かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

横浜市馬場保育園(2回目受審)

対象事業所名 横浜市馬場保育園(2回目受審)
経営主体(法人等) 横浜市
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 230 - 0076
鶴見区馬場2丁目7−27
tel:045-573-0054
設立年月日 1972(昭和47)年05月01日
公表年月 2018(平成30)年10月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 公益社団法人 けいしん神奈川
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

施設の特徴 
 横浜市馬場保育園は1972年に開園し、1〜5歳児を対象として現在73人が在園しています。JR京浜東北線鶴見駅およびJR横浜線菊名駅からバス15分のところに位置し、静かな住宅街の中にあり、平屋鉄骨スレートの独立した園舎となっています。周辺には花木園、ふれあい樹林などがあり、四季の自然に触れて遊ぶことができます。1箇所の乳児室および2箇所の幼児室は南側に面していて日当たりが良く、園庭には菜園やプール、遊具を備え、子どもたちは活発にのびのびと園生活を楽しんでいます。保育理念「子どもの最適の利益を考慮し、一人一人を大切にする。地域の子育て家庭を積極的に支援します。」、園目標「自分らしく輝こう、みんなで共に育ちあおう〜いっぱい笑っていっぱい遊ぼう〜」を掲げ、乳児は1、2歳合同保育、幼児は年齢別クラスの構成にしています。


特に優れていると思われる点
1.住宅密集地域にもかかわらず、バラエティーに富んだ多数の散歩や戸外遊びのコースを設定し、子どもたちの健康増進に繋げています。
 当園の立地は、大都市横浜の住宅地域の中にあり、郊外に位置し、全般的には自然環境に恵まれているとはやや言い難い状況にあります。しかしながら、その中でも花木園など名所として整備されている有名な公園もあり、小さな公園や小川に沿った遊歩道、小さな林なども所々に点在しています。市街地の中でも小さな自然が沢山あり、これらを見逃すことなく、散歩や戸外活動にしっかり活かしています。点在するそれぞれの地域・地点の環境や特徴をしっかり把握しそれらを組み合わせ、バラエティーに富んだ多数の散歩コースがあり、活用を工夫しています。園庭での遊びに加え、天候が良い日には毎日散歩や戸外遊びに出かけ、それぞれの行き先で春夏秋冬の草花や昆虫など小動物に出会い、日々新たな発見と感動を重ねつつ、しっかり体力の向上・育成も図り、心身両面の成長に繋げています。
2.地域の子供たちとのふれあい保育や高齢者施設などとの交流をとおし、地域の方々と良好な関係が築かれ、保育にも大きな支援を頂いています。
 地域の子供たちとの交流保育、育児講座を定期的に実施し、園庭開放は毎週(火・水・木)実施しています、絵本の貸し出し・赤ちゃんカフェ、育児支援サロンへの出張保育などを実施し、また、地域ケアプラザ(3か所)での交流保育も実施しています。保育園の専門性や特性を活かして、様々な地域ニーズに応え、貢献しています。また、近くにある馬場の赤門公園で開催される「雛のつるし飾りまつり」に子どもが招待され、行事に参加したり、近隣のみゆき商店街の見学などの社会体験を通して域に住む方との交流が充分に深まることにより、子どもたちの成長・発達に大きな後押しとなっています。近隣地域での存在感は益々高まっているものと思います。このように良好な関係が築かれ、今後ますますの相互理解と発展がもたらされることが期待されます。


更なる改善努力が期待される点
1.施設の老朽化対策について、引き続きの改善努力、応急処置が求められます。
 当園の施設は築45年になり、改修・修繕を繰り返し行いつつも老朽化による機能低下が否めません。現状では、廊下の床の反りや、天候によってはトイレの臭いや下水道配管の臭いなども激しく、早急に改善が必要と考えています。訪問調査時の職員の方々との面談でも努めて早期の改善要望が多く聞かれました。その都度創意工夫により何とか凌いできた訳ですが、市の財政事情も厳しい中、引き続きの改善努力や応急処置により保育への影響を最小限に止められることが求められます。(駐車場問題についても同様なことが言えます)
2.園と保護者の相互協力の更なる推進が望まれます。
 保護者との良好な関係の構築は従前より、継続的に努めてこられたところです。園の行事のついては、できるだけ保護者の方々の都合や負担を考慮して計画され、懇談会などでは説明もされてはいますが、やはりまだ多くの要望や苦情があるのが実情で、その状況が今回のアンケート調査にも伺われます。「年間の保育や行事に、保護者の要望が活かされているかについて」「意見や要望への職員の対応について」という2つの項目に関し「満足」「どちらかといえば満足」の度合いが相対的に低く、また、自由意見記述欄にはこれらに関するご意見が多く寄せられています。苦情や要望については必ずしも全ての方々が満足できるような対応もまた難しいのも実態ですが、今後とも引続き、行事の内容の検討や保護者からのアンケートなどを参考にして改善を進めると共に、必要に応じて説明されることが期待されます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重 ・保育方針に「こどもの健全な心身の発達を図る」を掲げ、保育目標や保育姿勢においても、子どもを第一に考え、尊重した内容になっています。
・保育計画会議やミーティングなどで、子どもの呼び方や気になること、気付いたことについて話あい、相互に伝え合い子どもの人格尊重に配慮しています。子どもの話を聞くときには子どもと目線を合わせて話すことを心がけ、あだ名や呼び捨てにしないように注意しています。
・必要に応じてプライバシーが守れるようにカーテンや衝立で部屋を仕切り、あるいは場を変えたりして落ち着けるようにしています。幼児トイレではシャワー使用時はシャワーカーテンを使用してプライバシーに配慮しています。
・園内研修を行い守秘義務の意義や目的、個人情報の取り扱いについて全職員に周知し、ボランティアや実習生には事前のオリエンテーションにて守秘義務の目的や意義を周知しています。
・職員及び子どもでも性差が見られる発言や活動などがあった場合は、気づいた職員がその都度伝え、固定観念が植えつけられないようにしています。また、ミーティングなどで報告・相談し対策をとっています。
2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 ・保育の理念や基本方針は国の保育指針が変わった時都度、見直しをしており、また年度初めに全職員で議論し、全員納得の上決定しています。この過程で利用者本人を尊重したものになっています。
・年度末の職員会議で、正規職員全員で保育方針の振り返りを実施し、見直し、修正する仕組みはできています。アルバイト、福祉員も含め、保育会議で保育課程に沿った保育が実践されたかを振り返り、次年度に向けて内容の確認および見直しをしています。
・保育課程も年度末に振り返りを実施し、それをもとに次年度に向けて内容の確認及び見直しを行い、それに基づいて作成される保育計画は、利用者の就労・文化・宗教の背景の事情が様々であることを理解し、作成しています。
・保育課程に基づき、年齢ごとに指導計画を作成しています。指導計画作成の際には、子どもの興味関心に沿った内容になるよう配慮しています。
・乳児リーダー、幼児リーダー、福祉員リーダーを決め、それぞれ月2回の会議で意見交換を行い、子どもの自主性や主体性を育て、発揮できるような指導計画となっており、計画には柔軟性を持たせています。
・入園説明会で面接シートを利用し、一人ひとりの状況を把握しています。入園後はこの情報を職員間で共有し、理解を深めています。転園者は必要に応じて前園と情報交換をしています。
・短縮保育(ならし保育)が必要な場合は保護者への説明を十分行っています。
・1、2歳の新入園児に対しては個別に主担当保育者が決まっています。
・一人ひとりの状況に合わせて持ち物の持ち込みを許可しています。
・乳児は全員、幼児は必要に応じて個人ノートを利用しています。
・入園児が加わっても、在園児が落ち着いていられるよう支援できる態勢ができています。
・子どもの発達や状況に応じて指導計画の作成・評価・見直しを行っています。
・保護者から上がってきた意見は、毎日のミーティングの中で周知し、ミティングノートに記入し、必要に応じて早急に対応策を検討しています。
・3歳未満児については、個別指導計画を作成しています。一時的に課題配慮がある場合は、個別配慮欄を活用しています。
・保育園の屋内・外とも、常に清掃が行き届いています。施設内の温・湿度の管理が日々適切に行われています。陽光を十分取り入れるようにしています。
・おもちゃや絵本などについては、保育計画会議や各クラスからの要望、意見を反映し、購入、整備、入れ替えを実施しています。取り出しや、片付けがしやすいように、見えやすく手の届く棚に収納しています。
・衝立や移動式の棚でフロアを仕切り、積み木やごっこ遊びなど、遊びの特性や年齢や遊びに合ったスペースの確保、個人差の考慮や集団遊びとのバランスなど、環境作づくりに努めています。
・近傍には花木園など自然豊かな公園もあり、天気の良い日は努めて散歩に出るようにしています。公園でのびのびと走り回り、自然に触れることで体力の向上、豊かな心の育成を図っています。散歩の行き帰りにお会いする地域の方々に対し挨拶し、マナーを身に着け、社会性を養っています。
・食事は各部屋の中央に出来るだけテーブルを寄せ、みんなで楽しく話をしながら食事をしています。行事の時にはBGMを流したり、雰囲気作りに努めています。子どもたちが無理なく、喜んで食べるように、味付けはもちろん、混ぜる、のせるなど盛り付けや、型抜きを使った切り方なども取り入れたり、種々の工夫をしています。
・給食時に調理員が各部屋に行き、子どもたちと交流する中で食に関する話をしたり、トウモロコシの皮むきなど子どもが調理にかかわることで食への意欲に繋げ、食育に貢献しています。区内公立園4園の職員が集まり、食育研修を行い子どもたちに啓蒙できるものを提供しています。
・保護者との連携については、園の保育の基本方針については入園時に「入園のしおり(重要事項説明資料)」により保護者に説明し、その後は年2回の懇談会、保育士体験などの機会を捉え、その都度丁寧に説明し、理解を深めるように努めています。
3 サービスマネジメントシステムの確立 ・子どもの発達や状況に応じて指導計画の作成・評価・見直しを行っています。
・個別支援計画は、アルバイトを含む担当者間で検討し、保育計画会議内で周知しています。
・区での要配慮児の研修が定着していますので、職員が参加し、記録の取り方や対応の仕方などの研修を受け、全職員へ伝達しています。
・共有する情報は記録され、いつでも確認できるようファイリングされています。
・苦情解決委員の連絡先を掲示しています。苦情解決委員を行事の際に保護者に紹介しています。第三者委員を交えて対応する仕組みができています。
・保護者に対して、日常会話や家庭での生活状況についての情報交換および意見箱・懇談会等で進んで要望や苦情を聞いています。また、行事ごとのアンケートは集計をだし、公表し検討改善を図るとともに、年度末の自己評価アンケートを公表し検討改善しています。
・健康管理についてはマニュアルを作成し、それに基づいて的確な実施に努めています。入園時にぜんそく、けいれん、かぶれやアレルギーなどについて聞き、個人ごと注意すべき点を把握しています。年度当初の保育説明会で登園停止基準や連絡を入れる基準など保護者が承知すべき事項をしっかり説明し周知徹底を図っています。健康診断、歯科健診はともに年2回実施され、記録されています。
・日常の保育では、毎朝、保護者から家庭での状況を個別に聞き、注意すべき子どもについては引継簿やクラスノートに記入し他の職員に伝達、情報の共有を図っています。
・衛生管理についてはマニュアルを作成し、見直しは年1回定期的に会議で行い、また、必要に応じ随時実施しています。
・衛生管理に関する研修に担当者を参加させ、終了後に全員に普及教育を実施し、知識・技能の共有を図っています。
・清掃についてはチェックリストを作成し、それに基づいて毎日行っています。特にトイレは細かいチェック項目を設け、入念な清掃及びチェックに留意しています。
・安全管理については、事故防止マニュアルと災害対応マニュアルを分けて作成し、職員にはミーティング等で周知し、慌てずに行動できるようになっています。
・乳児室については耐震補強工事など対策を強化しています。
・毎年実施される区主催の防災研修に正規職員が参加すると共に、区内の救急救命法の研修へも職員が参加し、園内で普及教育を行い、全職員に周知を図っています。
4 地域との交流・連携 ・交流保育や育児講座に参加した方のアンケート、近隣のケアプラザ(東寺尾、寺尾、馬場)や近隣の保育施設と連携した出張保育や育児相談、地区センターで開催される赤ちゃんカフェや育児サロン、園庭開放(毎週火・水・木曜日)に参加した親子などからの相談などで、地域の子育てニーズを把握しています。
・交流保育(年7回)、育児講座(年2回)、一時保育、園庭開放(毎週火・水・木曜日)、プールの開放(7月〜8月)、近隣ケアプラザへの出張保育(年12回)、絵本の貸し出し、育児相談などのサービスを行っています。
・地域の保育ニーズを踏まえて、保育計画会議や職員会議で振り返り、翌年度の計画に反映させるようにしています。
・育児相談及び園見学は随時受け付けています。
・地域ケアプラザでのチラシ配布、交流保育・育児相談などを実施した時のチラシ配布、保護者に毎月園だよりの配布、近隣の方には職員による園だよりの配布などで、地域住民へ情報を提供しています。
・園を訪れた方には、必要に応じて随時育児相談に応じています。
・必要な関係機関・地域の団体等はリスト化され、事務所内に掲示してあります。関係機関との連携は、園長、主任、育児支援担当職員で対応しています。
・近隣との友好関係を築くため、園だよりを毎月職員が配布し、どのような行事があるかを周知しています。
・お正月遊びやレクリエーション活動時には、地域住民を招待しています。レクリエーション活動では、近隣に住む方の力をお借りしています。例えば、マジックを見せていただいたり、竹とんぼの飛ばし方などを教えていただいています。
・園のプールは、7月〜8月の約1カ月間3歳児までのお子さんに開放し、たくさんのお子さんが水遊びで楽しんでいます。
・絵本は、地域の方が毎日借りに来ており、貸出件数は月に30件ぐらいです。
・お散歩で、馬場花木園、白幡公園ログハウス、三ツ池公園、近隣の公園などに単独で行く、又は近隣の保育園や幼稚園と交流しています。
・近隣にあるみゆき商店街に出かけたり、地域のお祭りである「雛のつるし飾りまつり」(馬場の赤門公園、3月3日開催)に参加するなど、地域との交流も深めています。
・幼保小連携は、馬場小学校や上寺尾小学校との間でなされており、小学校就学前の見学などをしています。馬場小学校の和太鼓クラブの学童が遊びに来たり、園児が運動会に参加するなど交流を深めています。
・上寺尾小学校の防災訓練には、園長が参加をしています
・ボランティア・研修生・実習生の受け入れでは、「実習生・研修生・ボランティア受け入れ」のマニュアルが整備されており、オリエンテーションで「やってもらいたいこと、やってはいけないこと」を説明しています。
・職員にはボランティア・実習生の受け入れの趣旨を説明し、保護者には園だよりなどで受け入れ期間の予定と実際に受け入れたことをお知らせしています。
5 運営上の透明性の確保と継続性 ・サービス内容等の情報提供は、横浜市が提供している「ヨコハマはぴねすぽっと」や企業が提供している「働くママ応援し隊」のホームページによる情報提供、近隣の方には園だよりを配布することによる情報提供、園を訪れた方にはパンフレットや園だよりを渡すことで、情報提供などをしています。
・見学を希望する場合は、保育に支障をきたさない範囲で曜日や時間など希望者の要望に対応しています。
・職員の守るべき規範は、職員服務規程・全国保育士会倫理綱領に明文化され、職員に周知し、公務員として守るべき倫理を遵守しています。
・重要な意思決定をする際は、職員や保護者会の意向を十分尊重しています。・鶴見区こども家庭支援課や横浜市こども青少年局との連携、鶴見区の施設長会議、保育施設所責任職会議、児童相談所、幼保小連絡会などで、事業運営に影響のある情報を収集・分析しています。
・職員間で情報を共有するために、1日3回のミーティング、毎月実施する職員会議、保育計画会議があります。・運営面での重要な改善課題については、保育計画会議で全職員に周知し、保育所全体の取組みとしています。
6 職員の資質向上の促進 ・横浜市の長期育成ビジョン及び中期計画に基づいて、正規職員である保育士の採用・補充をしています。必要に応じて、非正規職員を雇用するようにしています。
・保育理念・保育方針・園の目標に沿った保育サービスができているかを、年度末に掲示する園の自己評価に対する保護者からのアンケートで確認し、次年度の改善目標をたてます。その改善目標を、各職員の人材育成目標にブレークダウンします。
・研修担当者が研修計画を作成し、個々の職員のニーズに応じた研修を受講するようにアドバイスをしています。
・各保育士の自己評価が、計画で意図した保育となっているか、子どものそだちや意欲、取り組む過程などを重視しているかを、毎月の保育計画会議のなかで確認し、改善点があればその後の保育計画に反映させています。
・クラスの自己評価は、毎月の保育計画会議や職員会議において、お互いに報告し合い、課題を明確にして、さらなる改善を目指します。
・保育所の自己評価は、保育士等の自己評価も踏まえ、職員全員で意見を出しあい、自己評価に取り組んでいます。
・実習生は、受け入れ担当者との間で振り返り、受け入れ担当者が日誌にコメントを記載し、持ち帰る仕組みになっています。最終日には反省会を催します。実習の途中で、実習生の様子や保育に関する情報などを交換しています。

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