かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

川和保育園

対象事業所名 川和保育園
経営主体(法人等) 社会福祉法人 共に生きる会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 224 - 0057
都筑区川和町890−2
tel:045-932-5933
設立年月日 1974(昭和49)年03月29日
公表年月 2018(平成30)年10月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 一般社団法人 日本保育者未来通信
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の概要】
 社会福祉法人共に生きる会川和保育園は、市営地下鉄グリーンライン「川和町」駅から、徒歩10分、緑に囲まれ、周辺は住宅街が広がる中にあります。当園は、1942年(昭和17年)に創立し、1949年(昭和24年)に公認川和保育園となり創立以来キリスト教に根ざす保育にあたっています。2018年(平成30年)4月より、現在の場所に移転しております。なお、法人は、保育に特化し川和保育園のみの運営にあたっています。
 当園の定員は、181名(0〜5歳児)、開園時間は、平日7時〜19時、土曜日7時〜18時です。園バス通園があり、緑コース、黄色コースの2コースでの送迎を実施しております。
 園の施設は、2階建ての園舎が園庭を囲むように設計されており、1階が園長室、職員室、調理室、医務室保育室(0歳児室、1歳児室、2歳児室、3歳児室の4つ)、2階が絵本室、職員会議室、保育室(4歳児室、5歳児室の2つ)となっています。1階の保育室はすべて縁側に接しており、縁側から園庭に出られるようになっております。2階の保育室からもベランダから、直接園庭に出られるようになっております。
 園の立地からも周囲は緑が多く、新園舎工事の際には、旧建物の土砂、石を再利用するなど自然の地形を活かした保育環境を整備しております。園庭内には、数年後を見越して木々が豊富に植えられているとともに、築山やじゃぶじゃぶ池など子どもが遊び込める環境を子どもの様子や季節に応じて整えています。また、裏山の畑ではインゲンやトウモロコシなど数多くの栽培をしているとともに、園庭内も含め、亀、ウサギ、ヤギやアヒルなどの飼育もしております。
 園の主な行事として、進級・入園式【4月】、初めての園外【5月】、花の日礼拝【6月】、七夕・夕涼会、夏の三つ峠登山(年長)【7月】、お泊り会(年長)【8月】、園庭キャンプ(年中)【9月】、運動会、秋の三つ峠登山(年長)【10月】、バザー、収穫感謝礼拝【11月】、クリスマス礼拝【12月】、おもちつき【1月】、音楽会【2月】、お別れ園外【3月】があります。
 「自分で考え、自分で遊べ、子どもたち!」の理念に基づき、柔らかい感受性を持った子どもたちが体験を通して自分自身が心を動かし学んだことが、人間形成の基礎となり子どもたちの一生を貫いていくものと考えています。多くの子どもたちが自然と遊離しているこの時代に、可能性豊かな子どもたちを自然の中に解き放ち、季節を感じ、人にも物にも優しさを向けられる心を育くむ保育を実践しています。

1.高く評価できる点
〇子どもたちが自分で考え、自分で遊べる環境が十分に整っています。
 園庭には、ダイナミックな遊びが展開できる、築山やじゃぶじゃぶ池、大型プールや自転車、三輪車、キックスケーターやストライダー、木の家、太鼓橋などがあり、子どもたちは十分な時間の中で、自分たちで遊びを選び、友だちとかかわりながら遊びを展開しています。また、園庭に何ヵ所か設置されたパラソルの下にある木製テーブルで積み木遊びをしたり、絵本を読める場所などがあり、子どもたちはゆったりと時間を過ごすこともできる環境が整えられています。乳児クラスも年上の子の遊びを見て遊ぶことができたり、乳児クラスの子が主に遊ぶ砂場などもあり、思い思いの遊びを楽しむことが出来ます。園庭は、年齢にかかわらず行った先で子どもたちの発達や興味、子どものしたいことをすべて吸収してくれるような環境になっており、子どもたちが十分に遊びこみ、そして遊び込める時間が確保されています。また、遊びたい時に好きな遊びが十分に楽しめるよう、砂場道具などの道具が十分に揃っています。園庭環境は、子どもたちの遊びの様子や季節に応じて作り変えられます。
裏山の畑では、インゲン、ミニトマト、バジル、キュウリ、トウモロコシ、イチゴ、枝豆、オクラなどを育てたり、飼育活動は、亀やウサギ、ヤギ、アヒルなど多くの動物を園庭や裏庭で飼育し、日ごろから動植物と触れ合う機会が豊富に用意されています。
室内の環境設定としておままごとコーナー、トイレットペーパーの芯などの廃材を使った制作コーナー、線路積み木コーナー、絵本コーナーなどがあるとともに、期ごとに子どもたちの興味や発達、また要求によって用意するものを変えています。また、異年齢でかかわりがもてるような、遊ぶスペースが廊下の空間に何ヵ所も設けられています。そこには、すぐに手に取って遊べる玩具(コルク性の積み木、木製の電車、絵本など)があります。
 職員は、子どもたちが自分で考え、自分で遊べるように、子どもたち一人一人の発達や様子を深く理解した上で、基本的には見守りますが、常に職員間で連携し見守るポイントなどについて共有しています。朝は雨が降っていたので片付けられていた園庭の絵本コーナーを、午後に晴れたら、絵本コーナーを設置したり、子どもたちがご飯を食べている時に、築山を直したり、砂場道具を整えたりするなど、保育環境を常に整えています。これらの環境の中で、子どもたちは遊びに没頭し、その場を生き、遊びでの学びを体に染み込ませている姿が見られます。

○課外活動を通して様々な体験をしています
行事として、初めての園外【5月】、夏の三つ峠登山(年長)【7月】、お泊り会(年長)【8月】、園庭キャンプ(年中)【9月】、秋の三つ峠登山(年長)【10月】、お別れ園外【3月】も含め、園バスを使って積極的に課外活動を行っています。その一つとして「三戸浜」での課外活動では、6月ころから、園庭のじゃぶじゃぶ池での遊びを始め、その後、三戸浜に3〜4回遊びに行き、そこでは徐々に「あそこまで泳いでみよう」「ここから飛び込んでみよう」など、いろいろなことにチャレンジをしています。父親のボランティアや、OBなどの手伝いもあり、課外活動がさらに充実しています。8月には、2泊3日の三戸浜での課外活動があり、これらのことを通して子どもたちは様々な体験をしています。
また、それ以外の課外活動として、三つ峠に夏と冬に行き、夏は登山、冬はソリ滑りなどその季節の山での遊びを体験しています。

2.独自に取り組んでいる点
〇保育内容に応じて、様々なグループを編成しています
・幼児クラスは、4~5名で編成される生活グループがあり、そのグループで同じテーブルを囲んで、食事をしたり、ヤギ、アヒルなどの動物の世話をしたりしています。保育内容に応じて、4~5名で編成される生活グループを20名ぐらいのグループに編成し活動することもあります。その他のグループとして絵本サークルというグループがあり、サークル(半円)になって、子どもたちが集中して絵本を見ることができる人数を編成しています。そして、絵本以外に話す内容に応じて、グループの人数を変え子どもたちとのやり取りを楽しめる人数で、サークルになって話すこともあります。
 また、日常で身近な「家族」という単位を模倣しグループを編成しています。グループは、2~3人の5歳児で「夫婦」と呼ばれるグループをつくり、そこに2~3人の4歳児が入り、合計4~6人の「家族」というグループが編成されています。その中で5歳児は、身の回りの世話をするなど「夫婦」と呼ばれる親の役割をすることで、自然と4歳児の手本になったり、生活するうえで守るべきルールなどを意識します。また4歳児は、5歳児の「夫婦」と呼ばれる親の役割がいることで、困ったときに助けを求めることができ、その中で次第に5歳児を慕うとともに、憧れる存在として意識します。さらに、普段の生活や遊びの中でも、子どもたちは「家族」というグループを感じお互いに助け合いや気遣いなどが見られます。また、家族というグループでこどもの国やスケートに行くなどの課外活動を実施しています。6月の花の日礼拝では、日ごろかかわりのある老人ホームなどにどの家族のグループが花を渡しに行くかなどを、家族同士で話し合い決めて、訪問に行くという取り組みがされています。家族というグループで一緒になった子どもたちは、運動会や発表会などで同じ家族の子どもたちを応援する姿も見られます。

○美術活動を積極的に取り入れています
5歳児クラスの活動として、「美術」があり、月に1回美術専門の先生が園に来て、「玉ねぎ染めのTシャツづくり」や「針金におはじきをボンドで付けた飾り」などを作っています。また、こいのぼりの時期は、他のクラスは紙でこいのぼりを制作し、年長は布を縫って、その布を使ったこいのぼり制作しています。

3.工夫・改善が望まれる点
〇マニュアルの整備と人材育成
ボランティアや、実習生を積極的に受け入れております。今後はボランティア受け入れマニュアル、実習生マニュアルなどを整備し、さらに職員間で受け入れに関する基本的な考え方や方針を共有することが期待されます。また、人材育成では理念に基づき、素晴らしい実践をされているため、今後は園独自の現代に即した、人材育成マニュアルなどを作成し、人材育成や技術向上、振り返りを行うことで、すべての職員の育成を確かにしていくことが期待されます。また、理念に基づいた実践の中で、保護者の負担内容について、さらに丁寧に説明するとともに、職員も含めた負担軽減の新たな仕組みや方法を検討することが期待されます。


評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重 ・運営方針、職員体制、利用料金、苦情相談窓口などが記載された重要事項説明書にて保護者に説明するとともに、入園前に入園説明会を3回、入園後も年間7回のクラス懇談会を実施し、十分に保育の理念や基本方針を周知しています。
・職員は子どもたちの発達状況などをしっかり把握したうえで、職員間で声をかけ合いながら、子どもたちの遊びの状況に合わせて見守ったり、必要に応じて声をかけています。
・おだやかに分かりやすい言葉で話をしています。例えば、じゃぶじゃぶ池で遊んだ後の着替えにおいて、縁側で職員が一人一人の子どもに優しく声をかけ髪を結んだり、自分で着替えるのを促したりする姿などが観察されます。
・子どもの気持ちや発言を受け入れられるよう、職員からの一方的な働きかけでなく、子どもたちとの対話を通して活動を進めています。
・室内では、木製の3階建ての小さなログハウスがあり、そこでは友だちや保育士の視線を意識せず過ごせる場所があります。
・個人情報の取扱いについては、全職員(ボランティア・実習生を含む)と保護者に周知し、同意書を交わしています。
・個人情報に関する記録は、施錠できる所定の場所に保管、管理しています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 ・入園までに、個別面接と入園説明会(3回)を実施し、園の理念等を理解していただくとともに、各家庭や子どものことを十分に把握するよう努めています。また、行政からも入園前に必ず園見学をすること、入園説明会に参加することを保護者の方に伝えていただくようにしています。入園前に各家庭の状況や子どものことを把握することで、保育園とのミスマッチを減らし個々の状況に合わせた保育の計画と実践へ活かしています。
・週1回の各クラス会議にて、職員同士で指導計画の作成、見直しを十分に行っています。その際に、個々の子どもの特性や現状を職員間で丁寧に振り返り、保育者のかかわりをはじめ、適切な環境の整備に取り組んでいます。また、昨年度までの記録なども見直し、今年度の指導計画にも反映しています。
・園庭は、じゃぶじゃぶ池や大型プール、築山や木のお家、自転車、三輪車、キックスケーターやストライダー、また絵本を読める場所など、子どもたちが行った先で楽しいことがあるような環境になっており、十分に遊び込み、そして遊び込める時間が確保されています。
・子どもの自由な発想を受け止め、それを集団生活に取り入れています。例えば、園庭にある木の家で6~7人の子どもたちが集まって、ごっこ遊びをする姿などが見られます。木の家の屋根に上り、下にワニが居る想定で会話を膨らませながら楽しんでいたり、下に小さい子がいると「赤ちゃんがいるよ」などと話す姿も見られます。途中からごっこ遊びに入る子は「仲間に入れて」など言いながら仲間に入っている様子も見られます。
・友だち関係やルールを守るなどの社会性については、例えば、じゃぶじゃぶ池の周りに木の椅子を並べ、全員の子どもたちがじゃぶじゃぶ池での遊び方を保育者から聞く姿などが見られます。その際、保育者は、「ここは何て名前?」など質問しながら遊び方を伝えます。また、スコップや鍋を持ってきて、「こんなのが池に入っていたらどうなるか?」など子どもの自由な発想を受け止めながら話を進めています。さらに、カヌーの使い方や全員で乗ったら沈んでしまうこと、帰る前には必ずタオルで体を拭くなどのルールも伝えています。
・裏山の畑では、インゲン、ミニトマト、バジル、キュウリ、トウモロコシ、イチゴ、枝豆、オクラなどを育てています。
・クラス担任だけではなく、園長、副園長、主任保育士、専門性を有する職員はクラスの垣根を越えて相談に対応しています。
3 サービスマネジメントシステムの確立 ・日々の子どもの様子については、連絡ノートや送迎の際の会話などを通して、十分に行っています。在園児への配慮として、基本的に新しいクラスには、クラスをもち上がった担任がいること、短縮保育(ならし保育)開始の頃は、新入園児は早めのお迎えのため、その後にゆったりとかかわっています。
・重要な申し送り事項については、保護者からの依頼があれば転園先の保育所などに伝達しています。また、配慮が必要な子については、個別支援ファイルを作成し転園先に伝えています。
・小学校入学に際して、個別に配慮が必要とされる児童などには、保育所児童保育要録とは別に、保護者が小学校に自身の子どものことを伝える為のツールとして、子どもの様子などを書き記した手紙を保護者と面談の上作成しています。
・アレルギー疾患のある子どもへの対応としては、テーブルを変える、食器は色や模様を変える、プレートに名前のラベルをクリップでつけるなどの対応をとっています。
・園内で感染症等が発生したときは、手紙を配布するとともに、玄関に掲示をし、知らせています。
・調理スタッフの衛生に関するチェックを基準としながら、午睡の時間や夕方の時間を使用して、清掃などの衛生管理を行っています。
・けがについては、必ず各クラスの専任職員へ伝達があり、状況に応じて専任職員は主任、副園長、園長に伝え、怪我報告書に記入しています。状況に応じて、病院受診などの対応も検討します。
・玄関の他に複数の防犯カメラが設置されています。出入口の門は金属チェーンで常時施錠されているとともに、時期に応じてダイヤル式の南京錠でも施錠がされています。
・マニュアルは、毎年見直し、変更点については全体職員会議で職員に周知しています。
4 地域との交流・連携 ・地域の保護者などに対する相談事業として、ハンディのある子どもをもつ保護者の方から、園に相談の連絡があり対応しています。
・地域への施設開放として、園庭開放を実施しています。
・中学校のおしごと体験、小学校の町探検など学校教育と連携を行っています。
・近隣の草刈り、ゴミ拾いなどの地域環境整備を行っています。
・日常的に3歳児クラスは、公園に散歩に行くなどの中で、地域の人達と接する機会で交流を図っています。
・花の日礼拝では商店街や地域の方に花を届けるなどの交流を行っています。
・随時、見学を受け付けているので実際に来園して頂くことを勧めています。保育環境や園で過ごす子どもたちの様子を見て頂くことが最大の情報提供になっています。
5 運営上の透明性の確保と継続性 ・重要事項説明書にて、福祉サービス内容の詳細、料金、職員体制等、必要な情報を提供しています。
・「職員就業規則」「パート職員就業規則」に明記されており、随時手に取ることが可能です。
・園のHPで「定款」「役員報酬規定」、WEB上のWAMnet / 社会福祉法人の財務諸表等電子開示システムにおいて、「現況報告書」「財務諸」を公開しています。
・評議委員会、理事会などは園内で行われており、日ごろより職員も委員や理事とのかかわりがあります。
・法人監事が定期的に内部監査を行います。また、外部の専門家、税理士の助言を受けています。
・「全体的な計画」に保育理念、保育方針が掲げられており、各学年の「月間指導計画」「打ち合わせファイル」の1ページ目にファイルされています。
・理念や方針に触れる事例があれば、その都度全体会議で取り上げられ、話し合いや理解の共有が行われています。
・互いの保育の振り返りを日誌にて行い、その内容を週1回行われるクラス会議にて報告し合い、話し合っています。その中で課題を明らかにし、具体的な子どもへのかかわりへとつなげています。
・行政からの通達や園長会、また他園との直接の行き来などにより、情報の収集が行われ、その都度、理事会や全体職員会議などで共有、議論しています。
6 職員の資質向上の促進 ・園運営に十分な人材構成になるように、年齢や保育経験年数、保育への取り組み方などを考慮し、必要に応じ人材の補充を行っています。
・内部研修として、隔週金曜日の全体職員会議や、各クラス会議にて保育内容について検討しています。また、0歳児クラスの新人職員が、年長の課外活動に同行し、子どもの様子や保育士のかかわりなどを学ぶ内部研修も実施しています。
・専任職員については、外部の研修を受講したり、自ら興味ある研修を自主的に受講しています。最近では、食育情報交流会に参加し、研修報告書にて内容を全職員で共有しています。
・自己評価を計画的に行う仕組みとして、日々の日誌にて各職員が振り返るとともに、全体職員会議にて全体の振り返りを行っています。
・職員一人一人が、計画で意図した保育のねらいと関連付けて日々の日誌にて振り返るとともに、クラス会議、職員会議にてクラスや、保育所全体の振り返りを行っています。
・隔週金曜日の全体職員会議などの中で、ビデオ撮影した保育場面などを使い、保育の質の向上を目指した会議・勉強会が開かれています。
・園長との面談を通して振り返りが実施され、その振り返りでは、子どもの活動やその結果だけでなく、子どもの育ちや意欲、取り組む過程などを重視しています。
・職員の意向・意見や評価・分析などにもとづき、人事管理が行われています。具体例としては、各クラスの担任は職員で話し合って決めているという点があげられます。毎年、全体職員会議で、各クラスの適材者を話し合い決定しています。

詳細評価(PDF1,606KB)へリンク