かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

ウイアー

対象事業所名 ウイアー
経営主体(法人等) 社会福祉法人 県央福祉会
対象サービス 障害分野 就労継続支援
事業所住所等 〒 240 - 0041
保土ヶ谷区東川島町3-14
tel:045-442-4310
設立年月日 2018(平成30)年04月01日
公表年月 2018(平成30)年11月 〜
使用評価項目 東京都版
評価機関名 株式会社フィールズ
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

<事業所の特色>
「ウイアー」は平成22年に地域活動支援センターとして開所し、平成30年4月に就労支援B型に移行した事業所です。定員20名の事業所で愛の手帳、身体障害者手帳を有する利用者、男性17名、女性2名が利用しています。
事業所が大切にしている考えは「1)ソーシャルインクルージョンを目指す、2)先駆的で開拓的な事業展開、3)人権擁護、4)利用者さん主体の支援、5)人材育成の徹底」となっています。さらに、期待する職員像として「職員間のコミュニケーションが最重要と考えています。職員との会話が成り立たないものは利用者さんとのコミュニケーション話しやすさ、新しい発想、過去の経験や取組をここで活かせるか」としています。


<事業所が特に力を入れている点>

1.ダンスや音楽、アート制作を通じて利用者の表現力を育て、地域にも発信しています
事業所は「就労と生活の質の向上及び社会参加活動への支援を行う」という支援方針を掲げ、アートや音楽、ダンスなど積極的な活動をしています。
ぺットボトルのキャップを活用した美術作品の製作や写真撮影、自由な作品制作を通して、作り上げる楽しさを体験しています。また、近隣保育園や高齢者施設と協同の音楽祭の開催や近隣3地区の福祉施設との音楽イベントを行っています。
NHK放映の「チョイワルナイト」のダンスイベントに参加したり、D-1グランプリにも出演したりしています。歌、ダンス、バルーンアートのパフォーマンスを紹介しています。


2.新規事業の開拓に選定基準を設け、職員が一丸となって取り組んでいます
市からの委託事業が廃止されることなり、また就労継続支援B型事業所に移行したことにより、利用者への平均工賃を一定の基準以上にすることが課題になっています。本年度の重要課題として新規事業の開拓を決め、事業所で可能と思われる事業を職員全員で探しています。新規事業には「職員全員がその作業ができること」「利用者全員が携われること」という2つの選定基準を設けています。この基準に沿って情報収集を行い、受注先の開拓や新作業の開発に職員が取り組んでいます。近隣地域及び首都圏を中心に十数か所の会社を訪ね、実際に見学体験し、導入できるかどうかを職員が協力して検討しています。


<特に良いと思う点>

1.地域活動支援センターから就労継続支援B型事業所への移行を行い、運営の充実を図っています
従来地域活動支援センターとして運営してきましたが、収支の改善の必要性や利用者からも職員の増員要望が出ていました。法人と事業所で協議のうえ、課題解決に向けて就労継続支援B型事業所への転換を図っています。事業所は、職員、利用者、家族に事業所が抱える課題を説明し、就労継続支援B型事業所への移行を説明しています。利用者に受給者証を取得してもらい移行申請の書類を整えるなど、利用者、家族等と職員の協力で進めています。新たな組織に向けた取り組みにより、本年度からの実現につながっています。


2.職員会議を増やすなどで、情報の共有化、新人職員の教育、新規事業などで連携を進めています
就労継続支援B型に移行したことで職員数の増員を図り、5名体制で運営することになりました。それに伴い新人職員の教育や情報の共有化が課題となり、問題解決の力を養い、利用者への適切な支援へとつなげることが必要となりました。そのため従来1回であった職員会議を月2回にすることで情報共有などを勧めています。
また、勤務時間内に会議を行い残業をしない体制で職員に負担が増えない配慮もしています。利用者・家族にも試験的実施や変更に関するアンケートを実施し、意向を聞いています。関係者の連携により、サービス向上へ向けて踏んだ取り組みを行っています。


3.利用者の個性に配慮して、元気よく意欲的に作業が出来るように支援しています
個別の作業活動では、利用者の得意な作業や好きな作業が担当できるように考慮し、一人ひとりが意欲的に作業に取り組めるように支援しています。
全利用者と職員とが協力して、トラックから原材料を2階の作業場に運び込む作業を行っています。利用者から利用者へ手渡しで、全員が団結して協力し合うことで利用者間のコミュニケーションにも役立てています。職員は利用者に負担が偏らないように、一人ひとりの負担に配慮して作業を進めています。


<さらなる改善が望まれる点>

1.人材育成計画の策定及びキャリアパス制度の構築が望まれます
事業所は目標管理制度による人事制度を構築しています。本人と上司が面談する中で目標を定め、その達成度合いを自己評価し、上司も評価を行うチャレンジシートを活用しています。
チャレンジシートは法人が管理し人事制度となっていますが、キャリアパス制度及び人材育成計画の設定にまで反映されていません。
職員の目標とすべき人材像を定め、職種や職層別に整理し、昇進・昇格、賃金水準、必要となる技術水準について具体的に定めることが求められます。目標管理制度とキャリアパス制度、人事育成計画の連携を行い、職員に周知されることが期待されます。


2.利用希望者が知りたい情報をホームページやパンフレットで発信することが期待されます
法人のホームページや市社協作業所連絡会発行の冊子には事業所の紹介がありますが、簡単なものになっています。事業所独自のパンフレットが発行されていますが、本年度から就労継続支援B型事業所になり、変化した活動内容が周知されていません。
利用希望者が知りたい情報を十分に適切に知ることができるよう、さらなるパンフレットの改定が期待されます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

@ 入職時研修や年2回の人権研修などで、法や規範、倫理への意識を高めています入社時には新人職員全員に対して法人発行の「県央福祉会全職員ハンドブック」を配布し、研修を実施しています。ハンドブックには職員倫理行動綱領や倫理行動マニュアル、セクシャルハラスメント、就業規則等があり、職員はハンドブックを教本として学んでいます。福祉サービスに関わる業種であり、法人により毎年数多くの人権研修が実施され、利用者の人権を重視した取り組みを行っています。全職員が研修に年2回参加し、家族に当事者のいる講師により、具体的な事例を挙げた人権擁護や守るべき法、規範、倫理を学び、振り返りや確認を行っています。

A 収集した情報や書類は整理し、鍵付き書庫で保管しています必要な情報の適切な収集、管理や保護についての文書規定があります。収集した情報や書類は整理し、事務室の鍵付き書庫に保管し、職員は日常的に使用しています。「個人情報の保護の関する方針」を定め、個人情報の適切な収集、利用、提供の実施 、安全性確保の措置等についてルールを定めています。契約時には医療機関や他の福祉サービスを受ける際の利用目的を示した「個人情報の提供に関する同意書」についての説明をし、利用者の署名・捺印を得ています。パソコンはパスワードの設定、外部のUSBは使用できないなどアクセス制限をしています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

@ 就労継続支援B型になり、「働く」ことを意識した取り組みをすることを説明しています。実習中は時間をかけて本人の意思で納得して利用が開始できるように、寄り添う支援をしています。サービス開始時には利用者及び付き添う保護者に面談し、利用契約書及び重要事項説明書の説明をしています。利用者に配慮し契約書・重要事項説明書は文字を大きくしルビをふっています。今年度から就労継続支援B型事業所に転換したことにより、従来より「働く」ことを意識した福祉的就労であることを利用者・家族に理解してもらえるよう説明し、契約を結んでいます。また、個人情報の提供について必要とする理由を説明し、同意を得ています。個別支援計画は、利用者の状況に応じ、見直しをしています

A 事業所は、6ケ月毎に利用者と面談を行い、利用者の意向などを確認しています。面談内容は、利用者によって異なりますが、家での生活リズムはどうか、事業所での作業や交友関係、通院や今後の希望等について聞き取りをしています。利用者の意向が家族と異なるようなケースでは、事業所が必要に応じ調整を行い、両者の同意を図っています。面談などの結果、計画変更の必要と考慮された場合は手順に基づいて変更をしています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

@ 中・長期の財務計画及び、単年度事業計画があり事業を推進しています。3年の中期計画で財務の健全化に向けた財務計画書が策定されています。中長期の事業計画は、書面上はありませんが、単年度の事業計画書を毎年作成しており、方針や行動指針、重点的な取り組みが明示されています。開所以来運営していた地域活動支援センターから就労継続支援B型事業所への転換を図る計画を進め、法人と所長が主体的に構想を練り、職員等関係者の了解のもとに推進を図りました。今後は最初に課題や期限を明確にした中長期計画を策定し、そのうえで具体的な体制を単年度計画で策定し、周知を図り推進していくことが期待されます。

A 作業工程の手順を写真や文書を用いて掲示し、標準化を図っています多種類の製品を手掛けており、製品作成のための「作業手順」などを解りやすく表示しています。製品別に、工程ごとに写真でどう整えたらよいか、作業をしたらよいかを解るようにし、作業の均一化や標準化を図っています。利用者が作業する近くのボードや壁面に写真を掲示して、必要とするときに、すぐに見て、理解できるようになっています。また、利用者にとって大切な工賃については、「工賃規程」を定めて支給しています。工賃対象になる時間や作業時間、工賃算出の仕方等を定める規定に基づいて算出しています。

B 収集した情報や書類は整理し、鍵付き書庫で保管しています。必要な情報の適切な収集、管理や保護についての文書規定があります。収集した情報や書類は整理し、事務室の鍵付き書庫に保管し、職員は日常的に使用しています。「個人情報の保護の関する方針」を定め、個人情報の適切な収集、利用、提供の実施 、安全性確保の措置等についてルールを定めています。契約時には医療機関や他の福祉サービスを受ける際の利用目的を示した「個人情報の提供に関する同意書」についての説明をし、利用者の署名・捺印を得ています。パソコンはパスワードの設定、外部のUSBは使用できないなどアクセス制限をしています。

4 地域との交流・連携

@ 地域に向けた事業所情報の開示や地域貢献など地域との関係づくりを行っています。今年度の事業計画で利用者、家族、関係機関、地域住民に対して情報提供や開示を行い信頼関係に努めるとしています。地域に向けた事業所の情報は市社協・福祉作業所連絡会が作成する「作業所インデックス」に載せています。今回初めて福祉サービス第三者評価の受審をし、結果を開示する方向で取り組んでいます。近隣保育園や他作業所からのニーズに応え、ペットボトルのキャップ回収を行っています。また、保育園児や高齢者施設のお年寄りと一緒に音楽祭を行ったり、サッカー場での選手の準備の手伝いをするなど地域に役立つ取り組みをしています。

A 利用者に必要な地域の情報を知らせています。余暇活動や地域のイベントなどの情報を提供し、外部の人たちと交流して、多様な社会体験が出来るように支援しています。ケアプラザからのお知らせや区広報などは、事業所内に掲示するなど利用者が閲覧できるようにしています。また、必要な内容については、利用者に朝礼等の場で口頭で伝えています。時折、町内会や区、市、県などが主催する催しに利用者と職員が参加しています。町内の盆踊りなどの行事について、利用者に知らせています。また、事業所ウイアー自身が主催し、地域の福祉施設に声を掛けて、音楽イベントを開催しました。

B 地域防災訓練に事業所として参加し、地域住民と交流を図っています。日頃から、防災訓練など地域の行事に利用者も一緒に参加し、地域住民との交流を図っています。近くに川が流れており防災訓練は、水害訓練を取り入れた取り組みをしています。地域住民の防災訓練に参加し、年度により水害又は地震を想定した訓練を実施しています。以前は事業所周辺の道路標識の点検や清掃活動を行い、地域の方々と触れ合う機会となっていましたので、今後も継続されることが有効と思います。また、保育施設との交流会や高齢者施設とのウォ―キング大会などに利用者が参加し、地域の皆様との交流の機会となっています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

@ 作業所連絡会が発行する「インデックス」により事業所情報を提供しています。市社協の作業所連絡会が編集する広報誌「インデックス」に事業所の紹介をしています。福祉・環境・教育の三つのキーワードを掲げ、地域に根差した活動を皆で楽しみながら行っていると記述しています。この冊子は行政や社協、学校、福祉作業所に置かれ、利用希望者や福祉関係者に事業所情報を提供しています。社協の「進路対策研究会」に利用者の空き情報を、区の学校担当者に事業所情報を口頭で伝えています。利用希望者からの問合わせは行政や福祉関係機関、学校を通じて紹介されますが、今後はさらなるパンフレットなどの工夫も必要です。

A 見学者には個別に対応し事業所内を案内しながら作業活動を見てもらっています。利用希望者の問い合わせには所長が対応し、見学を希望する場合は利用希望者の日時に合わせ、事業所の活動時間帯を見学できるようにしています。その際には事業所内部の利用者に見学者があることを事前に伝え、了解を取っています。事業所内を案内しながらパンフレットを手渡し、軽作業内容とダンスや音楽、運動などの余暇活動、費用や食事などの作業所のルールについて説明しています。入所するには土・日を挟んだ10日間の実習期間に参加してもらい、休み明けの利用希望者の状況を把握し、入所が可能であるか、本人が希望するかを把握しています。

6 職員の資質向上の促進

@ 法人と事業所が協力し合い、福祉サービス業務に相応しい人材を採用しています。正規職員の採用は法人が行い、非常勤職員の採用は事業所が行っています。法人は企業説明会や大学への働きかけを行い新卒者の募集をしており、体験実習については事業所で行っています。事業所ではハローワークや求人情報誌への掲載で人材を募っています。採用に関してコミュニケーションができること、支援する姿勢を持っていること、車の運転ができる人を求めています。今年は2人の新入職員を確保し、5人体制で事業運営やサービスを展開できるようになりました。配置については、特技や特性などを考慮した配置にしています。

A 所長は職員と課題を共有し、共に働くことにより職員の働き甲斐に繋げています新人職員に対しては法人の入職時研修で理念やコンプライアンス、倫理行動、支援の在り方、苦情解決、危機管理、研修制度等を指導しています。それ以降は事業所でOJTを実施し業務を実際に学んでいます。また、法人が行う研修や市社協、就労指導に向けた企業見学、管理職研修等多様な研修に参加できるようにしています。事業所では職場環境を整え体調管理に留意し、コミュニケーションを大事にしています。所長自ら職員と共に働き、課題を共有しながら、一緒に事業を推進することにより、職員の働き甲斐と意欲の向上に繋げています。

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