かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

京急キッズランド金沢文庫保育園(3回目受審)

対象事業所名 京急キッズランド金沢文庫保育園(3回目受審)
経営主体(法人等) 京急サービス株式会社
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 236 - 0016
金沢区谷津町384金沢文庫京急第2ビル
tel:045-783-9979
設立年月日 2005(平成17)年04月01日
公表年月 2018(平成30)年10月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 株式会社 学研データサービス
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

《施設の概要》
 京急キッズランド金沢文庫保育園は、京急サービス株式会社により平成17年4月に開設しました。開設してから13年目を迎える保育園です。法人本部は当園を含めて現在7園を運営しています。園は、京浜急行の金沢文庫駅から徒歩2分ほどの所にあります。駅周辺は商店街があり、保育園前は幹線道路が走っていますが、一歩入ると、神社や公園、住宅街になっています。定員は60名(平成30年8月現在61名が在籍)で、産休明け保育、延長保育、障がい児保育などを行っています。子どもたちはそういった環境の中で伸び伸びと過ごしています。

《特に優れている点・力を入れている点》
○地域の子育て支援や高齢者との交流などが充実しています
 園庭に面した外の道路わきに掲示板を設置しています。そこには育児相談や園庭開放、「離乳食を食べてみませんか」や「運動会」など催し物のご案内を掲示して、地域の親子に参加を呼びかけています。交流保育や「赤ちゃんの駅」(地域の親子が外出した際、授乳や排泄などに園の施設を活用してもらう取り組み)なども知らせています。このほか、商業施設における出張保育イベントに参加し、地域の親子にペープサートや手遊び、大型絵本の読み聞かせなどを行っています。さらに系列園合同で保育講座や遊びなど、地域の子育て支援を毎年実施しています。また、地域の子育て中の親子への支援だけでなく、高齢者施設に4、5歳児が訪問し、高齢者と交流して喜ばれています。このように、地域に根ざした活動を計画的に実施しています。今後も町内会との連携を深め、園に対する要望をより把握して拡大、充実を図っていく計画です。

○食育活動を計画的に実施しています 
 0〜2歳児用、3〜5歳児用と分けて「食育年間計画表」を作成しています。0〜2歳児用では、食を営む力の基礎を養成することを目標に、年齢別に内容、配慮、反省という項目を4半期ごとに立てています。3〜5歳児用も同様の構成ですが、さらに、食と健康、食と人間関係、食と文化、食と料理などの基本のねらいも付加されています。このような計画のもとに、栽培や調理なども行い、年齢に合わせて、子どもたちが自然に食に関心を持つような指導を行っています。また、すいかを購入して、栄養士が0〜5歳児全員に切る前に「何色が見えるかな」などと問いかけ、わくわくしながら想像させる体験なども取り入れています。とりわけ、食物アレルギーのある子どもへの給食対応を周到に行っています。具体的には別トレーでの配膳は当然ですが、調理員と担任が除去食のメニューの確認を、前日・当日・提供時の3回確実に行うなど、徹底した管理体制になっています。

○保護者との連携が深まるように、さまざまな手段で保護者の意見や要望を聞いています
 保護者のさまざまな意見や要望を日ごろから聞き取り、保育園運営に生かすように努力しています。具体的には、保護者との個人面接、連絡ノートや口頭でのやりとり、そのほか、運動会や夕涼み会といった行事後のアンケート実施などで出た意見や要望を検討しています。さらに、「皆様の声」という用紙を毎月配付し、そこに保護者が気づいた意見を書いてもらい、「皆様の声ポスト」を廊下に置き、そこに投函してもらうようにしています。1か月経過した後、ポストから出し、保護者の氏名が書かれているものは、職員会議で検討した結果を園長が直接伝えます。匿名の場合は、対応の結果を掲示するなどして知らせます。このように保護者の意見や要望をいろいろな形で収集し対応をしていますので、利用者調査でも園に対する信頼の声が多数寄せられています。

《事業者が課題としている点》
 職員との話し合いの場をできるだけ多く設けて、一人一人をより深く知ることを課題ととらえています。配慮すべき点や、本人が今求めているもの、必要としているものなどを把握し、職員全員に周知していきたいと考えています。また、多目的室や各部屋のスペースを有効活用し遊びの環境を整えることや、地域交流を一層充実させることも課題としています。近隣の小学校、幼稚園、保育園とは幼保小での交流を軸としてイベントへ参加したり、近隣の福祉施設を訪問したり、より多くの人たちと交流したいと考えています。


評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重 子どもが笑顔でのびのび過ごせるよう子ども一人一人の気持ちを大切にする保育を行っています。子どもたちを呼び捨てにせず○○くん、○○ちゃんと呼んでいます。職員はせかしたり強制したりせず、穏やかにわかりやすい言葉を使い、子どもの様子や表情、発言から気持ちをくみ取り、尊重するよう心がけています。職員間で気になることがあれば声をかけ合い、職員会議などでも子どもとのかかわり方を確認し合います。子どもがおもらしをした場合は、ほかの子どもに知られないよう配慮しながら速やかに対応し、子ども同士のトラブルの際は双方の話を穏やかに聞き、子どもが納得できるよう対応します。しかる必要がある場合は、子どもにどうしてダメなのかしかられた理由を考えてもらい理解できるよう配慮します。
 子どもが一人になりたかったり周囲から声をかけてほしくないときなどは、保育室内に小さなゴザを敷いてコーナーを作って工夫したり、保育室の扉付近や多目的室、廊下などを使用したりして、職員は必要に応じて声をかけながら子どもの様子を見守ります。子どもと1対1で話し合う必要が生じたときには、保育士は子どもの自尊心やプライバシーに配慮して保育室の隅や多目的室、事務室など、ほかの子どもの視線を気にせずすむような場所を使用して、子どもが理解し納得できるように穏やかにかかわるよう心がけています。
 個人情報の取り扱いや守秘義務については、全職員に配付している「保育士マニュアル」の中に記載があるとともに、入職時に説明をして誓約書を提出してもらっていて、周知が図られています。ボランティアや実習生については受け入れ時に園長が説明し、配付する「保育実習・ボランティアにあたっての心構え」にも明記し周知しています。保護者に対しては入園説明会で園の方針を説明し了解を得ています。子どもや家庭の状況などを記した個人情報に関する記録類は、事務室または多目的室の鍵のかかる書棚で保管し、パソコン内のデータはパスワードを設けて管理し、園外への持ち出しは禁止としています

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

 「全体的な計画」(旧保育課程)は、保育理念、保育方針、保育目標に基づき、子どもの最善の利益を第一義に作成されています。家庭の状況を考慮して平日は7時から20時、土曜日は7時から18時半まで保育を行い、地域に向けて園庭開放や保育講座、出張保育などを行っています。保育所保育指針の改定に伴い従来の保育課程から移行した初年度の全体的な計画については、ベースを系列園の園長会で作り、各園に持ち帰って地域支援部分などを作成しましたが、作成に全職員がかかわることができませんでした。次年度分からは園の全職員の意見をくみ取りながら作成する予定です。全体的な計画については入園説明会や進級時に保護者へ説明しています。
 全体的な計画をもとに年齢ごとの「年間指導計画」「月間指導計画」「保育週案・日案」を作成しています。また「年間保健計画」のほかに年齢ごとの「年間食育計画表」を作成し、楽しく食事ができる子どもを目標として年齢ごとの食育活動も行っています。日々の活動については年齢に応じてわかりやすいよう工夫しながら子どもたちに伝え、子どもたちの様子や意向も尊重しています。大きな子どもたちには朝の会でその日の活動内容を伝え、子どもの希望や意見を聞き、子どもたちの自主性を大切にしながら計画は柔軟に変更しています。一部の子どもが始めた郵便屋さんごっこは、子どもたちの要望から4、5歳児の日々の保育活動に発展しています。
  子どもの成長、発達に応じたクラスごとの「年間指導計画」「月間指導計画」「週案・日案」は、担任が中心となり子どもたちの様子や状況に応じて作成し、主任、園長のチェックを得ています。年間指導計画の進級クラス分は元の担任が子どもたちの状況を踏まえ作成して新担任に引き継ぎます。1年を4期に分けて立案した計画について「反省」と「今後の課題」を記入しています。月間指導計画と週案・日案にも評価と反省の欄があり、複数担任で計画の評価、見直しを行っています。毎日の昼礼でほかの職員から助言をもらい計画に生かすこともあります。日ごろから連絡帳や送迎時の会話、行事後アンケートなどで確認している保護者の意向も保育の計画に反映するよう努めています。


3 サービスマネジメントシステムの確立 特に配慮を必要とする子どもについて、保護者と相談しながら積極的に受け入れる体制ができています。子どもの様子や状況について特に気になることがあれば毎日の昼礼や職員会議、クラスミーティング、リーダーミーティングなどで話し合い、記録を残し、職員間で情報共有しながら保育にあたっています。また園では職員が外部研修に積極的に参加できるよう配慮していて、外部研修に参加した職員は研修報告書を作成し、職員会議で発表の場を設けるなどして情報の共有化を図ります。記録類はファイリングし、いつでも職員が確認できるよう保管しています。
 園舎は鉄筋造り4階建ての建物の1階部分にあり園内はフラットな造りになっています。しかしながら園舎の出入り口部分に段差があり、完全なバリアフリー構造ではありません。障がいのある子どもについては保護者の同意を得て横浜市南部地域療育センターや金沢区役所のこども家庭支援課などと連携して保育にあたっています。また、2か月ごとに作成する「個別指導計画表」では「子どもの姿」「ねらい」「保育内容(養護、教育)」「保護者との連携」について記入し、担当保育士が「自己評価と反省」欄にて振り返っています。日々のミーティングや会議などで子どもの様子や状況を職員間で話し合い共有しながら、障がいのある子どもの特性を理解、尊重し、ほかの子どもとも自然にかかわれるように配慮しています。
 アレルギー疾患のある子どもについては必ず医師による「生活管理指導表」を提出してもらい、保護者と密に連携しながら適切な対応をしています。食物アレルギーがある場合は、子どもごとに除去食材などを記した個別の献立資料をもとに、栄養士が月末に保護者と次月分の献立内容を確認し合い、除去食または代替食を提供しています。除去食の提供方法については保育士マニュアルに明記され、提供手順について園内でデモンストレーション研修も行いました。除去食を提供する際は、朝と配膳時に担任と栄養士間で確認し合い、除去食に応じたカラーシートを専用トレイに敷き、専用食器、名札などを使用して最初に配膳する、子どもの席は固定するなど、誤食防止に努めています。

4 地域との交流・連携 町内会に加盟し、毎年、園長が町内会の会長に挨拶に訪れています。そういった中で地域住民の要望を把握するようにしています。地域住民とは、5歳児がお泊まり保育の際の食材を商店に買い出しに行った際や散歩などで触れ合っています。さらに、園の掲示板で、子育て相談のお知らせをしています。ただ、相談目的で直接来園されるよりも、園見学に来られた際に相談されたり、運動会などのイベントの際に相談されたりすることのほうが多くあります。また、高齢者施設に4、5歳児が訪問して交流したり、給食の試食会などを催し、地域住民の参加を呼びかけたりしています。なお、金沢区主催の「キラキラ金沢っ子」に近隣の幼稚園や保育園とともに参加して互いに連携を図っています。
 地域住民が見られるように、園の外側に掲示板を設置しています。そこには、行政からの各種ポスターや、園の各種お便りやイベントのお知らせなどを随時掲示しています。その中で「育児相談」について、いつでも受け付けていることを知らせています。曜日を決めていないのは、もし、切迫した要望があった場合、指定の曜日まで待つことなく、すぐにでも相談にのってあげたいという園の願いからです。園のイベントや子育て支援事業については、金沢区が毎年発行している「金沢区子育て情報キラキラMAP」という冊子に情報を提供し、そこに載せてもらっています。なお、園独自のホームページには、基本情報や毎月の園だよりや給食献立なども掲載しています。
 事務室内に関係機関の一覧表が掲示されていて、職員はいつでも見られるようになっています。関係機関は、警察署、消防署、医療機関(小児科、内科、外科、脳外科、嘱託医)、児童相談所、福祉保健センター、横浜市南部地域療育センターなどです。各連携先との窓口は園長ですが、医療関係においては、看護師が常駐していますので、看護師が主体になって行動するようになっています。また、看護師は近隣の各病院(小児科、整形外科、皮膚科、脳外科)に挨拶に行き、連携をこまやかに取るようにしています。日常的には、金沢区役所のこども家庭支援課とは園長が密接に連携をとるようにしています。なお、警察署には不審者訓練の協力を、消防署には消火器訓練などの協力を仰いでいます.。

5 運営上の透明性の確保と継続性 保育理念は「家庭的な雰囲気の中で“こころ” “からだ” “えがお”を育てる」、保育方針は「『保育園と家庭と地域の協働』 ・子どもの穏やかな育成、・保護者の就労を支援、・地域住民への相談・助言」、保育目標は「“こころ”も“からだ”も元気なこども」とし、利用者本人を尊重したものとなっています。これら系列園共通の保育理念、保育方針、保育目標は全職員がいつでも見られる園内各所に掲示され、職員会議でも確認し合っています。また、園長は子どもたちが毎日笑顔で登園して笑顔で帰れるよう、子どもたちのやってみたいという気持ちや自主性を大切にし尊重できる園でありたいと考えていて、職員とともに笑顔であたたかい保育の実践に努めています。
 保育士マニュアルの中に、「全国保育士会倫理綱領」が資料としてとじられています。また、人権や法令遵守などの項目も記載されていますので、職員は、これらの読み合わせをすることで十分に理解しています。また、食物アレルギーについての誤配や事故など他施設での不適切な事案については、毎月開かれる系列園の園長会議や事業部会議で話題として取り上げられますので、園長は自園に持ち帰り、昼礼や職員会議で報告し、周知徹底を図るようにしています。今回、食物アレルギーのある子どもへの給食提供について見直し、手順を徹底しました。保護者から、食物アレルギーのある子どもへの給食提供がすばらしいとの声も得ています。また、各系列園総合の損益に関しては本社の保育事業部でまとめたものを公表しています。
 重要な案件については、職員会議で十分に話し合い、方向性が見えた時点で保護者に提案をして意見を聞くようにしています。具体例として、シーツをレンタルにしました。従来、シーツは保護者の手作りでしたが、面倒なこともありましたのでレンタルにして、その費用は園が持ち、保護者の負担を軽減しようという試みでした。その提案を保護者にしたところたいへん喜ばれました。また、来年度の予定になりますが、設置されている各保育室のライブカメラをやめて、写真を十分にとって保護者に満足してもらおうという試みです。ライブカメラですと限られた時間や一部の人の利用しかありませんので、写真にして情報をたっぷり伝えようという主旨です。これはこれから話し合っていきます。なお、給食会議で栄養士や調理員と保育士とが話し合うなど異なる部門での話し合いもあります。

6 職員の資質向上の促進

 園は現在、必要な人材は満たされており、また、非常勤職員も長期間にわたり勤務して、保育運営に関しては今のところ問題はありません。今後、人材が必要になってきた際は、本社の保育事業部が園の意向を受け採用にあたります。採用後は、新人研修を10日間ほど実施し、京急キッズランドの保育運営に関して理解を深めるようにしています。なお、人材育成に関しては「保育士の自己評価」で、保育理念や子どもの発達援助、保護者に関する支援、保育を支える組織的基盤などを各自チェックしています。それとともに、「課題票」に年度の目標や省察、自己評価を記入して園長に提出し、園長がコメントを記入して、それぞれ自己の育成につなげるようにしています。
 本社としての研修計画が「人材育成研修プランガイド」として作成されています。その冊子には、系列企業の社員が身につけてほしい研修項目が多数あり、園としては、接遇やコンプライアンスなど身につけたい研修を選んで本社の保育事業部に申請して、各自受講するシステムです。このほか、横浜市や金沢区、大学などが主催する研修案内を全職員に案内し、キャリアパスを意識しながら、研修を受講するようにしています。研修参加後は記録を作成して、職員会議で報告するなど、全職員が今後の参考にしています。そのほか、内部研修として年間計画を立て、保育士マニュアルの読み合わせや配慮を必要とする子どもについて、異年齢保育など、毎月テーマを設けて実践しています。
 毎年、職員の自己評価を実施しています。この自己評価はチェック方式になっており、各項目は4段階の評価になっており、それぞれ、具体的な取り組みおよび考察があれば特記できるようになっています。そして、3年間使用できるようになっていますので、各職員は前年度あるいは前前年度の自己の評価と比較でき、自己の成長度合いがわかるようにもなっています。各評価項目は、保育士にとって必要な子どもの発達援助や保護者への援助、あるいは、組織を支える基盤など161項目あります。なお、他園の公開保育を参考に廃材の利用方法を導入したり、系列園合同の園長会議や主任会議、看護師会議、調理会議などを通じて工夫例や改善例を共有するようにしています。


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