かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

児童発達支援センターいっぽ

対象事業所名 児童発達支援センターいっぽ
経営主体(法人等) 社会福祉法人県央福祉会
対象サービス 障害分野 障害児多機能型事業所
事業所住所等 〒 252 - 0137
南区二本松2-56-4
tel:042-851-2860
設立年月日 2017(平成29)年10月01日
公表年月 2018(平成30)年11月 〜
使用評価項目 東京都版
評価機関名 株式会社フィールズ
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

<事業所の特色>

「児童発達支援センターいっぽ」は平成29年に開所し、児童発達支援事業、保育所等訪問支援事業、相談支援事業、放課後等デイサービス事業を行っています。
事業所はJR橋本駅からバスに乗り、「上の原」バス停から徒歩4分のところにある児童発達支援30名、放課後等デイ10名定員の事業所です。
事業所の理念は
「1)先駆的、開拓的な事業展開 2)自立に向けた支援 3)TEACCHプログラムの考えに基づいた支援 4)保護者とのコミュニケーションを大切にする 5)地域との連携を大切にする」の5項目になっています。
(TEACCHプログラム:自閉症とその関連する領域にあるコミュニケーション障害の子どもたちの治療と教育)
事業所は「できるだけ保護者との面談・懇談の機会を設け、ニーズや要望を吸い上げ、クラス活動や行事等に生かしていくように心がけている。毎日通園クラスでは、月に1回の保護者登園日を設けており、クラス職員と保護者とのコミュニケーションを図っている。児童らにわかりやすい環境設定と職員の声掛けを心がけている。TEACCHプログラムの要素を取り入れて、構造化、視覚的支援を実践している。」と考えています。


<事業所が特に力を入れている点>

1.家族との信頼関係の構築に力を入れています
事業所の理念として保護者とのコミュニケーションを大切にすることを掲げており、利用者である児童のことを一番理解しているのは保護者であるという観点から、出来るだけ保護者と接する機会を持ち、また連絡ノートのやりとりや、電話などで、意向やニーズを聞き出し、また相談や助言を与える機会を持っています。
毎日通園クラスでは月に一回保護者登園日を設け、クラス職員と保護者とのコミュニケーションを取る機会を設けています。

2.職員間のコミュニケーションを図り、働きやすい職場づくりに取り組んでいます
開設後、約1年半の事業所ですので、職員間のコミュニケーションを図ることを大切にしています。勤務時間内で職員同士がこまめにコミュニケーションの時間をとるように促しています。
勤務時間外でも年数回の食事会を実施しています。職員会議の後に職員が一緒に昼食を食べる会や新人歓迎会、忘年会などで職員間の意思疎通を図っています。また各職員の時間外勤務を減らし、常勤職員対象に月1回はノー残業デイを設置するなど働きやすい職場づくりに取り組んでいます。


<特に良いと思う点>

1.家族との連携を深めるため登園日、試食会などを行なっています
事業所では家族との連携を深めるため、毎日クラスでは月に一度保護者登園日を設けています。また食事の試食会を設けて、親子で昼食を食べてもらう機会を提供しています。
設置前から行われていた保護者有志のグループ活動にも会場を提供しています。保護者と出来るだけ多くの機会を持ちニーズを聞き出すことと、保護者(特に母親)の心労を察し、常に児童と保護者の味方である立場から、孤立を防ぎ、寄り添っていけるように、保護者との信頼関係を作る場となっています。

2.アレルギーや食事形態に関して、管理を徹底しています
食事は外部の業者に依頼し、事業所内の厨房で調理しており、業者とは連携して情報共有などを徹底しています。入園時に児童の食物アレルギー等の情報を得ており、職員はその情報を共有しています。メニューが業者から提出されると、アレルゲンとなるものについて業者と確認をしています。
前日、当日、直前と児童の氏名とアレルゲンの札を用いてクラス担当、職員が入れ替わり複数で確認をしています。
また調理では食事の形態についても、“ひと口量“のわからない児童のための”ひと口大”等のアレンジも行ない、刻み食などの対応も行っています。

3.利用調整会議などで地域の情報収集を行い、緑区や相模原市の担当部門と連携して支援しています
利用調整会議を毎月開催し、新規利用者個人票を基に緑区子育て支援センターや相模原市の職員、所長、事業所の職員で受け入れ状況についての話し合いを行っています。
療育支援の必要な児童の受け入れ依頼があった場合は、常勤職員に伝え、関係者の意見を聞いて受け入れを決定しています。各地区の相談支援事業所から地域ニーズを聞き、利用相談が来ているかなどの情報を得て地域の連携を図っています。


<さらなる改善が望まれる点>

1.事業所の専門性を活かした地域貢献に取り組むことが期待されます
実習生、ボランティアの受け入れを実施しています。緑区内の保育園や幼稚園の保育士のスキルアップ研修を実施していますが、地域住民には専門性を活かした講座や支援は実施していません。
今後は地域に向けて、子育てに関する相談や子育てサークル、幼稚園、保育園などへの出張相談など地域のニーズに合った地域貢献を実施することが期待されます。

2.経験の浅い非常勤職員や新人職員へのスキルアップが期待されます
職員は法人研修や外部研修に参加して、また施設見学・実習により知識と技術の習得が出来ます。経験の浅い非常勤職員や新人職員に対しては療育支援の質を高めるために、研修や現場での経験を積むことが必要です。
非常勤職員や新人職員にスキルアップのための研修計画を作成して、発達障がい児の支援について専門的な資質を身につけた職員なる仕組みが期待されます。



評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

@ 倫理行動マニュアルを職員会議で読み合わせし、人権の理解を深めています。法人は倫理行動マニュアルを作り、職員としてのあるべき姿を規定しています。マニュアルは「利用者の関係」「法人・施設との関係」「社会との関わり」「家族との関係」などの具体的に行動指針を示しています。職員会議でも倫理行動マニュアルの読み合わせを行い、理解を深めています。

A 苦情受付担当者、苦情解決委員を明確にして写真入りで玄関に掲示しています。サービス利用契約時に重要事項説明書で、苦情担当を説明し、事業所以外でも相模原市や県にも申立てが出来ることを知らせています。苦情受付マニュアルを整備して、苦情があった場合は苦情受付票に記載し法人へ報告しています。ヒヤリハットは書面で提出して、毎日朝礼で報告をしてお互いに共有しています。

B 児童の発達度合いに応じたプライバシー教育を支援しています。療育のクラスでは、小さな扉付きの個室のトイレを設置しています。他人との距離感を知ってもらうため、着替え等も衝立で仕切りを作ってその中で行なうように支援しています。個人情報の取り扱いについては契約時に同意書を取り交わしています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

@ 児童の主体性を損なわないように、児童の特性を理解するように努めています。児童の意思を尊重し、常に無理強いをせずにNOといえる選択肢を持てるようにしております。児童間の暴力やトラブルについては、児童の状態に応じて集団活動にこだわらず、相性などを見極めて個別対応で対処しています。他害のケースについても定期的にケース会議を行ない、利用者の特性として理解してどうすれば気持ちよく過ごせるか討議し共有しています。

A 児童一人ひとりに向き合って支援をしています。朝・帰りの際に、あいさつや上履きへの履き替え、タオル・ノートを出す等の一連の身の回りのことが行なえるように、児童の袋を掛ける場所、靴の置き場など分かりやすく配置しています。クラス単位の小集団での療育を基本にしており、他者との繋がりに興味を持ってもらえるように支援しています。また、「毎日クラス」を対象に一人月1、2回の心理個別支援プログラム行っています。

B 状況に応じてサービスは臨機応変にしています。その日の活動予定は定めていますが、保護者や児童との話から、リクエストに応えた活動もしています。児童の中で他者との関係性が保てない等、感情的に昂ってしまう場合は、仕切り板を用いてクラスの部屋を仕切るなど刺激の統制を行なう等、臨機応変に対応しています。児童が自閉傾向や自己表現が出来ないことを考え、児童のニーズを引き出しやすくするため、クラスの担当は固定のリーダーとサブ(二人)の三人体制で運営しています。各クラスには視覚支援の手法により、これからの活動内容、場所、始まりと終わり等を分かりやすく写真や図で示して理解しやすいようにしています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

@ 法人策定の中期計画を基に事業計画を策定しています。中期計画(マスタープラン)から、事業所では単年度計画を策定しています。今年度は4つの目標「・支援の質を高め、魅力あふれるサービスを提供し、広く発信していく。・個々の職員が利用児童一人ひとりに対するアセスメント力を伸ばし、利用児童の発達段階や必要な支援、家族のニーズを的確に見立てていく。・各職員が年間目標を立てて日々の療育支援に目的意識を持って臨んでいく。・働きやすい職場環境づくりのために職員の時間外勤務の時間を減らす」に取り組んでいます。

A 利用者アンケートや職員自己評価、利用調整会議などから情報を把握しています。年度末に県の書式による利用者アンケートを実施しています。集計結果はホームページに掲載し、「いっぽ便り」でも利用者や家族に報告しています。常勤職員には自己評価を無記名で実施し、把握しています。自己評価結果は職員会議で伝え、書面で回覧しています。利用調整会議を毎月開催し、緑区子育て支援センターや相模原市の職員、所長、事業所の職員で受け入れ状況などの話し合いを行っています。

B 利用児童の情報は個人ファイルと事業所フォルダーで整理、管理しています。個人ファイルは施錠できる書棚に保管しています。パソコンの管理は法人の情報システム室で厳重に管理しています。電子情報はクラウドフォルダ―で管理し、USBメモリーやSDカードは登録されたものしか使用できないようにして情報の漏洩防止に努めています。パソコンのアクセス制限をし、所長・事務員は、アクセス権限を分けています。

4 地域との交流・連携

@ 近隣住民を対象に施設見学会を実施し、ボランティアの受け入れを行っています。年2回、緑区内保育園と幼稚園の先生を対象にスキルアップ研修を実施・受け入れています。毎月、対象の児童が在籍する幼稚園や保育園に、訪問支援員やクラス職員が、1回2時間程度出向いて、園での対応や支援をして担当の先生にアドバイスを行う訪問支援を実施しています。また近隣住民を対象に施設見学会を実施し、事業所の活動内容を知らせています。放課後デイ事業所連絡会、相談支援連絡会、児童発達支援センター会議、発達障がい支援ネットワーク会議などに定期的に参加し、情報交換を行っています。

A 事業所では法人主催の保護者向け講演会などのお知らせを、地域に情報を提供しています。利用者が公園などに出掛けたり、放課後デイサービスでは近隣の商店などで買い物の練習をするプログラム等が行われるなど、地域の資源を活用した活動も行っています。就学相談説明会や緑区内保育士のスキルアップ研修を行う際には会場提供をする等、地域に開かれた施設として運営を行っています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

@ 法人の理念を掲示し、職員会議で療育支援についての方針などを話して職員に周知しています。常勤職員には、法人の理念が記載されているハンドブックを配布し、理念の説明をしています。非常勤職員にはエリア毎の入職時研修で説明しています。年度初めには全職員に対して、管理者から事業計画に基づいて年度の方針について話して周知しています。

A 入所の窓口である市役所の子育て支援センターと連携しています。事業所の療育等のサービスを利用するには市役所の子育て支援センターを窓口として、利用調整会議を経て、紹介されるというフォローが明確になっています。入所時には、支援計画の案が出来ており、行政との連携は緊密になっています。また事業所の活動内容や現状について行政に報告しています。保護者等の問い合わせについては、センターの事業内容、利用までのプロセスを明らかにして説明しています。

B 施策は「支援の質を高め、魅力あふれるサービスを提供し、それを外部に広く発信していきながら、利用者さんに選ばれる事業所を目指します」と明確になっています。取り組みとしては、TEACCHIプログラムの要素を取り入れ、その実践を利用者、見学者、外部機関の方々に紹介説明しています。取り組みの結果として、個々の利用児に合わせて環境調整や視覚的支援を取り入れることが出来ました。今後もTEACCHIプログラムや療育実践の研修がさらに必要なことを把握しています。食事支援、コミュニケーション支援などのテーマ別研修を行う計画となっています。

6 職員の資質向上の促進

@ 職員がチャレンジシートで自己評価をし、所長が個別面談を行っています。常勤職員の採用は法人が行い、非常勤職員の採用は事業所で行っています。職員編成を変更し、効率化を図りました。職員にチャレンジシートで、成績、行動、能力などを自己評価してもらい、それを基に所長と個別面談を実施しています。新人やクラスリーダーなどレベルに応じた目標を示して指導しています。

A 法人研修、外部研修をなどの研修情報を職員に周知しています。法人実施の研修の他に外部研修に参加しています。新卒の職員には、外部研修として他施設での見学・実習研修を行い、現場での基礎的経験を積んでいます。また発達障害や相談業務に係るような専門的知識を習得するための研修にも参加してもらっています。研修報告は職員会議などで発表しています。

B 職員間のコミュニケーションを図り、働きやすい職場づくりに取り組んでいます。開設して1年半で新人職員が4名加わったこともあり、職員間のコミュニケーションを図ることを大切にしています。勤務時間内に職員間で十分話し合える時間を確保するとともに、勤務時間外でも年数回の食事会を実施しています。職員会議の後に職員が一緒に昼食を食べる会や新人歓迎会、忘年会などで職員間のコミュニケーションを図っています。各職員の時間外勤務を減らし、常勤職員対象に月1回はノー残業デイを設置するなど働きやすい職場づくりに取り組んでいます。

詳細評価(PDF718KB)へリンク