かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

アスク新百合ヶ丘保育園(5回目受審)

対象事業所名 アスク新百合ヶ丘保育園(5回目受審)
経営主体(法人等) 株式会社 日本保育サービス
対象サービス 児童分野 保育所
事業所住所等 〒 215 - 0026
麻生区古沢197-6
tel:044-969-5002
設立年月日 2013(平成25)年06月01日
公表年月 2018(平成30)年08月 〜
使用評価項目 川崎市版
評価機関名 特定非営利活動法人 ナルク 神奈川第三者評価事業部
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)

【施設の立地・特徴】
  アスク新百合ヶ丘保育園は、株式会社日本保育サービスを運営主体とし平成25年6月に開設した4 年目の保育園です。定員は60名で、現在1〜5歳児70名が在籍しています。小田急線の新百合ヶ丘駅から徒歩10分の公園など住環境が整備された子育て世代が多く住む住宅地に立地しています。園舎は鉄骨造り3階建てで、敷地内に園庭があります。1、2階が保育室、3階は屋上園庭として利用しています。
  保育目標「と・も・に」をキーワードに、「ともに遊ぼう」「ともに学ぼう」「ともにみつけよう」を掲げ、保育にあたっています。
 設置法人から派遣された専門講師による英語教室・体操教室・リトミックや職員による幼児教育プログラム、クッキング保育など、「楽しむ心」や「学ぶ楽しさ」を育むプログラムを行っています。

【特に優れていると思われる点】
1.子どもの成長を家庭と保育園が共に支え合い共感し合う関係
入園当初の「慣れ保育」はできるだけ親子同時通園を勧め、保護者が園生活の流れを知り、離乳食や給食を直に見て、保育士の子どもへの関わり方を知る機会としています。保護者は不安なことや疑問を気軽に担任に尋ねることができ、保護者同士も顔見知りとなり、安心感につながっています。また、年度初めの各クラスの保護者会では、子どもの成長の筋道と大人の関わり方や家庭と園との連携の大切さを伝えています。運動会では保護者も実行委員となって運営を企画し、子どもの成長を見つめ、共感し合う関係を築いています。

2.園の現状を踏まえた中・長期計画、事業計画の策定と実行
理念・基本方針の実現に向け、園の現状を踏まえ「園目標の浸透・地域交流・保育内容の資質向上・保護者支援」を長期計画として掲げています。計画の実現を目指す平成29年度の事業計画は、項目ごとに決められた担当者が具体的な実行計画を策定しました。担当者は実施状況を把握し、3か月ごとに評価・反省を行い、職員会議で報告してみんなで話し合い、改善策を策定して取り組んでいます。議事録は全職員に回覧しています。また、中・長期計画、事業計画を玄関に掲示し、年度初めのクラス懇談会で保護者に説明しています。

3.職員が健康で楽しく子どもと向き合える職場づくり
園では、会議の効率化を図るために職員会議の前に各クラスの報告を書類にして事前に配付し、検討事項について十分話し合えるよう時間配分をしています。また、各クラス担当の保育業務を出し合い、時間内に行えるよう職員同士で声をかけ合い、配慮し合って残業を解消しています。行事前の製作も、園に在るものを再利用することで、職員の負担軽減と経費削減にもつながっています。さらに休憩時間を保障し、職員同士の団欒の場を大切にして、健康で楽しく保育ができる職場環境を作っています。

【特に改善や工夫などを期待したい点】
1.職員間で切磋琢磨し、さらなる保育の質の向上
園の方針の1つに「自主性を持つ保育。『こうしなければいけない』とか『一斉に』という考え方ではなく自主性を伸ばすにはと考える保育内容をみんなで考える」を掲げ、保育内容を保育士全体で考えるようにして保育にあたっています。成果は上がりつつありますが、園長が期待している「子どもたちが諸活動を通じ、達成感を得、自己肯定感を高める」までには至っていません。職員間で保育の場面での気付きを言葉にして話し合い、切磋琢磨して、さらなる保育の質の向上が期待されます。
 
2.地域子育て支援の取り組みの強化
 現在、子育て支援の一環として第2水曜日を身体測定と子育て相談日、第4水曜日を園庭開放日として、園のホームページと麻生区の「あさお子育てサポート保育園」便りに記載して、活用を呼び掛けていますが、参加者は多くありません。子育て世代が多い地域での支援ニーズを把握し、地域に開かれた保育園となることが期待されます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重

・職員は子どもをよく観察し、子どもがやりたい遊びを選んで遊べる環境を整えています。「いやだ」と拒否する子どもには、「あれとこれと どっちがいい」と選択させたり、「○○してから行こうね」など、子どもの意思を尊重して支援しています。

・性差に関しては、色や順番、発表会の衣装などで「男の子だから」「女の子だから」の固定観念を植え付けることなく、自由選択にしています。

・職員は子どもの尊重や基本的人権について、設置法人の研修と川崎市の研修で学び、園長は声の大きさや言葉遣い、羞恥心などに気をつけることを職員に周知しています。

・職員は虐待防止について、入社時研修・階層別研修・自由選択研修で学んでいます。登降園時の子どもと保護者の関わり方や衣服着脱時の観察などで虐待の早期発見に努め、兆候が見られた場合は、設置法人に相談し、川崎市北部児童相談所と連携を取る体制ができています。

・プライバシー保護については「保育園業務マニュアル」や「個人情報保護マニュアル」に明記されています。職員は入社時研修で基本姿勢や法令順守・守秘義務について学び、個人情報守秘義務遵守の誓約書を提出しています。

・個人情報を関係機関へ提供する場合には、事前に保護者に説明し同意を得ています。ホームページなどに子どもの写真を掲載することに関しては、入園時に保護者に説明し、書面で同意を得ています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供

・保護者参加の行事後にアンケートを実施し、園に対する意見・要望を把握しています。年2回、保護者への個人面談を実施し、結果は個人面談記録に残しています。課題があれば昼礼や職員会議で対策を検討し、内容を共有しています。子どもには遊びの後に感想を聞き、次の取り組みに反映しています。

・入園のご案内(重要事項説明書)に保育内容に関する苦情・相談・意見の窓
口として、設置法人本部、麻生区役所保健福祉センター、第三者委員など複数
有ることを明記し、保護者に配付しています。園内の玄関にも苦情受付担当者、
苦情解決責任者、第三者委員を掲示しています。

・子どもの目線に合わせた低い棚に、名前や写真を貼っておもちゃを置き、子どもが自分で取り出し、片付けができるようにしています。職員は子どもの遊ぶ様子をよく観察して、年齢や発達、季節に合わせておもちゃや絵本の入れ替えをしています。

・子どものやりたい思いを大切に、子どもがじっくり遊び込めることを大切に、計画には柔軟性を持たせています。作りかけの作品は、継続してできるように取り置きをしています。段ボールなどの空き箱を家から持ちより、自由に作品を作れる環境を用意しています。

・1、2歳児はリズム遊びで全身を動かして遊んだり、斜面や階段の上り下り、歩く距離を伸ばすなどに取り組んでいます。3、4歳児は椅子取りゲームやボールあてゲーム、たこ焼きゲームなど運動量の豊富な遊びに取り組んでいます。5歳児には一人なわ跳びやおおなわ、ドッジボールなどを用意し、子どもが好きな遊びを選んで体を動かすことができるようにしています。

・幼児クラスのパーテーションを一部開けて、異年齢児の交流の機会を日常的に持っています。子どもが友だちと玩具を貸し借りして協同して遊べるように、4、5歳児の玩具の購入に検討を重ね、コーナー遊びの環境づくりを進めています。

・乳児の「かみつき」や「ひっかき」については、ケガにつながらないように、迅速に対応しています。幼児のケンカでは職員があまり口を挟み過ぎないように気をつけ、子ども同士で解決できるように対応しています。

・給食は、その子に合わせて食べる量を調節し、完食の喜びを味わえるようにしています。また、野菜の栽培や月1回のクッキング保育、親子クッキング、ピクニックランチなどで、食材への関心と食べる楽しさを味わっています。

・SIDS(乳幼児突然死症候群)予防のために、うつ伏せ寝を禁止し、1、2歳児は10分おきに、呼吸チェックをして記録しています。5歳児は就学に向けて、11月から午睡をなくしています。

・子ども一人一人の排泄リズムにあわせて、トイレ誘導をしています。トイレットトレーニングは保護者の意向に考慮しながら、個別に対応しています。

3 サービスマネジメントシステムの確立

・入園前に「入園時家庭調査票」「児童票」「健康調査票」「お子さまの状況について」などの園所定の書類を提出してもらい、面談で利用者情報を把握し、「面談シート」に記録しています。入園後は、保護者から届け出を受けて追記しています。入園後の心身の発達状況は、1歳児は毎月、2歳児は2か月ごと、3歳以上児は3か月ごとに児童票に記録しています。

・幼児クラスは担任が指導計画を作成し、主任が確認しています。1、2歳児クラスは複数担任が話し合い、主任、園長のアドバイスを受けています。月1回の職員会議、昼礼、給食会議、乳児ミーティング、幼児ミーティングを持ち、子どもの様子、保護者の意向を踏まえて話し合い、指導計画に反映させています。必要に応じて調理職員、看護師のアドバイスを受けています。気になる子どもについては、設置法人の発達支援チームのアドバイスを受けています。

・子どもに関するサービスの実施状況は、1歳児は生活記録簿に、2歳児以上はクラスの保育日誌の「個別の記録欄」に記録しています。新卒職員は設置法人の「帳票類の書き方」研修に参加し、園では主任が書き方の指導を個別に行っています。

・「保育園業務マニュアル」には、園が行うサービスの基本や手順を明示し、衛生マニュアル、事故防止対応マニュアル、感染症対応マニュアルなどを項目別に制定しています。標準的な実施方法については、入社時研修や入社後の階層別研修で身につけるようになっています。

・園長は年間・月間・週案の各指導計画に記載された「ねらい・評価・反省欄」と保育日誌に記載された保育業務の実施状況を確認するとともに、保育現場に入ってアドバイスをしています。設置法人の内部監査で、避難訓練・健康診断・SIDS対応などが手続き通り実施されているかを確認しています。

・家庭と保育園の生活の連続性を重視し、1、2歳児は「連絡ノート」で、3歳児以上は「おたよりポスト」と口頭で、その日の様子を保護者に伝えています。

・園長は子どもの安全確保のため、毎日園舎内外の見回りを行い、事故防止に努めています。また、設置法人より毎日送られてくるアクシデントメール(他園の事故事例や情報)を昼礼で報告し、自園に置き換えて再発防止対策を検討しています。感染症の流行について区役所や設置法人と連携して予防対策を講じています。

・ケガや事故が発生した場合にはアクシデント・レポートを作成し、職員会議で要因分析の上、今後の対応策を策定して再発防止を図っています。クラスごとに「安全チェックリスト」を作成して、月1回チェックを行い、年齢ごとに起こる可能性のある事故防止に努め、職員一人一人の安全な保育環境の意識化を図っています。

・園内に消火器、火災報知器を設置し避難経路を掲示しています。保育室のロッカーや遊具の収納棚などには転倒防止策を講じています。園長をトップにした職員の災害発生時対応体制を定め、避難・消火・通報訓練を毎月実施し、消防署の助言を受けています。

4 地域との交流・連携

・園のホームページで、子どもたちの活動の様子をわかりやすく紹介しています。夏祭り、クリスマス会などの行事案内を園外に掲示しています。「あさお子育てサポートほいくえん」の便り「はばたけあさおっこ」に子育て支援に関する情報を掲載しています。麻生区のホームページに園情報を掲載しています。

・子育て支援の一環として第2水曜日を身体測定と子育て相談日、第4水曜日を園庭開放日として地域に向けて園の機能を提供しています。相談には園長や主任が対応しています。近くの老人ホームの餅つき大会には4、5歳児が参加し、交流を深めています。

・「ボランティア受け入れのガイドライン」を整備し、登録手続き、事前の説明などを行っています。園長、主任が対応し、プライバシーの尊重、守秘義務のほか、服装、言葉遣いなど必要な研修を実施しています。地域の中・高校生が保育補助として来ています。

・麻生区認可保育園園長会、幼保小園長校長連絡会に、園長が参加しています。年長交流には担任と次年度担任が参加しています。

5 運営上の透明性の確保と継続性

・理念・基本方針について入園時や運営委員会(保護者会)で説明するとともに、園だより、クラスだより、年度初めのクラス懇談会のレジュメに記載し、具体的に保育園生活にどう反映されているかを説明し、理解が深まるようにしています。

・平成29年度事業計画書は、平成29年度から3年間の中期計画の初年度として、@園目標の浸透 A地域交流 B保育内容の資質向上 C保護者支援の各課題項目につき、具体的行動内容を明記し、各行動ごとに年度の実行担当職員を決め、さらに数値目標を設定し、取り組んでいます。

・園長は設置法人制定の「職務分担について」に基づき、園長・職員の役割と業務分担について職員会議や昼礼で説明し、職務分担表は事務室に掲示しています。また、会議や園内研修において管理者としての考えを職員に伝え、園の代表として設置法人に意見を述べる立場であることを表明し、実践しています。

・設置法人では、毎年度の決算において、各園の経営状況を分析してコスト分析を行っています。園では設置法人からの節電率などの分析結果を受け、改善策を立案のうえ実施しています。園長は、理念の1つである「職員が楽しく働けること」の実現に向け、時間内に業務が終わるよう働きやすい環境整備に努めています。

6 職員の資質向上の促進

・設置法人の「保育士人材育成ビジョン」には職員の階層別、習熟度に応じた目標が明文化されています。職員は経験年数や習熟度により成長目標・研修目標・研修テーマを決め、上期・下期別に「個人別年間研修計画」を作成しています。研修受講後はレポートを提出し、職員会議などで報告しています。職員は上期・下期ごとに振り返りを行い、園長のアドバイスを受けて次期研修計画に反映しています。

・「実習生受け入れガイドライン」に基づきオリエンテーションを行い、園の方針・利用者への配慮・守秘義務などを説明して、育成プログラムに対応した実習生の受け入れを行っています。本年度は1名の実習生を受け入れています。

・就業規則には服務規律・倫理規律・守秘義務が記載され、個人情報保護マニュアルには法令順守、個人情報保護などが規定され、必要に応じ職員が確認できるように事務室に保管しています。設置法人にコンプライアンス委員会が設置されており、園長は内部通報制度について職員に周知しています。

・今年度、麻生区の系列保育園と合同でリズム研修を行いました。さらに、麻生区の保健師に依頼して「ケガに対する対処法」について学び、全職員で共通認識を持つことができました。

・超過勤務をなくすことを前提に、勤務時間内での書類の作成や書類の整理の時間を保障し、その時間帯は他の職員が保育を代行するシステムを作って、みんなで支え合っています。また、行事の準備においても、これまでに作った小道具や衣装などを再利用することで職員の負担軽減と費用の削減に努めています。さらに、アットホームな保育園を目指して、職員間の意思疎通を図る機会を重視し、休憩時間は休憩室でとることを奨励しています。

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