かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

湘南北部療育センター

対象事業所名 湘南北部療育センター
経営主体(法人等) 社会福祉法人 県央福祉会
対象サービス 障害分野 障害児多機能型事業所
事業所住所等 〒 252 - 0813
藤沢市亀井野2-20-10
tel:0466-90-0808
設立年月日 2012(平成24)年04月01日
公表年月 2018(平成30)年10月 〜
使用評価項目 東京都版
評価機関名 株式会社フィールズ
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

<特に良いと思う点>

1.オーダーメイドな個別療育のプログラムが好評です
個々の子どもの発達の度合いや持っている能力を伸ばすように個別のプログラムを行なっています。臨床心理士らにより一定の検査を行ない段階に応じて、保護者の要望を聞きながら、その子供に合ったプログラムを作りながら進めています。
このプログラムは利用者からも好評で、就学児のクラスでも継続を希望する声も多くみられます。一方で実社会に出たときに心配という声もあり、沿うべきところは沿うが、そうでない部分との線引きがこれからの課題となっています。


2.ケース会議(事例検討会)を定期的に行い、個人の見立てやチームでの共有が出来ています
昨年の事業計画の目標達成のため、全職員参加で、年2回ケース会議(事例検討会)を開催しています。困難ケースなどの事例発表を行い、各職員からの見立てなどの意見を聞き、全職員で情報を共有しています。ケース会議を開催することで、利用児童の発達段階や必要な支援、ご家族のニーズなどを的確に見立てることが出来るようになりました。その結果を質の高いサービス提供に繋げています。


3.中・高生のクラスでは、ソーシャルスキルトレーニングを行い、社会性を身につけています
月1回の土曜日に中・高生のクラスを設け、主に就労などを目指す作業グループと、人との関わり方を学ぶ調理グループがあります。ともに社会性を身につけるためのソーシャルスキルトレーニングを行っています。
作業グループではアルミ剥がしや割りばしの袋詰めなどの軽作業を行っています。定期的に地域の駅前の清掃活動もしています。作業グループでは工賃を支払っています。利用者は近くのスーパーマーケットに行き、工賃で買ったおやつを皆で食べています。調理グループでは何を作るかなど自分の意見を述べる訓練などを行っています。


<事業所が特に力を入れている点>
1.親子に寄り添った療育を行なっています

地理的交通路に遠く、近くに施設がないといったニーズから送迎を行なっていますが、未就学児には親子通園をお願いしています。子どもは保護者がいることでストレスが軽減され、保護者はそれぞれのクラスでの子どもの様子を見たり、職員から家庭での療育についてのアドバイスを受けたりすることが可能です。
また利用者たる子どもの兄弟姉妹の子どもについても療育サービスの間は別室で過ごすことが出来、職員の見守りがついています。


2.効果的な視覚支援の導入に取り組んでいます
音声による指示等ではその場で消えてしまい残らないため理解に時間を要する段階の子どもが多いことから、絵や写真を用いた視覚支援を事務所として進めています。
視覚的な刺激から時間かけて理解してもらえるように、今日の予定やプログラムの手順といったものを絵や写真を使って示し壁に貼りだします。子どもはそれを見て、次に何をするのかという行動に繋げていきます。枚数が増えると混乱してしまう子どももいるので適切に調整して事業所では全てのクラスにこの絵や写真を貼りだすスペースを設けて、視覚支援を行なっています。


<改善が望まれる点>

1.リーダーシップが発揮できる早急な組織作り
経営層に関する組織マネジメント分析を行なっていますが、現在、経営層に属するのが所長のみであり、組織として形成されている状態ではありません。実際に行なわれている事業所のサービスが、高度であるが、利用者からは好評となっています。
職員が問題なく実務を進めていますが、管理業務が所長に集中する体制となっています。今後の経営環境の厳しさや、更に対外的にサービスを展開していくためには、後継者育成も含め、職務の整理と責任の分担が必要です。適切なる職務分担と権限委譲による体制作りが望まれます。


2.外部からの不審者の侵入等の独自のリスク対策が望まれます
リスク対策について法人で作成された事故、火災、地震対応マニュアルや感染症等のマニュアルが整備されています。しかしマニュアル類は事業所独自に展開されたものではなく、見直しが必要です。例えば傾斜の激しい階段を持つ当事業所での、子どもの避難経路や方法等は再考の余地は多分にあるものと思われます。また県内で発生した事件から、外部からの不審者の侵入等の対策として一部時間で施錠をしています。施錠以外の対策として通報方法や外階段の利用など、事業所としてのリスク対策を検討することが望まれます。


評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

@ 倫理綱領・倫理行動マニュアルなどを記載してあるハンドブックを法人から全職員に配布しています。倫理行動マニュアルには、「利用者との関係」「法人・施設との関係」「社会(地域)との関わり」「家族との関係」について具体にとるべき行動をについて記載されています。職員は定期的に読み合わせを行うことで、自身の行動の振り返りを行っています。その他法人ではドレスコード規定があり、職員の服装の基準を定めています。

A 事業所の玄関・入り口には苦情受付担当者、責任者、第三者委員名などを明記した苦情解決制度について掲示し、利用者や家族に伝えています。苦情があった場合は、クレーム報告書に内容、対応などを記載し、法人にも報告しています。ヒヤリハット、インシデント報告書にも担当者は記載し、職員間で共有し、再発防止に努めています。利用開始時に所長から、重要事項説明書に記載されている「苦情申立て先」について、利用者、家族に説明しています。意見箱も玄関に置き、いつでも意見を聞ける体制になっています。

B 未就学児についてはプライバシーや羞恥心を教える段階でもあり、年を追うごとに段階に応じて教えながら支援している。小学生低学年から中学生などのトイレなどの支援をする場合など同性職員によって行なうよう配慮しています。併用利用している保育園・幼稚園・小学校との連携の一環で、情報のやり取りをする場合には保護者の同意を得てから行なっています。虐待等の児童相談所マターであると判断された場合は通報義務に順じて連絡を取ります。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

@ サービス開始前の契約時に重要事項説明書・個人利用説明書の説明をしており、その中で料金説明を行なっています。同時に利用者のプロフィール的な内容と利用者本人と保護者の希望を記した利用申込書を作成し、面談で家庭での様子など聞き取った内容を元に暫定的な支援計画書を作成し、職員間で共有します。午前の未就学児については母子ともに通所することもありますが、各クラスで子どもの特性・得意不得意を考察し楽しくストレスなく通えるように力を入れています。

A 個々の利用者の日々の様子はパソコン上に記録されています。支援計画に基づいた観察視点を共有し日々の状態や変化を細かく記録しています。保護者等に見せる必要もあり個人ファイルには印刷したものもありますが、基本的にはパソコン上でのデータでモニタリングの変遷を追うことが出来ます。またこれらの情報は日々の申し送りや引継ぎ又は職員会議で職員間で共有されています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

@ 放課後デイサービスの全利用者にアンケートを実施し、内容をホームページで公表しました。児童発達支援事業の未就学児会議や放課後デイサービス会議などで、職員の意見を聞いて運営に活かすようにしています。年に2〜3回管理者が職員の個人面談を実施し、個別に意見を把握、検討しています。各クラスごとに担任を決めて、児童発達支援では、クラスの中で保護者から直接意見を聞いています。

A 子どもの健康状態ついては利用開始前の利用申込書等の健康留意欄や、必要に応じて家族や医師と連携し情報を得ています。違和感を感じる際には、家庭に連絡をし、指示を仰ぐようにしています。また緊急時には緊急マニュアルと対応チャートを作成し、連絡先や、救急車に同乗する職員まで明記し対応するように備えています。

B 法人で、個人情報保護規定を作成し、事業所では規定に基づいて情報管理を行っています。ネットワークやパソコン上での情報管理は、法人の情報システム室で、クラウドで管理しています。パソコン上のデータも「湘南北部療育センター」のホルダーのものは非常勤職員も含め職員が全員見られるようになっています。法人事務局からのデータなどはアクセス制限をし、管理者のみが見られるようになっています。USBやSDカードは登録したものしか使用できず、持ち出しを禁止し、情報の漏洩防止に取り組んでいます。

4 地域との交流・連携

@ 藤沢市の児童発達支援事業所連絡会、放課後デイサービス事業所連絡会、、相談支援連絡会などに参加し、事業所同士の情報交換や地域福祉の情報収集を行っています。また月1回法人の湘南エリア会議に15〜16事業所長が参加し、湘南地域の福祉の課題やニーズの把握を行い、検討しています。市の情報なども掲示や回覧などで、周知しています。

A プログラムの中で近隣の大学構内にある博物館への散歩や、中高生クラスの子どもたちが通学している養護学校の学園祭に出掛ける等、近隣の地域資源の利用も行なっています。また中高生クラスは駅前清掃等の活動をしており地域社会に参加する支援をしています。しかし事業所は自治会に加入しておらず、加入によって得られる地域の祭りや避難訓練等の情報を元に、さらに深く地域社会に根差した事業所となることが期待されます。

5 運営上の透明性の確保と継続性

@ 法人の理念は事業所の2階廊下の掲示板に掲示し、職員、家族がいつでも見れるようにして、周知しています。入職時研修で、新人職員に理念について説明し、年度初めの職員会議でも読み合わせを行い、職員の理解を深めています。また法人が作成した倫理行動綱領の読み合わせも職員会議で、定期的に行っています。パンフレットやホームページには、基本方針を掲載し、利用者、家族にも理解が得られるように取り組んでいます。

A 月1回開催される職員会議で、管理者から事業所の課題などを話し、職員の理解や協力を求めるとともに自らの責任などを話しています。運営規定にも管理者の業務職務内容が明示してあります。フローチャートにも緊急時、事故時などの管理者への報告なども記載されています。職員自己評価では管理者としてのリーダーシップには理解が得られていません。

6 職員の資質向上の促進

@ 人事評価票(チャレンジシート)に自分で目標などを記入し、それを基に管理者と個人面談をし、意向などを聞いています。個人面談で管理者が評価をしたものをエリアマネジャーが確認して、印を押しています。法人で,役職や級による役割などを決め,職務内容に応じたキャリアパスを作成していますが、職員アンケートでは職員の理解が得られていませんでした。職員の採用は法人人事部が行っているが、非常勤職員の採用は事業所で、児童の接し方などを考慮して採用しています。

A 法人では新人研修、入職して3年以内、4年目〜6年目、管理者、共通研修があり職員は必ず参加しています。事業所内では新人職員には1週間職員がついてOJTを行っています。また入職直後に管理者と面談をし、相談に乗っています。自閉症、相談、アセスメント研修など外部研修にも希望者は参加しています。研修報告書や資料の回覧、職員会議で内容を報告するなど参加しなかった職員にも情報を共有しています。

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