かながわ社会福祉サービス第三者評価推進機構

評価結果

未来倶楽部 宮前(介護付有料老人ホーム)

対象事業所名 未来倶楽部 宮前(介護付有料老人ホーム)
経営主体(法人等) 株式会社 未来設計
対象サービス 高齢分野 特定施設入居者生活介護
事業所住所等 〒 216 - 0015
宮前区菅生4-15-18 
tel:044-978-3015
設立年月日 2016(平成28)年11月01日
公表年月 2018(平成30)年08月 〜
使用評価項目 東京都版
評価機関名 株式会社 R−CORPORATION
総合評価(事業所の特色や努力、工夫していること、事業者が課題と考えていること等)
●事業者が大切にしている考え
1)接遇強化と施設環境保全
法人では、スローガンに「顧客満足度100%を目指す」を掲げ、接遇の強化に努めています。接遇の基本を、「気持ちの良い挨拶」、「さわやかな笑顔」、「適切な言葉遣い」に置き、全職員が同じ姿勢で接遇に努めると共に、生活環境の美化維持により、利用者一人一人に暮らしやすい環境を提供するよう努めています。職員一人一人のスキルの意識を高め、研修を強化すると共に日々の介護の場面、家族対応において、個々の職員の所作について職員間で気付いたことがあれば注意し合う体制を整えています。
2)サービス品質の向上
職員一人一人が接遇の基本を実践することに加え、提供するサービスの品質向上のために職員間のコミュニケーションの強化を図っています。各種会議、委員会を設け、担当者間での情報共有と理解を深め、併せて運営懇談会等を通じてご家族の理解と協力を求めています。組織体制として、全体会議、リーダー会議、ケアカンファレンス会議、サービス担当者会議の4つの会議を設けて縦横のつながりを強化して情報の共有化を図り、委員会では、感染症対策委員会、身体拘束廃止委員会、事故防止委員会、給食委員会の4委員会で各職種を横断して構成し、係として、排泄係、衛生係、レクリエーション係、記録係、環境整備係、3K1Y係の6つを設定しています。体制を通して同じベクトルを持ち、職員間のコミュニケーションを図り、情報の共有化で良質なサービスにつなげています。
3)コミュニケーションの強化(後述:近隣との交流)
4)徹底した健康管理の遂行(顧客に対して)
施設の命題は、施設環境作り、体制の整備に併せ、基本は利用者の健康です。利用者一人一人の健康な身体を維持できた上で施設での生活とし、未来倶楽部宮前では利用者の健康管理に最大限の手厚い体制を整えています。パンフレットにも「地域と共に歩み支える、医療・介護」を謳っており、24時間看護、各種医療処置、協力医療機関との連携等の体制を整備しています。利用者の健康管理については、主治医及び医療機関との連携強化により、一人一人の日々の健康管理を確実に遂行し、職員は委員会活動を通じて罹患を防止する活動を実践しています。
5)多様なアクティビティの提供(後述)
●職員に求めている人材像や役割
未来倶楽部宮前では「3K1Y」を掲げ、職員に周知徹底しています。3K1Yとは、
K:感謝:利用者に対し常に感謝の心を持ち続ける
K:感激:利用者と共に喜ぶ
K:感動:利用者と一緒に、同じ感動を感じる
Y:喜び:この会社で働ける喜び
毎朝、上記4項目を唱和し、職員の名札の裏に入れて携帯し、「3K1Y」を常に意識して仕事にあたっています。
●職員に期待すること
利用者に対して目配り、気配り、心配りができる職員を集め、教育して行きたい
利用者の小さな変化に気づき、対応できること
《特に良いと思う点》
1.多様なアクティビティの提供
未来倶楽部宮前では、日々のレクリエーションに限らず、ボランティアの招致や外出レクリエーションを様々に企画し、多様なアクティビティの提供を行うことで利用者の生活に活力を与え、毎日を楽しく過ごしてもらえるよう努めています。月1回はイベントを実施し、ご家族、地域の方等も招待し、各家族とのコミュニケーションも良好であり、運営懇談会への参加も含め、利用者、ご家族、職員共々、理解を深め合い、一緒に喜びを共有しています。また、高齢者と地域の子どもとの交流を企画し、蔵敷太鼓連の子どもたちが来訪しています。イベント、サークル活動は利用者の楽しみであり、利用者本人インタビューの中でも参加を楽しみにしている声が聞かれました。
2.サービス品質の向上
株式会社未来設計(以下、法人という)、未来倶楽部宮前において、サービス品質の向上は常に使命とし、至上命令を心得、提供するサービス品質の向上に向けて、法人で「マイスター研修」を導入して実施しています。マイスター研修では、階層別にフォローアップ研修、中堅職員研修、スキルアップ研修、マスター研修を受講し、「マイスター試験」の資格を取得し、各職員の資質向上を図る体制を構築しています。また、施設内研修では毎月、研修テーマを設定して実施し、マイスター研修と相乗して着実に業務に生かしています。介護付有料老人ホームにとって、職員の質の向上は最重要の命題であり、法人全社を挙げて取り組んでいます。施設長の「職員に持ってほしい使命」とする、利用者に対して目配り、気配り、心配りができ、小さな変化にも気付ける職員の育成が最重要課題として取り組んでいます。
3.近隣との交流
未来倶楽部宮前にとって、地域とのコミュニケーションは重要な課題であり、地域コミュニティでの高齢者施設の位置づけとしても、車の出入りや騒音、ゴミの問題等、地域周辺から苦情のない体制の構築が必要です。未来倶楽部宮前では、地域交流スペースを地域へ開放(音楽グループや、ミーティング等に貸出し)し、施設主催のイベントへの案内、演奏会等の招待等、地域に対して開かれた施設として積極的に取り組んでいます。同施設内には、複合型サービス(看護小規模多機能型居宅介護)「プレジール宮前」を併設し、登録利用者25名位を通じて地域ともつながりを持ち、今後も継続して地域との交流を深めていく予定です。
《さらなる期待がされる点》
1. さらなる入居促進活動
未来倶楽部宮前は、定員61名に対し、現在50名であり、開所2年未満の施設として入居率は順調です。さらなる入居促進活動として、法人、施設共に努力をしていますが、要因の1つには、様々な形態の介護施設が普及し、利用者・家族が理解できていない点や、特別養護老人ホームを始めとする高齢者の入所施設の数、価格、サービス内容等の差異・比較、ニーズに応じた相談ができる場所等、周知の不十分さも挙げられます。先ずは「介護付有料老人ホーム」自体の知名度を高め、介護付有料老人ホームならではの個々に応じたサービスのメリット等、業界全体で努力されることを望みます。

評価領域ごとの特筆事項
1 人権の尊重 ●パソコンソフトを導入してネットワーク化を構築し、アクセス制限を設定して安全性を確保することにより、情報の保護と業務の効率化を図っています。利用者の個人情報保護の観点から個人情報・PMSの認証を取得し、施設を示し、管理を徹底しています。パソコンソフト(ほのぼのソフト)のさらなる活用、展開を図り、効率化に期待しています。
●法人としてプライバシーの保護に関して適切に管理を実施しています。未来倶楽部宮前の居室は全室個室であり、個人のプライバシーは確保され、尊重しています。職員は、入室の際は必ずノックをして入室を行うよう徹底し、日常の支援では、個人の意思を尊重し、極力、排泄や入浴等、利用者個々の希望に沿って行うように個人の尊厳を尊重しています。接遇の勉強会を実施し、同業の不祥事を題材にして学び、研鑚を図っています。言葉遣いに関しては、その場で注意する体制を整え、職員間で意識できるようにしています。身体拘束廃止委員会では、プライバシー保護についてもチェックを実施しています。

2 意向の尊重と自立生活への支援に向けたサービス提供 ●サービスの開始にあたり、契約における説明を適切に行い、利用者から了解、納得を得ることを第1とし、生活相談員が施設での生活上の事項の確認を行い、入所前のアセスメントを実施することを第2の契約時での面接としています。契約後、初期段階では入所時にアセスメントに沿って項目ごとに注意深く確認し、利用者の生活のリズムを観察・把握し、アセスメントが適切であるか否かを見極め、特に、認知症の利用者の場合には注意深く確認しています。法人の「お客様相談室」では入所1か月後に利用者家族向けにアンケートを実施し、回収・集計を行い、施設で結果を受け、全職員に回覧して共有化を図り、改善を心がけています。未来倶楽部宮前ではサークル活動を充実させ、利用者の興味関心・希望のサークル活動かどうかも確認し、個々のアセスメントに沿って支援を行っています。中には、特別養護老人ホームや病院へ移行する場合等については、医師や看護師のサマリーをご家族の同意の上、情報として提供しています。開始初期については、利用者の前日の様子をご家族に電話もしくはEメールでお知らせをしています。
●ケアプランの作成にあたっては、介護支援専門員が素案を策定し、サービス担当者会議で検討を図り、作成しています。素案の策定では、利用者一人一人の記録、モニタリング、アセスメント等を勘案して行い、サービス担当者会議では、他職種の意見を聞いてケアプランに取り入れるようにしています。また、利用者本人の意向を大切にして反映させています。利用者によっては認知症の進行により、本人意向の把握に困難を要し、長期入所の場合等、ご家族からも利用者本人の状況変化等の把握ができない場合は、担当職員の意見を聞いて取り入れるようにする等、ケアプランを基に安定したケアの継続に努めています。
●入所前にケアマネージャー、主治医等で利用者本人及びご家族に面接し、入所前のアセスメントを実施しています。入所後は「ケアプランNO.」、と「実施」を合わせて記録し、ケアプランと対比して実施を確認し、支援しています。日常の確認の他に、機能訓練指導員(理学療法士等)によるリハビリ計画に沿い、常に情報を確認して必要な介助を行っています。医療に関しては、同様に医師と医療秘書が来訪し、利用者一人一人の健康管理状況を確認し、適切な健康管理が行われています。
●食事では、利用者個々の嗜好を把握し、献立に反映させています。また、利用者の状態に合わせて5段階の食形態で提供しています。食事は給食業者(セントラルキッチン)に依頼し、食物アレルギー等の食事情報を共有し、適切に食事を提供しています。食事は移乗できる方には必ず食卓の椅子に座って摂れるように支援しています。浴槽は、機械浴、一般浴を設備し、清拭も併用して週3回入浴してもらっています。同性介助の希望は入所前に聞き、極力対応するよう努めていますが、夜間や人手の少ない時間帯等は難しいケースもありますが説明をして納得してもらえるように努めています。毎朝、着替えを行い、本人の意向や興味関心事等をリラックスできる入浴時に聞くようにし、記録しています。また、重度の方は土曜日に重点的に入浴介助を行う等、工夫もしています。排泄ではオムツからリハパンに移行できるよう努力しています。整容については、持参されている洋服への着替えを促し、洋服を選ぶ行為を楽しみにつなげられるよう努めています。男性では特に、朝の髭剃りができていない時は声かけをするようにして促しています。
●未来倶楽部宮前では、24時間、365日対応のオンコール体制(医師及び施設の看護師)が確立しています。毎週金曜日に医師が往診し、第1、第3は2階フロア、第2、第4は1階フロアの利用者を診察しています。体調に変化があった場合は、「インフォームドコンセント」を実施し、ご家族に医師から説明しています。与薬が必要な利用者については、看護師が与薬確認記録に記録し、与薬時には看護師が責任を持って薬の名前・内容、・利用者名を口頭確認してから与薬を行っています。
●機能訓練等については、利用者個々の身体機能の状況に応じたリハビリ計画を策定しています。リハビリ計画は、機能訓練指導員(理学療法士)が立案し、食堂兼機能訓練室、2階の作業療法スペース等で機能訓練を実施しています。生活リハビリもケアプランに組み込み、介護士が中心となって行い、初期時の車椅子からの移乗、車椅子の自走等も組み込んでいます。車椅子は利用者本人の体と機能に合ったタイプへの変更等、一人一人に合った福祉用具を選定して支援しています。個人専用の福祉用具は購入またはリースとし、利用者負担になっています。車椅子の空気圧の確認や福祉用具の点検については、ケアマネージャー、機能訓練指導員、看護師に評価してもらい、他に歩行器、エアマット、ベッド等も調整しています。
●利用者とご家族の連携窓口は、生活相談員3名を配置して相談の窓口とし、重要事項説明書に明示しています。施設長も相談の対応を行っています。年2回運営委員会を開催し、ご家族に案内して参加を促し、施設への意見、施設の理解をしてもらう機会にしています。病院に通院することになった場合は、ご家族に必ず相談し、了承の下、病院に同行しています。

3 サービスマネジメントシステムの確立 ●利用者の意向反映、苦情等について、重要事項説明書に苦情解決の体制(相談窓口、責任者、連絡先、第三者機関の連絡先等)を明示し、契約時に苦情連絡先等の説明を行い、直接苦情を申し立てることができる旨を知らせています。また、玄関先に意見箱を設置し、利用者の意向、要望が言える体制を整え、利用者等の意見、要望等を把握し、サービスの向上につなげています。年2回、運営懇談会を開催し、全家族に参加を促し、利用者、家族の意見を聴く機会を設け、運営に反映させるよう努め、意見等から施設全体に係る問題、課題については法人と情報共有を図り、速やかな解決に努めています。さらに、地域の福祉ニーズや福祉事業全体の動向の収集は、運営懇談会、川崎市主催の研修会や集団指導、法人系列施設等から入手して分析し、ニーズを把握し、全職員及び施設全体で取り組んでいます。
●市場・地域のニーズに沿って法人において施設展開を図り、施設展開及び運営については中・長期計画を策定し、計画に基づいて施設で年度の事業計画を作成して事業展開を図っています。未来倶楽部宮前では利用者の安心、安全を第一とした施設運営を徹底し、各委員会を設置し、事故報告書、ヒヤリハットを通して振り返りを行い、事故防止に努めています。各委員会や会議では年間目標を定め、施設全体で統一した取り組みを行っています。
業務の標準化を図るために、未来倶楽部宮前では「顧客対応」、「接遇」に重点を置き、各種マニュアルの整備、充実を図り、均質なサービスに取り組んでいます。マニュアルの見直し、改変については東西の各エリア会議、全体の施設長会議で行われ、介護保険法の大幅改定に伴い、マニュアル類の見直しを実施しています。現在、施設内のサービス担当者会議やケア会議で人員の配置、ケアプラン、食堂の配置等、詳細を検討し、対応していきます。職員の業務水準を一定レベル以上に保つ取り組みとして、全体会議、ケア会議に加え、ケアマネージャー及び介護主任(副主任が長のところは副主任)、看護師がOJTで助言、指導できる体制の構築に取り組み、職員教育については、机上の「研修」ではなく互いに教え合える体制作りに尽力しています。

4 地域との交流・連携 ●地域交流スペースを開放し、地域の音楽サークルの練習場に提供したり、地域のサークル等に貸し出し、カームメディカルクリニック広尾の協力を得た認知症セミナーの開催を行う等、専門性の機能を生かし、地域に対する福祉の普及と交流に努めています。.ボランティアを受け入れ、企画を計画し、積極的に活用を進めています。ボランティアのためのレジュメ、手引書を整え、事前にオリエンテーションを行い、個人情報等の説明をして誓約書を交わし、実施しています。
●地域とのネットワークの構築に努め、地区の社会福祉協議会、地域の自治会と連携し、施設のイベントを地域と共同で行い、地域と共に楽しむ機会を設けています。和太鼓のボランティアが来訪した際は地域の方も招待して一緒に楽しんでいます。宮前区役所、警察、消防署等とも協調を図っています。地域における施設の役割を自覚し、積極的に取り組んでいます。
●地域の情報、ニーズについて、施設併設の看護小規模多機能型居宅介護「プレジール宮前」は宿泊室5室を保有し、地域の方の出入りがあり、地域の福祉ニーズや福祉事業全体の動向について地域の情報を聞き、情報を収集・分析し、施設全体で取り組む体制を構築しています。また、川崎市主催の指導講習会等から地域・事業環境の情報を把握し、運営に生かしています。

5 運営上の透明性の確保と継続性 ●法人として、平成28年に住宅型有料老人ホームから特定施設入居者生活介護へ類型変更し、目的に沿った展開の実現に取り組んでいます。経営層(運営管理者含む)は、特定施設入居者生活介護の自らの役割と責任を職員に対して表明し、事業所をリードしています。施設長は、役割と責任を自覚し、自ら「接遇」を職員に率先垂範し、日常のケアにおいて身体拘束にあたらないかを常に考え、リーダーシップを発揮しています。
●基本的に、施設の運営は施設長に権限を委譲しています。経営層は目標を設定し、目標管理による運営を実施し、重要な案件については、経営者は施設長会議にて討議し、考え方を施設長に伝え、施設内の会議で全職員に周知しています。
●新人の入職者には接遇改善を十分時間をかけ、教育を徹底するようにしています。個人情報に関して、施設に個人情報・PMS認証書を掲示し、個人情報保護に対する姿勢を示しています。職員には定期的に個人情報に関するテストを実施し、職員は再認識しています。

6 職員の資質向上の促進 ●施設の必要な人材要員、人材構成に尽力し、派遣会社とも契約し、派遣職員(紹介)を活用し、職員数の確保とケアの充実に取り組んでいます。介護系職員、看護系職員、サポート職員に分け、施設間の異動を行い、介護技術品質の均一化を図っています。
●法人で、経験年数、職種分野別、階層別に研修制度が整備され、法人から個人別に指名を受けて参加し、職員一人一人のレベルアップに努め、組織力の発揮に取り組んでいます。
●介護に関して、基本的に個人の判断で責任を持って行う体制ですが、指示系統を介護主任とし、職員で判断がつかない場合は介護主任に相談する体制を整備しています。3K1Y(感謝、感激、感動、喜び)の実践については施設長が率先して推進を図り、組織力を高めています。.職員の質の向上に向け、法人本部で、「マイスター研修」、研修計画を策定し、毎月、テーマを設けて施設内研修も実施する人事考課と連動して等、職員の資質・技術向上、レベルアップに努めています。
●常時勤務職員、派遣職員の有機的な活用により、従事する職員が組織的に活動できる組織体制を構築し、連携を図れるよう組織化しています。

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