かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

綾瀬市障害者自立支援センターばらの里

対象事業所名 綾瀬市障害者自立支援センターばらの里
経営主体(法人等) 社会福祉法人 県央福祉会
対象サービス 障害分野 多機能型事業所
事業所住所等 〒 252 - 1106
綾瀬市深谷南2-7-2
tel:0467-77-6005
設立年月日 2012(平成24)年04月01日
公表年月 2018(平成30)年11月 〜
使用評価項目 東京都版
評価機関名 株式会社フィールズ
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

<事業所の特色>

平成元年開設の「綾瀬市ばらの里作業所」が、「綾瀬市障害者自立支援センターばらの里」として平成24年に多機能事業所に変わり、生活介護事業、就労支援B型事業を行っています。事業所は、小田急線「長後駅」からバスに乗り、「大法寺」バス停下車徒歩5分のところにあります。生活介護10名、就労支援B型が10名の、定員20名の事業所です。
事業所は4つの理念、
1)「行政・教育等の関係機関とのネットワーク拡大、イベントへの積極参加による地域貢献、地域情報の収集ならびに事業所情報の発信により、『綾瀬市にばらの里あり』と認知されるための取り組みを推進します。」
2)「指定管理事業として、綾瀬市と協議しながら、地域の要請である「肢体不自由者(特に重症心身障がい者)の受け皿」たり得るべく、必要となる環境整備・職員育成を推進します。」
3)「上記2を推進する一方で、既存の利用者さんとの融和を図ります。」
4)「市のマスコットキャラクター関連の新たな商品展開など、地域において新たな役割が担えるよう働きかけ、工賃向上を図ります。」
のもとに運営を行っています。

<事業所が特に力を入れている点>

1.地域の関係機関と連携を強固にし、積極的に情報交換を行っています
綾瀬市の規模がコンパクトにまとまっているため、市や関係機関の連携が強固で風通しも良く、地域の情報が得やすくなっています。市社協の各種会議に参加し、積極的に情報交換を行っています。所長が社会福祉協議会の評議員として協力しています。また相談支援事業所、基幹相談支援センター、保健福祉プラザとも連携し、地域のニーズの把握に努めています。指定管理事業所になっているため、綾瀬市とも連携を密にとっています。

2.市内の肢体不自由者(特に重症心身障がい者)を優先的に受け入れています
家族会、市内の当事者会、自立支援協議会と連携し、肢体不自由者(特に重症心身障がい者)の受け入れを優先的に行っています。支援学校肢体級の移行担当教諭と連携し、卒業生の中で該当する人数を把握し、受け入れ準備を進めていますが、事業所の規模が小規模の為、受け入れが困難になっています。そのため法人が市内に新規事業所を開設し、連携しながら受け入れ可能な体制作りを行っています。地域のニーズに応え、肢体不自由者の受け入れを優先的に行えるように取り組んでいます。

<特に良いと思う点>

1.自主製品の「あやぴぃ缶バッジ・マグネット」を通じて地域や関係機関との連携が拡充しています
綾瀬市の秘書広報課と連携して、公式マスコットキャラクター「あやぴぃ」の缶バッジ・マグネットを独占的に制作・販売を行っています。市内の小・中学校の秋祭りに参加し販売を行ったり、消防署の防災キャンペーンに使ってもらったりしています。地域のイベントにも参加し、缶バッジやマグネットの販売を行っています。また地域の小学生と利用者が一緒に缶バッジ作りをしながら交流をするなど、「あやぴぃ缶バッジ・マグネット」を通じて地域や関係機関とのつながりが広がっています。

2.家族との関わりを大切にし、良好な関係を築いています
利用者の送迎時に家族と直接言葉を交わすことを大切にし、家庭での様子などの利用者情報を入手しています。また利用者が持ち帰る連絡帳で事業所の日常の様子を家族に知らせています。家族の高齢化や両親のどちらかが亡くなるなど家族支援も必要になってきていますので、家族を含めた包括的支援も考えています。年6回偶数月に家族会を開催され、家族からの要望や意見交換が活発に交わされています。家族との連携を大切にし、良好な関係を構築しています。

3.利用者一人ひとりの意向をもとに社会体験活動の小グループ化・個別化を図っています
社会体験活動において利用者の皆が一つの集団に参加してもらう方法ではなく、利用者の意向をもとに小グループ化・個別化を図り、活動を実施しています。「ささやかな夢がかなえられるようにお手伝いします」として家族にも伝えにくいような「やりたいこと」、「行きたい所」を利用者さん個々にヒアリングし、外出を企画・実施しています。例えば、仲良し女子ランチ会やおひとり様カラオケ、競馬場へ行きたいなどがヒアリングで聞けました。


<さらなる改善が望まれる点>

1.文書管理規定は作成されていますが、書類の破棄など整理をされることが期待されます
文書管理規定が作成され、書類の廃棄についての基準が定められていますが、実際には廃棄されていない不要な書類が書棚や倉庫に多くあります。書類の保管・廃棄規定に基づいて、不要な書類を処分することが必要です、また現在使用中の書類も雑然としているため、情報を得るなどにタイムロスが多くなっていますので、整理し業務の効率化を図ることが期待されます。

2.個人別の育成計画を策定し、職員の能力向上に取組まれることが期待されます
現状は、新人職員や新たに配属された職員は、先輩職員から業務の内容を教わるという方法で仕事のやり方を習得しています。また日常の業務で、職員がわからないことがあった時には、上司などから聞くなどで対応しています。仕事の質を担保するためにも、提供するサービスの基本事項や手順等を明確にすることが必要であります。手順書などの整備充実及び活用更新が期待されます。


評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

@法人の人権報告会で、権利擁護の専門家を講師として毎年招き、全職員を対象に昼夜2回に分けて研修を実施しています。年1回の職員会議では、倫理行動マニュアルの読み合わせを行い、自らの行動の振り返りを行っています。また、権利擁護に関するDVD を視聴し、適切な言葉かけや対応方法を確認し不適切行為の防止に努めています。終礼時には、職員同士で利用者に対する言葉かけや、制止語使用していないかを話し合っています。経済的虐待やネグレクトなどが疑われる場合は、市に連絡し相談事業所にも伝えて連携をしながら対応しています。

A契約時には、所長やサービス管理責任者から苦情解決制度について説明しています。苦情解決責任者、苦情受付担当者、第三者委員について伝えています。苦情解決制度のポスターを所内に掲示しています。苦情解決対応マニュアルが整備され、苦情を受け付けた職員は苦情受付担当者(所長)に報告しクレーム(苦情)報告書に内容を記載し提出します。所長からエリアマネジャーに報告し、エリアマネジャーから本部に報告をします。苦情や虐待事例を本部の危機管理対策室で集約し、各事業所にメール発信して情報共有をしています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

@個別支援計画作成のための手順書は、必要とする内容で整備されています。また、個別支援計画作成にあたり、次の原理原則を定めています。@サービス利用者が中心になる考え方 A生活者として障がい者を捉えることが必要 Bエンパワメントの視点 C自己決定を中心とする自立の思想が考慮されていること D権利擁護が配慮されていることを定め、利用者に対する十分な面接及び複合的なニーズ・課題の確認をしています。また、ニーズに対する支援を利用者が望んでいるかを確認する必要であると明記しています。

A障がいの重い方を受け入れています。利用者のコミュニケーションの程度については、個別支援計画作成時に生活に関するアセスメント表に基づいて意思疎通や理解などについて把握しています。また家族面談などの際にコミュニケーションの方法や表現手段等について聞き取りを行うなど特性を把握し、意思疎通を図っています。また、一部の利用者には、絵カードやスケジュールボード等を使って、利用者が必要とする情報を提供するなどしています。事業所内の掲示についても文字を少なく、写真で知らせるように工夫しています。

B「ささやかな夢がかなえられるようにお手伝いします」として、家族にも伝えにくいような「やりたいこと」、「行きたい所」を利用者さん個々にヒアリングし外出を企画実施しています。「仲良し女子ランチ会」「おひとり様カラオケで誰にも邪魔されずに存分に歌いたい」「20歳になった記念に競馬場に行きたい」などのことが聞けました。利用者の希望が実現できるように取り組み、利用者らしさが発揮できる楽しみのある生活を送ることができるように心がけて支援しています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

@事業所独自に作成の手引書等もあります。中でも、「個別支援計画作成の手引き」については詳しくわかりやすく作成されています。「支援計画手順確認書」及び「支援計画作成手順」などによって各段階で何をするかを明示しています。また、関連の様式類もそろっています。しかし、個別支援計画など以外に事業所独自で作成する手引書等は、今後さらに整備充実及び活用・更新が期待されます。また、法人で定めた事業所でも適用できる手引書等は、多くの項目にわたって作成されています。更なる活用が期待されます。

A利用者へのより良いサービス提供のため、事業所では、サービスの基本事項や手順等の見直しに当たり、職員会議等で協議し、職員の意見を反映することとしています。また「自己点検シート」に基づいて、業務を点検しています。その他、法人の監査や行政による監査の指摘事項などについて、改善の徹底を図っています。同じく日常の業務においても、法人などの指導事項などを念頭に業務遂行を図っています。また、家族会の意見及び利用者の意見は職員会議等で検討し反映に努めています。

B社会体験の一つである外出プログラムについては、今まで職員が決めていましたが、昨年度から利用者に個別に聞いて、希望に沿ったプログラムに参加出来るように実行しています。例えば、カラオケやボーリング、女子会ランチなど希望するプログラムに参加出来るよう個別に対応しています。個別支援計画作成時に利用者との個別面談を行い、意向を聞いています。日頃から、所長には困ったことなど利用者が気軽に相談に来ています。職員には毎年法人が意向調査を実施し、異動や退職などを含めた意向を把握しています。

4 地域との交流・連携

@綾瀬市の秘書広報課と連携して、公式マスコットキャラクター「あやぴぃ」の缶バッジ・マグネットの制作・販売を行っています。地域の小・中学校の秋まつりに参加し、自主製品のたわしや缶バッジの販売をしながら、交流を行っています。また、綾瀬市在住の、在宅の肢体不自由者を受け入れる日中支援の事業所として、地域のニーズに応えています。市の障害福祉計画に掲載され、地域へ情報発信を行っています。また自立支援協議会や社会福祉協議会に参加し、所長は社会福祉協議会の評議員として協力しています。

A綾瀬市の規模がコンパクトにまとまっているため、市や関係機関との連携が強固で風通しも良く、地域の情報は得られやすくなっています。社会福祉協議会や自立支援協議会に参加し、地域の情報を収集しています。所長が社会福祉協議会の評議員になっています。また、相談支援事業所、基幹相談支援センター、保健福祉プラザとも連携し、地域のニーズの把握に努めています。事業所の経営状況は毎月の実績を入力し、月次試算表を作成して推移を把握しています。

B地域行事や各種イベントには、積極的に顔を出すようにしています。行政の関係部署から紹介を受けることが増えています。また市内及び近隣行政地域に在住の職員が多いので、新しい社会資源などの地元情報は、リアルタイムで収集できる環境にあります。地域行事や各種イベントは、事業所の製品の販路となるケースもあり、大切な情報として把握に努めています。利用者にもこれらの情報を掲示や口頭で知らせています。希望があれば、職員と共に参加するようにしています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

@毎日の朝礼時に、法人の理念と3つの使命を唱和して職員へ周知しています。朝礼後の出勤者も、勤務前に唱和をし理解を深めています。新人研修では理念が記載されたハンドブックを配布し、理念についての説明を行っています。家族には、偶数月に開催する家族会で、事業所の報告と共に事業所が目指していることを所長から伝えています。昨年度からは、家族・当事者目線で語れる講師を招き講演会を開催するなどしています。

A重要な案件は、主に法人の経営企画会議やエリアマネジャー会議などで決定されます。経営企画会議では、運営に関する重要な案件の意思決定を行っています。理事長も参加し、所長から事業所の議案を上げて、参加者で議論し決定しています。エリアマネジャー会議では、人員配置や地域課題へのアプローチの方法などを話し合い決定しています。決定した内容は職員会議で伝え、必要時書面でも配布しています。利用者や家族には、家族会で所長から説明しています。新規事業についての重要な案件については、書面でも伝えています。

6 職員の資質向上の促進

@チャレンジシートで自己評価をした後に、所長と個別面談を行い業務に関する希望などを話し合っています。面談後は、所長からエリアマネジャーを経由し法人で評価を行っています。人材育成計画は作成されていませんが、チャレンジシートで個別に指導しています。法人作成の人事評価制度があり、キャリアパスについて明示されていますが、職員アンケートでは、キャリアパスを理解している職員が17%と低い結果が出ています。非常勤職員の有給休暇は申請した分は100%取得できるように、働きやすい職場づくりに取り組んでいます。

A研修案内は所内に掲示したり、ミーティングで職員へ伝えています。職員の希望を聞き、法人内、外部研修に参加してもらっています。事業所としては、身体介助の知識、技術を習得する研修に積極的に参加を促しています。外部研修では、重症心身障がい者の介護技術の研修や、県立保健福祉大学の研修などに参加しています。有料で参加した研修は、レポートを提出しています。職員会議で報告し、資料は回覧し内容を職員間で共有しています。

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