かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

京急キッズランド京急川崎保育園

対象事業所名 京急キッズランド京急川崎保育園
経営主体(法人等) 京急サービス株式会社
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 210 - 0006
川崎区砂子1-3-1 京急ショッピングプラザウィング川崎5階
tel:044-245-5802
設立年月日 2016(平成28)年06月01日
公表年月 2018(平成30)年10月 〜
使用評価項目 川崎市版
評価機関名 株式会社 学研データサービス
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

《施設の概要》
 京急キッズランド京急川崎保育園は、京浜急行京急川崎駅に隣接する5階建ての商業ビルの最上階にあり、保育室と園庭が同フロアに作られています。商業ビル竣工の平成28年6月に京急サービス株式会社により京急キッズランド系列の認可保育園として開園しました。0歳児から5歳児までを受け入れ、定員60名で平成30年7月現在60名が在籍しています。延長保育、障がい児保育を実施しています。園のある商業ビルは商店街の入り口に位置し、京急川崎駅とJR川崎駅は地下道でつながり、東京、川崎、横浜方面への通勤に便利な立地で、周辺のマンションや住宅地をはじめ、多方面から登園する子がいます。現在は、外国籍の子どもも多く受け入れています。ビル内に作られた園庭では遊びだけでなく、プランターなどを利用し花を育て野菜を栽培し、夏はプール遊びも行います。散歩には地域の公園に行き、子どもたちが伸び伸びと過ごせる環境となっています。今年度は開園3年目に入り、園の運営も軌道に乗ってきています。


《特に優れている点・力を入れている点》
○子どもの安全管理については本社をあげて取り組み、園内の状況を具体的に確認する機会を定期的に設けています
 安全管理について力を入れており、「安全パトロール」という仕組みがあります。系列園の園長や職員によるパトロールと、本社によるパトロールが定期的に園に入ります。パトロールの結果は、棚上の物の置き方やテープカッターを置く場所、消毒液の保管など、注意が必要な点と、良い事例も記録されます。各園の結果は毎月の園長会議で報告され、写真を見ながら他園の事例を確認し合い、自園の状況を再度振り返っています。そのほか、園では安全管理チェックを月2回実施し、午睡時の呼吸確認や、誤飲や窒息の防止にも努めています。


○開園から3年目を迎えて職員間の保育への共通理解が深まり、子どもも保護者も満足する保育につながっています
 開園から3年目を迎え、職員間の保育の進め方への共通理解が深まってきました。当初は難しい時期もありましたが、小さな会議をたくさん積み重ね、例えば行事では時間をかけて配慮事項を職員間で細かく確認するようにして、子どもも保護者も満足する行事を作り上げてきています。5歳児のお泊まり保育は子どもたちが話し合って計画を立て、今年度は自分たちが栽培したレタスで夕食のサラダを作ったり、肝だめしや宝探しをしたりしました。お泊まり保育の様子を写真の掲示で見た4歳児は来年度を楽しみにしています。


○職員の健康管理に園日誌を活用するなど様々な配慮をしています
 クラスごとの保育日誌とは別に毎日の園全体の動きがわかるB4サイズ の「園日誌」を事務室前に置き、職員の出欠を兼ね健康状態を記入する欄に各自のその日の体調、検温、確認日を記入しています。園長、主任、看護師は園日誌の記載を把握し、体調の優れない様子の職員には声をかけ、様子を確認して病院に行かせたり、シフトを調整したり、適切な対応を取っています。職員は年1回本社の健康診断を受けています。園長、主任は、職員の休養、リフレッシュなどのための有給休暇の取得に理解を示しています。


《事業者が課題としている点》
 開園後3年間は通所している子どもや保護者のための支援を中心に運営を行ってきたが、今後は地域子育て拠点としての役割を考え、園としてどんな支援ができるか、取り組み内容の充実を図っていきたいと考えています。また、開園後の運営を振り返り、今後の中長期計画に反映していくとともに、保育室内の環境や遊具を見直し、充実させていくことを課題としてています。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重  園内研修は年間計画を立て、毎月職員会議の中で実施しています。この中で、保育士としての倫理や、人権、ハラスメント、虐待などについて学んでいます。本社でも職員の教育体制を整えており、メンタルヘルス研修ではカウンセリングスキルを学び、保護者とのコミュニケーションに役立てたり、アサーション研修では、課題を一人で抱え込まず、園長や主任、先輩などといっしょになって解決することを学んでいます。また、職員は自己評価を通して、子どもを主体とした視点で保育をしているか振り返りを行っています。
 園で実施する保育士の自己評価では、人権に十分配慮しているか、子どもからのサインを見逃さずに子どもの求めている援助ができているか、子ども一人ひとりの発達状況と子どものおかれている事情を理解して保育を行っているか、子どもにわかりやすい言葉づかいで穏やかに話をしているかなど、具体的な評価基準について評価を行っています。そのほか、職員は日々の保育で、子どもの様子や体調について保護者と情報交換しながら、子どもの心情をくみ取るように努め、園長や主任は園全体を見てフォローしています。
 実習生やボランティアを受け入れる際には、「保育実習やボランティアにあたっての心構え」を配付して説明しています。挨拶や笑顔、言葉づかい、身だしなみのほか、守秘義務や子どもの人権尊重、性差による差別をしないことなどについて明記しています。守秘義務については、家族や友だちに園の子どもの話をしないこと、喫茶店などで保護者などの話をしないこと、メールなどインターネット上のやりとりで園のことを流さないことなど、わかりやすく具体的に示しています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供  保護者の気持ちを園へ伝えてもらうために、「皆様の声」という仕組みを作っています。意見や要望を記入する用紙を園便りにはさみ込んで毎月保護者へ渡し、いつでも提出できるように玄関にポストを設置しています。この仕組みについては入園のしおりに記載し、入園説明会で説明しています。4月の園便りにも記載して知らせています。この仕組みで把握した保護者の意見や要望は、公表希望であれば、園便りに保護者の声と園の回答を載せて、保護者へ報告しています。毎月回収状況を集計して記録し、本社の園長会議で報告しています。
 5歳児はお泊まり保育を実施しています。クッキングやすいか割り、宝探し、プラネタリウム、朝の体操、植物の水やりなど、内容は子どもたちが話し合って計画します。前年度のお泊まり保育の写真掲示を見て覚えている子どもから、同じ催しをまた行いたいという提案も出てきます。自分から意見を言わない子どももいますが、職員が一人ひとりに聞くようにして、子どもの気持ちの反映に努めています。
 園では、配慮を必要とする子どもも、ほかの子どももいっしょに生活するインクルーシブ保育を実践しています。配慮を必要とする子どもについては個別支援会議を開いて記録し、保護者と連携して成長を助けるようにしています。職員は外部のインクルーシブ保育研修に参加したり、順番に川崎市の発達支援コーディネーター養成研修に参加して資格をとったりしています。職員会議の中で研修報告の時間を設け、外部研修で学んだ内容を共有しています。また、発達支援や虐待についての園内研修を年間計画に盛り込み、実施しています。
3 サービスマネジメントシステムの確立  安全管理については本社全体で力を入れ取り組んでいます。事故対応や感染症対応などについて、マニュアルを使って園内で研修したり、手順などを掲示してだれでも対応できるように体制を整えています。系列園の園長会議で得た安全に関する情報を職員に周知したり、職員は外部研修に参加して学んだりしています。日常の保育では、午睡時の呼吸確認や、誤飲や窒息防止のためのルールを具体的に決めています。さらに、園は多摩川が近いという立地であるため、氾濫や津波に備えた浸水時の避難計画の年度内の完成を目ざしています。
 川崎区年長児交流保育では、小学校入学へ向けて、近隣の保育園の5歳児が集まり、富士見公園でのゲーム遊びや音楽遊び、ドッジボールなどで交流を図って顔なじみを作っています。保護者へは園便りや玄関の掲示により、交流保育の目的や子どもたちが他園の子どもたちと交流する様子を伝えています。また系列園合同で実施する子育て支援講座では、小学校の校長を招いて「就学に向けて」という講演会を開きました。参加した保護者からは、就学前の取り組みについて具体的な内容を聞けてよかった、安心したなどの感想を得ています。
 園全体の一日の記録として、園日誌があります。各クラスの出欠状況や活動内容、その日の行事や会議、研修、来訪者、配付物などの予定、朝礼や昼礼の実施状況、早番や遅番の点検、アレルギーや与薬についてなど、園内での予定や状況が網羅されています。特に猛暑に対応した熱中症予防の取り組みとして、気温や湿度、日射など周辺の熱環境を取り入れた「暑さ指数」を赤字で記しています。さらに、職員全員の体調や検温の欄を設け、職員個々の状況把握にも努めています。園日誌はタイムカードの近くに設置し、職員全員が確認しています。
4 地域との交流・連携  川崎区の子育て支援情報紙「こんにちは川崎区の保育園です!!」に、園の七夕のつどいや夕涼み会、クリスマス会、節分などの行事スケジュールを掲載してもらい、地域の親子の参加を呼びかけています。川崎区主催の子育て支援事業「子育てフェスタ」では区内保育園に通う園児の作品展とともに歌やリトミック、絵本読み聞かせ、遊び、食育・育児講座、子育て相談などが催されています。園からもこの催しの手伝いに保育士が参加しています。
 川崎区の子育て支援事業で父親の育児参加を目的に催された「ジョイフルサタデー」は、今では区内の認可保育園の地域に向けた子育て支援活動として定着しています。親子が一緒に工作などをして遊ぶイベントとして開催されています。今年度、園は系列園と共同で6月に開催しました。この「ジョイフルサタデー」も川崎市の子育て支援情報紙「こんにちは川崎区の保育園です!!」で地域の親子の参加を募っています。
 川崎区主催の地域の福祉向上について話し合う会議に園長が参加しています。外出先で授乳やおむつ替えが必要になった時に場所を提供する「赤ちゃんの駅」の事例を紹介したことをきっかけに、昨年度より川崎区もこの制度を始めることになりました。園もこの制度に協働し、場所を提供しています。また、虐待を疑われる子どもの受け入れに際しては、川崎区の地域見守り支援センター(保健福祉センター)と連携して対応しています。
5 運営上の透明性の確保と継続性  保育理念は「家庭的な雰囲気の中で“こころ”“からだ”“えがお”を育てる」です。保育方針は「保育園と家庭と地域の協働」とし、「子どもの健やかな育成」「保護者の就労を支援」「地域住民への相談・助言」の3つの観点からさらに細かく記載があります。保育目標は「“こころ”も“からだ”も元気な子ども」とあります。入園や進級のしおり、パンフレット、ホームページに掲載するとともに、電車のイラストを使って親しみやすく記載された保育理念が玄関に掲示され、職員や保護者の目にいつでも触れるようにしています。
 「2018年度京急キッズランド京急川崎保育園事業計画書」として年度の事業計画を作成しています。これには、保育所の運営方針と保育目標、開所日時、特別保育事業の計画、年間行事予定、地域の子育て支援計画、研修計画、安全取組計画などを記載しています。
しかし、現在保育理念、保育方針の実現に向けた園の中・長期計画は策定されていません。今後は本社とも協議のうえ、3〜5年先を見通した中・長期の計画を立て、これを踏まえた単年度の事業計画の策定を期待します。
 年度末にクラスごとに年間指導計画の反省と今後の課題を記入して、職員会議で話し合い、次年度の指導計画の作成と保育サービスの向上につなげています。また、職員は年度初めに課題票に個人目標を設定し、年度末に161項目の自己評価を実施しています。また、年度末に園のサービスなどについて保護者アンケートを実施して、職員の自己評価と保護者アンケートの結果から保育所の自己評価を行い、報告書を「保育所の自己評価の結果について」として、園の玄関横の掲示板に掲示、公表しています。
6 職員の資質向上の促進  6月に主任と、10月に園長と職員の個人面談が行われ、職務に対する感想や改善点、人間関係、要望、悩みなどを聞き、相談にも応じています。面談結果は本社に報告しています。新入職員は3か月目、6か月目に園長が面談して、仕事面や心身面の様子を聞き、助言、指導をしています。また、年1回本社からの「満足度調査」を職員全員に渡し、専用封筒で回収後本社に送付しています。園長、主任は仕事の負担が特定の職員に片寄らないようシフトを調整し、職員の有給休暇の消化状況に配慮しています。
 人員体制については職員の配置基準を満たすことを前提として、例えば夏のプールの時には安全監視のための人を増やすなど、子どもの状態や活動内容によりシフト管理を行い調整しています。毎年秋に園長は個人面談で来年度の勤務継続の意向を確認して結果を本社に報告し、人員不足が予想される時は本社が保育士養成校やハローワークなどへの求人申し込みのほか、求人ポスター、ホームページなどで募集しています。採用面接には園長が同席しています。職員の評価は、年2回園長が人事考課表で考課を行い、本社が最終評価をしています。
 新規採用職員は京急グループの新入社員研修や新入社員フォロー研修を受講し、2年目、3年目以降も社会人としての研修を含めグループの研修があります。年1回土曜日に本社研修として非常勤も含めた全職員の研修があります。また、園の研修計画に沿って、川崎市や大学などが主催するキャリアアップを含めた研修に職員の希望を募り、また園からの指名で研修参加をしています。内部研修も毎月の事前テーマに沿って実施しています。外部研修参加者は研修参加記録を提出し、職員会議で報告して研修内容の職員への周知を図っています。

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