かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

アスク溝の口保育園(8回目受審)

対象事業所名 アスク溝の口保育園(8回目受審)
経営主体(法人等) 株式会社 日本保育サービス
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 213 - 0033
高津区下作延2-7-41 コロナーデ溝の口 1階
tel:044-862-4187
設立年月日 2010(平成22)年04月01日
公表年月 2018(平成30)年09月 〜
使用評価項目 川崎市版
評価機関名 株式会社 R−CORPORATION
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【概要・立地面の特色】
アスク溝の口保育園は、株式会社日本保育サービス(以下、法人という)の経営であり、法人本社は名古屋に拠点を置き、北海道から沖縄まで全国13都道府県に保育園事業を始め、クラブ事業等、262施設を運営しています。社是は「子どもたちの笑顔のために」とし、保育理念は、「1.自ら伸びようとする力」、「2.後伸びする力」、「3.五感で感じる保育」の3つを掲げ、保育を大きく推進しています。アスク溝の口保育園は、東急田園都市線溝の駅から徒歩5分程、県道14号線沿いにある高津区役所から脇に入った道沿いにあり、官公庁を中心にスーパーや事務所、マンションが混在する地域に位置しています。溝の口駅前は再開発中であり、南武線、田園都市線の交差する交通の要衝として、更に発展が期待される地域として人口も大幅増加が見込まれています。園舎は2階建てビル(地下1階〜2階)の地下1階部分が園舎になっており、地下1階への坂道とビルの間の空間が大きく開けており、窓から陽光を取り入れることができており、園舎玄関前は車の往来等もないため安全面は確保されています。園では、専門スタッフによる英語・リトミックや、体操教室、幼児保育プログラムやクッキング保育・食育等を取り入れ、楽しむ心、学ぶ楽しさを育むプログラムにより活力ある保育が行われています。保育室は、乳児保育室(1歳、2歳児室)と幼児保育室(3歳〜5歳児室)の2つの保育室を設け、日常的に異年齢保育を行い、憧れや・思い遣りの心が自然に育まれる環境の中で温かい保育を展開しています。また、散歩や公園の利用を通して地域の人たちや他保育園児との交流を持ち、人間形成の基礎作りを育んでいます。

<特に良いと思う点>
【保育園業務マニュアルに沿って標準化された安定した保育】
法人では、全園共通の「保育園業務マニュアル」を完備し、新園の軌道、全園の標準化を図り、マニュアルの基、園長の個性を生かし、地域性を加味した園作りが行われています。また、子どもの育み、新人職員の育成、パート職員の教育、保護者への対応等、マニュアルに沿ってアスク保育園の特色と共に均一を図っています。アスク保育園は、「保育園業務マニュアル」と適材適所に優秀な園長の配置体制の基、保育の質、統一性を保ち、安定した保育を展開しています。

【子どもの「楽しみ、学ぶ」保育プログラムを活用した育み】
アスク保育園では、専門スタッフに(同法人系列会社の「ジェィキャスト」に所属)よる多様なプログラムを準備し、3つの基本的なプログラムに幼児教育プログラムを加え、子どもの生きる力・伸びる力を育んでいます。基本的なプログラムでは、外国人講師によるネイティブな英語プログラム、大脳を支配する感覚や、神経機能を中心に敏捷性・均衡性を養い体力増強を図る体操プログラム、音楽を通したコミュニケーション、表現を楽しむリトミックプログラムを実施しています。楽しむ心・学ぶ楽しさに重きを置き、さらに体力的、知的、感覚的を養い、豊かな保育を実践しています。幼児教育プログラムは、絵本を中心に園と家庭で連動した知育プログラムとワークプログラムにより、総合的スキルを身に付け、子どもに学ぶ楽しさとスキルを提供しています。

【保育士同士の良好な関係】
園長は、職員のシフト面の調整に関する年間計画を作成し、勤務の調整がしやすいよう職場環境の整備に尽力しています。日々職員間でコミュニケーションを図り、年次有給休暇の取得においては職員間の家庭、故郷等の情報の共通理解を図り、休暇申請の際には互いに考慮しながら円滑に休暇を取得できるよう推進すると共に職員間で思い遣りの関係が構築されています。また、乳児保育室(1歳、2歳児室)と幼児保育室(3歳〜5歳児室)の2つの保育室では日常的に異年齢保育を行い、各クラスの担任はそれぞれ協力し合って保育にあたり、園長を介して全保育士が協調関係にあり、保育士同士の良好な関係がアスク溝の口保育園の特徴の1つであり、子どもたちにも良い影響につながっています。

<さらなる期待がされる点>
【弱みを強みへの取り組み】
園は小規模園であることから、運動面については限られた空間故に体を動かすことに限りがありますが、解消法として戸外活動を取り入れながら工夫をして満足につなげる努力をしています。天気の良い日は近くの公園に出かけ、子どもたちは走って体を動かし、伸び伸びと遊ぶ機会を設け、園から公園までの行き帰りには地域の色々な方から声をかけてもらったり、挨拶を交わし、地域との触れ合いも多く機会を得ています。また、公園では地域の子育て親子、他保育園児たちが遊んでいる場合もあり、その時は皆で仲良く遊ぶことを学び、交流の楽しさを体感し、さらに、公園が公共の場であることを踏まえ守るべきルールを学び、自園で遊ぶ時とは違ったマナーを多く習得する機会を持っています。小規模だからこそ様々な機会が多く得られ、この条件を好機とし、地域の交流と共に活動の幅をさらに広げる工夫が期待されます。

【保護者とのコミュニケーションのOA化について】
法人では、セキュリティ及び保護者への情報提示として各種のOAシステムの導入を進めています。既に導入済なのは、クラウド型の園児管理システム「パステルApps」であり、保育士の仕事の効率化を図り、保護者と協働で保育をできるように活用しています。更に、導入を順次進められているのが連絡帳サービスの「hugnote」であり、感染症発生等の情報発信や、園やクラスごとのお知らせも可能になり、情報化時代に毎日の連絡をデジタル化する点は素晴らしい取り組みと思いますが、OAに強い保護者ばかりではない点やアナログでのフォローも考慮しながら、保護者への丁寧な説明等が望まれると共に、今後の取り組みに期待されます。

【職員の資質のさらなる向上について】
職員一人ひとりの資質について、調査当日の時間内で全員の資質を把握することは限りがありますが、職員の聴き取りインタビューでは、保育士、栄養士が共に明るく、職員間のコミュニケーションが良好であること、互いに思い遣れる関係性であることが確認でき、また、意欲的に強調して取り組んでいる点は高く評価されます。その他の保育士の方々も、園内の明るさを醸し出し、にこやかで元気な姿で保育に当たっていることが確認できました。但し、限られた保育士の人数による保育環境は、保育士一人ひとりが力を付けると共に、チームのコミュニケーション・連携の更なる強化が望まれるところです。職員一人ひとりのスキルアップを図り、より一層の向上に向けた取り組みに期待しています。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

●子どもの発達段階に応じて、子どもの気持ちに寄り添う保育を心がけています。自由遊びでは、子どもとに対して否定的な言葉は控え、子どもの気持ち、意見を尊重して遊びを決めたり、運動会や発表会での役決め等、子どもたちの話し合った意見等を取り入れて進めるようにしています。日頃の子どもの接し方、言葉がけ等について問題点は昼礼で話し合い、研鑚を図っています。

●アスク溝の口保育園の園目標として「あいさつのできる子」、「思いやりのある子」、「心も体もげんきな子」を推進し、「子どもの人権の尊重」について保育園業務マニュアルの読み合わせを行い、全職員で確認しています。保育課程、年間指導計画、月間指導計画、週案は子どもの姿を踏まえ、子どもを尊重した内容を盛り込み、子ども本位を第一義として保育にあたっています。虐待の早期発見について職員は、虐待に関する対応・知識を学び、園全体で共通認識を図り、意識を高めています。
●個人情報に関しては重要事項説明書に明示し、保護者懇談会時に説明を行い、保護者から同意を得ています。プライバシー保護については、保育園業務マニュアルに記載し、マニュアルに沿って対応しています。利用者のプライバシーの配慮では、ブログ等への子どもの写真掲載について保護者に同意を得、肖像権について留意しています。保護者に対しても写真撮影時の他の子どもの写り込みについても配慮を促しています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 ●利用者満足の把握について、行事後のアンケートと年末にアンケートを実施し、園・保育についての意見も聞く工夫をして意向を把握し、結果は分析を行い、サービスの向上に取り組んでいます。また、年2回、個人面談を実施して要望や意見を受け止め、保育に反映させています。園全体に関する利用者満足については、毎年、第三者評価の受審を予定し、保護者のアンケート結果や評価結果を得て利用者満足の向上に役立てていきます。
●苦情解決の仕組みについては、苦情解決窓口、苦情解決責任者、第三者委員の名前、法人本部担当部署等、苦情解決体制を掲示し、保護者に知らせています。苦情に関しては、重要事項説明書に苦情の制度について記載し、園内に掲示して周知を行い、保護者懇談会等でも説明しています。保護者から意見、苦情等を受けた場合は、保育園業務マニュアルに沿って対応し、職員間で共有し、迅速な対応に努め、改善が必要とされる点は園の見解を示して説明しています。
●職員は、全園児の発達の過程や生活環境等を理解及び受容し、子ども一人ひとりの発達に沿った保育を心がけています。進級時は、保育士の持ち上がりを考慮し、引き継ぎを十分行い、児童票により個々の状況を把握し、指導計画に反映させています。保育環境については必要に応じて話し合い、子どもそれぞれの時期に合った環境作りに配慮しています。配慮が必要な子どもには個別指導計画を作成し、職員配置を手厚く配慮し、ユニバーサルな保育を目指し、共に育まれるよう援助しています。
3 サービスマネジメントシステムの確立 ●園の必要な情報は、ホームページ、ブログ、パンフレット、「ホッとこそだてたかつ」等で情報を提供しています。利用希望者には、園見学の受け付けを随時行い、サービス選択に必要な情報を提供し、説明して理解を得られるように取り組んでいます。サービス利用開始後は慣れ保育を実施し、子どもの様子、家庭の事情を考慮しながら進め、期間はマニュアルに沿って2週間程度としています。保育では、職員と子どもの愛着関係の形成を図るために、できるだけ同じ職員が担当するよう配慮しています。保護者との連絡では、連絡ノートを活用して密に連携を図り、不安等の軽減に努めています。
●指導計画は、保育課程を基に各クラスの担任が子どもの興味、関心事を加え、法人東京支社の担当職員等の意見も交えて作成し、最終的に園長が確認し、指導しています。また、乳・幼児クラスの各カリキュラム会議を行い、保育に取り組む内容を話し合い、前月の反省を基に策定するようにしています。年間指導計画は、月案、週案、個別指導計画、児童票等、子どもの姿に合わせて策定し、保育日誌では、ねらいと活動状況を記載し、振り返りと計画の見直しができるようにしています。子どもに関する実施状況は、生活記録簿、睡眠記録簿(1歳児)、保育日誌(2歳児以上)に記録を行い、共有しています。
●提供するサービスの実施方法については、保育園業務マニュアルを完備し、職員は入社前研修で受けた手順、マニュアルに沿って標準的な実施方法により保育を実践しています。また、保育理念の「自ら伸びようとする力」・「後伸びする力」を育てる保育、「五感で感じる保育」を、パート職員も含め全職員で共通理解を図り、子どもの感性や好奇心を自然な形で伸ばす保育を心がけています。新人教育にチューター制度を導入し、先輩職員がチューターに付き、定期的に面談を行い、保育中に確認及び指導を行い、育成に力を入れています。
4 地域との交流・連携

●地域に向けて、川崎市ホームページや法人のホームページ、園のブログ、パンフレット、玄関先の掲示等で情報を開示しています。ブログには園の日々の様子を写真入りで掲載し、園の取り組みを発信しています。また、「ホッとこそだてたかつ」の冊子にも情報を掲載しています。行事では近隣の商業施設にポスターの掲示をお願いしたり、園見学者には夏祭り、運動会等の案内の手紙を渡しています。

●子育て支援事業として子育て相談を実施し、地域住民に実施を案内し、園見学者にも子育て相談に応じています。2018年から外部に向けて絵本貸し出しを開始し、近隣の方と絵本を通して関われるよう取り組んでいます。ボランティアの受け入れでは、受け入れマニュアルを備え、事前にオリエンテーションを行い、園の注意事項を説明し、守秘の誓約を提出してもらい、中学生の体験学習、夏休みの学生ボランティア等を受け入れています。

●関係機関との交流、団体との連携では、園長は、高津区認可保育園園長連絡会、高津区役所主催の幼保小連携事業の園長校長連絡会、5歳児担任は高津区幼保小連携事業、実務担当者連絡会に定期的に参加し、地域の福祉ニーズを把握しています。また、公立園とも交流を行い、情報交換を行っています。小学校就学に向けて、子どもが馴染めるよう地区の保育園間で交流を図り、ドッチボール大会に参加したり、系列園の年長児と交流する機会を設けています。高津区の認可保育園園長会、高津区の幼保小実務担当者連絡会、高津区内の幼保小連携推進事業、栄養士の会等、高津区が開催する会議に積極的に参加して連携を図り、園運営に生かしています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

●理念・基本方針等は入社時の研修で全職員に周知し、配属後も会議等で折に触れて説明を行い、共通理解の基、保育にあたっています。園長は、行事の話し合いの際も運営理念の確認を行い、園目標は毎年年度末に職員で見直しを行っています。中・長期計画は、運営理念、基本方針を軸に策定し、中・長期計画の見直しを図ることで園の問題点の解決につなげ、評価・反省を行い、取り組み状況の把握を行っています。
●園長は、人材育成ビジョンに基づいて「役割」について定義し、研修や昼礼で周知を図り、園長を含めた組織表及び職務分担表を作成して分掌業務を明確にし、園長の役割と責任を表明しています。業務の効率化と改善に向けた取り組みについては、法人東京支社で取りまとめ、園運営内容を報告し、改善に向けた運営に尽力しています。園長は、職員のシフト、有給休暇取得等の公平化を図るために年間計画を立て、職員が働きやすい職場作り・仕事の見える化を推進しています。

●職員は年3回、査定シートを基に自己査定を実施しています。園の自己評価については毎年、第三者評価の受審を予定し、サービスの質の向上に取り組んでいます。自己評価については査定で見直しを行い、職員にフィードバックを行い、資質向上につなげています。園行事の企画は年度ごとに企画書を作成し、職員会議等で各行事の担当職員を中心に評価及び反省を行い、課題を明確にして次回の行事に反映するように取り組んでいます。第三者評価の結果から浮かび上がった課題は、次期の事業計画に取り込む等、活用を図っています。

6 職員の資質向上の促進 ●必要な人材や人員体制に関しては保育園業務マニュアル、川崎市職員配置基準に基づき、法人東京支社で一括採用を行い、人材等の管理を行っています。法人として人材育成ビジョンを掲げ、職員の望ましい姿を明記しています。職員は、全園統一の査定シートに目標を記入し、査定時期に見直し、目標達成状況を確認しています。法人では朝夕に特化した「スターライト先生」や「サンライズ先生」等の短時間からの勤務体系の受け入れを実施しています。
●職員の教育・研修に関する基本姿勢は中・長期計画に明示し、年度末に見直しを行っています。職員研修については、中・長期計画に保育士取得コース等、保育士の技術向上の考え方を示し、階層別研修等は保育士育成ビジョンを基に策定して実施しています。園長は、研修受講後のレポートの提出や園内でのフィードバックを通して職員個々の理解度を把握し、必要に応じて同分野等の研修を提示し、職員のレベルアップを図っています。園での研修計画は半年ごとに振り返り、研修成果を基に反省、助言を行い、次年度の計画に向けて見直しを図っています。
●園長は、職員の出勤簿により勤務状況を把握し、時間外勤務の状況と休暇取得率を確認し、園の労務状況を法人東京支社に報告し、人事・労務の現状分析を行い、改善につなげています。園長は、職員の日々の様子を確認し、コミュニケーションに努め、要望や意向、意見は個人面談で把握し、働きやすい職場環境作りに尽力しています。改善する必要がある場合には、法人東京支社の担当やエリアマネージャーと相談する体制を整えています。

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