が遅延した場合には、保育スケジュール見直しも含めて、個別の指導が行われ、適切な時期に適切な書類の提出ができるよう園として点検が行われています。

B 提供するサービスの基本事項・手順は、関係する職員が分担してマニュアルを作成しています。現時点でのマニュアルは35種類にまとめられています。各クラスに1冊保管し、かつ各職員にも関係するマニュアルを配布して、退職時には回収するルールもあります。例えば「健康管理マニュアル」については、看護師が研修も行い、徹底しています。保護者からは、行事の際に行うアンケート、職員会議での意見交換などを取り入れ、毎年2月末には職員が見直し検討会を行い、マニュアルの見直しを行います。

C 苦情解決の仕組みについては、法人の「苦情解決・相談実施要綱」に則り、苦情解決責任者、苦情・相談受付担当者を設置しています。園内掲示板にも「苦情受付窓口」の掲示をし、第三者委員や法人に直接苦情を申し出ることができる体制を整えています。

4 地域との交流・連携

@ 園見学は園長・副園長が可能な限り、受け入れを行っています。園庭開放は月曜〜金曜の午前中に、毎日行っています。事業所だより・園行事などは園掲示板に張り出しています。子どもたちが散歩に出かけるときのバギーにも、園行事を掲示して参加を呼び掛けています。園長・職員は来園する親子に、気楽に声掛けをしています。

A 園の専門性を発揮し、様々な地域支援を行っています。0歳児親子を対象におだっこ広場(月2回)、1歳半〜未就園児を対象にした遊びのさくらっこ広場(月1回)、そして中原区の協力のもとに3ヶ月〜5ヶ月までの親子を対象にしたベビーミミケロひろばを行っています。また、地域子育てサークル(年3回)、出張保育・JAサロン(年12回)も行っています。散歩の際には、バギーにポスターを張り、PRするなど地域に呼びかけています。地域の方々の口コミも多くいただけるようになり、年々利用者も増え、定着しつつあります。

B 地域の子育てサークルと連携した出張保育(年4回)を継続して行っていることは、地域から求められていることをあらわしています。保育園の専門知識を生かした地域絵の貢献で大きな成果を上げていますが、厳しいスケジュールの中で、園全体で協力体制を引いていることが、これに携わる保育士のレベルアップにも大きな役割を果たしています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

@ 年度始に保護者に向けた保育内容説明会資料の冒頭には、ジーン・モデシットの「いいこってどんなこ?」が紹介され、「大人の思ういい子とは?」という会話から保護者と一緒に考えています。その上で、年間保育目標の「心も体も健康な子ども」「友たちと一緒に楽しく遊べる子ども」「自分の思いや考えを豊かに表現できる子ども」「楽しく食べる子ども」の4項を「目指す子ども像」として運営していると説明しています。クラスごとに設定された「子どもに寄り添う保育」の実践に努め、その経緯は「クラスだより」でも報告しています。

A 園としての事業計画は、園長を中心にして職員が参加して策定しています。事業計画が確定後、毎年4月の職員会議で年度の方針、重点目標を説明をしています。 事業計画は全職員に配布していますが、各クラスに保管される運営マニュアルにも綴られて、日常の業務運営上でも、各計画の継続的な取り組みを点検しやすくしています。年度末の多忙期になりますが、事業計画の確定発表を少し早めることで、4月の保育内容説明会の準備時間に余裕を持たせたいと計画しています。

B 園として「子どもに寄り添う保育」・「子どもの人権を守る」を年間のテーマとして取り組んでいます。年度始に行っている「保育内容説明会」の資料にも、年間のテーマに沿って、各クラスごとにより具体的な保育の進め方を提案しています。 法人として、年1回利用者満足度アンケートを実施し、園としては行事ごとにアンケートを行て、問題点の原因追及を行っています。評価結果は、職員間で共有し組織として取り組む課題を整理しています

6 職員の資質向上の促進

@ 内部研修として法人本部の基礎研修、法人内7保育園合同の(運動指導・人権研修・乳児保育)園独自の研修(保育指針・絵本・地域支援)を実施しています。 各研修は、職員の受講希望をとり、キャリア・年齢、受講希望状況等を参考に、園内で受講者の調整をしています。

A 職員の資質向上に向けた研修は、13か所の研修機関が企画する研修を対象に、勤務時間内に積極的に参加・受講できるように工夫しています。この他に内部研修として法人本部の基礎研修、法人内7保育園合同の研修、園独自の研修が計画されています。子どもに向き合う際の視点を尺度として川崎市が策定した「保育の質ガイドブック」と「事例集」を活用して、地元の公立保育園(下小田中保育園)と当園の職員全員が参加して勉強会を開催(年3回開催)しています。これらの研修は管理者・職員にとって有意義な研修会になっています。

B 職員による自己評価では、管理者側から見て新しい指摘もあり、特別に職員会議を行い、忌憚のない意見交換を実行しました。職員が遠慮なく発言しやすいよう、ベテラン層と若手の2グループに分けて、自由な発言を促しています。職員が日々の保育の中での気づき、意見及び改善点等について風通しの良い職場実現を目指し、管理者の反省材料につなげる議論が行われています。

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