かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

にじいろ保育園 塚越

対象事業所名 にじいろ保育園 塚越
経営主体(法人等) ライクアカデミー株式会社
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 212 - 0024
幸区塚越4-345-11
tel:044-555-0553
設立年月日 1978(昭和53)年02月01日
公表年月 2018(平成30)年11月 〜
使用評価項目 川崎市版
評価機関名 株式会社 学研データサービス
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

《施設の概要》
 園はJR南武線、矢向駅から徒歩5分くらいの場所に位置しています。周辺はマンションが立ち並ぶ住宅地です。川崎駅や横浜駅にはJR線を利用して数分で行くことができます。また東京方面に行くにも便利な場所で、サラリーマンには人気の土地柄です。園は昭和53年に川崎市立の保育園として開園しました。その後、平成19年に現在園を運営しているライクアカデミー株式会社が、市の委託を受けて公設民営園となり、園名も「川崎市立塚越保育園」から「川崎市塚越保育園」に変わりました。そして昨年度からは市の管轄から独立して民設民営園の「にじいろ保育園塚越」となりました。それに伴い園舎も園庭も全面改修をし、今年度の6月に改修が終わりました。公立園の良さを維持しつつ、民間保育園としての独自性を取り入れて園を運営しています。

《特に優れている点・力を入れている点》
○給食の提供にあたっては、さまざまな工夫をして、子どもたちの興味を深めています
 給食は子どもの心身の発達や健康の維持増進を図る基本ですので、子どもたちがおいしく楽しく給食を取れるように工夫をしています。七夕やクリスマスなどの行事のときは行事食を提供し、また調理や食材に興味を深めるために、カレーライスやピザを作ったり、園庭で野菜を栽培したりしています。また給食も保育の一環ととらえ、毎年誕生日メニューにテーマを決めています。今年度は十二支で、蛇の形のわかめご飯やウサギのロールパンをメニューにしました。こうした給食について、今年度の第三者評価では保護者から高い評価を得ています。

○子どもの主体性や自主性を大切にし、子どもたちの成果を認めています
 園では、保育の基本は子どもの主体性や自主性を伸ばすことと考えています。そのため子どもたちからの発想や提案を大切にしています。また、子どもが今までできなかったことができるようになったときは、思い切り褒めることでやる気の向上につなげています。昨年度の「買い物ごっこ」は、子どもたちの提案で「サファリパークごっこ」に発展させました。切符やおみやげの売り買いに終わらせず、ほかの子どもを喜ばせるため動物のお面をかぶる子どもも出てきました。とてもおもしろい試みなので、子どもたちの発想を生かしています。

○子どもの安全を確保するため「ヒヤリハット」を活用しています
 昨年度、公設民営園から民設民営園に移行したのに伴い、園舎や園庭の全面的な改修に取り組みました。工事は今年度の6月まで続きました。その工事期間中は、子どもたちがけがをしないように万全の注意を払ってきました。危なそうな場所や子どもの危険な行動に気がつけば、「ヒヤリハット」に記録をつけ、後で職員全員に回覧し共通認識を持てるようにしました。幸い大きなけがをした子どもはいませんでしたが、園舎の改修工事後も引き続き記録をつけることで子どもたちの安全を確保しています。

《事業者が課題としている点》
 地域の方へ向けた情報発信と遊びの提供など、地域支援を充実させることを課題としています。園での生活や子どもたちの様子、保育の取り組みを、ホームページやブログを通して、保護者や地域の方々が容易に知ることができるようにしていきたいと考えています。
 また、保育の質の向上を目ざして、個々の保育者の力量を向上させるための意欲を育て、研鑽できる環境を作ることも課題ととらえています。


評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重 園の保育方針に従って、子どもたちが信頼と安定、共感を感じられるようにしています。そのため子どもたちの発する言葉や行動をまず受け止めています。園行事の際は、大枠の運動会や発表会などは園で決めていますが、その中で何をするのかは、子どもたちが決めるようにしています。例えば「買い物ごっこ」では、「サファリパークごっこ」をやりたいという子どもたちからの提案を受けて、作り物から遊び方まで子どもたちの意思を尊重して取り組みました。
 虐待の疑いのある子どもの発見方法については「保育ガイド」に示されていますし、園でも事業計画で園の取り組みを示しています。朝の子どもの受け入れ時の観察方法などが書かれています。虐待の疑いのある子どもを発見した場合は、職員から園長、そして本社に報告し状況判断したうえで、区の保健福祉センターや子ども家庭センターに通報するルールを整えています。玄関の掲示板には保護者向けに「つらいときには相談を」のポスターを掲示して相談先を明示しています。
 園では子どもの名前や写真を園内掲示やおたよりなどで使用していますが、入園時に「重要事項説明書」で保護者に説明し、同意書を得ています。また、会社の広報活動で子どもの写真などを利用するときや子どもを医療機関に連れて行くときは、保護者に連絡し承諾を得ています。本社では、今年度、個人情報の扱いを適切に行う企業として専門機関から認定され、プライバシーマークの取得を目ざしていますので、園内研修を開き適正な個人情報の扱い方について職員の理解を深めています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

年2回の保育参加と面談を実施しています。面談で聞き取った内容は、保育参加面談記録に記載して、児童票ファイルにとじています。また、保育参加後の感想もアンケートを実施して把握しています。そのほか、保護者の意向を把握するため、行事後のアンケートを実施しています。クラス代表の保護者で組織する保護者協議会には、園長と主任が出席して、保護者の意向を聞く機会をもっています。保護者向けに実施したアンケートについては、必ず結果をまとめたものを掲示、または配付して、保護者に報告しています。
 保護者が意見や要望を気軽に投函できるよう、玄関の事務室から離れた場所に「スマイルBOX(意見箱)」を設置しています。年度初めの4月に保育説明会を実施して、園の全体的な計画やクラスの活動予定などを説明するとともに、保護者の意見を聞く時間を作っています。そのほか、朝夕の保護者との会話を大切にし、保育室につながる廊下や玄関には行事などの写真を掲示して、会話のきっかけとなるような雰囲気作りにも努めています。園の苦情解決システムを整備し、「入園のしおり」に掲載するとともに、玄関やクラスに掲示しています。
 「自分らしさ」「信頼し合い、認め合い」などの保育目標のもと、子ども一人ひとりに合わせた目標を立てています。特に子どもの興味を大切にして、ときに活動が計画からそれてしまう場合もありますが、子どもの興味が発展するよう計画を
見直しています。例えば、子どもたちの話し合いで「お店屋さんごっこ」を子どもたちの意見をもとに「サファリパークごっこ」に発展させ、お店はサファリパークの売店や切符売り場としました。売店のおみやげや入場券などを、子どもたちが考えて、手作りしました。


3 サービスマネジメントシステムの確立  本社のホームページには、「にじいろ保育園」が家庭的でひだまりのような暖かい空間(いえ)を目ざしていることを最初にうたい、各園共通の保育方針と目標、保育環境、食育や遊びについての取り組み、保護者とのコミュニケーションを大事にすることを掲載しています。「入園のしおり」には、保育方針と目標をはじめ、保育内容や料金、利用時の注意点、緊急時の対応などを記載し、保護者には重要事項説明書とともに配付し、入園説明会で説明しています。
 本社が作成したマニュアル「保育ガイド」があり、保育理念をはじめとして、職務分担、指導計画の作成、保育の実践、園外保育、保護者支援、地域支援、危機管理、事故対応、苦情対応、人権、個人情報の管理など、園がサービスを提供するうえで必要なさまざまな項目について、記載されています。また、給食や保健については、川崎市の制定するガイドがあります。それぞれの記載に基づいたサービス提供に努めています。マニュアルからの抜粋を職員に配付して、確認を促すなどしています。
 緊急時の対応については、園独自の緊急マニュアルを作成し、1階は事務室、2階は2歳児の保育室に設置して、すぐに対応できるようにしています。また、事務室や各クラスには、避難経路を図で示し、不審者侵入時の対応、事故発生時の対応などについても流れ図を作成し、緊急時の対応が迅速に行えるようにしています。電話対応の流れ図も電話のすぐそばに置き、外部との連絡がスムーズにとれるようにしています。災害時に備え、月1、2回の避難訓練を行い、安心伝言板による情報発信の仕組みも整えています。
4 地域との交流・連携 園の事業内容は、ホームページや地域向けの園の掲示板、幸区の広報などで情報提供しています。園のホームページに設けられているブログは、園の保育内容や子どもの様子を紹介できるので、今後は有効に活用されてはいかがでしょう。子育て支援事業として、園庭開放や絵本の読み語り、育児相談、ふれあい動物園、絵本の貸し出しなどを行っています。昨年度は園舎、園庭の改修で予定通りには進みませんでしたが、今年度は改修作業も終わりましたので、より積極的に取り組んでいかれることを期待します。
 ボランティアについては、要請があれば受け入れています。今年度は高校生を一人、保育補助として受け入れました。受け入れにあたっては、事前にオリエンテーションを開き、園での約束事を守ること、また特に園で知り得た情報は外部に漏らしてはいけないことを強調し、「機密保持誓約書」の提出を受けています。特に園では個人情報保護に力を入れていますので、守秘義務を厳しく守るよう指導しています。
 区の認可保育所園長会議に参加しています。また区が主催する主任保育士連携会議や保健担当者会議、栄養士連携会議、幼保小実務担当者連携会議などに関係する職員が出席して情報交換しています。特に幼保小実務担当者連携会議は来年度就学を控えた5歳児にとって必要な情報を得られるので、園長と5歳児担当の職員が出席しています。この連携会議がきっかけとなり、小学校の校長先生に来園してもらい、保護者を対象に就学に向けての講話を聞く機会を設けています。また小学生と交流する機会を作っています。
5 運営上の透明性の確保と継続性

園の保育方針「みとめ愛・みつめ愛・ひびき愛(信頼・安定・共感)」は、玄関の壁面に大きく掲示しています。また各クラスにも文書掲示していますし、パンフレットや「入園のしおり」にも明記しています。在職の職員は年度初めの職員会議で園長から説明を受けて再確認をしています。新人職員は本社の新人研修会で教育を受けています。保護者は入園説明会のときや、毎年、年度初めの保育説明会で資料を配付されるとともに口頭で説明を受けています。
 園長、主任をはじめとする職員の役割と責任は業務分担表に示し、事務室に掲示しています。毎年職員の入れ替えがあるので、年度初めに園長が口頭で職員に説明しています。職員の育成も園長の大きな責務です。園長は職員の提出する「成長支援評価シート」で、職員の今年度の成長目標を確認し、年度途中で面談しアドバイスを与えています。面談では、職員に業務上の迷いや悩みがあれば相談にのり、迷いを解消するよう努めています。また「職員育成年間研修計画」で、職員一人ひとりに身に付けさせたい資質やそのための研修を示しています。
 指導計画は、年間指導計画は期ごとに年間4回、月案は月ごとに、職員が自己評価を行い、職員同士で確認し合って見直しています。園行事のときは保護者アンケートを参考に、職員全員で反省会を開き改善に生かしています。運動会は雨のことを想定して、開催場所を2か所用意しています。また第三者委員会からアドバイスを受け、園舎の改修も子どもたちの学びの場になっているのでプラス面で考えた方がよいとか、保育園に対して地域の方々にもっと親しみを持ってもらうための工夫が必要なことなどを認識しました。


6 職員の資質向上の促進

 職員の採用は、本社が主導して行っています。求人は人材紹介会社やハローワークを通して行っていましたが、近年は職員の紹介制度を設けたり、インターネットで応募者を募ったりして、独自に工夫をしています。職員の採用後は、本社で新人研修を実施し、保育に携わる者として守るべき法、倫理、規範を教育しています。在職者も「保育ガイド」をテキストに確認しています。人事制度については、「成長支援制度の手引き」を作成し、職員の昇給、昇格の基準を定めました。それにより各階層に必要な能力やスキルを明らかにしました。
 職員育成は「成長支援評価シート」で行っています。年度初めに職員はシートに今年度の成長目標を2つ設定し、研修を受講したり、自己研さんに励んだりします。途中で園長と面談しアドバイスを受けていますし、年度末には成長の成果を園長と確認しています。この成長支援評価シートは、職員個別に設定しますので個人別育成計画となります。研修は、本社の定例研修が階層別に、また職種別に設定されています。また外部研修もその職員に必要なものの受講を勧めています。園長も個々の職員の能力向上を図るため研修計画を作成しています。
 職員の勤務シフトは園長が作成しています。休暇の取得はできるだけ職員の希望に沿うように配慮していますが、同じ日の希望が重なるときは、どちらかの職員に理由を話して勤務をお願いすることがあります。また、書類書きなどで残業をする必要があるときは、残業申請を受けて認めています。福利厚生制度については、民間の福利厚生会社と契約し、さまざまな特典を受けられるようにしていますし、健康診断の費用や通勤のための交通費も支給しています。地方出身者には社員寮を用意しています。


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