かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

らいらっく保育園(2回目受審)

対象事業所名 らいらっく保育園(2回目受審)
経営主体(法人等) 社会福祉法人 リラ福祉会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 211 - 0032
中原区木月伊勢町6番1号
tel:044-872-9888
設立年月日 2011(平成23)年04月01日
公表年月 2018(平成30)年11月 〜
使用評価項目 川崎市版
評価機関名 株式会社 R−CORPORATION
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【概要・立地面の特色】
●らいらっく保育園は社会福祉法人リラ福祉会の経営です。らいらっく保育園は、理事長がこれまで川崎市で保育事業に尽力してきた集大成として8年前にこの地に開設し、現在、法人系列の「らいらっく幸保育園」、「らいらっく山吹保育園」を経営し、地域に大きく貢献しています。法人名及び園名は、理事長出身の北海道の名花に因み、法人名の「リラ」はフランス語由来の薄紫色の花、ライラックを語源とし、園名には子どもにわかりやすく平仮名で「らいらっく」と表示され、リラの花のように香りと枝先にみごとに房なりの花を咲かす木のように、子どもたちが集う保育園として思いが込められています。園舎は、理事長の保育経験を織り込んだ独自設計で建設され、環境整備、使いやすさは好評です。園では、「育てたように子は育つ」の言葉を推重し、子どもが伸び伸びと育つ環境作りに努めています。
●らいらっく保育園は、東急東横線元住吉駅から徒歩5分、「らいらっく保育園前」交差点の角地に明るい色合いの外観と広い園庭が印象的です。近隣には関東労災病院、住吉小学校等があり、すぐ側を流れる渋川河川のソメイヨシノの桜並木は「住吉ざくら」と呼ばれ、春は華やかに咲き誇り、夏へと移り変わる桜の緑鮮やかな景色や四季折々の自然が彩る場所にらいらっく保育園は位置しています。園の方針は、子どもの幸せを最優先し、創意工夫と環境作りにより、健全な心身の発達を育成し、保護者と園による「共育て」を推進し、実現に向けて自己評価を通して資質向上を図り、職員相互の研鑽を継続して展開しています。

<特に良いと思う点>
【共育ての実践】
らいらっく保育園では、乳児・幼児期は人間形成にとって極めて重要な土台作りの時期と捉え「居心地の良い場作り」と「刺激しなければ育たない経験」を、保護者と連携しながら「共育て」を進めています。子どもの状況や家庭・地域社会での生活実態を把握し、子ども主体の思いや願いを受け止め、子どもが自発的、意欲的に関われるよう保育環境の構成に努め、乳児・幼児期の豊かな体験や生活・遊びを、保護者と共に育てる保育に取り組んでいます。
【完全給食の実施】
らいらっく保育園では、保育園生活の一環として食育を重要視して完全給食を実施し、全職員で連携し
て食育計画を策定しています。食事は季節の旬の食材を取り入れ、子どもたちに食材に触れる機会を設
ける等、食への興味関心から食す意欲の育みに取り組み、食事が楽しみとなるよう豊かな献立作りに力
を入れています。また、食文化を意識した和食・洋食・中華のメニューを盛り込み、季節ならではの料
理や、日本の伝統的な料理を取り入れ、おやつは良質なたんぱく質を豊富に含んだ手作りのヨーグルト
等を提供しています。食育では、園庭で季節の野菜を栽培し、収穫までの生長の過程を楽しみ、収穫し
た野菜はクッキング体験で味わう等、日々の園生活を通して食べることの大切さや食事の楽しさを育ん
でいます。
【保育士の資質向上への取り組み】
「保育は人なり」の信条を基幹とし、日常のあらゆる経験と共に積極的に専門知識・技術向上の研修を受講し、資質向上に努めています。園では、アメリカで発表された研究誌「保育の質の向上と子どもの発達」からポジティブ・ケア・ギビング(ポジティブな養育)の考え方を導入し、自己評価に「ポジティブな養育チェックリスト」を設け、自己評価により職員相互に違いの認識を図り、相互理解を深め、「気付き合う」ことにより信頼関係の構築に生かしています。

<さらなる期待がされる点>
【ポジティブ保育の研究・向上について】
園ではアメリカのポジティブ・ケア・ギビング(ポジティブな養育)の考え方を取り入れた保育を展開しています。展開に当たり、全職員が習得して展開を図るには、職員の安定化、各職員の力量の差異等を加味して日々の研鑽が求められます。特に、保育理論の根本を理解し、理論を応用して保育に展開するための理解力、理解した上での展開力については、職員間、職員と園との相互理解を深め、「気付き合う」体制の確立が望まれ、今後更なる研鑽が期待されます。

【地域への貢献について】
地域への貢献については、前回の第三者評価受審の際に都市型の地域コミュニティへのアプローチについて言及させていただきました。前回は園長会、保育士会、幼保小連絡会等への出席、児童相談所主催の要保護児童の会、幼保小連絡会等に参画する等、協力体制を整えているとのことでした。今回、更に地域への貢献として、老人ホームへの訪問・交流、子育てサロンへの出張保育や、近隣小学校の「こども110番」協力施設として取り組み、地域とつながりを深めています。らいらっく保育園を地域の文化施設として、今後も継続して「子ども」を中心とした地域への貢献を期待いたしております。

【「職場」の資質向上を図る研究の継続について】
事業プロフィールの中で、今後取り組んでいきたい点として「職場の資質向上を図る研究の継続」が挙げられていました。職員の資質向上ではなく、「職場」の資質向上という点に大きな期待を感じました。職員一人ひとりの資質向上については個々に時間を要することもありますが、様々なレベルでの集団において、個ではできないことも「職場」で協力すればできることがたくさんあります。更に、相互に協力・連携し合うことで職員一人ひとりのレベルアップも相乗して期待されます。あらゆる視点での研究を継続し、資質向上の発展に期待が寄せられます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

●園では、子どもの意思を尊重し、子どものありのままの姿を認め、子どもの思いを大切にする保育を進めています。職員は、外部の人権の研修に参加し、伝達研修で共有を図り、園内研修でも基本的人権について学び、理解を深めています。らいらっく保育園では、ポジティブ保育を実施し、園のしおりに保育理念、方針、目標、方法を集約して明示し、保護者に理解を促しています。

●虐待の防止・早期発見については、虐待早期発見マニュアルを備え、保護者とコミュニケーションを密に図り、登降園時の親子関係、普段の衣服の様子、着替え時のボディチェック、子どもの心身の状態を常に把握し、早期発見に努めています。会議等での情報や、異変を感じた場合は、園長に報告し、全職員に周知を図り、複数の目による見守りを実施し、必要に応じて関係機関と連携を図り、助言を受けられる体制を整えています。

●個人情報保護について、就業規則に明示し、職員に守秘義務を周知徹底しています。保護者には新入園児面接時、保護者会、懇談会時に個人情報保護に関する説明を十分に行い、写真撮影では同意書を得る等、肖像権に配慮しています。日頃の記録では、必要事項以外はこどもの名前の表示は控えるよう配慮しています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

●利用者満足の把握に向けて、保護者懇談会、保育参観、保育参加、個人面談を実施し、要望や意見を聞く機会を設けています。また、年1回、個人面談を実施し、年2回、クラス別懇談会を開催して保護者の意向や満足度の把握に努めています。保育参加についてはいつでも受け入れ可能なことを伝え、保育参観時には意見等を聞いています。担任との面談に関しては、懇談会で事前に面談予定表を配付して実施し、必要に応じて園長も同席しています。保護者からの意見・要望等は、第三者委員会を設置して対応しています。

●意見、苦情、相談等について、日頃から子どもや保護者とのコミュニケーションを心がけ、信頼関係を築くよう心がけ、登園時はグループの担任が出迎えるようにし、降園時もグループの職員が対応し、保護者から相談等を受けられる体制を全職員で整えています。受けた意見等は記録に残し、職員会議で対応や改善について検討し、迅速な対応に努めています。検討結果は該当保護者に直接フィードバックし、報告書にまとめて保管しています。

●園では、子ども一人ひとりの発達や生活環境等を把握し、個々にねらいを設定し、デンバースケールを活用して個々の発達状況を確認し、理解を深め、ありのままの姿を受容して援助しています。配慮の必要な子どもについては、個性や特性を理解し、他の子どもと同じグループで課題保育に取り組みながら生活の質を高められるよう支援に努め、発達障害支援コーディネーター資格取得者を配置し、ケースカンファレンスを行っています。また、専門機関に相談、助言を得る等、連携を図っています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

●園の必要な情報は、園のホームページや、川崎市のホームページ、園のしおり、中原区の子育てガイドブックに掲載して情報を提供しています。園見学については、4月を除く行事のない日とし、子どもと職員の動きが見える平日10時〜11時に限定し、希望者に施設内や保育の様子を見学してもらっています。サービス利用開始後は、慣らし保育を実施し、1週間程度を目安とし、家庭の事情等を考慮して臨機応変に対応しています。園では全園児が連絡帳を使用し、保護者と密に連携を図り、個別の保育実施状況を知らせ、情報の共有化を図っています。

●全体的な計画(保育課程)、指導計画は園長を責任者とし、保育計画・保健計画・食育計画を基に各年齢の主任・副主任を中心に年間指導計画を作成しています。指導計画は毎月、各クラスで評価・見直しを図り、指導計画は職員会議で報告し、全員で共有し、次の指導計画につなげています。年度末には年間計画の総括と見直しを実施し、実践については週案・日案で見直し、最善の方法を検討し、次期計画に反映させています。

●提供するサービスの実施方法については、職員の心構え、ポジティブ保育の書籍等を活用して園内研修を実施し、職員間の共通認識を図っています。更に、ポジティブ保育を実施し、「保育の質の向上と子どもの発達」からポジティブ・ケア・ギビング(ポジティブな養育)の考え方を導入して実践につなげています。年度末に、新保育指針の全体的な計画(保育課程)・保育計画・個人記録等の見直しと併せ、チェックリストを活用したポジティブな養育の自己評価を実施し、より良い保育を目指しています。

4 地域との交流・連携

●園の情報はホームページ、川崎市ホームページ内の子育て支援ナビ、子ネット通信、中原区社会福祉協議会の情報誌、中原区認可保育園子育て情報誌の「このゆびと〜まれ!」、行政の掲示板等に園の情報を開示しています。また、園の掲示板にも情報を長期間貼り出し、園行事の際には地域数箇所に案内を掲示して発信しています。夏まつり、らいらっくまつり、園児作品展、乳幼児救命救急講習は一般開放し、地域に寄与しています。

●ボランティアの受け入れについては、受け入れマニュアル、レジュメを整備し、園の方針や基本姿勢を明確にし、受け入れ体制を整えています。大学、専門学校の実習生、中学・高校生のインターンシップを受け入れています。

●関係機関との交流、団体との連携では、川崎市保育会の園長会、保育会、幼保小連絡会等に副園長が出席する他、児童相談所主催の要保護児童の会等の関係機関・団体と定期的な連絡会に参画しています。副園長は、幼保小連絡会に保育園として年2回参加し、実務者も年2回出席しています。また「こども110番」の協力施設として参画する他、赤十字への寄付、赤い羽根募金に協力しています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

●保育理念・方針・保育目標・保育方法は、園のしおりや園内のポスターに明記し、福祉サービスの方向性や職員の行動規範はホームページ、懇談会資料に表記して周知しています。職員に対しては、年度初めの職員会議、園内研修で保育理念、方針の理解を深め、日々の保育、記録等を通して園長から指導を受け、ケース相談時にも方向付けを示しています。また、職員の面談で保育理念・方針に即して実践できているかを確認しています。中長期計画は事業計画の中に織り込み、現保育園でやるべきこととして、体質改善を中心に経営的面も加味して実行しています。

●園長は、職員の役割分担表を作成して業務内容を明確にし、職責ごとの責任を定め、体制の定着を図っています。また、園長の運営の考え及び役割と、子ども自身の幸せを願い全ての責任の表明を行い、サービスの質の向上に努めています。園長は、定期的にグループ会議、リーダー会議を実施し、常に課題や改善に向けた提案を各担当から報告を受けて改革に努め、日頃から職員の声に耳を傾け、定期的に職員面談を実施し、意見、意向を把握し、働きやすい職場環境作り、改善に向けた運営に尽力しています。経営や業務の効率化では、法人系列全園で研修会を開催し、事前に「法人のどんなことが知りたいか」のアンケートを実施し、理事長、各園長と話し合い、各園でクラス別、職種別に話し合いを設け、法人全体でベクトル合わせを行い、より良い運営に向けて指導力を発揮しています。

●年1回(12月)、職域分担の下、職員の自己評価を実施し、課題を明確にして共有を図り、目標や改善策を立て、次期に反映させるよう実施しています。今年度、第三者評価を受審し、サービス内容の質の向上につなげていきます。園計画に対しては、月案に関する評価を毎月末行い、次月の月案、期計画、年計画の評価につなげ、次期計画に反映するよう努力しています。園長は、常にイノベーションを目指し、園のミッションを検討し、全体の方向付けを行うよう進めています。


6 職員の資質向上の促進 ●人材の採用は、正職員中心の定期的な採用計画を基本とし、用務員を雇用せず、要員として保育士を増員して新年度には厚い保育士体制を整備する等、効率的な採用に取り組んでいます。また、パート職員については保育資格を有する人材を採用し、職員一人ひとりの能力を発揮できる環境作りと、子どもの発達を保障するための人的環境の整備に努めています。管理体制は就業規則に明示し、透明性のある管理を実施しています。
●法人の想い「おひとりおひとりのかけがえのない未来のために・・・」を基に、職員自身が人として幅の広さを備え、感性を高め、専門性を深めて習得していくことを目指し、研修の機会を多く設けて研鑚を図っています。職員の教育に関する基本姿勢として「保育者の資質の向上や職員相互の研鑽を図る」ことで良質の保育を実践していく旨を保育目標に明示し、実行しています。園内研修では、職員・仕事の心得、身だしなみ、言葉遣い等の基本的接遇を学び、各種法規・規範・倫理等については研修及び全国の保育士手帳を各自保有して理解を深め、定期的に外部研修を受講し、知識・技術の共有化を図っています。保護者については、入園式で児童福祉法に則った保育の話、コンプライアンスに関する法人の考え方を伝えています。
●園長は、職員の日々の様子を確認し、声かけを行うなど配慮に努め、有休消化率や時間外労働の状況を毎月末に確認し、改善の必要性が生じた場合は業務内容や人的配置を見直し、改善に努めています。原則、週40時間・週休2日勤務とし、早朝・延長保育担当を年間計画で作成し、状況に応じて交代できる体制を整備しています。夏季休暇は5日間の特別休暇を設け、年休消化と休日出勤を合算して12〜13日の休暇が取得できるよう配慮しています。園長は、常に相談しやすい環境作りに尽力し、園内問題については早急に対応できる体制を心がけています。

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