かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

あゆみの家

対象事業所名 あゆみの家
経営主体(法人等) 社会福祉法人 県央福祉会
対象サービス 障害分野 就労継続支援
事業所住所等 〒 242 - 0028
大和市桜森1-8-23
tel:046-262-6880
設立年月日 2017(平成29)年04月01日
公表年月 2018(平成30)年09月 〜
使用評価項目 東京都版
評価機関名 株式会社フィールズ
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

<特に良いと思う点>
@利用者の特性に合わせた就労支援を職員の緊密な連携のもとで実践しています。
利用者が精神障がいという特性を持っているがための支援の苦労がありますが、事業所では所長はじめ全職員が毎朝の打ち合わせ、利用者の毎日の会議、利用者アンケートの実施など利用者が意欲をもって働いてもらえるよう、職員で緊密な連携体制をとって、法人の行動指針にもとづいて努力を重ねています。

A精神障がい者の特性に配慮して、一人ひとりの状態に合わせたコミュニケーションをとっています。
利用者の状態により、大きな声を嫌う人、明るい感じの方に心を開く人など、一人ひとりに合わせたコミュニケーションを図っています。しゃべり続ける利用者には、話を止めずにポイントを聞くようにしています。顔の表情で調子が悪いことを把握し休憩を促したり、幻聴がある場合は通院を勧めるなどの対応をしています。利用者との良好なコミュニケーションが必要であり、適格な状況を把握に努め、人間関係作りを大切にしています。利用者の思いを共に理解しながら意思伝達が円滑に出来るように支援しています。

B工賃表を作成し、利用者自身で記録した作業時間を基に工賃を計算し、工賃内容が分かりやすくなっています。
毎月工賃支払い時に工賃袋に、工賃表も一緒に入れていますので、利用者にとっては工賃の支払い内容が分かりやすくなっています。また利用者会議でも工賃のしくみについて説明し、利用者の理解を得るように努めています。

<事業所が特に力を入れている点>
@地域との関係を重視し、コミュニケーションを積極的にとっています。
事業所の入口の広場にはテーブルとイスを置き、犬の散歩などで通りがかりの人が休憩できるようにし、自動販売機も設置しています。事業所で製造している「田楽味噌」を買いに来てくれる近所の方もいます。また、自治会のお祭りやバーベキュー大会には、日曜日開催の為利用者は参加できませんが、事業所で「田楽味噌」の出店販売をしています。近隣のショッピングモールの障がい者イベントにも参加して販売するなど地域との関係づくりに注力しています。


A毎朝「利用者会議」を実施し、利用者が主体的に意見を述べる機会を作っています。
毎朝9時30分から30分程、利用者全員と職員が参加して利用者会議を行っています。作業内容や工賃アップなどについての意見を話合う機会として活用し、特にテーマは決めず利用者に自由に意見を出してもらっています。利用者の主体性を尊重し、意見を反映できるように取り組んでいます。

<改善が望まれる点>
@事業所の作業環境の更なる改善が期待されます。
作業室、休憩室、食堂、男女トイレ・更衣室、事務室・面談室など必要なスペースは整っていますが、利用者男女数に比べ、女性トイレ・更衣室の面積が多いこと、休憩室(畳敷き)が作業室面積に比べ大きいこと、収納スペースが少ないことなどスペースの効率的利用のために改善できる余地があります。今後、通所者増が起きた時の作業スペースの増が必要にもなり、休憩室の一部作業空間化や女性トイレ・更衣室のスペース利用など、更なる検討・改善をすすめ、作業環境が整理されることが期待されます。

A利用者の通所の日数が少ないので、通所日の増加が期待されます。
利用者の中には地域作業所時代から20年以上も通所している人が何名かいますので、高齢の利用者が多いことや、精神障がい者が対象なので、毎日の通所は難しくなっていて、全体の通所日数が少なくなっています。訪利用者が通所できない理由を把握して、受注先の開拓などで作業内容を増やしたり、作業環境の改善などを行い、利用者の通所日数を増やしていくことが期待されます。



評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

@虐待防止のため、年2回利用者とのヒヤリングを行っています。利用者同士の虐待については、年2回のヒヤリングの際に虐待にあたる行為のヒヤリングなどを行って防止に役立てています。職員による虐待については、虐待にあたる行為の内容を職員への徹底を職員会議などで行っています。また、新入の職員には、虐待について研修をし、言葉遣いに気をつけるよう繰り返し注意しています。

A利用者苦情の収集と解決は口頭で実施しています。利用者苦情の受付は苦情解決制度、苦情受付箱など公式な環境は整備しています。事業所では毎年1回の利用者アンケート調査を実施して、苦情や意向を把握するほか、日常的に口頭で利用者から苦情を受け付けています。それらは打ち合わせ記録に記入し、出来ることはすぐ行っています。

B男性と女性に分かれた更衣室があり、作業着の着替えなどを行い、更衣室に入る時はノックをするなどの配慮をしています。個人の持ち物は鍵付きのロッカーに入れ、利用者本人が管理しています。利用者に関する書類は事務所の鍵のかかる書棚に保管しています。個人情報に関する内容の話は,皆の前でしないようにプライバシーに配慮しています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

@サービス開始時には、個人別の支援計画を作成しています。利用者の気持ちや状態を出来るだけ早く把握して、記録しています。一人ひとり個別の支援計画を入所時の状態のアセスメントにもとづいて作成しています。利用前の生活を医療機関などの情報で把握して支援を行っています。日々の利用者の様子は業務日誌に記録しています。何か相談事がある場合は、相談室で個別に相談に乗り、支援を行っています。

A個別支援計画に、就労に対する本人の意向を聞いて記入しています。計画にはアセスメントに基づいて長期、短期の目標を定め、就労支援と生活支援について具体的支援目標を設定し、実施状況の評価時期を定めています。年1回見直しを行いはそれぞれの支援目標について達成度を記入し、達成されない原因の分析・理由を探り、次年度支援目標の設定につなげています。

B利用者の様子がいつもと違うときは家族に電話連絡しています。幻聴などの症状がみられるなどの時は、家族に電話連絡し家庭での様子などを聞いています。家族の状態に変化がある時などは、事業所での利用者の状態もいつもと違うことがあります。大和市民祭りなど大きなイベントがある場合は、本人だけでなく家族にも連絡しています。来所が出来ていない利用者には、家族に電話連絡し家での過ごし方などを聞いて状況を把握しています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

@中・長期計画策定し、単年度計画で実施をはかっています。収支や予算を作成し、法人に報告、調整の上決定され、毎月、その実施状況のチェックが行われています。単年度計画には法制改定による工賃変更なども反映して作成しています。

A入職時には、職員に業務マニュアルを冊子で配布し説明しています。直ぐに理解するのは難しいようなので、質問に答えられる体制になっています。法人が作成した、倫理行動マニュアルが記載されている職員ハンドブックも入職時に配布しています。日々の職員の打ち合わせで、マニュアルの内容を説明し、作業の手順書は作業毎に受注先の会社が作成した写真入りのものを使用し、職員が利用者に説明しています。

B利用者の意見を取り入れた休憩時間を設定しています。休憩時間は利用者の意見を取り入れて、午前は10時25分〜10時50分、午後は13時50分〜14時15分迄に決めています。今までの休憩時間は15分だったのが、25分になりました。業務マニュアルは、法人のマニュアル委員会が定期的に見直しを行っています。夏休みには、2〜3回行動指針マニュアルや接遇マニュアルなどのDVDを、職員や利用者で見て理解を深めています。

4 地域との交流・連携

@地域との関係を重視し、コミュニケーションを積極的にとっています。事業所の入口の広場にはテーブルとイスを置き、犬の散歩などで通りがかりの人が休憩できるようにし、自動販売機も設置しています。事業所の田楽味噌を知っている近所の人は買いに来てくれます。

A自治会に加入し。回覧板で地域の情報を得て、利用者に知らせています。地域のお祭りやイベント、グリーン活動などの情報は朝の利用者会議で知らせています。大和市民まつりは毎年参加し、自主製品の田楽みそを付けたこんにゃくや田楽みその販売を利用者も一緒に行っています。受注品の納品にも、利用者が交替で一緒に行き、地域に出掛ける機会を作っています。

B毎月公園のゴミ袋拾いを実施し、地域貢献を行っています。大和市の依頼で、毎月地域の公園で、利用者がゴミ拾いを実施し、集めたごみをお願い致します。大和市ボランティア用ごみ袋に入れ所定の場所に出しています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

@法人理念・基本方針などは玄関や事務所入り口に明示し、職員と利用者及びその家族の目に入るようにしています。理念・ビジョン・基本方針は月1回開催される職員会議で説明し徹底をはかっています。また、毎年の事業計画書においても方針の欄に法人の3つのミッションを掲げ、理解とその実践を図っています。

A毎月1回法人で所長会議があり、重要な報告や案件が所長に伝達されます。所長はそれらを事業所の毎月1回の職員会議あるいは毎朝の打ち合わせで職員に伝達し、周知徹底を行っています。毎日の利用者会議でも必要に応じて、その内容を伝えています。

B法人は職員の行動倫理綱領、行動倫理マニュアルで職員の行動指針を示している他、所長は毎朝の打ち合わせで行うべきことの確認をし、事業所運営をリードしています。非常勤職員については、それぞれの資質に合わせて各職の責任と方向性をそれぞれ丁寧に説明して、業務の円滑な実行を図っています。

6 職員の資質向上の促進

@職員の意向を定期的に把握し、育成を行っています。法人では毎年職員の意向調査を行い、育成のための随時個人面接を行っています。職員の資格取得を奨励しており、社会福祉士等、資格取得のための助成制度(貸付制度)を設け、キャリアパスの基づいた職員の配員も行っています。

A実際の施設運営に役立つ研修を実施しています。法人保有施設(100施設以上あります)を視察するバスツアーを年2〜3回法人が実施しています。事業所では所長が参加し、他施設を見学することで、改善点が発見できることがあり、大変役立っています。法人では自閉症の連続研修など精神障がいの研修を計画的に行って職員育成に取り組んでいます。職員のメンタルチェックも実施しています。

B職員の朝の打ち合わせと職員会議で職員の横のつながりを大切にしています。利用者が20名以下の小規模事業所であるという特性と、利用者が精神障を持っているという特性に基づいた施設運営を行っています。職員間の連携と協力が不可欠なため、毎朝の打ち合わせと、職員会議を週1回開催し、常勤と非常勤の別なく職員の横のつながりを大切にしています。


詳細評価(PDF715KB)へリンク