かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

立正保育園

対象事業所名 立正保育園
経営主体(法人等) 社会福祉法人たちばな福祉会
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 252 - 0314
中央区南台5-10-26
tel:042-744-1313
設立年月日 1951年09月15日
公表年月 2018(平成30)年09月 〜
使用評価項目 横浜市版
評価機関名 株式会社 学研データサービス
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

《施設の概要》
 園は昭和26年9月15日日蓮宗僧侶の前園長が開園し、今年で68年目を迎える歴史ある園です。小田急線小田急相模原駅から徒歩3分の3階建て建物で、1階を高齢者向けデイサービス施設、2、3階を保育園としています。園の門の隣に0歳児専用の分室を設け、定員は140名、平成30年6月現在140名が在籍しています。産休明け保育、延長保育、一時保育を実施しています。駅に近い住宅地にある園ですが、運動会を行える広い園庭があり、県立公園など散歩に利用する公園がいくつもあり、3歳児後半から子どもたちは毎日のように園庭でマラソンをしています。こうした環境の中で子どもたちは四季を感じ、伸び伸びと過ごしています。

《特に優れている点・力を入れている点》
○さまざまな人や自然、社会と触れ合い、体験を通して子どもの遊びと生活を豊かにしています
 保育方針に「清く 正しく 明朗で 健康な子」を掲げ、子ども一人一人の最善の利益を十分に考慮して保育を展開しています。養護的側面はもちろん、主体性を大切にして教育的な機能が十分発揮されるよう取り組んでいます。園バスや交通機関を利用しての地域資源を活用した園外保育、専門講師による運動遊びや英語、園長による茶道、担任によるチアダンス、マラソンを取り入れ、併設する高齢者施設(デイサービス)や分園の子どもたちとの交流も行っています。さらに、子どもの発想を生かして活動の輪を広げています。さまざまな人とのかかわりや自然体験、社会体験を通して、子どもの遊びと生活を豊かにし、「清く 正しく 明朗で 健康な子」が育つよう積極的に教育的活動に取り組んでいます。

○職員同士の連携や情報共有のもと、互いに信頼し、協力して保育を行い、働きやすい職場環境ができています
 朝礼などで前日起きたこと、大切なこと、気になることなどを職員同士で情報交換し、全員で共有しています。このため、職員同士が互いを理解し、しっかりと連携し、協力して保育を行っています。また、話し合い、理解し合うことで、職員間の信頼や人間関係も良好となり、雰囲気も良くなっています。こうした結果として、職員間で良好なチームワークができ、働きやすい環境ができています。利用者調査でも「先生が皆礼儀正しく、明るく、雰囲気が良い」「先生方が接しやすい雰囲気を作っている」「先生たちの連携が取れているので安心する」などの評価を受けています。職員の定着状況も良好で、結婚退職後、子育てが落ち着くと非常勤として復帰する職員も多い状況です。

○地域貢献をうたう法人の考えが園の取り組みに生かされています
 法人の中期目標の指針に「地域に貢献する法人となろう、地域が喜ぶことをしよう」とあり、園の保育方針にも「『子育てにやさしい地域・子育てのしやすい地域作り』に貢献していく」と記載しています。園は相模原市の推進する「子育て支援事業」に総主任を担当者として取り組み、一時保育のほか、園庭開放、保育体験などの交流保育、育児相談、専門講師によるママヨガ、育児教室、絵本貸し出しなどを行っています。また、地域の県立公園の花壇に毎年子どもたちが花を植えています。法人の理事長が地区の自治会会長で相模原市の自治会会長でもあり、自治会の会合に園舎を提供したり、隣の自治会の桜まつりでは園の子どもたちが描いた桜の絵を会場に飾るなど、園全体で地域に協力し喜ばれています。

《事業者が課題としている点》
 新保育所保育指針について、細かい部分までの理解を深めることを課題と捉えています。年間指導計画や月案、週日案など変更に沿って進んでいますが、理解度はまだ浅い部分があるので、職員の理解をより深め、保護者との共通理解を図る努力をしていきます。また、保育内容をより充実させるために、職員からの提案内容をしっかり見て考えていくことが大切だと考えています。


評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

業務マニュアルの中に「職員の心得」という文書が作成されています。そこには、子どもの人権を傷つけたり、大切にしない言葉使いをしてはならないことが記載され、園長はこの文書のもとに他人を大切にすることや、子どもの話や願望に耳を傾け保育に取り入れるように職員に指導しています。また、子どもの名前の呼び方や対応についても子ども同士でも呼び捨てをしないように伝えています。子どもに話しかけるときは感情的に命令したり否定口調にならないこと、常に落ち着いた態度と正しい言葉使いで対応することなどを心がけて、子どもの気持ちに寄り添う保育を実施しています。これらは、日常的に気が付いたことがあれば朝礼、乳児、幼児会議などで話し合い確認をしています。
 法人としての「個人情報保護方針」のマニュアルが作成されています。そこには、個人情報の定義、利用目的、個人情報の開示・訂正・利用停止、個人情報の安全管理などについて詳しく記載されています。職員はこのマニュアルに目を通し学んでいます。また、ボランティアや実習生は受け入れ時に確認しています。保護者に対しては園長が園の取り扱い方針を説明するとともに、保護者の同意書を受け入れています。保護者一人一人にはウォールポケットを準備し、お便りなどを配付しています。不要になった書類はシュレッダーにかけて廃棄しています。児童票など子どもの個人情報が記載されたものは外部に持ち出さないことを職員に周知し、必要時は園内で閲覧し、事務室の鍵の掛かる書庫に保管しています。
 全職員が男女の固定観念につながるような区別をしないように気をつけています。グループ分けは男女に偏りがないように意識したり、係を決めるときは一人一人自分のやりたいものを自由に選択できるように話し合ったりしています。グループ分けについては子どもの希望を尊重していますが、子どもの性格や子ども同士の相性などを担任が考慮しています。さらに、行事の際の役割も、子どもの意欲をできるだけ尊重して決めるようにしています。男だから、女だからというような伝え方になっていないか、気になったことがあるときはクラスごとで話し合っています。


2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

  理念や保育方針を踏まえ、保育課程を作成しています。保育課程に沿って年齢ごとに年間指導計画を立てています。年齢別の保育目標を立て、期ごとに子どもの姿に対するねらいを定め、礼拝、養護、教育、食育、環境構成、保護者支援などについて計画を記しています。この年間計画をもとにクラスごとに月間指導計画、週間指導計画を立てています。そして、指導計画には子どもの興味のあるものを取り入れるなどして、子どもが楽しみを持てるように柔軟に対応しています。自分の気持ちを上手に表現できない子どもには、職員は「○○がいいのかな」など子どもが自分の言葉や意見を伝えられるようにしています。2歳児でも、外遊び、室内遊びを自分で選択し、子どもが自分の気持ちを伝えやすいように職員が支援しています。
 年間指導計画、月間指導計画、週間指導計画はクラス主任が中心となり、子どもの特性なども参考に、発達状況に応じて作成しています。これらの指導計画を作成する時は、保育実施内容などの振り返りをクラスミーティングや乳児会議、幼児会議で話し合い確認する機会が設けられています。離乳食やトイレットトレーニングなど個別の対応が必要なもの、またその子どもの特性に合わせた対応が必要な場合などは、保護者の要望なども検討し、子どもが園での生活が楽しくなるように計画に反映しています。
 3階では1歳児と、2歳児の一部が同じフロアーを分けて活動しています。2歳児は月齢、もしくは個々の発達に合わせ、2階と3階に分けて活動しています。0〜2歳児は週日案の中で、月齢ごとに活動を計画しています。クラスごとで、食事と午睡のスペースはパーテーションや敷物を用いて空間を作っていますが、3歳児はホールで午睡をしています。異年齢の交流の場として、5歳児が2歳児の午睡明けの手伝いをするなど、違うクラスを訪問し交流しています。年上の子どもが年下の子どもに教えることや助けることで、思いやりをはぐくみ、年下の子どもは年上に対するあこがれと自発的な努力に結びついています。


3 サービスマネジメントシステムの確立 入園直後には子どもの不安な気持ちに配慮して短縮保育を行っています。園のしおりには短縮保育時の約束を記載し、別ページで実施の方法など細かく記載しています。0、1 歳の新入園児に対しては、ベテランの職員が中心となり対応しています。園生活に慣れるまで、お気に入りのタオルやぬいぐるみなどの持ち込みに対応しています。1か月に1度、出席ノートを使い子どもの様子をまとめて、保護者に伝えています。さらにクラスごとにボードを掲示し今日の活動内容を伝えています。2歳児は、3歳児になると制服の着用など生活環境が大きく変わるので、事前に服をハンガーにかける練習をしています。進級前に新しいクラスを訪問するなど、子どもたちの進級時の戸惑いを軽減できるように配慮しています。
 園内の廊下など床部分には段差はありません。障がいのある子どもが園生活を快適に送れるような対応が、園側でできるようであれば受け入れをし、入園した場合には個別の指導計画を作成し、子どものかかわる療育機関や保護者の同意を得て対応しています。障がいのある子どもや特別に配慮を必要とする子どもに関しては、支援学級とかかわりのある園医からアドバイスを受けるなどして全職員で情報を共有しています。保護者とは密に連携し、子どもが、ほかの子どもと一緒に楽しく安心して園生活を送れるよう努めています。また、子どもの状況については乳児会議や幼児会議で情報共有し、「健康診断票」「児童票」に記載して対応方法を話し合い、職員が子どもの特性を理解したうえで保育にあたるようにしています。
 入園説明会の個別面談にて職員はアレルギーのある子どもの情報を得ています。入園後、子どものかかりつけ医からの生活管理指導表を提出してもらい、保護者、栄養士、担任で面談を行い、代替え、除去など食事の対応内容について話し合っています。献立表はアレルギー別のチェックをして配付しています。アレルギーの内容によっては、弁当を持参してもらうこともあります。園の給食は業者委託になっているので、委託先の栄養士はアレルギーに関する最新知識、情報を得て対応をしています。また、職員もアレルギー疾患についての外部研修などで情報を得ています。除去食を提供する際には、色違いの食器を使うなど配慮し、誤配食のないようにしています
4 地域との交流・連携

 「清く 正しく 明朗で 健康な子」を掲げる保育方針の中に、「子育てにおいて何より大切な『子育ての楽しさ』を、地域の皆さんに積極的に伝え・共感し・共同していくことを通して、結果として『子育てにやさしい地域・子育てのしやすい地域作り』に貢献していく」とあるように、園は在園児のみでなく、地域の子育て支援ニーズに応じた施設としての対応に努めています。園の子どもたちと散歩に出かけた公園などで親しくなった地域の親子連れや園の見学者、一時保育の利用者などとの会話を通じて、園への要望を聞いています。また、育児相談の相談者の話から園への要望を把握しています。相模原市の園長会ではグループ討議で地域の子育て支援ニーズなどの情報交換を行っています。
 園の門の横と、外階段で2階に上がった所の掲示板に、その月の園の予定や地域の親子などに向けた園庭開放、行事案内、ママヨガ参加者募集の案内などを掲示しています。育児相談は園の総主任が、相模原市の子育て広場事業担当者として平日の保育時間中に対応しており、記録し、相模原市に報告書を提出しています。地域住民に向けて園の掲示板に行事案内などを掲示したり、相模原市こども・若者未来局保育課などに園の情報を提供したり、南区の相模台まちづくりセンターに園の地域支援の情報ポスターを掲示しています。
 利用希望者からの問い合わせには、園のパンフレット、園のしおり(入園案内)などの資料に基づいて、法人の基本理念、園の保育方針、保育目標、施設概要、延長保育などのサービス内容、園の保育の特長などを説明しています。問い合わせには園長が対応していますが、園長不在時には総主任が対応し、常時対応が可能となっています。利用希望者には見学ができることを話し、子どもの保育の様子がよくわかる午前中の見学を勧めますが、都合がつかない場合は、日常の保育に支障を来たさない範囲で、見学希望者の希望する日時に応じています。見学者には園のパンフレットを渡して、園長から園の保育方針、保育目標、園の保育の特長などを説明し、園内を案内して質疑にていねいに対応しています。


5 運営上の透明性の確保と継続性  将来の利用者のために、一時保育や園庭開放など子育て広場事業の利用者や園の見学者に、園のパンフレットなどを渡し、園の情報を提供しています。南区役所相模台まちづくりセンターには園の子育て広場事業の案内のポスターを貼らせてもらい、相模原市こども・若者未来局保育課に園の情報を提供しています。パンフレットには施設概要、保育方針、一日の流れ、年間行事、延長保育や一時預かり事業、地域支援事業、運動遊び、英語、茶道、案内図などを記載しています。また、園のホームページではクラス別定員や一時保育の料金などパンフレットより詳しい情報を提供しています。園長の指導による子どもたちの茶道の取り組みは、地域新聞で紹介されています。
 園の就業規則の第1章細則に「秘密保持」の項目があり、守秘義務について記しています。職員の採用時に全職員に、職員心構え、職務規程、就業規則、園のしおり(入園案内)を渡し、園長から職務内容とともに守るべき法、規範、倫理などの説明をしています。また、年度初めの職員の全体会議でも職務規程などを確認しています。職務規程は各保育室前に掲示して保護者にも明らかにしています。園の経営、運営状況は法人のホームページで財務諸表などで積極的に公開しています。世間で起きた子どもの虐待の人権侵害事例などは、新聞記事などを基に翌日の職員朝礼で園長から話をして、園の受け入れ時や発見時の留意事項や対応を再確認しています。
 園舎は20年前に、1階を高齢者福祉のデイサービス施設とし、2、3階を保育園とする建て替えを実施しています。これまで内外装の塗り替え、廊下の張り替え、ベランダの補修など常に何らかのリフォームをしてきています。リフォームを実施するに際し、保護者会の機会や園だよりなどで、連休や土日など子どもの保育に極力影響がない日程で行うことを保護者に事前に知らせ、特に異論がないことを確認してから実施してきました。保護者や子どもの保育に大きな変更や影響を与える問題が発生した時には、園長、職員、保護者代表の三者で会議、面談をすることになっています。運動会など園の大きな行事では、担当者を中心に全職員が役割を分担して、園全体で取り組んでいます。
6 職員の資質向上の促進

 毎年相模原市や大学、短期大学、研修実施機関などからの研修案内を基に、保育士のキャリアアップに必要な研修や保育上必要な研修、保育士の受講希望などを勘案して、園長が外部研修の受講計画を策定しています。キャリアアップ研修など外部研修には積極的に参加しています。研修参加者は「会議・研修報告」を園長に提出し、研修成果を現在の保育に生かすように努めています。園長は研修報告などから研修成果を評価して、次の研修に役立てています。現在園では定期的な内部研修は実施せずに、常勤職員、非常勤職員ともに必要な場合は個別指導で対応しています。職員からも外部研修内容の知識共有や保育向上のための内部研修希望があり、園も対応を検討中とのことですので、推進を期待します。
 非常勤職員にも常勤職員と同様に、職員心構え、職務規程、就業規則、園のしおり(入園案内)を配付しています。保育士資格のある事務担当の職員が園長の指導やチェックのもと、保育の経験や熟練度などを考慮して、常勤職員と非常勤職員を組み合わせた勤務のシフト表を作成しています。非常勤職員も職務の必要に応じて外部研修を受講できるよう配慮しています。非常勤職員の指導担当者は園長ですが、日常の保育はクラス主任が指導担当者としてクラスミーティングや日常保育などで情報交換し、コミュニケーションを図っています。
 保育については、クラスごとに月間指導計画、週・日案、個人別計画など定型化された書式に、計画や計画で意図したねらいと関連付けて自己評価を記載しています。保育の自己評価は、例えば5歳児では、「運動遊びでは、指導講師の補助をしながら、諦めない気持ちを持って、やる気になるような声かけをした」など、結果だけではなく、子どもの意欲や取り組む過程などを重視して行っています。職員は自己評価を通して、自らの保育の実践や内容の改善を検討し、その後の計画作成に生かしています。


詳細評価(PDF500KB)へリンク