かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

海老名市立わかばケアセンター

対象事業所名 海老名市立わかばケアセンター
経営主体(法人等) 社会福祉法人 県央福祉会
対象サービス 障害分野 障害児多機能型事業所
事業所住所等 〒 243 - 0422
海老名市中新田383-1
tel:046-235-2701
設立年月日 1991(平成3)年04月01日
公表年月 2018(平成30)年11月 〜
使用評価項目 東京都版
評価機関名 株式会社フィールズ
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

<事業所の概要>
 わかばケアセンターは社会福祉法人 県央福祉会が海老名市の指定管理者として運営をしています。センターでは障がい者の生活介護として、生活介助、余暇活動、機能訓練といったサービス提供を行い、身体障害者・知的障害者、重症心身障害者、重度自閉症者を対象に定員30名、月曜日から土曜日までサービス提供をしています。
センターの理念である「『ノーマライゼーションの現実』から、『ソーシャル・インクルージョン(社会的包含)』へ。〜豊かな暮らしの実現のために〜」に向けて、厚木駅から徒歩10分の田畑が広がるところで運営しています。

<特に良いと思う点>

1.医療と福祉の連携性が高く、福祉の拠点施設の役割を目指しています
看護師は6名が在籍し一日3名体制を取り、高度な医療的ケアが行えるよう環境を整えています。また、看護師が利用者送迎時に添乗し、支援員的な役割も担っています。送迎時間はフレックス制を取り、家族とより密接な連携を図っています。
重度な方を多く受け入れるため、作業療法士・理学療法士・看護師・嘱託医・協力病院・スーパーバイザーなど専門職と連携を図り対応しています。
同施設内は精神障がいや身体障がい者の相談窓口、地域高齢者や障がい就労者の活動、障害児施設など様々な福祉と人々との交流など、地域福祉の拠点となるよう支援を行っています。


2.サービス開始から終了まで一貫した対応を行い、利用者へ質の高いサービスを提供しています
サービス開始時にはアセスメントシート等に利用者の支援に必要な個別事情や要望を記録把握して、個別支援計画書に展開しています。サービス開始後もモニタリング記録書や日誌により、利用者の状況をみながら、個々の障がい特性、ニーズに応じられるように、適時支援内容の見直しを行っています。
サービス終了時も、それまで行ってきた支援状況を考慮し、終了後の方向性を検討しています。このようにサービス開始から終了まで一環して、利用者本人にとって何が一番最適なのか考えた支援を行っています。


3.相談支援事業所や地域活動支援センター、行政との連携により、利用者がワンストップで障がいサービスの提案が受けられます
わかば会館には、わかばケアセンターの他に、相談支援事業所や地域活動支援センターが併設されており、緊密な連携が図られています。海老名市の指定管理者ということもあり、障がいサービスに関する情報が集約され、利用者にとっては、ワンストップで各種提案を受けることが出来ます。
また地域に開かれた施設を目指し、福祉関係機関や自治会、近隣の学校、商業施設と協力し、毎年わかば会館祭りを開催し、地域交流を行っています。


<事業所が特に力を入れている点>

1.地域の福祉避難所として災害時には地域住民を受け入れるなど地域貢献に取組んでいます
海老名市の福祉避難所の指定を受けており、災害時には地域住民を受け入れる体制になっています。民生委員や自治会などの関係団体や地域住民と毎年福祉避難所としての大規模な避難訓練を実施し、災害時に備えています。
また施設にあるスヌーズレン(重度知的障害者に感覚刺激空間を用いて余暇やリラクゼーションを提供)ルームを土曜日に自閉症や肢体不自由者団体、養護学校などに開放したり、特別支援級や養護学校に職員が講師として出向き、障がいについての講座を行うなど専門性を活かした地域貢献に取り組んでいます。

2.利用者個々のニーズに応じ、広い訓練室で多種の機器の利用や訓練を行っています
機能訓練士として作業療法士1名、理学療法士3名体制で、個々のニーズに対応しています。広い訓練室には3台の大きなマットを設置し、周囲には多種機能訓練機具、特殊な機能訓練機器が設置されています。
機能訓練士は月曜日から金曜日まで、個別の状態や要望に応じ、訓練内容を計画し実施しています。また家族からの福祉用具や生活上の訓練などの相談にも応じています。土曜日は福祉用具事業者による地域の福祉用具利用者が装具や福祉用具の相談や訓練にも機能訓練室を開放しています。スヌーズレンルームでのリラックスした機能訓練も実施しています。


<改善が望まれる点>

1.職員の情報共有が口頭にとどまる場合があり、文書による確実な連絡
サービスの基本事項や手順はマニュアルにより記述されていて、職員はいつでも参照できるようになっています。しかし、半年ごとに行われるマニュアルの定期点検・見直し以前に発生する重要事項は、そばにいる他の職員に聞くことになっています。
この場合、情報共有が口頭のみになってしまう恐れがあります。職員間のサービスレベルのばらつきが少なくなるように、口伝で行われた重要事項を文書に残し、半年ごとに行われる手引書の定期点検・見直しに確実に反映させていくことが期待されます。


2.常勤職員と非常勤職員の間における、職員間コミュニケーションを図るとともに、指導的立場の職員育成
常勤職員は異動が多いため、勤務年数が長い非常勤職員の経験が重視されています。そのため常勤職員による指導や信頼に不十分な点もあります。
職員による評価でも、「職員間での共有が出来ていない」「軸になり、全体を把握して指示を出す職員、教育する職員の役割を強化してほしい」との意見があります。今後は、職員間で更なるコミュニケーションを図り、指導力を発揮できる職員の育成が望まれます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

@ 虐待が疑われる場合は、市のケースワーカーや相談支援事業所と連携して対応しています。
毎年虐待に関する法人研修や市の研修を受講して理解を深めています。マナーや人権擁護に関するビデオの「利用者さんとの接し方」を年に1〜2回職員が観て、支援の方法についての振り返りをしています。また人権擁護に関する法人が作成したツール「グレーゾーンを語ろう」を使用し、ロールプレイを通して、利用者、職員の立場を体験して気づきを話し合う研修を定期的に行っています。虐待が疑われた場合は市に報告(通報)し、市のケースワーカーや相談支援事業所の職員と連携をとりながら対応しています。

A 個人情報に係る書類は事務所の鍵のかかる書棚に保管しています。個人情報の使用について、あらかじめ想定される利用目的に対しては重要事項説明書で説明するとともに、同意書をもらっています。利用者の活動が具体的に確認できる写真などの使用については、外部に出すときにはその都度確認しています。
利用者の私物は事務室で預り、管理するようにしています。また、着替えをする更衣室にはカーテンが設置してあり、外からは見えない配慮をして利用者のプライバシーの保護を徹底しています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

@ 利用開始の際には家族との十分な面談を行い、相互の意思確認をしています。
サービスの開始前に基本的ルール、サービス内容、利用者負担金や緊急時等における対応方法などについて重要事項説明書やサービス利用契約書を使って事前説明をおこない、利用者・保護者の同意を得ています。また、サービスに関する説明の際に利用者・保護者の意向を確認し、面談記録に残すとともに、アセスメントシートを作成しています。
さまざまな障がいの方が利用されているので、個々の障がい特性、ニーズに応じた支援を行い、より満足度の高いサービスを提供できるよう考えています。

A サービス開始時にこれまでの生活歴を考え、本人に最適な支援を検討します
サービス開始時前に作成したアセスメントシートにより、利用者の支援に必要な個別事情や要望を把握し、これまでの生活歴を配慮したうえで、必要と思われる支援について担当者を中心に検討、実践しています。障がい特性について検討し、利用者にとって何が一番最適か、そしてどのような方法がご本人にとって理解しやすいものかを考え、支援方法を組み立てています。
利用者へのサービスの開始時に環境変化による影響を緩和するために、支援に必要な個別の事情や要望を個別調査票から読み取って把握し、個別支援計画を作成しています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

@ サービスの向上をめざして業務水準を見直す取り組みをしています。提供しているサービスの基本事項や手順等は業務計画に掲載され、改変や見直しは定期的に年度の初めに実施されていますが、必要に応じて随時おこなわれることもあります。その際にはグループを中心に、チーム職員からのアイデア等を取り入れています。グループ会議では「気づき」をテーマにして職員から気づきや工夫を引き出す取り組みをしています。

A 全員が相互に助け合い、適切な指導を受けられる体制の整備に努めています。日々の業務にあたっては、施設長、主任によるスーパーバイズ、各グループではリーダーによるOJT、新人職員には研修を実施し、職員への指導および助言が行われています。非常勤職員へは常勤職員が指導および助言をおこなうようにしています。
また、外部研修の機会も提供され、事業所が設定する以外にも職員が自主的に学びたいという希望については事業所の援助を受けて積極的に参加できる環境が整えられています。

? 法人では中期計画を策定し、それを基に事業所で、単年度の計画を策定しています。法人全体で中期計画(マスタープラン)を策定してあるので、それを基に事業所で単年度計画を策定しています。指定管理のため行政、地域との関わりが非常に強いので、それが事業計画に反映され、実行されています。
「相談支援や地域活動支援センター、行政との連携により、障がいサービスに係る情報が集約され、ワンストップで利用者が各種提案を受けられる施設を目指しています。」が事業計画の取り組みになっています。また指定管理5か年計画もあり、こちらの計画実行にも取り組んでいます。

4 地域との交流・連携

@ 地域の福祉避難所として、災害時には地域の障がいの方を受け入れる体制になっています。民生委員に施設説明会を実施し、福祉避難所や障がい者について理解を深めてもらい、民生委員からの情報ももらっています。自治会にも災害時の避難所の利用などの説明を行っています。

A 施設にあるスヌーズレンルームを土曜日に自閉症や肢体不自由者団体、養護学校などに利用してもらっています。特別支援級や養護学校に講師として職員が出向き、障がいについての講座をするなど専門性を活かした地域貢献を実施しています。


5 運営上の透明性の確保と継続性

@ 理念を施設入口に掲示し、職員や利用者、家族に周知しています。法人の理念を施設入口に掲示して、職員や利用者、家族に周知しています。事業所の方針は、施設が指定管理者になっているため、海老名市の方針や障害者総合支援法の理念に則ったものになっています。事業計画に基本方針を明示し、理念については職員会議で、管理者が全職員に話して理解を深めています。常勤職員には,法人の新人研修で理念の説明があり、非常勤職員は、採用時にエリアマネジャーから他施設職員と一緒に説明を受けています

A 重要な案件については、職員会議で検討して決定しています。重要な意思決定は、これまでは管理者と主任支援員で行なっていましたが、最近は職員会議でみんなの意見を聞いて、確認してから決定するようにしています。重要な案件に関する決定事項は、職員には管理者と主任支援員から伝えています。家族には運営に関するような決定事項、例えば土曜日の開所日を増やしたり、給食業者を変えるなどは、管理者から直接家族に説明し了解を得てから、書面でも周知しています。

6 職員の資質向上の促進

@ 法人の研修制度があり、全職員が研修を受ける機会があります。法人内研修には管理者、入職4年から6年目の職員、3年以内の職員、新入職員、共通研修などがあり、該当職員は受講することが出来ます。外部研修では、神奈川県主催の自閉症、TEACCHIプログラム研修などに参加しています。

A 研修レポートを職員間で共有し、職員会議などで研修内容の報告を行っています。業務の指導は、サービス管理責任者やグループリーダーが行っていますが、非常勤職員の方が経験豊富で、事業所の勤務年数も長いこともあり、常勤職員の指導体制が確立していません。今後は指導担当のシステム作りが期待されます。

B 人事評価制度があり、職員本人の目標、達成度を個別面談で確認しています。法人が作成したチェックシートで職員本人が業務の目標や達成度などを記入し、それを基に管理者と個別面談を行い、目標達成に向けてのスキルや、コミュニケーション能力などについて話し合い、評価を行っています。
毎年法人でメンタルチェックを実施し、希望すれば、マネジャーやカウンセラー、医師などが相談できる体制を整えています。

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