かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

いずみ反町保育園(2回目受審)

対象事業所名 いずみ反町保育園(2回目受審)
経営主体(法人等) 社会福祉法人 いずみ
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 221 - 0842
神奈川区泉町5-106 
tel:045-323-0055
設立年月日 2009(平成21)年04月01日
公表年月 2018(平成30)年10月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 株式会社 学研データサービス
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

《施設の概要》
 いずみ反町保育園は社会福祉法人いずみの系列園として、平成21年4月に開園しました。また、0、1歳児の施設として平成23年4月に分園が開園しています。園の元は前理事長が昭和62年10月に開設した白百合幼児園で、平成21年4月認可への移行の際に現園名に変更しました。定員は66名(平成30年7月現在64名在籍)で産休明け保育、延長保育、障がい児保育を実施しています。園は東急東横線反町駅から徒歩5分の大規模マンションの1階東南側に位置し、分園もすぐ近くにあります。園は反町駅に近く、横浜駅へ1駅で東京、横浜、川崎方面の通勤に便利な場所です。また、国道1号線から横浜方面に向かう大通りに面したマンションにある園ですが、後背地は静かな住宅地で分園もその中にあります。分園に小さな園庭があり、大小いくつもの公園を散歩に利用し、子どもたちは伸び伸びと園生活を楽しんでいます。


《特に優れている点・力を入れている点》
○職員間で情報を共有して子ども一人一人を大切にする保育に取り組んでいます
 本園で2〜5歳児、分園で0、1歳児の保育を行っていることから、子ども一人一人の様子を職員間で共有することに力を入れて取り組んでいます。全体職員会議のほか、月ごとに行う本園、分園それぞれの会議では、指導計画に基づいて子ども一人一人の姿を報告し合い、会議の内容は記録して職員間で共有しています。職員間の連携を密にして本園と分園が一体となって、例えば日ごろから肯定的な声かけを心がけるなど、子ども一人一人を大切にする保育に取り組んでいます。


〇日ごろから保護者とのコミュニケーションに努め、良好な信頼関係を築いています
 0〜5歳児まで全年齢で毎日連絡帳を使用しています。連絡帳を通して園生活の様子を伝え、また家庭での様子を把握して、日中の子どもの保育とともに保護者との会話にも役立てています。送迎時には、必ず一言でもその日の子どもの様子を伝えるようにしています。毎月園だよりを発行し、お知らせや行事予定、行事後のアンケート結果などを載せ、「コラム」と題して各クラスの様子を隔月に伝えています。また保護者向けに、クラスごとの「月指導計画」のねらいと内容、歌、製作を、イラスト入りでわかりやすく記載しています。玄関の連絡ボードでその日のクラスの様子を伝え、行事の際には写真を掲示して様子を伝えています。クラス懇談会では保育内容を説明するとともに、保護者からも家庭での子どもの様子を聞いて情報を交換し、保護者同士の交流の機会にもしています。このように日ごろから保護者とのコミュニケーションに努め、良好な信頼関係を築いています。


○地域に根付いて39年目、地域に愛され、日常保育や地域支援に系列園組織を生かした保育を行っています
 法人は前理事長が昭和58年に反町保育園を開設したのに始まります。現在法人系列にはいずみ青葉台保育園、いずみ反町保育園、いずみ東白楽保育園、いずみ松本町保育園、いずみ反町公園保育園の5保育園のほかトトロ教室という学童クラスがあります。地域に系列園が多いので、園の5歳児は近隣の系列園の子どもたちと一緒に、公園で遊んだり、青葉台の近くの畑で芋掘りをしたり、交流遠足をしたり、全系列園でドッジボール大会を催したりしています。また学童クラスのトトロ教室も近くにあり、使用しない午前中を子どもたちの勉強に利用しています。以前夏祭りなどの園行事は各園で行っていましたが、スペースなどの制約があり、昨年から近隣3園合同で公園広場で開催し、地域の方々の参加も得て好評でした。地域に愛され、系列園の強みを日常の保育や地域支援に生かしています。


《事業者が課題としている点》
 地域とのかかわりを課題ととらえています。防災関係での地域との連携に現在取り組んでいますが、このことをきっかけに交流を密にし、今後は地域向けの講演会などを行いたいと考えています。また、保育園や職員の自己評価について、アンケート内容を見直したり、職員の自己評価についてみんなで振り返る機会を増やしたいと考えています。職員育成の取り組みとして、ゆとりある職員体制を整え、職員のスキルアップや後継者の育成に努めたいと考えています。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重  園の保育理念は「子ども一人一人を大切にし、保護者からも信頼され、地域に愛される保育園を目指す」を掲げ、保育方針は「豊かな人間性を持った子どもを育成する」として、子ども本人を尊重したものとなっています。保育理念、保育の基本方針、保育目標を「保育のおもい」として書面にして全職員へ配付し、職員の基本方針の理解につなげています。また、本園、分園では、玄関に保育目標を掲示しています。サービスの実施内容は保育の基本方針に沿って行えるように、職員で確認しながら全体的な計画や指導計画を作成しています。
 園長や主任が保育状況を確認し、職員の子どもへの対応で気になることがある場合は声をかけるようにしています。また、本園、分園ともにワンフロアであることから、職員間でもほかの職員の言動や行動が見えやすくなっており、相互に確認しながら保育を行っています。職員は、保育中に子どもをせかしたり強制したりしないように、場面に応じて「どこのグループが早くできるかな」などのように対応しています。また、職員は声が大きくなり過ぎないように気をつけ、おだやかに、子どもにわかりやすい言葉をかけています。職員会議では園長が中心となり、子どもへの言葉かけや接し方について話し合いをしています。職員は、子どもの話を聞いたり、子どものしぐさから代弁し、子どもの気持ちを受け入れてから話を進めていくように努めています。業務マニュアルには、子どもの人権を守るために差別用語は使わない、人権を配慮した保育、コミュニケーションと会話などの記載があり、職員は子どもの人権を守る保育を認識しています。
 守秘義務については、入職時に園長が説明し、全職員が守秘義務に関する誓約書を提出しています。個人情報の取り扱いについてのガイドラインとしては、業務マニュアルに個人情報に関する基本方針、個人情報管理規程、コンピュータ運用管理規程、プライバシーの尊重と保護、情報提供(写真、ホームページ、園だより)についてなど、厚生労働省のガイドラインに沿った項目があり、全職員に周知しています。保護者には入園説明会や保護者会で園長が口頭で説明し、保護者から重要事項説明同意書を受け取ることで了解を得たものとしています。個人情報に関する記録は、事務室の鍵のかかる書棚に保管、管理し、職員に周知しています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供  年間指導計画、月間指導計画、週案は、全体的な計画に基づき年齢ごとに作成しています。月間指導計画の中に、週のねらいや隔週の主な活動とその流れも記載しています。理解できる子どもには、主体的に活動できるように説明しています。職員は子どもの表情や様子、言葉を受け止めながら、子どもの意見や要望を聞き取るようにしています。0、1歳児では、子どもの関心や遊びの様子を見ながら、リズム遊びを自由遊びに変更したりしています。また、2歳児以上でも製作を散歩にしたり、合同リトミックにするなど計画に柔軟性を持たせています。週案などの変更は、随時線を引いて修正し、わかりやすく内容を記載しています。
 0、1歳児クラスでは、仕切りやマットなどを利用して、小集団で遊べるように工夫しています。本園は2〜5歳児が一緒のワンフロアのため、必要に応じて2歳児クラスは3〜5歳児クラスと仕切りで分け、マットや机を使用して小集団で過ごせるようにしています。分園の0、1歳児クラスでは、食事の場所と寝る場所を別にしています。本園ではシートを利用して食事と午睡を区別し、食事を済ませてから午睡の準備をするなど、同じ場所を使用しながらも工夫して子どもの活動に必要な空間を確保しています。園がワンフロアのため、分園では0、1歳児が、本園では2〜5歳児が日常的に異年齢でのかかわりを持っています。また、体操の時間やプール遊び、野菜の栽培などの活動で2〜5歳児が分園へ行き、その際に0、1歳児との交流も行われています。
 0〜2歳児は個別指導計画を作成しています。個別指導計画は「子どもの姿」「ねらい」「環境構成と配慮」などの計画を立て、家庭支援や家庭連絡の項目も設けています。3〜5歳児クラスでは、配慮を必要とする子どもについては個別指導計画を作成して対応する体制があります。個別の目標や計画は、子どもの発達状況に合わせ、クラス担当で話し合ったり、乳児会議で検討して随時変更や見直しを行っています。食事やトイレットトレーニング、気になることについては送迎時や連絡帳などで保護者と相談し、同意を得て変更しています。
3 サービスマネジメントシステムの確立  慣れ保育については、入園説明会で園長が口頭で説明しています。保護者面接の際に保護者と相談して、子どもの様子に応じて1、2週間の流れを決め、保護者と一緒の登園から始めています。保護者の状況によっては、慣れ保育を行わずに子どもを預かる場合もあります。0、1歳の新入園児の個別記録担当職員は決めていますが、日々の保育の個別主担当職員は明確にせず、子どもの情緒が安定する職員が寄り添っています。子どもの愛着形成の観点から、日々の保育における個別の主担当を決めておくことが良いでしょう。保護者面接で子どものよりどころとするものを聞き取り、必要な子どもにはタオルなどの持ち込みができるようにしています。子どもの生活については、連絡帳を毎日記入し家庭と園での様子を共有できるようにしています。また、送迎時にも子どもの様子を伝えています。進級時には、前年度のクラス担任が一人は持ち上がるようにし、新入園児と在園児の様子を見ながら、活動を分けたりしています。
 園内はバリアフリーで、トイレは車椅子やオストメイト(人工肛門等保有者)対応の設備があります。障がいのある子どもの受け入れの際には、保護者の同意を得て医療機関や専門機関と連携できるような体制作りをしています。職員はいつでも障がいのある子どもを受け入れて対応できるように、障がいのある子どもの保育の研修に参加し、職員会議で研修報告や話し合いをしています。また、職員会議などに参加できない職員は研修報告書を読んで、チェックすることとしており、全職員が学習できるようにしています。本年6月には、横浜市こども青少年局の「自閉症スペクトラム障がいの理解」の研修に参加しています。
 アレルギーのある子どもに対しては、生活管理指導表を基に個別に対応を行っています。職員はアレルギー疾患についてマニュアルを基に看護師から勉強会などで知識や情報を得ています。食物アレルギー除去食の提供に関するマニュアルがあり、食物アレルギーの子どもには、献立表配付の際に保護者に除去内容を確認してもらい、承諾を得てから除去食を提供しています。また、保護者の要望に応じて代替食を提供する体制もあります。除去食を提供する場合は、栄養士や調理員と職員が口頭で確認し、専用の食器やトレーを使用し、配膳まではラップをかけています。
4 地域との交流・連携  地域の公園管理業者や公園利用者、自治会、民生委員、警察署などが参加する地域連絡会に園長が参加して、地域の情報や取り組み、公園使用についてや、保育園に対しての意見、要望を聞いています。パンフレットなどに育児相談を受け付けていることを載せています。園の見学者や、散歩先の公園で親しくなった地域の親子などからも育児相談を受け、相談に応じる中で園に対する要望を把握しています。園長は神奈川区や横浜市の園長会に出席して、分科会などで地域の子育て支援ニーズなどを話し合っています。区内の保育園が参加する神奈川区子育て支援連絡協議会があり、地域の様子を討議しています。5歳児担当の職員は地域の幼保小連携会議に出席して、地域の子育て支援について話し合っています。
 園のパンフレットを、神奈川区の区民祭りの時に会場のコーナーに置かせてもらったり、園の見学者などに配付しています。園のホームページでは園の概要や園の一日、年間行事、園の特徴などを案内しています。神奈川区や横浜市こども青少年局のホームページ「ヨコハマはぴねすぽっと」に園の情報を提供しています。育児相談は毎週水曜日の園の見学会に合わせて行い、園長や見学応対者が相談に乗り、記録していますが、日程が合わない場合には相談者の都合に応じるように努めています。地域の方々を招待する園の運動会や、近くの系列3園共同で公園で開催する夏祭りなどの際には、ポスターを町内会のいくつかの掲示板に貼り、参加を募っています。
 相談内容によっては園だけでは解決できないこともありますので、嘱託医院や病院、神奈川区役所、保健所、横浜市東部地域療育センター、児童相談所、消防署、警察署などの電話番号とともに、相手担当者を明記した関係機関連絡先リストを作成し、事務室に掲示し、職員にも周知しています。関係機関との連携担当者は園長で、園長が不在の時は主任が対応しています。神奈川区役所とは日ごろから報告や相談で連携しています。消防では近くの防災センターに園の子どもたちが訪問し地震体験をしたり、年に1度消防署に園の避難訓練を見てもらい、水消火器で消火訓練をしたり、AED(自動体外式除細動器)の取り扱い実習を受けています。関係機関とは日ごろから情報交換や、助言や指導を得て日常的な連携関係ができています。
5 運営上の透明性の確保と継続性  年度末に記入した自己評価表を基に職員は園長と面談を行い、助言、指導を受けています。全体的な計画に基づくクラスごとの年間指導計画などの自己評価については、職員会議やミーティングなどで結果を報告し、課題を話し合っています。また、保護者には運動会などの行事ごとにアンケートを実施していますが、年度末にも年度を通してのアンケートを実施して、その結果について職員会議で話し合っています。園の自己評価は、職員個人や指導計画などクラスごとの自己評価、保護者アンケート、職員会議での検討内容を基に、園長が主任とともに「保育所の自己評価の結果について」としてまとめ、案内文とともにファイルに入れて、本園、分園の玄関に置き公表しています。
 全職員は入職時に園長から、職員として守るべき法、規範、倫理などを明記してある就業規則の説明を受け、個人情報保護、守秘義務についての誓約書を提出しています。年度初めに行う職員の自己評価でも、子どもに関する情報を話さないことや、子どもの最善の利益と人権に配慮した保育ができているか確認しています。経営や運営状況の情報はファイルに入れ、本園、分園の玄関に置いて保護者に公表しており、園のホームページでも公開しています。世間で発生した子どもの虐待や人権侵害事例などは、新聞記事などを基に速やかにミーティングなどで職員間で共有し、早期発見や対応策の再確認をしています。
 本園と分園の玄関には、1枚の用紙にイラスト入りで書かれた「環境保全への取り組み」と「環境保全に対する園での実践」が掲示してあります。取り組みとして、園では子どもたちの環境に対する感性を育むとともに、環境に配慮した生活習慣が身に付くように、月1回朝の会で、水や紙、電気の大切さや残さずに食べることの大切さを伝えていることを記載しています。園での実践として、「リサイクル活動、ごみの分別」「リサイクル工作、牛乳パックや空き箱などを利用」「花・野菜の栽培、花壇やプランターで季節の野菜や花を育てる」「節電・節水、エコシールなど意識を促がす案内を貼る」などを明記して、園全体で環境保全に取り組んでいます。
6 職員の資質向上の促進  外部研修は横浜市こども青少年局主催の研修一覧表を活用しています。研修担当の主任はこの一覧表を基に、職員の研修希望を積極的に募っています。また、神奈川区や教育関連機関などからの研修案内も職員に周知して希望を受け付けています。配慮を必要とする子どものいるクラスの保育士などを指名して研修を受けてもらうこともあります。内部研修も計画的に行い、非常勤職員も参加できるよう午睡の時間を2部に分け、同じ内容でAED研修や看護師による嘔吐処理などの研修を行っています。外部研修参加者は研修報告を作成し、全員に回覧するとともに、内容によっては職員会議で研修発表を行い、研修内容の共有と周知に努めています。
 職員は資質向上のため、年度初めに保育理念の理解度などの自己評価を行っています。さらに、保育姿勢や、保護者や地域の方との関係などの項目からなる「自己評価表」に今年度の自己目標を記入して、年3回自己評価を行い、年度末には年初の自己目標に対する結果の振り返りを記入して園長と面談し、指導や助言を受けています。職員の自己評価の結果などを参考にして園の自己評価をしています。工夫改善事例として、かつて夏祭りを各園で行っていましたが、開催スペースなどへの意見が保護者や職員から出て、法人の事業部会などで検討し、今では近隣3園合同で、公園広場でにぎやかに開催しています。配慮を必要とする子どもを受け入れたときは、神奈川区の保健師に来園してもらい、助言や指導を受けています。
 職員の自己評価表や保育の計画、保育日誌などは、計画内容や振り返りが記入できるように書式が定型化されています。年度末の自己評価と振り返りは、年度初めに設定した目標と関連付けて行っています。保育に関する自己評価は全体的な計画に基づいたクラスごとの年間指導計画、月指導計画、週案、日誌などの自己評価欄に記入しています。そこでは「運動会のパラバルーンなどクラスみんなで一つの目的に向かって頑張る姿がとても良く、ほめた」とあるように、子どもの活動の結果だけでなく、取り組む意欲や過程などを重視して評価しています。職員は自己評価を通して自己の実践を改善したり、次の計画作成に生かしています。

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