かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

コンパス

対象事業所名 コンパス
経営主体(法人等) 社会福祉法人 県央福祉会
対象サービス 障害分野 地域活動支援センター
事業所住所等 〒 242 - 0017
大和市大和東3-5-2KDビル1F
tel:046-260-1031
設立年月日 2003(平成15)年04月01日
公表年月 2018(平成30)年10月 〜
使用評価項目 東京都版
評価機関名 株式会社フィールズ
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

<特に良いと思う点>

1.利用者にあった自由度の高い場所を提供しています
事業所の特色は地域活動支援センター(I型)です。また利用目的は様々で、多様なニーズの利用者が登録しています。就労目的の人もいれば、その準備をしている人もいます。更に生活の訓練や居場所を求めて来所する人等など様々です。プログラム活動への参加も、不参加も自由です。共有スペースはルールさえ守れば自由に過ごすことが出来ます。利用者どうしで語らい、またはひとりでいることも、体を休めることもできます。

2.広範で多岐にわたる相談業務で、利用者の信頼を得ています
1日の平均来所者は15名程度と面接相談が5名程度です。現在130名の登録者に対し職員は5名の配置となっています。プライバシーや日常会話の中での語彙の使い方等に人一倍敏感な利用者も多く、個々の利用者の相談内容は広範なうえ難しい支援です。利用者アンケートでも見受けられるように、役所や第三者委員では理解が及ばない等の信頼関係を築き上げています。このことが利用者に安心感をもたらし、事業所の居心地の良さを作り、他事業所のサービスと併用する利用者が居るなどの効果をあげています。

3.当事者が研修会やプログラムの講師になり、持っている力を発揮しています
精神保健連絡会には、事業所、行政機関、当事者団体などが参加し、交流研修や交流事業などを行っています。研修会では当事者が講師として「こういう支援は困ります」というテーマで当事者の視点での考えや意見を述べ、当事者と支援者の関係が深まっています。当事者の演奏や演劇、手品なども発表してもらっています。また地域活動支援センターの活動プログラムの一部の講師も利用者にしてもらい、当事者の持っている力を発揮して、自分らしい生き方が出来る機会を積極的に提供しています。


<事業所が特に力を入れている点>

1.地域の情報提供に力を入れており、利用者が活用しています
自由に使えるパソコンが設置されているコーナーの壁面、その座席の背後の壁には所狭しと様々な情報のパンフレットが掲示されています。行政の発行するもの、制度に関するもの等の他に「ゴミの出し方」「近所とのつきあい方」等生活に密着した内容の情報や、就労に向けたワークショップ開催や当事者サークルの遊びのお誘い等その内容は多種多様で、利用者はこれらを見て、実際に催し物等に自ら参加してゆくそうです。事業所では利用者OBの主催する当事者団体の窓口も担っており、OBらとの交流がスムーズに行われています。

2.人権擁護ツールを使用して研修を定期的に行い、権利擁護の意識を高めています
法人の人権擁護委員会が作成した人権に関するツールを用いて、年4回研修を行っています。利用者になった体験をし、寄り添うシートを記入し、グループで話し合い、新たな気付きを基に利用者の関わりに活かしています。また法人が福祉関係機関で起きた人権侵害事件などの情報を配信し、インターネットで共有できる仕組みになっています。職員は日常的に権利擁護を意識した支援を行っています。


<改善が望まれる点>

1.侵入者対策としてレイアウトに一考が望まれます
限られたスペースを有効に使い、利用者の集まりやすい敷居の低さを具現化し、鍵をかけない入口は道路に面していて、奥の共用スペースまで長く続き陽光を感じさせる明るい雰囲気のひとつともなっています。しかし逆に、入口からは共用スペースに侵入者が入り込める構造でもあります。ロッカーや家具の配置のため狭くなっているので、入口から一旦ワンストップ出来るレイアウトの変更や避難路の明示等が期待されます。

2.研修報告書を作成し、全職員に対し研修内容を発表することが期待されます
法人内外の研修に常勤、非常勤を問わず参加し、申し送りなどで内容について伝えていますが、研修報告書を作成していません。研修に参加した場合は、研修内容のみでなく研修に関する感想、意見なども記載した研修報告書を作成することが期待されます。また会議などで全職員に対し、研修内容を発表する機会を持ち、参加出来なかった職員も共有することが望まれます。


評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

@人権擁護ツールを使用して研修を定期的に行い、日常的に意識するよう取り組んでいます。法人の人権擁護委員会が作成した人権に関するツールを用いて、年4回研修を行っています。人間の尊厳について考えるツールであり、利用者の視点に立って考えること、想像することに重きを置いています。利用者になった体験をし、寄り添うシートを記入し、グループで話し合い、新たな気付きを基に利用者の関わりに活かしています。また利用の意見をいつでも把握できるように意見箱を設置し、事業所内に苦情相談窓口について掲示しています。利用登録時に事業者以外にも第三者委員などにも相談できる苦情解決規則について説明しています。

A福祉関係機関で起きた人権侵害事件などを共有し、虐待防止に努めています。法人の権利擁護委員会が、福祉関係機関で起きた人権審議事件などの情報を法人のホームページから配信し、各事業所の職員はホームページから見て、情報を共有しています。また虐待防止に関するDVDの視聴を行い、話し合う研修を行うなどで、権利擁護の理解を深めています。職員会議や申し送りで、気になる行動や利用者からの意見を話し合っています。虐待が疑われた場合などは、大和市虐待防止センターに通報し、ケース会議で対応について話合いを行うようになっています。

B個人情報の外部との連絡について、本人の意向を確認しています。利用登録時に個人情報の取り扱いについての同意書を交わしています。実際に外部との個人情報のやり取りをする際にも、緊急時の場合以外は利用者に内容と目的を説明して同意を得て行っています。手荷物用のロッカーを設け個人の貴重品はそこでのみ預かっています。個人宛て文書の取り扱いなどは行なっておりません。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

@利用者の意見を取り入れながら、過ごしやすい環境を作り出しています。利用目的によってこの施設を求める利用者もおり、利用ルールに反しない限りは利用者が自由に過ごすことができるように職員は様々な面で配慮しています。プログラムへの参加も自由で、利用者同士が集まって語らうことも、またひとりになりたい時や体を休めたい時にはそのためのスペースも用意されています。月に一度、茶話会プログラムを開いたり、常設の御意見箱を用いて、又は随時直接個々の利用者と面談して利用者の意見・希望を取り入れながら集まりやすい雰囲気にしています。利用者退所後は、職員は必ず清掃を行なっています。

A一般的な生活上の健康相談には応じています。医療や体調に関して不安なことを整理し受診を勧めるなど利用者の健康状態などについては一般的な相談は受けていますが、薬や医療的な判断については、基本的に主治医に聴いてもらう様にしています。必要に応じて家族や主治医などと連絡連携をとり、発作等の症状がある方については通院先や主治医と緊急時の対応について確認を行なっています。また通院同行を行なう等の対応を行なっています。利用日や利用回数など自由な設定をしていますが、就労を目的とする利用者に対しては、体調のリズムを整えるため利用回数や利用時間のアドバイスをしています。

B原則として本人の意向を尊重した対応をとっています。地域活動支援センターのため、就労を目的とした利用者だけではありません。しかし就労に関する興味は高く就労に向けてのプログラムも多く開催されています。特に障害者雇用で働かれている方や、就労支援事業所の職員に講師として就労支援についてのプログラムの開催や、地域の就労支援事業所のパンフレットの掲示も行なっています。そのほか地域交流事業でも他の事業所との交流を図り、就労に興味がない利用者も含めて情報提供の機会を作っています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

@サービス開始時には原則5日間の体験利用をして、施設を理解してもらっています。サービスの開始時には初回見学から原則5日間の体験利用をしてもらうようにしています。利用登録時に利用にあたっての重要事項説明書や負担金について説明をしています。またこの施設のルールの説明を行なっており、決められた書式の登録用紙に基本的な情報を記述して保管しています。利用者の緊張状態を鑑み、重要事項説明や登録用紙の項目数が増やせないこともあり、その後の体験利用の間や、利用が始まれば日常の利用日等の会話の中で、職員が利用者の生活環境やニーズ等を把握するように努めています。

Aアンケートや茶話会プログラムで利用者の希望や意見を聞いています。新しいプログラムを始めた時にはアンケートを実施し、利用者の意見を聞いています。英会話プログラムのアンケートでは、開催時間、内容、参加希望などを聞いてプログラムの実施に活かしています。毎月実施している茶話会プログラムでは、自己紹介の他にプログラムについてや施設の改善などについてなど自由に意見や希望を述べる機会を設けています。年1回職員の意向調査を実施し、業務についてや異動の希望など職員の意向を把握しています。また管理者が個別にも職員からの話を聞いています。

B法人でリスク対策マニュアルは作成していますが、事業継続計画は策定中です。
法人で防災マニュアル、感染対策マニュアルなど作成し、対策を行っていますが、事業継続計画は策定中です。事業所としてはリスクの洗出しを行い、特性を考慮してリスク対策の優先順位を考えています。現在の所事業所では事故などの発生はありませんが、事故発生時には、法人で事故調査委員会を立ち上げ、対応と再発予防に取組める体制になっています。災害時の安否確認は個人のメールアドレスで連絡が取れるシステムになっています。

4 地域との交流・連携

@地域の精神保健に関する機関、事業所、団体の協力で、精神保健連絡会を主催しています。毎月地域の精神福祉に関する事業所、行政、当事者団体などが参加する精神保健連絡会を年11回主催しています。福祉サービス提供事業所や相談機関などのマップ作りや交流会、研修などを実施しています。交流会では、当事者の劇、歌、手品などを発表し、交流しています。研修会でも当事者が講師になり、「こういう支援は、困ります」のテーマで当事者からの話を聞いて、その後で当事者、支援者が加わりグループワークを行い、意見を出し合っています。当事者の参加を重視し、地域交流の活動を行っています。

A新しいプログラムを始めた時にはアンケートを実施し、利用者の意見を聞いています。英会話プログラムのアンケートでは、開催時間、内容、参加希望などを聞いてプログラムの実施に活かしています。毎月実施している茶話会プログラムでは、自己紹介の他にプログラムについてや施設の改善などについてなど自由に意見や希望を述べる機会を設けています。年1回職員の意向調査を実施し、業務についてや異動の希望など職員の意向を把握しています。また管理者が個別にも職員からの話を聞いています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

@理念・倫理行動綱領の読み合わせを行い、職員へ周知しています。法人で、入職時に理念・倫理行動綱領が載せてある職員ハンドブックを配布し、新人研修で、理念・就業規則などについての説明を行っています。事業所では毎年年度初めに、法人の理念や倫理行動綱領の読み合わせを行い、理解を深めてります。事務スペースに法人理念を掲示し、職員の目に触れるようになっています。大和市が主催する精神保健福祉に関する事業所や当事者団体が参加するやまと地域交流会でも、理念を分かりやすく掲載したパンフレットなどで、紹介しています。

A毎月の職員会議や毎日の申し送りの中で、管理者の役割を伝え、助言を行っています。毎月第4木曜日午前中に職員会議を開催し、法人からの報告や事業所での業務内容などを管理者から伝え、自らの役割も伝えています。また毎日利用者が帰った後に申し送りを行い、利用者への関わり方など支援についての細かい助言を行い、リーダーシップを発揮しています。苦情や緊急時対応などの時に管理者不在の場合は連絡する体制になっています。運営規定の中にも管理者の職務内容に記載してあり、職員へ周知しています。

B重要な案件は、大和市との委託契約や法人の所長会議、エリア会議などで決定しています。地域活動支援センターと指定特定相談支援事業は大和市からの委託事業なので、開所日・時間などの重要な案件については、大和市障害福祉課と検討して、委託契約で決めています。法人内では、毎月開催される所長会議やエリア会議でなどで重要な案件が決定され、会議の資料は職員に回覧し、申し送り時に管理者から説明しています。利用者には、委託元(市)の変更や利用料、開所日などの決定や変更は、書面にして配布し、口頭でも説明しています。

6 職員の資質向上の促進

@人事考課票を基に管理者が個別面談を実施し、評価を行っています。職員本人が目標などを書き入れた人事考課票を基に半年ごとに、管理者が個人面談を実施しています。本人の希望に沿って資格取得や研修計画を立てていますが、職員にはキャリアパスや意向を反映した研修計画が周知されてなく、職員アンケートでは半数以下しか理解が得られていません。人材育成に関しては法人のエリアマネジャーが定期的に事業所を訪問し、管理者や職員と面談し、希望や意見の聞き取りを行っています。

A毎年職員の意向調査を実施し、結果を基にキャリアアップなどを考慮しています。毎年10月に職員の意向調査や職場の環境に関するアンケートを実施し、その結果を基に職場配置やキャリアアップなどを考慮しています。業務に関する資格所持者には資格手当が付き、資格取得のための助成制度を整備しています。年2回ストレスチェックを実施し、法人が委託したカウンセラーに相談できるシステムになっています。また職員の良いところや気付きを共有する「ホメール制度」を法人で設け、職員間で良いところを褒め合い、気づきをお互いに話し合っています。

B法人内外の研修に参加していますが、研修報告書を作成し、報告が期待されます。
研修は法人内外の研修に、常勤、非常勤を問わず、参加しています。研修関係の書類は回覧し、申し送りなどで、研修内容を報告していますが、研修報告書は作成されていません。研修後は研修報告書に研修内容を記録し、研修内容を会議などで発表し、研修に参加出来なかった職員にも共有できるようにすることが望まれます。

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