かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

わたりだ保育園

対象事業所名 わたりだ保育園
経営主体(法人等) 社会福祉法人 久遠園
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 210 - 0852
川崎区鋼管通1-11-4
tel:044-223-8257
設立年月日 2017(平成29)年04月01日
公表年月 2017(平成29)年12月 〜
使用評価項目 川崎市版
評価機関名 株式会社 学研データサービス
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

《施設の概要》
 わたりだ保育園は、平成29年4月に川崎市より民間移管され、社会福祉法人久遠園により運営が開始されました。JR川崎駅よりバスで10分、日本鋼管病院より徒歩3分ほどの場所にあり、建物は鉄骨作り2階建て、近隣には商店街や四季の変化を感じることのできる自然豊かな公園が多くあります。
 「元気で明るい子」「豊かな人間性を持つ子」「自立した子」を保育目標とし、コーナー保育を取り入れ、子どもが自ら遊びたいおもちゃを選んで主体的に遊ぶことができるよう配慮しています。3〜5歳児クラスでは、絵画、リトミック、剣道も取り入れています。げんきっこ祭り(運動会)や生活発表会のほか、夏祭り、お正月遊び、節分など季節に合わせてさまざまな行事を楽しんでいます。昼食は季節に合わせたメニューを提供し、行事食にも力を入れています。年数回、行事に合わせて会食を楽しんでいます。
 地域の子育て支援事業としては、子育て相談、園庭開放、赤ちゃんの駅のほか、移動動物園、ジョイフルサタデーなどを実施しています。開園時間は、平日、土曜日ともに7時から20時です。

《特に優れている点・力を入れている点》
○自主性を尊重し、自分たちでやり遂げた気持ちが持てるような保育を心がけています
 子どもたちの生活が豊かになるよう年間計画を立て、夏祭り、運動会、生活発表会、遠足、移動動物園などさまざまな行事を行っています。運動会では縦割りのグループでバルーンの練習をして披露し、生活発表会では子どもたちの好きな題材で劇を行いセリフや動きなども子どもたちの考えを取り入れて作りました。3〜5歳児は月2回専門の講師を招き、剣道、絵画教室、リトミックを行い、異年齢グループで年数回いっしょに会食をして交流しています。子どもの意見を取り入れ自分たちでやり遂げた気持ちが持てるような保育を心がけています。

○職員全体が力を出し合って子どもが健康で楽しく過ごせるよう配慮しています
 看護師、栄養士と保育士との三者が協力して、年3回、3〜5歳児を対象に健康指導を開いています。今年度は、6月に虫歯予防について、9月に手洗い・うがいについて、11月に鼻のかみ方などかぜ予防について話す計画です。また、看護師は子どもたちや保護者にけがや病気をしないよう情報を伝え、栄養士は子どもたちが食事を楽しめるよう行事食や食育に力を入れ、保育士は縦割りのグループを組んで会食などを企画しています。子どもたちが健康に育ち、楽しく過ごすことを目的として、三者が力を合わせて取り組んでします。


○人材育成、質の向上にさまざまな工夫をし、わたりだ保育園の意識統一を図っています
 法人内の交換研修では2日間他園で受け持ちクラスと同年齢の子どもの保育を体験しています。今年度も法人研修、交換研修、園内研修、外部研修を充実させています。新入職員には先輩がマンツーマンで指導を行うプリセプターシップを行っています。継続的にキャリアアップの研修に取り組んでいます。自主的な研修受講は評価表に記入して高く評価し、賞与に反映しています。法人で1園から2グループの研究発表会も実施しています。経験や役割に応じた評価、勤務評価表の活用、役割への辞令交付など意識にも働きかける工夫を行っています。

《事業者が課題としている点》
 昨年度の民営化でスタートしたばかりの園であり、不慣れで戸惑うことも多いなか、最大の課題は、職員一人ひとりが「わたりだ保育園の職員」として自覚し、一つにまとまることだと考えています。他園で働いた経験のある職員は、それぞれが前にいた園のやり方をもっており、新入職員はそのはざまで揺れ動いている状況も見られるので、職員を一つにまとめて園全体で前を向くようにすることが、経営層の最大の使命だと考えています。


評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

保育理念に「子どもの最善の利益を考慮し、健全な心身の発達を図ることに相応しい生活の場を提供する」を掲げ、保育目標である「元気で明るい子」「豊かな人間性を持つ子」「自立した子」の実現に向けて取り組んでいます。保育理念や保育目標は玄関に掲示し、保護者や職員の目に入るようにして周知を図っています。また、新人研修や年3回実施している法人研修においても、法人の理念や保育士の倫理綱領、虐待防止などについて研修し、毎月職員会議の前に園長を中心として園内研修を行い、子どもの人権などについて学んでいます。
 日常の保育にあたっては、コーナー遊びや設定保育において子どもが自分で選んだ遊びを楽しめるように配慮し、行事や日々の活動において、子どもたちの意見を取り入れています。 
 虐待防止の取り組みとして、子どもたちの表情や体に変化が見られないか健康観察を行い、異常の早期発見に努めています。虐待が疑われる時には、必要に応じて児童相談所や保健所など関係機関に連絡し、連携して解決する体制ができています。
 「個人情報取扱規程」を定め、守秘義務の順守も職員に徹底させています。また、発達支援センターや療育センターなど外部の関係機関と情報をやり取りする場合には、必ず保護者の了解を得るようにしています。個人情報に関する文書類は事務室内のキャビネットなどに保管し、閲覧や取り扱い方法を定めたうえで施錠管理しています。
 プール利用時及びシャワーや着替えに際しては、外から見えないよう遮光ネットを使って目隠しをしています。また、おねしょをしたときには、子どもの気持ちに配慮してさりげなく対応しています。


2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

 一日保育体験(保育参加)や夏祭り、運動会、発表会など主だった行事の時には、保護者にアンケートを取り感想や意見を聞いています。日々の保育に関しては、連絡帳や日ごろの会話から保護者の意向を把握しています。年1回個人面談を行い、保育に関する要望や意見を聞く会としています。
 園には保護者協議会(保護者会)があり、役員会には園長、主任も出席し、保護者の意向を聞くことができます。また、保護者が自由に意見が言えるよう、玄関に意見箱を設置しています。
 苦情、要望に関する窓口を設けており、苦情解決責任者(園長)、苦情受付担当者(主任)のほか、第三者委員に苦情の解決を求めることができることを園の
しおりと重要事項説明書に記載しています。
 個人面談は年1回期間を設けて実施しており、必要時にはいつでも相談に応じることを保護者に伝えています。保護者から相談を受けるときには、プライバシーに配慮して個室で対応しています。職員は、保護者が話をしやすくなるように日ごろからコミュニケーションをこまめに取るように心がけています。
 子どもたちの生活が豊かになるよう、年間計画を立て、夏祭りや運動会、生活発表会、遠足、移動動物園など、さまざまな行事を行っています。3〜5歳児は月2回専門の講師を招き、剣道や絵画教室、リトミックをしています。また、3〜5歳児は異年齢グループを作り、年数回いっしょに会食をして交流しています。
 特別な配慮を必要とする子どもについては、職員間で情報共有し、療育センターから助言を得たりして支援に努めています。クールダウンやひとり遊びが必要な時以外は、クラス全体で活動できるよう配慮しています。


3 サービスマネジメントシステムの確立

  入園時には入園前健康診断と個人面接を実施しています。入園直後には慣れ保育(短縮保育)を実施しています。一日目は保護者といっしょに過ごしてもらい、子どもが安心できる状況を把握しています。園の全体的な計画は、園長、主任が中心となって作成しています。年間指導計画は年度初めに担任が作成し、月間指導計画は月末に反省を行い次月の計画を作成しています。週案日案は週末に反省を行い次週の計画を作成し、計画に従って保育を行っています。月末にカリキュラム会議を行い、指導計画の内容を全職員に周知しています。
 0、1歳児は毎月、2歳児は3か月ごと、3歳児は4か月ごと、4、5歳児は6か月ごとに個人記録をつけ、成長や発達の様子を把握しています。毎日の保育の記録はクラスごとに週日案に記載しています。子どもの登園時の様子や伝達事項はクラスごとに統一した伝達票に記載し、園での伝達事項も伝達票に記載し、遅番の職員に伝えています。職員間で必要な伝達事項は、動向表(スケジュール表)で伝えています。このほか毎月職員会議、カリキュラム会議とケース会議、幼児会議、乳児会議を行い、子どもの情報を共有しています。
 事故防止と事故発生時の対応マニュアルがあります。事故発生時には園長、保護者に連絡し、速やかに対応する体制が整っています。外部研修に参加し、常勤職員は全員救急救命法を会得しています。災害マニュアルも作成しており、避難訓練は火災や地震、風水害を想定して、年間計画を立て毎月実施しています。不審者対応として、不審者対応訓練も実施しています。感染症に関しては、感染症対策マニュアルを作成し、流行前に職員会議などで対応などについての研修を行い、感染拡大を防止しています。


4 地域との交流・連携

 広報や、園の掲示板やホームページに園の情報を載せています。月水金に園庭開放、子育て相談、栄養相談、赤ちゃんの駅を設定しています。夏祭りや運動会、ワクワクランド、ちゅうりっぷ劇場へのお誘いも掲示しています。公立時からの移動動物園と川崎市委託のジョイフルサタデーも実施しています。ジョイフルサタデーでは講演会や職員の出し物、看護師・栄養士の話、コーナー遊びなどを実施し、在宅子育て家庭に働きかけています。昨年度から実施している園庭開放は利用実績や継続が少なく、今後の働きかけを工夫したいと考えています。
 川崎区の所長園長会議に年3回程度出席し、地域の情報を共有しています。主任児童委員も参加して地域に密着した課題を話し合っています。年2回の交通安全会議では、警察や町内会、行政とともに標語やポスター作成、広報に協力しています。子育て支援会議が2か月ごとにあり、近隣の保育園と連携しています。5歳児の担任は幼保小の会議に参加し、授業参観や学校見学の様子を保護者に伝えたり、保育のカリキュラムに取り入れ進級に備えています。幼稚園見学では絵本に対する取り組みが参考になりました。
 ボランティアの受け入れマニュアルを整備しています。サマーボランティアなど、少し大きな子どもと遊ぶ機会を設けてコミュニケーションの幅を広げ、子どもの心を育て広げるように、募集にも力を入れていきたいと考えています。地域のサロンでは障がいのある方との訪問交流を行い、子どもが障がい者になじむ機会になっています。


5 運営上の透明性の確保と継続性

今年度より1階エントランスや2階廊下、各教室に法人の理念、基本方針、保育士の倫理綱領を貼りだしています。民営のわたりだ保育園らしさをみんなで作っていきたいとの思いで周知に取り組んでいます。5月の法人新入職員研修で学んだり、7月の職員園内研修で園長が理念を読み上げ解説しています。職員の新規採用があり、法人の理念に他園経験者の豊かな経験を加えて、わたりだ保育園らしさを作り上げていくため、毎月の職員会議の前に園内研修の時間を設け、法人が掲げる理念、基本方針、望ましい人間像への意識付けを続けています。
 法人の自己評価表を基に、毎年年度末に実施して3年間の推移を確認する様式の、園独自の「保育所の自己評価」を作成しています。29年度については実施できなかったので、今年度からの評価開始になります。全職員が記入し、園長と主任でまとめて園としての自己評価とし、3月に掲示する予定です。現在は評価に基づく課題分析ではありませんが、園長が把握し整理した課題に、改善策を立てて取り組んでいます。
 園長は、6月の職員会議で園長の役割を表明しました。職員の確保と、わたりだ保育園の職員としての自覚やまとまり、民営化後の園運営を軌道に乗せていくという思いを職員に伝えています。就任早々の第三者評価受審で、資料作成にあたり職員に説明しながら具体的な思いの共有を図っています。職員会議やミーティング、参加しやすい研修の実施も組み立て、毎月園長による園内研修を実施しています。動向表(スケジュール表)を作成し、チームワークを確立してさらに職員間の連携を密にし、現在の人手不足感の改善に努めています。


6 職員の資質向上の促進 基準以上の人員配置に加え土曜日の振り替え要員を増やしたり、短時間のパート職員で負担の大きな部分を補っています。職員間のチームワークで連携が良くなれば、さらに負担は少なくなっていくと予測しています。職員の安定的確保を課題と考え、就職面接に積極的に対応しています。養成校は全国を対象に求人情報を発送し、人材確保につなげようと実習生も積極的に受け入れています。現在は派遣職員で補っている部分もできるだけ正規職員を確保し、人材の安定と保育の充実を図りたいと考えています。
 法令遵守や規範倫理などを園内研修に組み込んでいます。法人では新人研修に、「社会人・保育所職員のマナー、心得」を取り入れています。日常的に保護者とのかかわり方やハラスメント問題などについて事例から伝えるなどの工夫もしています。また、職員の処遇改善加算の給付に伴い人材マネジメントに取り組みました。経験や役割に応じた評価、勤務評価表の活用、役割への辞令交付など、意識にも働きかける工夫を行っています。
 法人内の交換研修では2日間他園で受け持ちクラスと同年齢の子どもの保育を体験しています。環境や規模、子どもの様子が異なるなかで保育の違いを実感し、職員は多くの学びを得ています。今年度も法人研修、交換研修、園内研修、外部研修を充実させています。新入職員には先輩がマンツーマンで指導を行うプリセプターシップを行っています。継続的にキャリアアップの研修に取り組んでいます。自主的に受講する研修は評価表に記入し高く評価し、賞与に反映しています。法人の研究発表会では1園から2グループの研究発表も行っています。

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