かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

グローバルキッズ下田町園(2回目受審)

対象事業所名 グローバルキッズ下田町園(2回目受審)
経営主体(法人等) 株式会社グローバルキッズ
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 223 - 0064
港北区下田町3-16-24 ルーチェ1F
tel:045-561-2555
設立年月日 2013(平成25)年04月01日
公表年月 2018(平成30)年12月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 株式会社フィールズ
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

[施設の概要]

グローバルキッズ下田町園は、東急東横線「日吉駅」からバスで10分ほどの住宅や店舗が並ぶ通りに面した集合住宅ビルの1階にあります。園舎は、フラットな1ルームに戸棚や可動式の扉で1歳児・2歳児の乳児クラス、3歳児から5歳児の幼児クラスと多目的室を設置しています。
定員は1歳児から5歳児までの40名で他に一時保育の対応もしています。職員は、施設長・保育士(常勤10名・非常勤2名)・調理師合わせて14名の職員で運営しています。
園は平成25年4月に株式会社グローバルキッズによって開設されています。法人は、企業理念「子どもたちの未来のために」を基に、保育所・学童クラブ・児童館など東京、横浜、川崎、千葉、大阪など首都圏を中心に幅広く展開しています。
園の保育理念は、「自己肯定感を育み、ありのままの自分が好きな子」「自分で決め、何事も楽しめる子」です。


≪優れている点≫

1.異年齢での関わりによって、子ども達は互いに育ち合っています

子どもの好奇心や探求心を刺激して何かに夢中になりながら育つ保育に努めています。散歩で味わう風の音や土の臭い、草花や木、小さな昆虫や街の騒音など、子ども達を取り巻く自然環境や日常の生活環境の中からできるだけ本物に触れるように配慮しています。
この4月から1、2歳児クラス、3、4、5歳児クラスの異年齢保育を取り入れています。異年齢交流から生まれる刺激は、1日の保育場面で子どもたちの新しい成長ぶりを何度も見ることが出来ます。年上の言動を見て年下の子どもは興味津々やってみたいと思う意欲につながるようにしています。年上の子どもにとって、年下の様子を見て手助けが必要など、年下への思いやりや理解にもつながります。年上の子どもは年下の子どものあこがれであり、職員が一つ一つ説明することなく、発達年齢による相互の成長が、自然に培われています。
職員は援助の必要な時に、タイミングを考えてヒントを出しますが、基本は子ども主体に自分で判断し、ワクワク感や達成感が味わえる環境を考えています。


2.本物に触れ、たくさんの経験から子どもたちは豊かに成長しています

園の親子遠足では、田んぼを借りて親子で稲作に挑戦し、田植えから脱穀の工程を行います。自然環境の中で生物が育つこと、米を作る大変さを感じることで、給食で食べるお米にも興味関心が深まります。食と命の大切さを実際に学ぶ機会と遠足も兼ねた親子行事となっています。
幼児クラスでは、様々な用具や素材を使ってみる体験に、布を染めて三つ編みで縄跳びを作ります。出来上がった子どもは披露し、飛べる回数を競い合います。時間をかけて自分で作り上げることで、仲間と共通の思いを持つ活動となっています。
また、針を使って雑巾を2枚縫い、自分用と園用にします。雑巾の絞ぼり方、洗い方など、拭き掃除をする意味を伝えています。針に糸を通すことは簡単ではなく、縫うことも5歳児には難しいことです。針と糸を使えることが憧れの5歳児になるように頑張ることにつながっています。
園では、子どもたちが「@諦めないで集中することで忍耐力がつき、A物がどうやって作られているのかという探求心を持ち、B物があることが当たり前ではない、誰かが作り出すものだという社会の仕組みを意識して、C物を大切にする気持ちを養い、D作ってくれた人に感謝をして物を大切に扱う心を持つ」ということを目標にして様々なことに取り組んでいます。


3.職員の資質向上に力を入れ、輝ける大人としての姿を見せています

園は、主体性を持って行動できる子どもの育成を目指し、一人一人の個性を尊重した子ども中心の保育に力を入れています。職員は子どもたち一人一人の発達の様子を注意深く観察し、個々に応じた働きかけや援助を行います。
毎週金曜日に職員による子ども会議を設け、子どもたちが今熱中していること、こんなことに挑戦し始めたなど、小さなことでも気づいたことを伝えあっています。どのような援助がよいか、実践した経過や成果などを共に話し合い、共有する場としています。
園長や主任は、常に職員の様子に気を配り、職員自ら考えられるようにアドバイスをしています。職員は、研修や自己研鑽を通して、常に自らの人間性と専門性の向上に努め、プロとしての責務を日々確認しています。
また、法人のクレド(信条)に掲げている「輝いた大人」を常に意識して保育に取り組み、職場環境の日々の改善を心掛けています。意見や提案が容易にできるよう会議に参加しやすくし、職員の人間関係を良好に保ち、風通しの良い職場環境を作っています。全職員が「輝いた大人」を実践すべくオンとオフをしっかりと切り分け、有給の消化率が100%になるように調整しています。無理のない環境の中で高い意識を保ち、保育にあたれるようにしています。


≪課題や改善することが期待される事項≫

1.環境への考え方、取り組みの明文化

園ではゴミの分別を行い、使用したラップやトイレットペーパーの芯、食材の容器など保育教材として再利用しています。園舎の節電・節水など省エネにつながる行いは、職員や子どもたちにもその必要性を伝えています。
しかし、環境への考え方や目標など、具体的な環境改善策を明文化したものはありません。次世代を担う子どもたちの環境教育とともに社会に率先して福祉事業所として環境への配慮や考え方を文章化して公表することが期待されます。


2.地域との協力体制の構築

 園庭開放でプールや水遊びの場を提供、ヒップホップダンスの会を開催、読みきかせの会や赤ちゃん会などへの参加など地域支援、連携につながるよう取り組んでいます。しかし、地域への発信が十分ではない状況です。自治会を活用して園の行事を回覧板に載せてもらうなど、地域住民への周知を図ることが期待されます。
地域の一員として「地域に溶け込む」ことで相互協力できる関係構築を目指し、例えば、現在でも数日分の備蓄があることを周知すれば、保育の専門性に加え、非常時対応でも地域に還元できるかと思われます。これからは、園と地域との関係性を密に築いていくことが期待されます。


評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

@ 企業理念は、「子どもたちの未来のために」とし、園の理念を「豊かに生きる力を育てる」と明確にしています。保育方針は、「子どもを中心に捉え、家庭や地域との信頼関係を築き、環境を通して人や物との関わりを大切にする」などです。保育理念、保育方針などは利用者本人を尊重にし、人権の尊重するものとなっています。

A 子どもの自我の芽生えや自分でしようとする気持ちを尊重し、安全な探索活動ができる環境構成に努めています。同年齢の子どもの均一的な発達基準ではなく、一人一人の発達に応じた言葉かけや子どもの思いを受け止めて、肯定的に保育士が関わります。友達の気持ちや友達との関わり方も丁寧に伝えています。

B 「保育所保育指針」に準拠した園の理念や基本方針は、職員全員で作成される保育課程に明文化され、年間指導計画、月案・週案・日案にも保育目標が、盛り込まれています。作成に当たっては子どもの最善の利益を考慮し、その発達過程の関連性を十分に把握し、作成することとしています。園長、主任は、職員の活動を見ながら、必要な時は会議や面談などで理念や基本方針に基づいた行動であるかどうかの確認をしています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

@ 保育課程は、子どもの最善の利益を第一義にしています。園目標に掲げている「自己肯定感を育み、ありのままの自分が好きな子」「自分で決め、何ごとも楽しめる子」などを踏まえて作成しています。また、各年齢別に育てたい側面としての養護と教育が一体的に展開されています。子どもたちの「没頭力」に注目し、目標に向かって頑張る力、他人とうまくかかわる力、感情をコントロールできる力を発揮できる環境の整備、生活や遊びが充実できるように配慮しています。

A 子どもの食欲は、遊びの内容や体調で変わるために、「自分で食べられる量を知る」ことを心掛けており、残すことや食べるスピードを強制しないようにしています。調理担当は調理師会などに参加して情報交換・収集を心掛けて、食事の時間は栄養士と調理師が全ての保育室を回り、子どもたちの配膳・食事・片付けの様子を観察しています。食欲のない子どもや偏食の子どもに話しかけ、食材やメニューの話をしている子どもたちの会話に加わり、食に関心を持つように努めています。

B 午睡は強要せず、カーテンを閉めて室内を暗くして、静かに過ごして心身を休めることを心掛けています。なぜ静かにしなくてはならないか、理由を説明して考えさせるようにしています。5歳児は1月より就学に向けて午睡時間を調整して、生活リズムを作るようにしています。

C 排泄は個人差があるので我慢させず、タイミングをみて声掛けをしています。おもらしをした子どもには、羞恥心に配慮し個室で着替えさせ、他の子どもに気付かれないように対応しています。


3 サービスマネジメントシステムの確立

@ 健康管理、衛生管理、安全管理、防災、事故防止などのマニュアルが整備されています。事故や怪我、ヒヤリハットは報告書を作成し、職員全員で情報共有を行うべく会議等で確認しています。近隣の公園については遊具や危険個所のリストがあり、ヒヤリハット事例も記録して改善に繋げています。

A 健康管理マニュアルを作り、入園時や進級時に、児童票に生育歴・内服歴・既往症・予防接種の状況等を記入して管理しています。園での様子を連絡ノートで知らせるほか、口頭でも伝えています。担任以外でも確実に子どもの様子を伝えられるように、保護者からも声掛けをしてもらえるように工夫して情報伝達を心掛けています。感染症に関するマニュアルは厚生労働省の物と本社作成の2種類があり、登園停止基準や感染症の疑いが生じた場合の対応等を明示しています。

B 災害を想定した訓練を実施しており、引き渡し訓練の日は閉園時間まで電力の使用を控え、災害時の保育の練習も併せて行っています。非常食の試食品を保護者にも配布して味見をしてもらっています。

C 保護者はICカードで園の玄関の開錠ができるようになっており、データに記録されています。部外者はインターホンで確認の上、原則、玄関外に職員が出て対応するようにしています。不審者対応の訓練は年に1回、警察と連携して実施しています

4 地域との交流・連携

@ 地域支援事業として夏場に園庭解放を行い、プール・水遊びの場を提供しています。ヒップホップダンスの講師を招いてダンスの会を開催し、地域の絵本の会(地元小学校の親のボランティアの会による読み聞かせの会)や「わらべうたCafe」・「赤ちゃん会」に参加し、育児相談などで地域住民との関わりを持つようにしています。

A 近隣の商店街の方から声をかけられ、あいさつをして交流しています。園の行事のときにお菓子等を差し入れしていただくことがあり、子どもたちが書いたお礼状を商店街に届けに行くなど地域との関わりを大切にしています。自治会に加入しており良好な関係を構築して地域の情報を把握しています。

B 実習生受け入れは、積極的に受け入れています。実習生の意見などは園の保育姿勢や園の持つ雰囲気を知る良い機会となっています。実習生からの提案で 年齢・発達に即した絵本を選定するなど、保育の質の向上につなげています。小学生の職場体験も受け入れています。ボランティアからの申し出を受け入れる体制があります。

5 運営上の透明性の確保と継続性

@ 重要事項説明書に企業理念・保育理念・保育目標・保育方針など園の概要を明記しています。入園説明会や年度初めの保護者会でも説明しています。重要な意思決定にあたっては、園長は運営委員会で継続的に話し合うと共に、保護者への説明など積極的に行っています。

A 要望や苦情対応のマニュアルが整備されています。保護者からの意見要望の流れを紙面で明確にし、園からの報告書にしています。継続が必要な時は、その都度、話し合いを重ね、解決に向けています。法人や園での解決が困難な時は、第三者委員や港北区家庭支援課との連携体制も整えています。要望や苦情に関して職員は情報を共有し、理解しています。

B 園だより、給食だより、献立表、ほけんだよりを毎月配布し、保護者に必要な情報を伝えています。特に今年の夏は熱中症対策として、園外の活動の判断は、生命の安全を最優先に慎重に行うなど保護者への理解と協力を記載した臨時号を出しています。家庭での対応も充分に注意してもらうために熱中症の予防、症状、対応など細かく記載しています。

6 職員の資質向上の促進

@ 職員の人材補充や人材育成計画は運営法人が行います。法人の保育理念・保育方針及び園の保育マインドに沿った人材であるかチェックし、園長の要望も取り入れた採用形態や欠員補助を行います。法人から階層別研修日程が配布され、園長の個別面談で各職員が年間の目標達成を計画し、目標設定に合った内部・外部の研修を受けることが出来ます。園長は、職員と年2回面談の機会を設け、達成状況や目標の見直しなど、課題を明確にした評価確認をしています。

A 職員は内部だけでなく、外部研修にも積極的に参加することが出来ます。受講後は、研修内容に感想をつけた報告書を提出すると共に、会議でも取り上げ、他の常勤・非常勤の職員と共有し、保育現場で活用しています。

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